テーマの概要
首都機能麻痺を招く災害リスクを二災害に限定する現行方針の妥当性が問われています。
本テーマは、首都機能の移転・バックアップを検討する文脈において、首都直下地震と富士山噴火の二つの災害のみを政策上の想定対象とする現行方針の妥当性を巡る議論です。国会では、南海トラフ地震や感染症(パンデミック)、テロ、河川災害など、首都機能を麻痺させ得る他のリスクが法律・政令上の根拠に明記されていない点について、野党・与党双方の議員から問題提起がなされています。政府側は、南海トラフ地震は現行想定では首都中枢機能の維持を困難にするとは見込まれておらず、首都が引き続き災害対応の中枢を担えるとの立場を示しています。一方、批判的な立場からは、特定の二災害に限定することの科学的根拠が不十分であり、地盤・地形の強固さ・津波・高潮リスクといった科学的指標を法令に明記すべきとの主張や、パンデミック・テロ・河川災害等も首都機能麻痺をもたらし得るにもかかわらず議論の範囲が狭すぎるとの批判が示されています。首都機能のバックアップ体制をいかなる災害リスクを前提として設計するかという、国土・交通政策の根幹に関わる論点です。
