テーマの概要
悪質な輸入禁止品持込み者への入国拒否を可能とする入管法改正の是非が問われています。
本テーマは、輸入禁止品(主に畜産物)を悪質な形で持ち込もうとする者に対し、入国拒否(上陸拒否)という措置を法的に可能とするための枠組みをどのように整備すべきか、という論点を巡る議論です。現行の出入国管理及び難民認定法(入管法)では、輸入禁止品の持込みを理由とした上陸拒否は必ずしも明確に規定されておらず、悪質な違反者に対して実効的な対応が取りにくい状況があります。一方で、持込みの量が多い場合や繰り返し違法な持込みを試みて摘発されるような悪質なケースに限って入国を拒否すべきとの主張があり、入管法の改正を求める意見が提起されています。これに対し、上陸拒否という処分は当事者に対して極めて重大な影響を与えるものであるため、輸入禁止品の持込みがあったという事実のみをもって一律に上陸拒否の対象とすることには慎重であるべきとの立場も示されています。このテーマは、農林水産物の検疫・防疫上の安全確保と、個人の入国に関する権利・手続き的公正とのバランスをどのように取るかという点で、農林水産行政と入国管理行政の両面にまたがる複合的な課題となっています。
