テーマの概要
エネルギー安全保障と脱炭素を目的に原子力発電の最大限活用が推進されています。
原子力発電の活用推進をめぐる議論は、エネルギー安全保障・脱炭素・電力安定供給の三つの観点から展開されています。政府与党および一部野党は、低いエネルギー自給率や火力発電への高依存という課題を克服するため、安全性確保と地域理解を大前提に原子力を最大限活用する方針を掲げています。特に中東情勢の不安定化やホルムズ危機を背景に、地政学的リスクの影響を受けにくい国産エネルギーとしての原子力の重要性が改めて強調されています。具体的な施策としては、安全性が確認された原子炉の再稼働加速、将来的なリプレースや新増設、小型モジュール炉(SMR)の研究開発・実証が議論されています。柏崎刈羽原子力発電所の再稼働は、東日本の電力供給安定化・電気料金抑制・脱炭素電源確保の観点から国のエネルギー政策上極めて重要と位置づけられています。一方、原発の武力攻撃リスクや新増設コストの高さを指摘し、原発依存を低減して安全な状態へ移行すべきとの慎重意見も存在します。再生可能エネルギーとの両輪推進という点では概ね共通認識が見られますが、原子力の位置づけや拡大方針の是非については立場の差が残っています。
