テーマの概要
遠隔販売の受渡し店舗における陳列・広告が販売機能にあたるかが問われています。
一般用医薬品の遠隔販売(いわゆるネット販売等)において、受渡し店舗での陳列・広告行為が販売機能の一部とみなされるかどうかという論点を巡り、消費者保護の観点から省令等での規制の明確化が求められています。具体的には、医薬品を購入する意図を持たずに受渡し店舗を訪れた消費者が、店頭での商品陳列を目にすることで購入動機を生じさせられる可能性が指摘されており、こうした陳列・広告行為が遠隔販売の枠組みを逸脱した対面販売機能の付与にあたるのではないかという問題意識が示されています。遠隔販売における規制の範囲と、受渡し拠点に許容される行為の境界線をどのように定めるかが、消費者保護政策上の課題となっています。
背景・現状の問題点
AIによる解説一般用医薬品のインターネット販売は、2013年の薬事法改正(医薬品医療機器等法)により大幅に規制が緩和され、第1類・第2類・第3類のほぼ全品目がオンラインで購入可能となりました。その後、受渡し拠点(いわゆるクリックアンドコレクト型の店舗受取サービス等)を活用した販売形態が普及しつつあります。こうした遠隔販売モデルでは、消費者がオンラインで注文した医薬品を実店舗で受け取る際、店頭に陳列された医薬品を目にする機会が生じます。購入意図を持たずに来店した消費者がその陳列によって購入動機を喚起される場合、遠隔販売の枠組みを超えた対面販売機能が実質的に付与されているとみなせるかどうかが問題となっています。一般用医薬品は市販薬とはいえ、用法用量の誤りや禁忌への無理解による健康被害が生じるリスクがあり、対面販売には薬剤師等による情報提供・相談応需の義務が法令上課せられています。遠隔販売と受渡し拠点の陳列行為が組み合わさることで、こうした対面販売における消費者保護の仕組みが形骸化するおそれがあるとして、規制の明確化を求める声が高まっています。省令レベルでの具体的な行為基準が整備されていない現状では、事業者間で対応にばらつきが生じており、行政による解釈の統一と制度的担保が課題となっています。
