テーマの概要
農地集約と担い手確保の推進と、中小農家との両立をめぐる議論です。
農地の集約化と受皿となる担い手の確保は、日本の農業政策における中心的な課題の一つです。農業経営の効率化・大規模化を進めるためには、分散している農地を集約し、それを引き受けられる担い手(農業者・農業法人等)を確保することが不可欠とされています。国会では、地域計画に基づく農地集約の取組を政府が支援する立場が示される一方、現場では農地集約が思うように進まないという実態も指摘されています。農業近代化資金等の金融支援を通じて担い手の規模拡大や農産物の付加価値向上を後押しする施策が検討・実施されています。また、大規模化を推進する方針を進める中で、中小農家との共存・両立をどのように図るかも議論の焦点となっています。推進体制の整備が十分でないとする現場の声もあり、政策の実効性をいかに高めるかが問われています。
背景・現状の問題点
AIによる解説日本の農業は、農業従事者の高齢化と後継者不足により、担い手の減少が深刻な問題となっています。2020年の農業センサスによれば、農業経営体数は年々減少し、農業従事者の平均年齢は67歳を超えています。こうした状況の中、耕作放棄地の増加が全国各地で進んでおり、農地の有効活用が喫緊の課題となっています。また、日本の農地は歴史的経緯から細分化・分散化が進んでおり、1経営体当たりの農地面積はEUや北米と比較して著しく小さく、農業経営の効率化を妨げる要因となっています。政府は農業競争力の強化を目的として、農地中間管理機構(農地バンク)を活用した農地集約化を推進し、大規模・効率的な農業経営の実現を目指しています。しかしながら、現場では農地の出し手と受け手のマッチングが難航するケースも多く、集約化の実績は目標に届いていない地域も存在します。さらに、大規模化を推進する方針が中小農家の経営に与える影響も懸念されており、農業の多様な担い手をいかに確保・育成しながら農地を有効活用するかが、農業政策の中心的な課題となっています。
