テーマの概要
CPTPPの高水準維持と締約国拡大を通じ、自由貿易体制で日本が主導的役割を担う方針が示されています。
CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)の維持強化と締約国拡大を巡る議論です。国会審議において、日本政府はCPTPPの高い水準を維持しながら、戦略的観点から締約国のさらなる拡大に努める方針を明確に示しています。具体的には、協定改正交渉を進めるとともに、EUやASEANとの対話を通じて連携を深め、ルールに基づく自由貿易体制の維持強化において日本が主導的な役割を果たすことを目指しています。本テーマは、自由貿易体制の堅持と地政学的戦略の両面から重要な意義を持つ政策課題として位置づけられています。
背景・現状の問題点
AIによる解説CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)は、2018年12月に発効した多国間自由貿易協定であり、日本、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイ、メキシコ、チリ、ペルーの11カ国が締約国です。2023年にはイギリスが加入し、12カ国体制となりました。CPTPPは関税撤廃・削減にとどまらず、投資、知的財産、電子商取引、労働・環境基準など幅広い分野における高水準のルールを定めており、既存の自由貿易協定の中でも特に包括的な内容を持ちます。 近年、米中対立の激化や保護主義的な通商政策の台頭を背景に、ルールに基づく多国間自由貿易体制が揺らいでいます。米国はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)から2017年に離脱しており、CPTPPへの復帰は実現していません。一方で中国や台湾、エクアドル、コスタリカ、ウルグアイなど複数の国・地域が加入申請または関心を示しており、誰を、どのような条件で受け入れるかが重要な戦略的判断となっています。日本はCPTPPの最大経済規模を持つ締約国として、協定の運営において主導的な立場を担っており、高い水準を維持しながら戦略的な拡大を推進することが求められています。地政学的な観点からも、インド太平洋地域における自由で開かれた経済秩序の形成において、CPTPPの役割は一層重要性を増しています。
