予算委員会第三分科会では、法務省所管と外務省所管の質疑が行われ、主査が持ち時間の厳守と簡潔な答弁を求めました。外務分野では、岩屋毅外務大臣が、沼崎満子氏との間でGaviへの拠出、ILOを通じた雇用支援、TICAD9、国際保健とUHCを議論し、吉良州司氏との間でウクライナ停戦、対中国・対ロシア関係、核の拡大抑止、日米首脳会談と対米投資を議論しました。鈴木庸介氏はハンガリーでの邦人殺害事案と在外公館の対応を質しました。法務分野では、鈴木馨祐大臣や入管庁、法務省の担当者が、保護司の安全確保と保護観察官の増員、刑事デジタル法、再審法改正、外国人材の受入れと共生社会、育成就労制度、システム調達の一者応札、登記関連の委託費、振り仮名記載などについて、中野英幸氏、鈴木貴子氏、柴田勝之氏、井出庸生氏らと議論しました。
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全33テーマ ・ 紐づく質疑35件
ハンガリー邦人殺害事案と在外公館のDV被害者対応
ILOを通じた女性・若者の雇用機会創出支援について、拠出の実績と今後の方針が議論されました。岩屋毅大臣は、令和4年度補正予算でパレスチナの農業事業に8千万円、令和6年度補正予算でシリア、マリ、南アフリカの3件に約3.8億円を拠出したと説明しました。そのうえで、今後もILOと連携し、女性支援を含め現場のニーズを踏まえた必要な支援を続ける方針を示し、この方針に前向きな立場を表明しました。沼崎満子議員はILOの取組を支持し、国内の良い施策を世界へ広げるよう提案しました。いずれの発言者も賛成の立場で、反対の発言は示されていません。提示された範囲では、新たな決定事項は示されていません。
PFI手法等による刑事施設の民間委託運営と委託費が議論されました。美祢・島根あさひ・喜連川・播磨の4施設では、維持管理や職業訓練、教育等が民間に委託されていると説明されました。美祢と島根あさひは収容人員が減少する一方で委託費が増加し、喜連川と播磨は契約の枠組み変更により業務範囲が縮小したとされています。委託費には想定収容率に基づく基準があり、定員の7〜8割を想定し、7割を超えると増額、5割未満で減額となります。令和6年度には約2.07億円が減額されました。柴田勝之氏は、増額と減額の基準の幅が大き過ぎるとして現行の契約運用に批判的な立場を示し、実態に即した減額の要否を再検討するよう求めました。小山定明氏は、参入障壁の回避や安定運営の観点から基準の幅を説明する答弁を行い、やや賛成寄りの立場でした。再検討の結論や決定事項は示されていません。
ただ、今の御説明を踏まえても、元々定員の七割を想定して契約しているところを、七割より増えたらそれをすぐ増額する一方で、定員の五割を下回らないと減額しないというのは、幅が大き過ぎるというふうに私は思います。
この収容人員の変動と申しますのは、民間事業者にとりましてコントロールできない他律的なものとなりますところ、民間事業者の参入障壁とならないように配慮する必要性、民間事業者の努力及び創意工夫が最大限発揮されることにより適正な利益を得られる環境を構築する必要性、そして、何よりも良質かつ安定的な施設運営を促す必要性などを踏まえまして、このような幅を持たせた基準となってございます。
TICAD9の開催とアフリカ開発支援について議論されました。岩屋毅大臣は、昨年8月の閣僚会合で共同コミュニケを発表したと説明したうえで、TICAD9を保健等の社会課題の解決策を首脳間で議論する場にしたいとの意向を示し、開催に積極的な立場(賛成)を示しました。沼崎満子委員は、TICAD9でアフリカへの健康支援にも触れるよう求め、開催に肯定的な立場(賛成)でした。ただし、沼崎委員の立場を裏付ける発言は1件にとどまります。提示された範囲では、反対の立場の発言者はおらず、結論や決定事項に関する言及もありません。
ウクライナ停戦と日本の関与について議論されました。吉良州司委員は賛成の立場(スタンススコア0.90)から、日本が主導して一刻も早い停戦を急ぐべきだと一貫して主張しました。その根拠として、NATO不拡大の約束など西側の責任にも触れ、ロシアの言い分を聞いて妥協しない限り停戦は実現しないと述べました。これに対し大臣は、まずウクライナで公正な平和を実現することが先であり、その後にロシアとの関係修復が必要になると答弁しました。大臣の答弁は、停戦への日本の関与の是非そのものについて明確な賛否を示したものとは整理されていません。提示された材料の範囲では、停戦の進め方や順序をめぐる認識に違いがあることが示されていますが、特段の結論や決定事項は示されていません。
私は、批判は受けるんだけれども、ロシアとの関係修復をしていかなければいけないと思っていまして、そのためには、ウクライナの一刻も早い停戦、これに日本が積極的に関与していく、ある意味で主導していってもらいたいと思っているんですね。
ハーグ条約に基づく援助決定の運用と子の旅券申請について議論されました。領事局長は、援助決定を外務省が条件を精査して手続を始める決定であると説明し、子の返還の判断は司法が行うと述べました。これに対し鈴木庸介委員は、援助決定後の運用が不透明であるとして、決定プロセスの基準を明示するよう求めました。鈴木委員は援助決定に偏った現行運用を批判し、運用の変更と明確な基準の提示を求める立場で、スタンスのスコアは0.25と反対寄りです。提示された内容の範囲では、基準の明示や運用の見直しに関する結論や決定事項は示されていません。
それならば、その運用は変えていただかないと、今後、世界中で同じようなことがあったときに、もう言った者勝ちで、取りあえずハーグで援助決定が出ているんだから、この人のサイドに立たないといけないみたいなことにならないでいただきたいなというのが、私の今日の趣旨の一つでございます。
ハンガリーでの邦人殺害事案をめぐり、在外公館のDV被害者への対応が議論されました。鈴木庸介委員は友人の手紙を紹介し、大使館の対応と国会答弁には事実との乖離があるとして、責任の明確化と再発防止を求めました。また、ハーグ条約の援助決定に大使館がとらわれ、元夫側に立ったのではないかとの疑念を示し、外部機関による検証も求めました。鈴木委員は大使館の対応を一貫して批判する立場です。これに対し岩屋毅大臣は、2022年6月と2024年8月の相談時に具体的なDV相談はなかったと承知していると答弁し、大使館は可能な限り対応したとして、全在外公館に個別事情を踏まえた丁寧な対応と点検を指示したと述べました。岩本桂一領事局長も、大使館は相談に応じ都度適切に対応したと擁護し、相談が2回だけという趣旨ではないと説明しました。首絞めの話は大臣に入っておらず確認が取れていないとし、殺されそうになる等の切迫した状況なら具体的な相談に当たり得るとも答弁しました。全公館で窓口対応を点検中です。
マイナンバー等を活用した不動産登記情報の把握について議論されました。村上智信氏は、マイナンバーと連携することで転居や死亡を把握でき、利便性が高まるとして自ら提案しており、賛成の立場です。これに対し、鈴木馨祐大臣は、登記へのマイナンバーの活用は現在実施しておらず、政府全体の取組を踏まえて検討を進めると答弁しました。大臣は検討を進める意向を示す一方、具体的な実施は未定であり、慎重な姿勢でした。本テーマについて、実施の可否や時期に関する決定事項は示されていません。
仮放免制度と監理措置の運用について議論されました。説明では、旧法の仮放免は逃亡防止が不十分であったため、改正法で監理措置を創設し、仮放免は健康上の理由による一時的な解除に位置づけたとされています。中野英幸氏は、仮放免では責任の所在が不明確で市町村に負担がかかっている現状を指摘しました。一方で、生活が困難になる制度の弊害も懸念しており、立場は賛否の両論です。杉山徳明氏は、迅速な送還が困難な場合に監理措置を適切に活用する方針を述べ、肯定的な立場を示しました。提示された範囲では、重要な結論や決定事項は示されていません。
保護司の安全確保と担当保護司の複数指名制について議論されました。大津市の事案を受け、政府側は複数指名制の活用、観察官の関与強化、自宅以外の面接場所の確保などの対策を講じたと説明しました。複数指名の件数は令和5年度が1,211件(約5.7%)で、6年度上半期は856件と前年度の半期の約1.4倍に増えたとされています。押切久遠氏は、複数指名制を原則として積極的に活用する対策を説明し、推進の立場を示しました。鈴木貴子氏は、保護司の安全確保を求めたうえで、複数指名制の事例共有を積極的に進めるよう要請し、賛成の立場でした。複数指名には肯定的な意見と否定的な意見の双方があるとされ、保護司に寄り添って円滑な運用に努める旨の答弁がありました。
保護観察官の増員と保護司との役割分担が論点となりました。鈴木貴子氏は、保護観察官の増員が必要だとして、指導が困難な事例では保護観察官が前に出て、保護司の負担が偏らないよう役割分担を求めました(賛成、スコア0.85)。これに対し、押切久遠氏は、指導困難なケースについて保護観察官の直接担当を含め関与を強化しつつ、適切な役割分担に留意すると答弁しました。増員への明確な言及はなく、スタンスは中立寄りの賛成(0.60)です。また、鈴木馨祐大臣は、令和7年度政府予算案に保護観察官52名の増員を計上したと答弁し、体制整備を進める姿勢を示しました(賛成、0.80)。
ここはしっかりと増員が必要だと考えておりますが、ここは是非大臣に伺わせていただきたいと思いますが、是非ともこの点について、大臣、力強い前向きな答弁のみよろしくお願いいたします。
そういった中で、令和七年度政府予算案においては、保護観察所の保護観察官として五十二名の増員、これを計上させていただいているところであります。
委員御指摘のような、処遇に専門的な知見が求められるなど指導の難しいケースについては、保護観察官が直接担当することを含め関与を強化しつつ処遇を実施しているところであり、引き続き、保護司との適切な役割分担に十分留意しつつ、再犯防止の実効性を高めるよう配慮してまいります。
入管施設の老朽化対策と入国警備官の人員確保について議論されました。中野英幸氏は、入国警備官の増員と、昭和の入管施設から令和の施設への刷新が必要であると主張し、賛成の立場を一貫して示しました。これに対し、杉山徳明氏は入管庁側として、人員・予算を含む体制整備が重要であると述べ、施設の老朽化については改修の必要性を踏まえて対応すると答弁しました。ただし、その内容は具体性に乏しく、中野氏に比べ賛成の度合いは限定的です。提示された範囲では、具体的な改修計画や増員の規模、時期などの決定事項は示されていません。
再審法改正と法制審議会・議員立法の関係をめぐり、法務省は、閣法と議員立法は提出主体の区別にすぎず対立する関係にないと答弁しました。また、再審制度は法制審議会に諮問済みであり、議論して法整備を検討することに意義があるとしました。井出庸生氏は賛成の立場で、再審法改正を意義ある動きと評価し、今国会で何としても成立させたいと述べました。そのうえで議連として、再審支援の弁護士や被害当事者家族を法制審の委員に加えるよう要望しました。これに対し法務省は、再審請求事件の実情を踏まえ検討に適した人が委員に指名されることが重要だと答弁しました。森本宏氏は法制審での検討に意義を認める一方、議員立法への賛否は示さず中立的な立場でした。法務省は、議連の動きを逐次大臣に報告し、大臣の指示を受けて進めると答弁しました。
ただ、今回、我々が予定している再審法の改正は、何としても今国会でというような思いでおりますが、それはちょっと九〇年代以降のトレンドと一線を画して、一度有罪となった人が冤罪の可能性が高まった、それを晴らすのにウン十年という時間がかかる、そこに対する法律的な条文がほとんどなくて、裁判所の裁量に任されているという実態の中で、それは最後の救済手段として、最近のトレンドとは全く違いますし、さらに、これは言葉が正確かどうかは分かりませんが、刑法には謙抑主義というものがあって、その謙抑主義が行われる中で、それでもなお冤罪があったときの最後の救済手段が再審法の改正である。
現在、様々な御議論がなされていますので、どこが改正するのかしないのか、要否も含めてということにはなりますけれども、そういった御議論を法制審において議論していただき、法整備について御検討いただくことについては意義があるというふうに考えております。
刑事デジタル法案は閣議決定され、令状の電子発付や証拠書類の電子謄写・オンライン閲覧を可能にする内容であると説明されました。鈴木馨祐大臣は、刑事手続の円滑化・迅速化や関係者の負担軽減に資するとして、同法を重要と位置づけ、速やかな成立に力を尽くすと答弁しました。予算面では、令和5年度補正以降の新システム構築予算が約99.6億円、7年度案が約3.99億円と示されました。また、オンライン外部交通については、関係機関や日弁連と協議しながら拡大を進めていると説明されました。スタンスについては、中野英幸氏が合理化・効率化に有益な法整備として賛成、森本宏氏が電子令状の発付・執行により捜査活動の合理化・効率化が期待できるとして肯定的に評価しました。反対や中立の立場の発言者は、提示された材料には含まれていません。
国際保健とユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進について議論されました。外務大臣の岩屋毅氏は、国際保健を外交の柱と位置づけ、UHCの達成とグローバルヘルス・アーキテクチャーの強化を主導する意向を示し、賛成の立場を表明しました。外務省の今西靖治氏も、UHCをグローバルヘルス戦略の中心に据え、日本の強みを生かして推進すると述べ、賛成の立場です。あわせて、UHCナレッジハブの日本設置を準備中であると答弁しました。沼崎満子氏は、米国のWHO脱退表明等を踏まえ、日本が国際保健でリーダーシップを示す好機であると主張し、積極的な国際貢献の必要性を述べて賛成寄りの立場を示しました。提示された範囲では反対や中立の発言はなく、3氏とも推進に賛成する立場でした。
在外公館の相談記録と邦人保護の判断基準について議論されました。鈴木庸介委員は、邦人保護の切迫度の判断について明確な基準がないことを問題視しました。これに対し領事局長は、切迫度は個別ケースごとに現場で身の危険の程度を聞いて判断すると答弁しました。鈴木委員は、基準なく裁量に委ねられる状況を恐ろしいと批判し、大使館の判断に誤りがあった点も指摘しており、スタンスは反対寄りです(スコア0.10)。また鈴木委員は電話相談の記録の扱いについても質しました。領事局長は、電話相談の録音の扱いは国の制度により異なると答弁しました。提示された材料の範囲では、判断基準の整備や記録の取り扱いに関する具体的な結論や決定事項は示されていません。
邦人の生命を左右するような重大な判断が基準もなく、今回のハンガリーの事件では、大使館が切迫度及び総合的な判断を誤ったということになるかと思うんですけれども、そもそも、行政官の裁量に邦人の保護の判断が委ねられているところが恐ろしいところなんです。
地方の裁判所施設・人員の整備について議論されました。井出庸生氏は、佐久市などから裁判所の施設や人員に関する要望が寄せられていると挙げ、現在の配置基準が人口動態に合っているかどうかは全国的な課題であると指摘し、人員・施設の整備充実を求める立場を示しました。これに対し最高裁判所の小野寺真也氏は、人口、交通事情、事件数などを注視しつつ、全国的な観点から体制の整備と司法サービスの充実を検討していくと答弁しました。小野寺氏の答弁は一般的な内容にとどまり、整備に対する積極性は限定的でした。本議論において、具体的な増員や施設整備に関する決定事項は示されていません。
外国人との共生社会の実現について、入管庁は在留外国人が過去最高の約359万人に達したと述べ、人権への配慮、ルールの遵守、違反者への厳正な対応を伴う共生社会が重要だと答弁しました。政府は共生社会ロードマップに基づき、情報発信、相談体制の強化、ライフステージ別の支援などを進めていると説明しました。住居確保については、国土交通省の多言語ガイドブックと入居円滑化ガイドラインがあり、保証人の件も同ガイドラインに案内が含まれると答弁しました。特定技能では支援計画の作成が義務とされ、外国人在留支援センターによる相談対応や自治体窓口への財政支援も行われています。中野英幸氏は、各国のコミュニティーではなく日本のコミュニティーに入り、日本の歴史や文化を理解する共生社会が望ましいとして、条件付きで賛成の立場を示しました。福原申子氏は、共生社会の実現に向けて取組を着実に進める方針と受入れ環境の整備が重要だと述べ、賛成の立場をとりました。
外国人材の受入れ方針について、入管庁は専門的・技術的分野は積極的に受け入れ、それ以外の分野は国民的コンセンサスを踏まえて検討する方針を説明しました。あわせて、受入れ拡大のメリットと、社会保障コストの増加や治安悪化への懸念とをバランスさせて検討する必要があるとの答弁がありました。発言者のスタンスでは、中野英幸氏が専門的・高能力人材を中心とした受入れ方針を進めるべきだとして賛成の立場を示しました。杉山徳明氏は、専門的分野は積極的に受け入れ、他分野は国民的コンセンサスを踏まえて検討するという条件付きの姿勢です。沼崎満子氏は、育成就労・特定技能が外国人材の確保に有用だと評価し、受入れ制度に肯定的な立場を示しました。提示された範囲では、結論や決定事項は示されていません。
長期就労を目指した働き方やキャリアアップの道筋が見えるということは、選ばれる国になるという意味でも非常に重要であり、新たに創設される育成就労や特定技能制度は、こういった道筋が見えるという点でも外国人確保の上で非常に有用と考えます。
言われたとおり、日本としての、我が国としての受入れの方針というのはやはり専門的な人材を中心に、また能力の高い方々も含めた人材にお越しをいただくような体制づくりをこれからも一生懸命と進めていくことだと思いますので、是非これからもそういった方向で進めていただければと思っています。
その上で、政府における外国人材の受入れの方針は、専門的、技術的分野の外国人材は積極的に受け入れていくこと、それ以外の分野については国民的コンセンサスを踏まえつつ検討していくことを基本としております。
対中国・対ロシア関係と緊張緩和外交について議論されました。吉良州司委員は、中国・北朝鮮・ロシアとの緊張緩和の必要性と、中国人ビザ緩和の評価を述べ、中国との友好維持とロシアとの関係修復を含む対話による緊張緩和の方針に賛成の立場を示しました。これに対し岩屋毅大臣は、中国と対話を通じて建設的で安定的な関係を築き、緊張を減じる外交を進めると答弁しました。あわせて、将来的にはロシアとも関係修復を図る考えを述べ、対話による安定関係の構築を支持する立場を示しました。提示された範囲では、両者ともに対話による緊張緩和を支持しており、対立する意見は示されていません。具体的な決定事項は示されていません。
少年院在院者の就学支援と通信制高校との連携について議論されました。法務省の小山定明氏は、令和3年度のモデル事業を令和6年度から全国の少年院に展開し、進路指導の強化や通信制高校との連携を進めると答弁しました。文部科学省の今井裕一氏は、手引の周知と通信制高校・少年院の連携強化を都道府県教育委員会へ依頼済みであり、今後も周知に努めると述べました。両氏はいずれも取組を推進する立場(賛成)です。鈴木貴子氏は、出院時期と進学時期にずれがある点を指摘し、伴走型支援の強化と、通信制高校への柔軟な転入・編入への協力を求める通知の発出を要請しました。鈴木氏も取組に積極的な賛成の立場です。提示された範囲では、通知発出について具体的な決定事項は示されていません。
戸籍への氏名の振り仮名記載について、制度の運用と周知の在り方が議論されました。答弁では、改正戸籍法の施行日以降、市区町村が振り仮名を郵便で通知し、誤りがある場合は令和8年5月25日までに届出を行うことが説明されました。また、振り仮名は一般に認められる読み方であることが必要とされ、疑義がある場合は法務局に照会するとの答弁がありました。周知については、大臣がポスター、ネット広告、テレビCM等で制度の周知・広報に努め、新制度の運用開始に万全を期すと述べました。発言者の立場として、村上智信氏は振り仮名記載を重要な取組と評価し、法務省に進めてほしいと望んでいたことから賛成の立場です。鈴木馨祐氏は、新制度の運用開始に万全を期し周知広報に努める意向を示しており、賛成寄りの立場です。
所有者不明土地・建物対策について議論されました。法務省は、令和5年度の地籍調査で調査対象土地の約26%が所有者不明土地に該当したと答弁しました。また、価値が乏しい土地や空き家であっても自治体は管理命令を申し立てることができ、法人所有の場合も法人の所在が分からないときは申し立て得ると説明しました。相続登記については、令和6年4月に義務化され、令和5年度は150万件超、本年度は11月までに106万件との実績が大臣から示されました。鈴木馨祐氏は、相続登記義務化の効果を肯定し、更なる対策の推進を述べており、賛成の立場です。村上智信氏は、所有者不明土地の売却による有効活用を求め、自治体が売却・有効活用の方向で動くよう法務省から働きかけることを要望しており、賛成寄りの立場です。
日本製ワクチンの海外展開とGaviのリスト掲載をめぐり、日本企業がGaviを通じてワクチン供給に関与し海外進出につなげる重要性が議論されました。沼崎満子氏は、この点を重要と指摘して政府の取組を質問し、政府の後押しを要望しており、賛成の立場です。大臣は、日本企業がラストワンマイルデリバリーで貢献してきたと説明しました。一方で、日本製ワクチンは価格が高く、Gaviの支援ワクチンリストには掲載されていないと答弁しました。そのうえで大臣は、将来のリスト追加と、国内の研究開発・製造能力の維持拡大への寄与に期待を示しました。岩屋毅氏もリスト追加と海外展開への期待を表明しており、賛成の立場です。リスト掲載に関する具体的な決定事項は示されていません。
日米首脳会談と対米投資をめぐり、吉良州司委員は、首脳会談での投資や一兆ドルのコミットメントが民間企業への圧力や負担転嫁になるのではないかと懸念を示し、投資という表現にも疑問を呈しました。これに対し岩屋毅大臣は、今回は初会談であり大枠の話にとどまったこと、共同声明が全てであること、民間の領域に踏み込む発言はなかったことを答弁しました。一兆ドルについては、対米投資の拡大見通しを踏まえ、日本が投資国であり続けるとの趣旨だと説明しました。USスチールについては、単なる買収ではなくウィン・ウィンの投資であると総理が述べたと紹介する一方、出資割合などの細部には触れませんでした。吉良委員は慎重・反対寄りの立場、岩屋大臣は事実説明にとどまる中立の立場でした。結論や決定事項は示されていません。
更生保護サポートセンターのサテライト設置と保護司の面接場所確保が論点となりました。答弁では、令和7年度政府案にサテライト型更生保護サポートセンター43か所の設置経費を計上したことが示されました。また、既存のサポートセンターは夕方から夜間に開所しておらず利用できない場合があることから、公共施設での面接場所の確保を要請している旨も述べられました。押切久遠氏は、サテライト設置や面接場所確保の経費を予算に計上し、取り組む意向を表明しており、賛成の立場です。鈴木貴子氏は、サテライト設置に大賛成と明言し、既存センターの利用制約も問題視する賛成の立場から、地域特性を反映したサテライトの設置と、面接場所借料の約1.5倍増となる予算の周知を求めました。
核の拡大抑止と日米同盟について、吉良州司委員は、民主主義国は核で反撃できないという問題意識から、拡大抑止は非対称であり本来意味を成さないとの否定的な見解を示しました。これに対し、岩屋毅大臣は、核保有国に囲まれ核軍拡が進む中にあって、拡大抑止はしっかり担保すべきであると答弁し、肯定的な立場を明確にしました。両者の間では、拡大抑止の実効性とその必要性をめぐって見解が分かれています。提示された材料の範囲では、この論点について特定の結論や決定事項は示されていません。
法務省のシステム調達における一者応札とベンダーロックイン対策が議論されました。刑事手続DXの基幹システム契約(NEC、約69.4億円)は2者応札、富士通のグループウェア契約は1者応札で、戸籍情報連携システム運用支援(日立、約83.5億円)と登記情報システム更改(富士通、約79.2億円)も1者応札でした。法務省は、前者を体制確保の難しさ、後者を体制・経費面からの応札見送りが要因と推測しています。柴田勝之氏は一者応札をベンダーロックインの表れと問題視し、対策に肯定的な立場です。鈴木馨祐氏もベンダーロックインを大問題として対応の必要性を述べました。中村功一氏は防止に取り組む姿勢を示し、今後も継続すると表明しました。法務省は、仕様書の明確化や特定製品を指定しないことに加え、アドバイザーの助言も得て防止に取り組むと答弁し、大臣は刑事DXで汎用機器やオープンな要件とし、事業者独自のプロトコルを使わなかったと述べました。
先ほどお答えのあった戸籍情報連携システムの運用支援、あるいは登記情報システムの更改、これで一者しか応札がなかったというのは、この現象がまさに起きていると私は思っております。
法務省におきましては、ベンダーロックインを防止するため、システムの専門家であるデジタル統括アドバイザーの支援、助言なども得ながら、調達仕様書の作成段階で、事業者に依頼する作業内容についてどの事業者でも理解できるよう明確に記載するとか、システムが求める要件について特定の事業者の製品を指定することにならないよう具体的に記載するなどの対応を講じているところでありまして、今後もベンダーロックインの防止に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
そこはしっかりとした対応が必要だと思っています。
登記事項証明書の交付事務等に係る委託費の適正化が議論されました。委託費は令和元年度分の約78.5億円から令和5年度分の約74.6億円となっており、主に人件費が占めると説明されました。窓口の交付件数は9,669万件から8,607万件に減少した一方、インターネットによる登記情報提供は1.40億件から1.64億件に増加しています。減額の仕組みとして、前年度比で10%以上の件数乖離があれば委託費の減額協議が可能で、配置人数が過剰な場合は10%以内でも協議できるとの説明がありました。柴田勝之氏は、前年比だけでなく入札時に示した過去の件数との比較で減額を判断するよう検討を求め、適正化に賛成の立場を示しました。竹内努氏は、発行件数が減少した場合に委託費の減額を検討する姿勢を示しつつ、条件付きで断定は避けており、おおむね賛成寄りの立場です。結論や決定事項は示されていません。
米国産LNG輸入とエネルギー安全保障に関して、アラスカLNG事業をめぐるやり取りがありました。吉良州司委員は、同事業では引取り手の体力が重要であると指摘し、トランプ大統領が日本の投資を前提にしていると解釈する懸念を示しました。供給元多様化の必要性については理解を示していますが、米国産LNG自体への賛否は示されておらず、スタンスは中立寄りの賛成(スコア0.60)とされています。これに対し大臣は、供給元の多角化とLNG輸出増加を含むエネルギー安全保障協力を確認したのみであり、アラスカ事業の話はしていないと答弁しました。提示された範囲では、アラスカLNG事業への日本の関与について結論や決定事項は示されていません。
そういう意味では、世界の中で供給元を多様化しておくという必要性は私は十分分かっています。
育成就労制度の運用開始に向けた準備状況が議論されました。答弁では、同制度は令和9年4〜6月の運用開始を予定しており、基本方針は本年3月の閣議決定を目指すと説明されました。あわせて、主務省令は本年夏頃の公布、分野別運用方針は本年12月の閣議決定を目指して準備を進めているとされました。中野英幸氏は、制度の活用と人手不足への対応を進めるべきとして賛成の立場(スコア0.80)を示し、入管庁を支援する意向を表明しました。また、制度変更について企業向けの十分な広報(PR)を行うよう求めました。提示された材料では、これ以外の発言者の立場や追加の決定事項は示されていません。
そして、多くの皆様方に利用いただきながら、今のこの人手不足やまた人材難ということの中での対応を更に進めていくことが肝要であるというふうに思いますので、是非、入管庁、これからもバックアップしてまいりますので、どうぞ一生懸命とその対応を進めていただければと思います。
育成就労・特定技能における外国人材の文化・宗教への配慮が議論されました。沼崎満子委員は、ネパールのカースト等を例に挙げ、受入れや職業選択の場面での文化・宗教への配慮を質しました。また、文化・宗教・生活環境への配慮が重要であると述べ、現場への浸透を求めました。これに対し政府側は、指針において事業主に文化・慣習の多様性への理解を求めていること、受入れ前に母国語で業務内容を説明するよう求めていることを示し、育成就労でも同様の仕組みを予定していると答えました。福原申子氏は、関係機関と連携して文化・宗教への配慮に努める旨を述べ、肯定的な立場を示しました。スタンスの面では、沼崎氏が賛成寄り(0.80)、福原氏も賛成寄り(0.70)でした。なお、要点には具体的な結論や決定事項は示されていません。
退去強制令書が発付された者の送還促進と改正入管法の運用が論点となりました。入管庁は、退去強制が確定した者は速やかに退去することが原則であり、3回目以降の難民申請者は例外を除いて送還が可能であると答弁しました。また、送還は個別に計画を策定して実施していること、送還停止効の例外を適用して送還した実績があり、その内容を公表する準備を進めていることを説明しました。発言者のスタンスとして、中野英幸氏は、令書発付者が国内に残留することはルール違反であるとして強制退去を支持する立場(賛成)を示しました。杉山徳明氏は、退去強制確定者の迅速な送還と改正法の適切な運用を推進する方針を明言し、賛成の立場を示しました。提示された範囲では、反対や中立の立場からの発言は確認されておらず、新たな決定事項も示されていません。
法務省所管、外務省所管の質疑が終了し、分科会所管の審査はすべて終了しました。各テーマでは、保護観察官52名の増員計上や育成就労制度の開始予定時期などが示された一方、多くの論点では検討を続けるとの答弁にとどまり、新たな決定事項は示されていません。
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