テーマの概要
担い手不足解消を目的にスマート農業技術の社会実装加速化を推進する農政の是非が問われています。
スマート農業技術の導入加速化と経営効果測定をめぐる議論は、農業従事者の高齢化・担い手不足という構造的課題への対応策として、ドローンや自動走行農機、センシング技術などのスマート農業技術をいかに現場に普及・実装するかを中心に展開されています。政府・与党側は「農業構造転換集中対策期間」(令和7年度から5か年)の重点施策としてスマート農業技術の開発・普及を位置づけ、農地の大区画化や情報通信環境の整備、農業支援サービス事業者の育成・確保、人材育成などを一体的に推進する方針を示しています。また、スマート農業技術を活用した農地面積の割合を50%に拡大するという具体的な数値目標も掲げられています。一方で、こうした大規模・効率化優先の農政方針に対しては、小規模農家や家族経営農家が置き去りにされるのではないかという懸念も示されており、スマート農業推進と農業人口の確保・増加のどちらを優先すべきかについて意見が分かれています。中山間地域での農業機械のシェアリング(共同利用)を通じたスマート化の普及や、適した条件下での導入効果については一定の共通認識が見られるものの、大多数の農家への適用可能性には疑問の声もあります。
