テーマの概要
地震大国日本でのCCS事業の安全性と住民の地域理解が問われています。
CO2の海底貯留(CCS)事業は、気候変動対策の一環として二酸化炭素を地中や海底に封じ込める技術です。日本では脱炭素社会の実現に向けた重要な施策として検討・推進が進められていますが、日本が世界有数の地震大国であるという地理的・地質的特性から、その安全性に対する懸念が提起されています。特に南海トラフ巨大地震など大規模地震の発生リスクが政府のシミュレーションでも指摘されている中、CO2貯留層が地震によって損傷し、貯留されたCO2が漏出する危険性について疑問が呈されています。こうした安全性への懸念は、事業の実施予定地域の住民が十分に納得できるかどうかという地域理解の問題とも密接に結びついています。政府や事業者側が「安全である」と説明するだけでは住民の理解を得ることは難しく、地震リスクを含む安全性の根拠を丁寧に説明し、地域住民との合意形成を図ることが求められています。CCS事業の推進と地域の安全・安心の確保をいかに両立させるかが、現在の重要な論点となっています。
