テーマの概要
参議院を全国民の代表とするか地域代表機関とするかを巡り議論が続いています。
参議院の役割・性格の位置づけに関する論点は、参議院議員が「全国民の代表」であるという憲法上の原則(憲法43条)と、都道府県単位の選挙区制度に基づく「地域代表的性格」をどのように整合させるかという問題を中心に展開されています。具体的には、参議院選挙区の「合区」問題を契機として、選挙区の広域化が地域の声を国政に届ける機能を損なうのではないかという懸念が高まりました。これに対し、参議院に地域代表的性格を憲法上明記すべきという意見や、全国民代表の原則を堅持しつつ制度設計の工夫で地域の実情に目配りすべきという意見、さらには参議院の基本的機能(衆議院のダブルチェック機関か地方自治体の代表機関か)を先に明確化すべきという意見が対立しています。また、将来的な道州制導入を見据えて参議院を広域自治体の代表機関として位置づけ直すべきとの主張もあり、地方分権の進展と参議院の在り方を一体的に論じる議論も見られます。投票価値の平等という司法審査上の要請と地域代表性の確保という政策的要請をいかに調和させるかが、制度設計上の核心的な課題となっています。
