本調査会は「現下の国際情勢と世界の安定に向けた日本外交」をテーマに、神保謙・岩間陽子・田中均の三参考人から意見を聴取し、トランプ政権の対外政策、対イラン攻撃の国際法上の合法性、中国外交の在り方、日本の防衛・インテリジェンス強化等について幅広い質疑を行った。
本会議での議論の要点をAIが要約したものです。
日本が自立的な外交力を持つための具体的施策として議論されました。岩間陽子参考人(賛成寄り)は、ASEAN諸国を中心に経済にとどまらない「社会的・人的なつながりの強化」が必要と主張し、北岡伸一氏の「西太平洋連合」構想を例示しながら、人の自由な移動や法の支配の向上を伴う創造的な外交を訴えました。田中均参考人(賛成寄り)は、「ASEAN諸国や韓国等と中心に中国との関係を整理していくことが必要」と述べ、一対一ではなく多国間の枠組みで中国と向き合うてこになるとしました。両者は、ASEANとの連携強化が対米バーゲニングパワーの向上にも資するという点で方向性を共有しています。
経済にとどまらない社会的、人的なつながりを特にASEAN諸国を中心として強化していくという必要があると思います。
ASEANや韓国や、あるいは豪州とか、そういう国々と中心に中国との関係を整理していくということが必要なんじゃないかというふうに思うんですね。
日本がアジアにおける外交的影響力を高める具体的手段としてCPTPPの拡大が提起されました。田中均参考人(賛成寄り)は「CPTPPは日本の武器だ」と明言し、中国・台湾・韓国・EUを加入させることで自由貿易主義の立場を示しつつ、国際的な枠組みの中で中国への注文を付けるレバレッジになると主張しました。神保謙参考人(賛成寄り)は「21世紀の開かれたアジアの経済制度をつくるときの大きなてこ」と述べ、中国が参加を望んでいる点においても重要性が増すとして強く賛同しました。岩間参考人もCPTPPを人的・社会的連携の出発点として位置付けました。
トランプ政権の自国第一主義がリベラルな国際秩序に与える影響が三参考人から分析されました。岩間陽子参考人(反対寄り)は、トランプ政権が「ドラスチックな方法で国際協力を停止しつつある」と懸念を示しつつも、国際機関の非効率さや同盟国のただ乗りという問題の根は認めました。田中均参考人(反対寄り)は「アメリカ一国主義はリベラルな体制を支えてきた時代の終えん」と批判的に分析し、構造的変化ゆえに元へは戻らないとしました。神保謙参考人(反対寄り)は、アメリカが「世界秩序全体を支え続ける時代は終わった」として地域独立・コスト分担型への移行を指摘し、同盟国として振れ幅の管理が重要と述べました。
鈴木宗男会長の質問を契機に、アメリカ・イスラエルによる対イラン攻撃の国際法上の合法性について三参考人が見解を示しました。神保謙参考人(反対寄り)は「合法性は極めて疑わしい」と表明し、自衛権解釈における切迫性・比例原則等の要件に照らしても「これまで議論したフレームワークとしっかり当てはまる状態にはない」と述べました。岩間陽子参考人(反対寄り)は、イスラエルの自衛権解釈の余地は認めつつも、「国連安保理にかけてみるといった手続が全くなかったことは合法性をより疑わしくする手続上の瑕疵」と指摘しました。田中均参考人(反対寄り)は「安保理決議なくアメリカ・イスラエルが攻撃していいことにはならない」と明言し、国際法をエンフォースする仕組みが限られていることへの問題意識を示しました。
岩間陽子参考人(賛成寄り)が主として論じました。1930年代との比較において現代との最大の違いはグローバルサウスの存在であると指摘し、「これらの国々は全くルールのない社会で大国の後ろについていきたいとは決して思っていない」として、グローバルサウスと連携してルールある空間を維持していく努力が日本のような国には求められると主張しました。また、フィンランドのストゥブ大統領が提唱する「価値に基づく現実主義」を紹介しつつ、世界の行方を最終的に決めるのはグローバルサウスであるとの認識を示しました。ODAを通じた支援継続も必要としました。
そういう国々と連携して何らかのルールがある空間というのを維持していくという努力が日本のような国には求められているのだと思います。
トランプ政権のアジア政策の構造と日本への含意が議論されました。田中均参考人(反対寄り)は「インド太平洋戦略だけでは不十分で、アジア太平洋協力も並び立つ重点にしてほしい」と主張し、中国を含んだ枠組みを完全に捨てることへの懸念を示しました。神保謙参考人(中立)は、トランプ政権下のインド太平洋戦略について「対中競争は中心課題であり続ける」としつつも、「同盟国・パートナー国が大幅な負担を条件として関与を維持する構造」に移行していると分析し、日本はアメリカの関与を維持するための条件整備が問われると述べました。
リベラルな国際秩序の現状と日本の役割について各参考人から見解が示されました。田中均参考人(中立)は「グローバルなリベラルオーダーは戻らない」と断言しつつも、日本がリージョナルな秩序を再構築する旗頭となる努力を訴えました。岩間陽子参考人(賛成寄り)は、国際機関は「改革しつつ優先順位を決めて維持すべき」と主張し、アメリカが努力しない中でも日本のような規模の国が担える役割があるとしました。神保謙参考人(賛成寄り)は「法の支配とマルチラテラリズムは日本の国益そのもの」と明言し、世界市場へのアクセスやシーレーン安定のためにもこれを守り続けることが不可欠と主張しました。
中国への外交姿勢をめぐり、抑止力重視と対話重視のバランスについて活発な議論が行われました。田中均参考人(中立)は「抑止力なくてもよいとは申し上げていない」としつつも、アメリカが中国と「マネージしてうまくやっていく」方向に転換しつつある中で日本だけが強硬姿勢を維持することへの疑問を呈し、「マルチで中国と対話していく仕組みを追求すべき」と主張しました。岩間陽子参考人(中立)は「抑止と対話は矛盾せず、常に二重の外交として並行して追求すべき」と明言しました。石平参議員は「歴史的教訓から中国を取り込む試みへの懐疑」を示し、抑止力こそが重要と反論しました。結論・決定事項は得られていません。
対イラン攻撃を受けたエネルギー安全保障上のリスクについて議論されました。岩間陽子参考人(賛成寄り)は、エネルギー供給の混乱・途絶は「世界経済にとって良いことではない」として、紛争の拡大や長期化に対する懸念を明確なメッセージとして発信すべきと訴えました。田中均参考人(賛成寄り)は「イランでの戦争が続けばエネルギー価格が上昇してインフレになる」と指摘し、円安の進行も相まって日本経済への深刻な影響を懸念し、早期終結をアメリカに求めるべきと主張しました。訪米時の首相の発言内容に関する議論にもつながりました。
台湾海峡の安定をめぐり、抑止力の維持と外交上の発信の在り方が論点となりました。神保謙参考人(賛成寄り)は、侵攻シナリオに関して「いずれのシナリオでも初動の時間が短くエスカレーション管理が難しい」と分析しつつ、「拒否能力を維持し、中国側に侵攻が不可能と認識させ続けることが重要」と主張しました。田中均参考人(中立)は、台湾について「事前に強硬姿勢を言う必要はないが、現実にそうなれば自衛隊は対応するわけだから」として、あらかじめ言明する必要性はないと示唆しつつも、現実的な対応準備は必要との立場を示しました。
杉本純子参議員の質問を契機に、日本の情報収集・分析能力の強化が議論されました。神保謙参考人(賛成寄り)は、内閣情報調査室の国家情報局への格上げによるインテリジェンス強化の方向性に触れ、情報は「量より質」であり、相手国のインテリジェンスへのアクセスとカウンターインテリジェンスの手法を持つことに価値があると述べました。田中均参考人(賛成寄り)は「情報の収集・分析・評価の強化が日本に最も大事」と主張し、特に、収集した情報を解釈・評価できる人材の育成と組織的基盤の強化が不可欠と述べました。
防衛力強化の必要性については概ね肯定しつつも、その進め方をめぐって意見の違いが見られました。岩間陽子参考人(賛成寄り)は「防衛力の強化はいろんな意味で必要」と明言し、あわせてインフラを含む社会的レジリエンスの強化も必要と補足しました。田中均参考人(中立)は、抑止力強化自体を否定せず「日米の抑止力を強化して中国を牽制することはそれでいい」としつつも、対話を伴わない抑止力向上のみに傾注する現状を「外交の怠慢」と批判しました。防衛費の拡大よりも、アメリカへの影響力行使や多角的な外交を組み合わせることの重要性を強調しました。
日米同盟の性格変化をめぐり、価値観共有から戦略的取引への転換が議論されました。田中均参考人(反対寄り)は、日米同盟はかつて「自由・民主主義という価値観の共有」に基づくものだったが、現在は「アメリカ第一の下での価値なき戦略的取引」へと変化したと批判的に指摘し、「本当に今のままでいいのか」と問いかけました。神保謙参考人(中立)は、価値が揺らいだとしても「アメリカに手綱を付け、同盟を国益にとって優位な形で維持し続けなければならない」とのリアリズムの立場を示し、日米同盟の枠組みを維持しながら自国の国益を守る設計の重要性を説きました。
伊勢崎賢治参議員の質問に対し、田中均参考人(反対寄り)が見解を示しました。田中参考人は「朝鮮国連軍はもう何の役割も果たしておらず、現役時代も名の下に飛んでくる飛行機は一年に一機もなかった、無用の長物だ」と評価しました。一方で、これを廃止することには「政治的なインプリケーションがある」とも述べ、アメリカが多国間の枠組みを維持したい意図や、日本の立場(地位協定の存在)との関係などの複雑さも指摘しました。
朝鮮国連軍というのは、もう何の役割も果たしていないんですよ。
岩間陽子参考人(賛成寄り)が主として提起しました。「将来の東アジア地域における軍備管理・軍縮、信頼醸成のための知的準備をしていき、人的なつながりをつくっていく努力を日本がリードすべき」と主張し、「アジア版OSCE」のような提案にも言及しました。成果が出るまでに十年・十五年・二十年かかるとしても、中国が対話に応じないとの反論があっても、チャンスはいつ来るか分からないとして継続的な知的努力の重要性を強調しました。塩村あやか参議員との質疑においても、ヨーロッパやカナダ等と協力しながらアジアにおける対話外交をリードすべきとの立場を改めて示しました。
将来的な東アジア地域における軍備管理・軍縮、信頼醸成のための知的な準備をしていき、あるいは人的なつながりをつくっていく努力、それから地域の緊張緩和外交の推進、こ...
日本の防衛装備移転五類型見直しの方向性と平和国家ブランドとの整合性が議論されました。岩間陽子参考人(中立)は、日本がこれまで培ってきた平和国家としての信用は大事にすべきとしつつも、アメリカの役割という「大前提が大きく変わろうとしている中で、これまで以上に非常に大きなチャレンジになる」と指摘しました。田中均参考人(反対寄り)は「アメリカが喜ぶからといって武器輸出を推進することでよいのか」と疑問を呈し、それだけでは日本の外交的レバレッジにならないと批判しました。神保謙参考人(中立)は、装備移転の中身を吟味し警備艇支援など平和国家としての考えを反映させた形でのエスカレーション抑制につながる移転もあり得るとして、条件付きで支持する立場を示しました。
三参考人はいずれも、アメリカ主導のリベラルな国際秩序の変質を認めつつ、日本が抑止力強化と対話外交を並行して追求することの重要性を強調した。対中政策については、抑止力維持を前提としながらもASEANやCPTPPを活用した多国間の対話枠組みを構築すべきとの提言と、歴史的教訓から対中取り込みへの懐疑を示す立場とが交わり、具体的な合意には至らなかった。対イラン攻撃については三参考人が国際法上の合法性に疑義を呈し、日本がエネルギー安全保障や早期終結の観点からアメリカに対して明確なメッセージを発すべきとの方向性が示された。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。
○会長(鈴木宗男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国際問題に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
| モデル | Claude (Anthropic) |
|---|---|
| 要約方式 | 抽出+要約 |
| 対象範囲 | 議事録 全文 (約62,842文字) |
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