テーマの概要
裁量労働制の要件緩和に際し、実労働時間超過と労使間の力の非対称性が問題となっています。
裁量労働制の要件緩和と実労働時間をめぐる議論は、労働者の自律的な働き方を拡大する制度設計の妥当性と、実際の労働実態との乖離に関する論点を中心に展開されています。裁量労働制は、業務の遂行方法や時間配分を労働者自身が決定できる制度であり、「みなし労働時間」によって実際の勤務時間とは切り離して賃金が算定されます。政府・使用者側はこの制度の対象業務を拡大し、適用要件を緩和することで多様な働き方を推進しようとしています。一方、実態調査では裁量労働制適用者の平均実労働時間がみなし時間を上回るケースが報告されており、制度の拡大に慎重な立場からは、労使間の力関係の非対称性が問題視されています。特に、使用者側が優位な職場環境において、労働者が制度適用に対して実質的に同意を強いられる「同意の形骸化」が懸念されています。制度の拡大・要件緩和を進める前に、現行制度の実態をより詳細に分析し、適切な規制や歯止め措置を講じるべきとの意見が示されています。
