議事録データ出典: 国会会議録検索システム(国立国会図書館)に掲載されている公式議事録を使用しています。
本会議では、沖縄及び北方問題に関する諸課題が議論されました。経済・財政分野では、市村浩一郎委員が伊江島のLNG冷熱を活用した農産品加工実証事業や沖縄の鉄軌道・地下鉄整備の長期計画を提案し、高村正大委員はゲートウェー2050プロジェクツによる民間主導の成長戦略や那覇空港の機能強化について質問しました。外交・安全保障分野では、村木汀委員が北方墓参・ビザなし渡航再開に向けたロシアとの交渉、北方領土問題への若年層の関心低下を踏まえた教育・啓発活動、日ロ漁業交渉について質問し、田口精一郎政府参考人及び柿沼忠秋政府参考人が答弁しました。教育・科学技術分野では、名護市辺野古沖の抗議船転覆死亡事故を踏まえた平和学習の在り方や修学旅行の航空運賃負担軽減が取り上げられ、社会保障分野では沖縄の子供の貧困対策とNPOとの連携強化が議論されました。これらに対し黄川田仁志大臣が各分野について答弁しました。
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全10テーマ ・ 紐づく質疑10件
LNG冷熱を活用した伊江島の農産品加工実証事業による産業振興
しかし、だからこそ、大臣始め、委員長も御地元ですし、是非ともみんなで応援してこれをやって、これは本当に、捨てている熱を利用するという。
この事業は、沖縄県内におけるエネルギー供給を目指しているほか、将来的には農産品の高付加価値化など産業振興にもつながる可能性を持っているものであり、私としても期待しているところでございます。
本テーマでは、ゲートウェー2050プロジェクツによる沖縄の民間主導成長戦略への支援が論点となりました。高村正大委員は、5月28日に公表された同プロジェクツが県民所得の倍増を目標としていることを説明し、地元経済界が2026年度中に百億円規模のファンドを設立し、2050年には最大550億円規模へ拡大する予定であることを紹介した上で、民間主導の成長戦略を評価し支援方針について質問しました。市村委員は、沖縄発の産業振興の例として伊江島の取組をゲートウェー2050と関連づけて言及しました。これに対し黄川田仁志大臣は、同プロジェクツが地域未来戦略の方向性と合致し沖縄振興に資するものであると評価し、関係省庁と連携して支援していく考えを示しました。
本テーマでは、北方墓参及びビザなし渡航再開に向けたロシアとの交渉状況が議論されました。村木汀委員は、元島民の高齢化を踏まえ、人道的配慮として交渉再開を強く要望する立場(スコア0.85)から、四島交流等事業の再開状況について質問し、自身の学生時代のビザなし交流事業参加経験を紹介しながら交流継続の意義を強調しました。これに対し田口精一郎政府参考人は、北方墓参再開を人道的問題と位置づけ、粘り強い交渉継続を表明する立場(スコア0.75)から、四島交流等事業の再開は日ロ関係の最優先事項の一つであり、粘り強く求めていくと答弁しました。あわせて、ロシア側はウクライナ侵略を理由に日本側へ責任転嫁する姿勢を示しており、事態打開には至っていないことが説明されました。
本テーマでは、若年層の北方領土問題への関心低下を踏まえた教育・啓発活動の現状と強化策が議論されました。村木汀委員はこの関心低下に危機感を示し、教育・啓発活動の現状と強化策について政府に質問しました(賛成、スコア0.90)。これに対し黄川田仁志大臣は、政府広報動画(千島連盟松本理事長出演)をSNSで配信し、再生回数が約944万回に達したことを説明したほか、「えとぴりか」号を用いた富山県の子供を対象とする青少年合宿研修を7月に実施予定であることを述べました。また、隣接地域への修学旅行誘致やICTを活用した学習教材の周知など、若年層への働きかけを重点的に実施していると説明しました(賛成、スコア0.90)。黄川田大臣は若年層への関心喚起と理解促進の重要性を明確に主張し、これらの施策を推進する姿勢を示しました。
名護市辺野古沖で発生した抗議船転覆死亡事故を踏まえ、平和学習の在り方について議論が行われました。高村正大委員は、黄川田仁志大臣が事故現場を訪問した際の所感を質問し、子供を抗議活動に巻き込み犠牲を出したことを批判し、あってはならないとの立場を示しました(スコア0.20)。黄川田仁志大臣は、調査・告発報告を受けた後のタイミングで事故現場を訪問して献花し、抗議船に学生が乗船し命が失われたことに強い憤りと悲しみを表明しました。大臣は抗議船を用いた平和学習に強い違和感を示し、見直しに肯定的な立場を取りました(スコア0.10)。また大臣は、対馬丸記念館など沖縄の平和学習施設の充実に向けた展示等の取組を進める意向を示しました。
本テーマでは、日ロ漁業交渉が未妥結の場合に想定される拿捕リスクを踏まえた政府の対応方針について、村木委員が質問しました。これに対し柿沼忠秋政府参考人は、サケ・マス漁業交渉は本年3月に妥結し4~6月に道東沖で操業が実施されたこと、貝殻島昆布交渉は4月に妥結し6月1日から9月まで操業が予定されていること、日ロ地先漁業交渉は2年連続で越年した末6月19日に妥結しマダラ等の操業が予定されていることを説明しました。また、北方四島周辺水域操業枠組み協定については、ロシアのウクライナ侵攻以降2023年から協議が停止していることを説明し、今後も働きかけを継続する考えを示しました。柿沼忠秋政府参考人は、厳しい日ロ関係が続く中でも操業や権益の確保に向けて交渉を継続する姿勢を明言しており、前向きな立場を示しました。
引き続き、我が国の漁業者がこういった操業ができますように、権益を確保できるよう交渉してまいりたいと考えております。
沖縄における鉄軌道・地下鉄整備をめぐっては、大深度地下法を活用した地下鉄整備を50~100年という長期計画で進めるべきとする論点が示されました。市村浩一郎委員はこの立場から整備を提案し、推進する姿勢を示しました(スコア0.85)。これに対し黄川田仁志大臣は、中南部都市エリア等での地下構造導入や掘削工法の比較検討を行ってきたと説明し、調査検討を継続してきたことを前向きに示しました(スコア0.75)。両者ともに整備の実現に向けた検討・提案という点で共通しており、明確な対立点は示されていません。議論では長期的な計画の必要性と、これまでの技術的な比較検討の状況が確認されましたが、具体的な結論や決定事項については示されていません。
本テーマでは、沖縄の子供の貧困対策におけるNPOとの連携強化が議論されました。市村浩一郎委員は、乳幼児へのミルク支援を行うNPOの活動を紹介し、自治体とNPOの協力関係強化を要望する立場を示しました(スタンススコア0.80)。これに対し黄川田仁志大臣は、平成28年度から沖縄こどもの貧困緊急対策事業を実施しており、NPO等との連携を重視していると説明しました(スタンススコア0.90)。大臣は具体例として、食料支援連携推進事業におけるミルク支援NPOとの連携や、名護市ポノを視察した経験を紹介しました。市村委員、黄川田大臣ともに連携強化に積極的な立場を示しており、両者の間で対立点は見られませんでした。
本テーマでは、市村浩一郎委員が航空運賃の高騰により沖縄・北海道への修学旅行が実施困難になることへの懸念を示し、支援を要望しました(スコア1.00)。これに対し黄川田仁志大臣は、令和6年度に35万人以上が沖縄へ修学旅行を実施したことを説明した上で、航空機燃料税を全国税率の2分の1に軽減している措置や、ソフト交付金を活用して修学旅行の長期的・安定的実施を支援していることを説明しました(スコア0.75)。両者とも運賃負担軽減の必要性・取組の方向性について前向きな立場を示しています。
那覇空港の機能強化について議論が行われました。高村正大委員は、2020年に第二滑走路が完成した那覇空港において、2024年度の入域観光客数が過去2番目となる995万人であったと説明し、ゲートウェー2050の試算では2050年の利用者数が現状比1.7倍の3600万人になると紹介した上で、機能強化を要望しました(賛成、スコア0.75)。これに対し黄川田仁志大臣は、那覇空港の機能強化が我が国全体の成長にも資するとの認識を示し、地元における議論に対して技術的助言等の支援を行う考えを説明しました(賛成、スコア0.90)。両者とも那覇空港の機能強化を肯定的に評価しており、明確な反対意見は示されませんでした。
各テーマについて、委員からの要望や提案に対し、黄川田仁志大臣をはじめとする答弁者から支援・検討を継続する意向が示されました。北方領土をめぐる日ロ間の交渉については、粘り強く継続する姿勢が示された一方、事態打開には至っていないことが説明されました。
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