参議院行政監視委員会において、一橋大学・辻琢也教授、京都大学・曽我謙悟教授、追手門学院大学・小野達也教授の三名を参考人として招き、人口減少時代における国と地方の行政の役割分担をテーマに意見聴取と質疑が行われた。
本会議での議論の要点をAIが要約したものです。
辻琢也参考人(一橋大学教授)が富山県の事例を挙げ、県保有建物の約七割が築三十年を超え今後の更新費用が現在の経費を上回ると説明しました。橋梁の通行止めや重量制限が旧町村部に偏在し、少人数でも利用住民がいる限り廃止は困難であると指摘しました。辻参考人は賛成寄りの立場から、国がインフラの縮小・更新・除却等に対して財政措置を拡充すべきと主張し、「省インフラの提案は総論賛成各論反対に陥りやすく実行には大変な困難が伴う」と述べました。また、新設に手厚い補助が付く一方で維持更新は評価しにくい現状を指摘し、地道な更新努力を報いられる評価体制の構築が必要と述べました。後藤斎委員との質疑では、各自治体が頑張った分を一般財源で報われる体制の整備が本気度を引き出す鍵であるとの見解も示しました。
これまで国は、インフラの新設には手厚い補助を出してきましたが、これからは縮小、更新、管理、除却、こういった事業に対しても更に財政措置を拡充すべきと思います。
辻琢也参考人(賛成・積極評価)が地方税共同機構によるeLTAXを成功事例として詳述しました。従来は自治体ごとにシステムを整備し金融機関と個別契約していたところ、共同プラットフォームの設立により全国規模で経費が節減され、納税の消し込み作業から職員が解放されたと説明しました。辻参考人は「実効性あるデジタル化は国の努力だけでは実現できない。現場を担う自治体の主体的な努力があって初めて達成できる」と強調しました。安野貴博委員との質疑では、eLTAX成功の要因として、国の標準化方針と現場ニーズを踏まえた自治体側の共同化の準備が重なった点、および「現場を担っているところが標準化を担わない限り現場が良くならない」という姿勢を貫いた点を挙げました。デジタルとアナログのベストミックスの実現においては、DXにより単純事務から職員を解放し、生まれた余力を対面サービスや政策立案に再配分することが重要と主張しました。
地方税共同機構という共同のプラットフォームを設立し、eLTAXや地方税統一のQRコードを導入したことによって事態は激変しました。
辻琢也参考人(賛成寄り)は、人口増加を前提とした国・地方関係を超高齢・人口減少社会向けに根本転換する必要があると主張し、市町村・都道府県・国それぞれの役割を再整理しました。市町村はデジタルとアナログのベストミックスを地域に実装し住民との合意形成を担い、都道府県はインフラの複合化・集約化を主導する広域調整・補完機能を強化し、国は制度と財源の環境を整えるべきと述べました。曽我謙悟参考人(賛成寄り)は、行政が扱えない価値選択の問題を政治の場が引き取るべきと述べ、「国と地方の役割分担の設計問題として考えるべき論点がある」と指摘しました。伊波洋一委員との質疑では、国が決めて自治体がやる構造について、伊波委員が「国の責任をより強化すべきで国が財源的担保を持たずにサービスだけ広げている」と批判的に問題提起し、曽我参考人は「法律を作っていくとき本当にやれるのかを丁寧に考えて制度設計しなければ、形はあるが政策が行き届かないことが今後ますます増える」と応じました。
小野達也参考人(反対寄り)は意見陳述の中で、「総理大臣が徹底的に検証するという趣旨の発言があったものとして地方創生の第一期などは、それに相当するものは現実には示されていないのではないか」と述べ、国民的関心事の検証が不十分であると指摘しました。岩渕友委員との質疑で、岩渕委員は「地方創生はうまくいっていない」と明確に否定的評価を示した上で、地域の実情に応じた工夫を政府が支援する仕組みの重要性を小野参考人に確認しました。小野参考人は、自治体ごとの工夫とその効果をエビデンスで確認しながら国が財源を必要なところに提供していく仕組みが基本であると述べましたが、「限られた財源の中でするとなると立案段階でのエビデンスもモニタリング結果も欲しい」とも指摘しました。
岩渕友委員の質疑で、岩渕委員が「日本のジェンダーギャップ指数は政治分野で非常に遅れており、女性ゼロ議会もある中で女性が立候補しやすく議員として続けていける環境整備が重要」と主張し、辻琢也参考人(賛成寄り)に見解を求めました。辻参考人は、「以前よりは大分プラスになってきており働き方改革も進んできている。今のイコールフィッティングをしてやっていくことで効果が出るのではないか」と肯定的な見解を示しました。また、公務員に比べて議員は当選回数で区切られるため「多分もう少し工夫することによって長いことやっていける女性のリーダーが増えてくる」と述べました。
後藤斎委員(国民民主党)が平成合併の検証と令和合併の必要性について辻琢也参考人に質問しました。辻参考人(中立)は合併の効果として、ベーシックな福祉サービスとインフラの強化に一定の効果があったと認めた上で、「人口動態に対してはプラスもマイナスも余りなかった」と述べました。令和合併については「政治的に取るのが難しい」と判断し、「合併してもしなくても値上げをしないとやっていけない時代になってきている中で合意を取るのが難しい」と述べました。後藤委員も「山梨県では二十年後の評価として交付税がなければにっちもさっちもいかない自治体も多く、消滅可能性自治体が三分の一以上ある」と合併成果への疑問を呈しました。辻参考人は今後は市町村と県の在り方を改めて考えていく路線が現実的と述べました。
小野達也参考人(賛成寄り)は、業績測定型の政策評価が三十年以上を経てマンネリ化・形骸化し「定例の文書作成作業と化したケース」が多いと指摘し、ミッションドリブンからルールドリブンへの転落を批判しました。曽我謙悟参考人(賛成寄り)は生活道路交通安全対策の政策評価を具体例に、①結論先にありきの処方箋のずれ、②因果推論の不十分さ、③国と地方の評価制度の構造的断絶という三点を批判し、「データ公開を強く求めたい」と述べました。岩本麻奈委員との質疑では、統計のトラップや恣意的な変数設計への懸念が示され、小野参考人は「独立した第三者的な機関による統計数字の監査機能の強化」を訴え、曽我参考人は「行政監視委員会と連携した研究者の参画」を提案しました。金子道仁委員との質疑で、曽我参考人は評価の方向性として「目標の明確化・省庁横断・集中選択が重要」と述べ、「駄目なところを罰するための評価はやめた方がいい」と主張しました。重要な結論として、評価データの公開、国と地方を連結した評価の仕組みの整備、政治が価値選択の問題を引き取ることの三点が参考人から一致して求められました。
評価についてはこれでは困るということでございます。政府の政策評価制度も早い段階で法制化されまして、言わば強力な制度というふうになりましたけれども、結果として厳格...
処方箋のピントずれてしまっているのは、オープンデータの利用によって行政の実態を改善するという提言が最初から設定されていたのではないかというふうに思われます。
独立した公益の第三監査機関というのが必要じゃないかななんて思うんですけれども、この点に関しても、短くていいですので、お三方、お願いできるとうれしいです。
単に先輩がやった書類にちょろっと年度を変えてペーパーを出すことがその評価の作業だと、忙しい公務員の皆さん方がそういうふうにならないような仕組みをもっともっと我々...
生稲晃子委員(自民・東京選挙区)が、令和八年度税制改正大綱で明記された地方法人課税等の偏在是正強化を取り上げ、東京対地方の対立構図でなく日本全体の発展視点で考えるべきとの問題提起をした上で参考人三者に見解を求めました。辻琢也参考人(賛成寄り)は「ネット取引等で地方の活動分が結果的に東京税収になっている現状があり、本来各地方が得られる分については是正して地方が伸びる体制をつくることが重要」と主張しました。曽我謙悟参考人(賛成寄り)は「地域間再分配が日本の都市と地方の分断抑制に寄与してきた」と述べ、「社会全体の分断を抑制するためにどれだけの負担を背負うかを国レベルで考えることが大事」と指摘しました。生稲委員は財源移転だけでは地方発展や格差是正につながるか疑問を示し、曽我参考人は「一極集中の原因分析なしに財源の取り合いをしても生産的でない」と述べました。ラサール石井委員との質疑で、曽我参考人は地方法人課税の偏在について、地方税・地方交付税を含めた全体での再分配の程度を国政の場で議論すべき問題と位置付けました。
本来各地方が頑張ってその分税収として得られる分についてはやっぱり何らかの是正をして、その地方が伸びていくような体制をつくり、東京も地方もそれぞれ頑張ることによっ...
日本は、相対的にはそういうことが今まで避けられてきたのではないのかなというふうに考えています。それに寄与してきたのが、地域的な再分配というのを強くしていくと、端...
とりわけ税収の偏在が大きいのが地方法人税であり、地方税制が法人課税を頼っている日本は特殊という指摘もあります。
税財源のその偏在是正として、東京から地方にその財源を移すだけでは地方の発展とか地域間の格差の是正につながっていくのかというのは、ちょっと私はつながっていくのかな...
岩渕友委員(共産・福島出身)が、東日本大震災・原発事故から十五年を前に、居住人口回復率が自治体によって数%から五割超まで異なり、なりわいの再建や医療・介護など原発事故前の状態に戻っていない現状を説明しました。イノベーション・コースト構想など大企業呼び込み型の復興策への住民の懸念も示した上で、辻琢也参考人(賛成寄り)に復興の在り方を問いました。辻参考人は「住んでいくことも、なりわいを確保していくことも、どちらかではなく両方うまく両立させていかなければならない」と述べ、実効性あるビジョンを提示できるかが本来問われるべきことと指摘しました。また、「本音で将来ビジョンをどのくらい実効性あるもので見せることができるかどうかが一つ大きなポイント」と述べ、他の団体にとっても多くの示唆が得られると語りました。
曽我謙悟参考人(賛成寄り)は意見陳述および複数の質疑を通じて、国の自治体への関与には法律上の根拠が必要であり、明示的でない関与は問題であると繰り返し指摘しました。竹内真二委員との質疑では、政策評価法が地方分権改革後に制定されたため自治事務については総務省による評価の対象外となっている現状を説明し、「実際の行政は国と地方が一緒にやっているのに評価において国と自治体を峻別することが必ずしも適切とは思えない」と述べ、自治事務の場合にも評価の共同化を入れていくことが望ましいと主張しました。北村晴男委員との質疑では、技術的助言にとどまる通知や口頭指示について「強い関与には法律への明示が必要で、法律に書かなければ駄目」という原則を改めて示しました。
基本的に地方自治法の今のお話でもあるように、その関係、強い力を持って国の側からということの場合は法律に根拠がなければもちろんできないしということになるわけですね...
福士珠美委員(立憲・青森)が、青森市で最深積雪百八十三センチを記録した大雪を例に挙げ、国・県・市の道路管理者がそれぞれ独自の基準で除排雪し相互連携が取れていないという構造的問題を指摘し、参考人三者に緊急時の望ましい対応を問いました。辻琢也参考人(賛成寄り)は、大規模災害が全国で慢性的に起きるようになった現状を踏まえ、「国の支分部局、ライフラインを統括する大きい市や県も含めて、災害時対応を前提に余裕のある職員体制を法律上も可能にするような仕組みが必要」と主張しました。曽我謙悟参考人(賛成寄り)は「災害が非日常から日常的なものに変化した中で、現状の人員体制では対応し続けることが困難」と指摘し、とりわけ技術職については「複数の市町村に恒常的に属するような新たな職員配置の仕組みまで考えないと対応困難」との考えを示しました。福士委員は国が率先して広域連携体制の構造改革と事前調整を図るべきと主張しました。
曽我謙悟参考人(賛成寄り)が意見陳述の中心として総務省による生活道路交通安全対策の政策評価を詳細に分析しました。四百五十四市区町村の調査結果として、警察庁の事故オープンデータを活用している自治体が六・九%にすぎず、潜在的リスク箇所を把握していない自治体が六二%に上ることを示し、「住民要望への対応に追われ事故発生箇所を把握する余裕はなく必要性も感じないという声が上がっている」と報告しました。曽我参考人は、データ活用を推奨する政策評価の処方箋が「なぜデータを使わないのかという問いを立てた分析なしに性急にEBPMを迫っている」として実効性に乏しいと批判し、調査データの公開を強く求めました。また施設整備の効果検証を体系的に実施している自治体が一つもない現状を指摘し、因果推論として不十分な現状の分析手法の改善も求めました。
事故オープンデータというものがありますが、これを活用している市区町村となると六・九%にすぎません。
岩渕友委員(共産)が、システム移行期限への対応が間に合わない自治体が五割超となっていること、中核市長会調査で五割以上の自治体の経費が二倍以上に増えるとの結果が出ていること、福島市では運用経費が年間五億七千六百万円増加することを挙げ、自治体独自施策の抑制につながる懸念を示しました。曽我謙悟参考人(中立)は、標準化の効率化による正当化根拠は理解しつつ、「本来効率化されるはずが現時点では経費が上がっている」と問題があると認め、「長期的に見ないと判断が難しい」として現時点では判断しかねると述べました。岩渕委員は住民の暮らしに役立つデジタル化は否定しないとしながらも、個人情報を民間企業が利活用できる形にする点や自治体独自施策の抑制への懸念を改めて指摘しました。
福士珠美委員が、大規模災害時の技術職員事前登録で三十四道府県が目標数確保の見通しが立っていないことを報道を引用して示し、技術職の人材確保・定着と処遇改善について参考人に質問しました。辻琢也参考人(賛成寄り)は「専門職よりも現業職員の採用の方がずっと厳しくなっており、公共インフラの維持管理を担う民間業界全体の問題として考えなければならない。仕事の魅力を高めないと優秀な人材を引き付けられない時代になっている」と述べました。曽我謙悟参考人(賛成寄り)は「複数の市町村に恒常的に属しながら業務を受けるような新たな職員配置の仕組みが必要」と具体的なアイデアを示しました。小野達也参考人(賛成寄り)は「適正水準が分からないまま削減が続いており、どこまで減らして大丈夫かという研究・議論が必要」と述べ、自治体の行政改革に関わった経験から「減らせる限り減らすというだけで本当の適正水準を当事者も分かっていない」と指摘しました。福士委員は技術職の専門性に応じた処遇改善が必要と主張しました。
定員は維持できていますけど、募集しても人が来ないと。これは沖縄だけではなくて、今日お話ししました富山でも秋田でも見られるようになってきています。
複数市町村に恒常的に属しているみたいな形とか、例えばそういうようなことまで考えないとなかなか対応難しくなってくるというようなこともあるのではないのかなというふう...
技術職の人材確保と定着のためにどんな手だてを講じるべきなのでしょうか。また、その専門性を適正に評価し処遇改善を図る必要性についてどのようにお考えなのでしょうか。
やはり、いろんな共有したりAIを使ったりと、削減、効率化という必要性も分かるんですが、ただ職員の数自体を減らす一方というよりも、どこまで減らして大丈夫かという議...
福士珠美委員(青森)が、大雪時に国・県・市の除排雪車両の機動的融通が不十分であるという構造的問題を指摘し、国が率先して除排雪車両・人員の広域融通体制の構造改革と事前調整を図るべきと主張しました。辻琢也参考人(賛成寄り)は、秋田県での市町村道の雪を県道に、県道の雪を国道に移して最終処分するような市町村・都道府県・国が段階的に連携する取組を評価しつつ、「雪の量が多いのと業界が弱くなってきているので根本的な問題は残る」と指摘しました。辻参考人は大規模災害対応との関連で、「国の支分部局、大きい市や県も含めた災害時対応を前提に余裕のある職員体制を法律上も可能にする仕組みが必要」と主張しました。
辻参考人は人口減少・超高齢社会を前提とした国・地方関係の根本的転換と省インフラ・デジタル化の推進を訴え、曽我参考人は政策評価データの公開と国・地方を連結した評価の仕組みの整備を求め、小野参考人は評価のマンネリ化打破とミッションドリブンへの転換の必要性を強調した。委員からは、インフラ財政支援・偏在是正・除排雪広域連携・技術職確保・地方創生検証・女性議員確保など多岐にわたる課題が取り上げられ、国の責任強化と地方の自主性確保のあり方について幅広い観点から議論が交わされた。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
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○委員長(芳賀道也君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(芳賀道也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
| モデル | Claude (Anthropic) |
|---|---|
| 要約方式 | 抽出+要約 |
| 対象範囲 | 議事録 全文 (約67,855文字) |
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