テーマの概要
緊急時に内閣へ立法権を付与する緊急政令制度の憲法明記を巡り、賛否が対立しています。
緊急政令制度の創設とは、大規模災害や武力攻撃などにより国会が機能不全に陥った場合、内閣が法律や予算と同等の効力を持つ「緊急政令」を制定できる権限を憲法に明記する制度を巡る議論です。推進側は、いかなる緊急事態においても国家機能を維持し国民の生命・財産を守るために、内閣への一時的な立法権付与と事後的な国会統制をセットにした制度こそが立憲主義にかなうものであると主張しています。また、緊急政令と緊急財政処分を一体的に整備することの必要性も強調されています。一方、反対側は、感染症の蔓延が緊急事態の要件に含まれる場合、人為的に緊急事態が作り出されるおそれがあるとして懸念を示しています。また、こうした条項が「独裁条項」となりうるとして、憲法審査会での議論の進め方そのものにも強く異議を唱える立場もあります。国会では条文起草への移行や改正原案の早期作成を求める声がある一方、慎重・反対の立場からは特定要件の排除や制度設計上のリスクが指摘されており、議論は続いています。
