テーマの概要
コスト削減依存の経済構造から賃金・価格転嫁による成長型経済への移行が論じられています。
コストカット型経済から成長型経済への転換とは、企業がコスト削減によって収益を確保してきた従来の経済構造から脱却し、賃金上昇や価格転嫁を通じて成長を実現する経済モデルへの移行を指します。日本では長期にわたるデフレ経済のもと、企業は人件費や仕入れコストの削減によって利益を確保する傾向が続いてきました。この構造からの脱却に向け、政府は2013年以降の大規模金融緩和や各種政策を通じて経済への刺激を図ってきました。議論では、賃金転嫁が徐々に定着しつつあるとの肯定的評価がある一方、エネルギー補助金などコスト側への財政支援がかえってコストカット型経済を温存しているとの批判も提起されています。賃金と物価が共に上昇するメカニズムの復活については日本銀行も認識を共有していますが、政策の整合性や転換の実効性については引き続き論点となっています。
