議事録データ出典: 国会会議録検索システム(国立国会図書館)に掲載されている公式議事録を使用しています。
本調査会では、外交・安全保障を中心に多岐にわたる論点が議論されました。日ロ関係では和田春樹氏がウクライナ戦争終結に向けた日本の働きかけと北方領土問題の考え方転換を主張しました。日中関係では宮本雄二氏が戦略的互恵関係の再構築、首脳レベルでの対話再開、東アジアにおける多層的安全保障協力の必要性を論じ、高市首相の台湾関連発言をめぐっては宮本氏が日中関係の停滞を懸念する一方、石平氏は当該発言を擁護しました。台湾問題や尖閣諸島、東シナ海ガス田問題についても宮本・和田両氏らの間で見解が交わされました。北朝鮮については和田氏が国交正常化交渉と拉致問題解決の一体的推進、北朝鮮人権法制裁の見直しを主張しました。また、中国の反日教育とネット空間の影響、非核三原則見直し論についても議論されました。
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全15テーマ ・ 紐づく質疑24件
北方領土(南千島)・竹島をめぐる領土問題の位置づけと日本の対応方針
ですから、その意味でいうと、日本とロシアの戦争の歴史を断つという意味でいうと、領土問題の考え方をちょっと変える必要があるんではないかと私は思っております。
本テーマでは、中国における反日教育・愛国主義教育とネット空間を通じた対日感情への影響が議論されました。1989年の天安門事件を機に、トウ小平の指示のもと1994年から江沢民が愛国主義教育を開始し、反日的内容が多くなった経緯が説明されました。中国国内では沿海部と内陸部で対日感情に差があり、海外経験のない内陸部の七割は党の宣伝の影響を強く受けるとの指摘がありました。一方で、訪日観光客数千万人がウイチャットで発信したことにより、想像を超える速さで中国国民の対日理解が進んだ例や、独仏の中高生相互ホームステイのような若者交流が国民同士の和解に大きな役割を果たした例が紹介されました。また、現在は学校教育よりもスマートフォンのネット空間での反日情報の方が影響が大きいとの指摘もありました。宮本雄二氏は、交流継続への期待とネット空間での反日感情拡大への懸念が併存する立場(スコア0.50)を示しました。
ですから、今はその教育もありますけれども、より大きいのはネット空間、ここでの反日が更に強いというふうに思っております。
北方領土・竹島をめぐる領土問題では、和田春樹氏と石平氏の間で見解が分かれました。和田氏は、択捉・国後を千島に含めない主張は地理学上・歴史学上の常識に反すると述べ、ソ連領有を確認した上で歯舞・色丹の引き渡しを求めるべきと主張しました。竹島については、日本による朝鮮植民地支配と賠償未払いの経緯を踏まえ、韓国の独島主張を日本は認めるほかなく、経済水域は鬱陵島と隠岐の島の中間線とすべきと述べました。また、領土問題を国論とすることは東北アジアの戦争の引き金になり得るため避けるべきとの立場を示しました。これに対し石平議員は、和田参考人の見解の真意を質問し、その説明を理解した上で、竹島は日本の領土であると主張することを表明しました。
本テーマでは、北朝鮮との国交正常化交渉と拉致問題解決の一体的な推進について議論が行われました。和田春樹氏は、小泉純一郎首相と田中均局長の時代に日朝国交交渉の中で拉致問題交渉が進展した経緯を踏まえ、国交正常化交渉の再開が必要であると主張しました。また、拉致被害者の生死報告を受け取った上で拉致問題特別委員会等で検証し最終結論を出すべきとし、生存者の帰国要求と死亡者への賠償請求を行いつつ、拉致解決が得られれば経済協力交渉が未了であっても国交正常化を断行すべきと述べました。和田氏は、全員生存・即時返還の主張から制裁・対決路線に転じたことが交渉を困難にしたと指摘し、北朝鮮が拉致を認めたこと自体を前進と評価した上で、断交状態を続けることはできないとしました。あわせて、岸田文雄首相が国連総会で金正恩委員長との会談を呼びかけた際に金与正副部長が2度対話条件を提示し、北朝鮮が3度談話を出したことは日本との関係を相当意識している表れであるとし、覚悟を持った真剣な交渉と、北朝鮮の回答が不十分でも解決に向けた段階的努力が必要と指摘しました。和田氏は国交正常化交渉再開に賛成の立場を示しました。
そのためにも、日朝国交正常化交渉を再開しなければならないわけです。
本テーマでは、北朝鮮人権法による制裁と朝鮮高校無償化除外の見直しの必要性について議論が行われました。和田春樹氏は、国交正常化交渉の再開には北朝鮮人権法による制裁姿勢の改定、少なくとも朝鮮高校無償化除外の修正が必要であると主張し、この政策修正を交渉再開の前提とする賛成の立場を示しました。
少なくとも朝鮮高校を高校教育無償化措置の対象から除外している政策の修正がなされなければならないということは誰もが了解している点だと思います。
台湾問題をめぐっては、これが中国の内政問題であり、指導者の都合だけでなく国民の大義名分の有無が武力行使の可否を左右するとの見方が宮本雄二氏から示されました。同氏は、台湾侵攻が中国経済にも大打撃を与え国民の不満増大につながるため、習近平政権も国民の反応を無視できないと指摘しています。これに対し原田議員は、台湾の出方にかかわらず中国が独自のタイムスケジュールで武力行使を選ぶ可能性を懸念し、見解を求めました。また、1972年の日中共同声明時から日米安保と台湾防衛は本質的に矛盾しており、日本は曖昧戦略を取ってきたこと、中国側は台湾有事の際に日米安保と無関係に日本が独自に軍事介入するとの理解をしており、これが誤解と怒りの背景にあることが指摘され、誤解を解くには直接対話が必要との指摘がなされました。石平氏は、高市発言が従来の日本の立場から逸脱しておらず、曖昧戦略には限界があり、当該発言が抑止力になり得ると主張しました。
本テーマでは、2012年の尖閣国有化を契機とした実力による現状変更と、それに伴う日中安全保障対話の変質が論点となりました。宮本雄二氏は、中国が実力による現状変更を行ったことは国際法違反であると指摘し、これにより実効支配の均衡化が図られたとして批判的な立場を示しました。また、尖閣問題以降、自衛隊と人民解放軍が直接対峙する局面となり、日中安全保障対話が台湾有事対応から直接対峙の管理へと変質したと述べました。一方、和田春樹氏は、尖閣を交渉対象と位置づけ、即時交渉の開始を主張し、現状の日本の領有立場よりも譲歩的な立場を示しました。
本テーマでは、日中関係における戦略的互恵関係の再構築と経済安全保障上の相互依存管理が論点となりました。宮本雄二氏は、2008年の日中共同声明で明記された戦略的互恵関係の理念を今一度充実させるべきと述べ、脅威は能力と意思の合致によって現実化するため、軍事力対応と併せて外交による意思への働きかけが重要であると主張しました。また、経済安全保障の制約を受けない経済分野は多く存在するとし、日中双方でこうした分野を相互に活用すべきとの見解を示しました。これらの発言は軍事偏重を戒め、外交・戦略的互恵関係の充実を推奨する立場に基づくものであり、スコアは0.75(賛成寄り)と評価されています。
したがって、単にその軍事力をどうするかというだけではない、外交関係も含めた中国との関係構築というのが非常に必要になってくるというふうに思います。
本テーマでは、日中関係の再修復を国家として重要な事案と位置づけ、日本の最高指導部が決意を固めて動く必要があるとの論点が示されました。また、改善の意思を伝えることを先決とし、具体的なまとめ方については日中双方の立場を踏まえた外交的解決に委ねるべきとの意見が出されました。さらに、こうした決意を支えるためには国内世論の醸成も必要であるとの指摘がありました。発言者としては宮本雄二氏が挙げられ、日本側からの働きかけと最高指導部による決意表明の必要性を主張し、対話再開に前向きな立場を示しました。
したがって、ここをやっぱり、日中関係の再修復ということがやっぱり国家として非常に重要な事案であるという決意を固めて動き始めるという必要があると思います。
本テーマでは、東アジアにおける安全保障の枠組みのあり方が議論されました。宮本雄二氏は、東アジアでは安全保障を自国の問題として多国間で考える議論が不足しており、新しい安全保障の枠組みが必要であると述べ、参加国の安全を平等に保障する仕組みづくりは極めて難しいため、まずセカンドトラックの専門家議論から始めるべきと提案しました。宮本氏のスタンスは賛成寄りであり、東アジア安保議論の不足を問題視し検討開始を提案するなど、対話促進に積極的な立場が示されました。また、若井議員は、日米同盟を基軸としつつ多国間安全保障協力を重層的に組み合わせる取組の意義を説明し、意見を求めました。
この安全保障の問題について、私は、東アジアにおける議論が余りにも少ない。
本テーマでは、東シナ海における中国のガス田関連構造物の新規設置と、2008年の日中合意に基づく交渉再開の是非が議論されました。2008年の東シナ海ガス田共同開発合意はコンドミニアム概念に近い試みでしたが挫折し、合意後に日本国内で「日本が勝利した」との報道が流れたことに対し中国外交部副部長が記者会見で否定したことで合意が崩れた経緯が示されました。現在は中国側が中間線上で構造物建設を進め既成事実化が進行している一方、日本側は中間線内で未開発である状況が指摘されました。宮本雄二氏は、両国首脳が再度合意し環境整備を行えば合意復活の可能性があるとし、共同開発合意復活を貴重な機会と捉え交渉再開に向けた努力継続を主張しました。
したがって、あれはもう本当に貴重なチャンスで、これからも、もうこれで終わったと思わずに、引き続き我々としては努力していくべきだと思います。
本テーマでは、和田春樹氏が日ロ中米韓朝の6か国による東北アジア諸国連合(ONEAN)構想を提案し、島嶼会議・都市会議等の下部組織を含む枠組みを説明しました。基本原則として、朝鮮戦争停戦協定の尊重や台湾が中国の一部であることの確認等を挙げています。和田氏は、過去のASEANプラス3による東アジア共同体構想が米国参加をめぐる中国の反発により頓挫した経緯を踏まえ、東北アジアの枠組みは六者協議の経験を土台にでき、日本が日朝平壌宣言で提案した経緯から主導すべきと主張しました。また、北朝鮮への非核化要求を対話の入口にすると対話が始まらないため、日韓連携より先に日本単独での日朝国交正常化を出発点とすべきであり、核不使用の約束は先の課題とし、まずは朝鮮戦争停戦状態を補強する話合いが有意義であるとの考えを示しました。和田氏はONEAN創設を明確に提案し、日本主導での実現手順まで具体的に主張しており、賛成の立場です。
ですから、まずオーガナイゼーション・オブ・ノースイースト・エーシャン・ネーションズ、ONEANをつくりまして会議を開くことにすべきだと思います。
本テーマでは、米中首脳会談を見据えたインテリジェンス活動の重要性について議論が行われました。宮本雄二氏は、会談の焦点が貿易・投資委員会等の協議の場の創設可否にあるとし、両国関係の安定化志向を注視すべきであると述べましたが、この点についての賛否は明確に示されていません。若井議員は、米中首脳会談での合意が東アジア秩序を米中主導にすることへの懸念を示しました。両者の発言を通じて、米中首脳会談の協議内容とその帰結が東アジア秩序に与える影響が論点として取り上げられましたが、明確な結論や決定事項は示されていません。
アメリカと中国がどういうふうな国と国との関係をつくろうとしているのかと、ここをしっかりと眺めなければいけないというふうに思います。
本テーマでは、非核三原則見直し論と核武装が東北アジアの安全保障に与える影響について議論が交わされました。論点として、東北アジア6か国中4か国が核保有国である現状において日本が核武装しても新たな安心材料は増えないこと、北朝鮮が2017年時点で米朝戦争時に在日米軍基地をミサイル攻撃する部隊の存在を表明していたこと、日本海沿岸の原発群が通常弾頭ミサイルでも核爆発同様の被害をもたらしうる危険な近接状況にあることが挙げられました。発言者としては和田春樹が反対の立場(スコア0.15)を示し、核保有・核武装は悲劇を招くとして外交努力による平和を優先すべきと主張しました。本テーマに関する結論・決定事項については、提示された材料からは確認されませんでした。
そういうわけですから、そういうもう極限的にこの近接している状況で、そこでこういう兵器が存在して、対立が深まればもう防ぎようがない状態になっているという感じがいたしますから、やっぱりこのことに対して、本当に平和が来るような方向に努力をするということを中心的に考えていかなきゃならないものと私は思います。
本テーマでは、高市首相の台湾関連の国会発言をめぐり、日中関係の停滞と民間交流の断絶が議論されました。宮本雄二氏は、高市首相の存立危機事態発言以降、日中関係が事実上停止しデッドロック状態にあると問題視し、組織的な民間交流について中国側が停止しており早急な是正が必要だと述べました。個人間の交流は続いているものの、2012年当時に比べ中国にとって日本の相対的重要性が低下し非公式チャンネルも失われているため、政府間の動員による打開が必要な局面にあるとし、日本の最高指導部からの強い決意表明と対中働きかけが不可欠との認識を示しました。中国側の交流窓口は交流を「延期」としており、中国側にも打開を望む動きが出始めているとの指摘もありました。また、ダブルユース規制やレアアース問題、観光客減少といった経済面への影響が地方自治体にも及び始めている点も挙げられました。一方、石平氏は、高市発言は従来路線から逸脱しておらず問題はないとして擁護する立場を示し、世論調査で7割超が改善不要と回答している点を挙げ、改善せず静観する選択肢もあり得ると指摘しました。
個別テーマごとに賛否や立場の相違が示されましたが、会議全体としての統一的な結論・決定事項は示されませんでした。全体として、外交努力や対話再開の重要性を強調する意見と、既存の立場を維持すべきとする意見が併存する形で議論が展開されました。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
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