テーマの概要
社会的養護の質向上と経験者の自立支援を推進する取り組みが議論されています。
社会的養護の質の向上と社会的養護経験者等の自立支援は、児童福祉施策の中核的な課題の一つです。社会的養護とは、保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的な責任のもとで社会全体で養育・支援する仕組みであり、施設養護や里親委託などが含まれます。本テーマでは、こうした社会的養護のもとで育った子どもたちへの支援の質を高めること、また施設や里親家庭を離れた後の社会的養護経験者が自立した生活を送れるよう継続的に支援することが議論されています。国会の場では、こども家庭センターの設置・機能強化や児童相談所の体制整備と並行して、ヤングケアラー支援、一人親家庭支援、子どもの貧困対策といった周辺施策と一体的に取り組む方向性が示されています。社会的養護経験者は進学・就労・住居など多方面での困難を抱えやすいとされており、退所後の自立支援の充実が重要な政策課題として位置づけられています。
背景・現状の問題点
AIによる解説社会的養護とは、保護者のない児童や、虐待・貧困・家庭崩壊等の理由により保護者による養育が困難な児童を、公的な責任のもとで社会全体で養育・保護する仕組みです。具体的には、児童養護施設や乳児院などの施設養護と、里親・ファミリーホームへの委託(家庭的養護)が主な形態として存在します。 日本では長年にわたり施設養護中心の体制が続いてきましたが、国連子どもの権利委員会からの勧告や国際的な知見を踏まえ、近年は家庭的養護・里親委託の推進が政策的に重視されています。厚生労働省の調査によれば、里親等委託率は上昇傾向にあるものの、依然として施設入所が多数を占めており、欧米諸国と比較した際の格差が課題として指摘されています。 社会的養護のもとで育った子どもたちは、18歳(状況によっては22歳まで延長可能)になると施設や里親家庭を退所しなければなりません。しかし退所後は、住居・就労・経済的基盤・人間関係のいずれについても十分なサポートが乏しく、社会的孤立や生活困窮に陥るリスクが高いとされています。進学率や就労継続率においても一般の若者と比較して低い水準にとどまっているとの調査結果も報告されています。 こうした背景から、支援の質の向上および退所後の自立支援の充実が重要な政策課題として認識されており、こども家庭センターの機能強化や児童相談所の体制整備と合わせて、包括的な支援体制の構築が求められています。
