テーマの概要
全自治体での里親広報義務化と家庭養育推進ネットワーク構築が議論されています。
本テーマは、日本全国における里親等委託の推進と、それを支える家庭養育推進ネットワークの構築を巡る議論です。少子化や家庭環境の多様化が進む中、施設養護に偏りがちであった社会的養育の在り方を見直し、より家庭的な環境での養育を促進することが求められています。議論では、1,700を超える全ての自治体が里親に関する情報提供・広報活動を責務として取り組む必要性が指摘されており、国・自治体・民間・地域が一体となった連携体制の整備が求められています。政府側は令和8年度予算案において、国による効果的な広報啓発のための経費や、各自治体で関係機関が連携・協働するための家庭養育推進ネットワーク構築に必要な予算を計上し、取組を強化する方針を示しています。里親等委託の目標達成に向けて、行政と民間・地域の協働による推進体制の確立が重要な課題となっています。
背景・現状の問題点
AIによる解説日本では長年、保護者のない子どもや家庭での養育が困難な子どもの養育を施設に委ねる「施設養護」が中心でした。しかし、国連子どもの権利委員会からの勧告や、平成28年の児童福祉法改正により、子どもが家庭的な環境で養育される権利が明確化され、里親等による「家庭養育」への転換が国の方針として位置づけられました。厚生労働省は平成29年に策定した「新しい社会的養育ビジョン」において、乳幼児の里親等委託率を概ね5年以内に75%以上とする目標を掲げましたが、実際の委託率は依然として低水準にとどまっています。里親の認知度不足、里親のなり手の確保難、委託後の支援体制の不備などが課題として指摘されています。また、里親支援に関わる業務は都道府県・政令市・児童相談所設置市に集中しており、市区町村レベルでの関与が十分でない状況があります。少子化が進む中でも要保護児童数は高止まりしており、社会的養育の担い手としての里親の役割は一層重要性を増しています。国・自治体・民間・地域が一体となって里親委託を推進する体制の整備が急務となっています。
争点(対立軸)
全自治体への里親広報の責務化
1,700を超える全自治体が里親に関する情報提供・広報を責務として取り組むべきかどうかが論点となっています。発言者は全自治体での取組を必要と主張しており、国としての義務付けや推進の在り方が問われています。
民間・地域連携の位置づけ
里親推進において民間団体や地域との連携が不可欠とされる一方、家庭養育推進ネットワークの構築を通じてどのように関係機関の協働を実現するかが論点となっています。国・自治体・民間の役割分担と連携の枠組みが議論されています。
