テーマの概要
国際海峡での通過通航制度下における課徴金賦課の国際法上の違法性が問われています。
このテーマは、国際海峡における「通過通航制度」の下で、沿岸国が外国船舶に対して課徴金を課すことが国際法上許容されるかどうかを巡る論点です。通過通航制度は、国連海洋法条約(UNCLOS)に基づき、公海と公海(または排他的経済水域)とを結ぶ国際海峡において、外国船舶・航空機が妨害されることなく通航する権利を保障するものです。今回の議論では、米国が何らかの形で通航船舶から利益または課徴金類似の負担を求める動きに対し、日本政府が国際法上の立場を明確にしています。政府側(岩本桂一)は、通過通航制度が適用される国際海峡において、通航のみを理由として外国船舶に課徴金を課すことは国際法上認められないと一貫して主張しています。また、議員側(近藤和也)は、課徴金という名目でなくとも、米国が通航船舶から何らかの利益を得ることは課徴金と同類の国際法違反に当たると指摘しており、形式を変えた課徴金的措置も違法であるとの認識を示しています。この議論は、国際海峡の自由通航という国際法の基本原則と、沿岸国・通航国の権利義務関係、さらには米国の動向が国際法秩序に与える影響という観点から、重要な外交・安全保障上の争点となっています。
