テーマの概要
教科書検定の透明性・公平性と多角的歴史観確保を巡る論点です。
教科書検定制度における透明性と多角的視点の確保は、国の教育内容に直接関わる重要な制度運用上の問題です。教科書検定は文部科学省が設置する教科書検定審議会において専門的・学術的な審議を経て行われており、政治的・行政的意図が介入しない仕組みとされています。しかし、出版者が検定合格を目指す過程で、リスク回避的な表現へ自主的に修正するいわゆる「萎縮傾向」が生じているのではないかという懸念も示されています。制度の透明性については、文部科学省が平成3年度から前年度の検定関係資料(検定意見書・調査意見書・修正表等)を広く公開することで担保を図っています。また、2014年の検定基準改正により特定の見解が「圧倒」されないよう制度的な手当てがなされましたが、特に近代史・第二次世界大戦に関する歴史教育において、特定の歴史観が植え付けられていると感じる国民が存在するとの指摘もあり、多角的視点の確保が実質的に達成されているかどうかについては引き続き議論が続いています。
