テーマの概要
防衛費を建設国債の発行対象とするよう財政法を改正すべきか争われています。
防衛費の建設国債対象化とは、財政法第4条に基づく公共事業等への建設国債の発行対象に、防衛関連費用を含める形で同条を改正し、防衛費を国債で賄うことを可能にするか否かをめぐる論点です。現行の財政法第4条は、公共事業費・出資金・貸付金に限り建設国債の発行を認めており、防衛費は原則として国債による調達が禁じられています。この制約を見直し、防衛費全般を国債発行の対象とすべきとする意見がある一方、戦前・戦中における軍事国債の乱発が財政悪化を招いた歴史的教訓から、同様の手法は繰り返すべきでないとする強い反対意見も存在します。近年の安全保障環境の変化に伴う防衛費増額の議論を背景に、その財源をいかに確保するかという財政上の問題として国会においても取り上げられており、財政規律と防衛力整備のバランスをどう図るかが問われています。
背景・現状の問題点
AIによる解説日本の財政法第4条は、公共事業費・出資金・貸付金に限り建設国債の発行を認めており、防衛費は原則として国債による調達が禁じられています。この規定は、戦前・戦中における軍事国債の乱発が超インフレや財政破綻を招いた歴史的反省を踏まえ、1947年に設けられたものです。近年、北朝鮮の核・ミサイル開発の進展、中国の軍事力増強、ロシアによるウクライナ侵攻など、安全保障環境が急速に変化するなか、日本政府は2022年末に防衛費をGDP比2%程度に引き上げる方針を決定しました。この大幅な防衛費増額に伴い、その財源をどのように確保するかが重要な政策課題となっています。政府は増税や歳出改革、既存の剰余金活用などを財源として示していますが、財源確保の難しさから、建設国債の対象に防衛費を加える財政法改正を求める意見も浮上しています。一方で、防衛費を国債で賄うことは、将来世代への負債転嫁や財政規律の弛緩につながるとの批判も根強く、財政健全化と防衛力整備の両立をいかに図るかが国会でも問われています。
