議事録データ出典: 国会会議録検索システム(国立国会図書館)に掲載されている公式議事録を使用しています。
本委員会では、防災庁設置法案等の審査のため、沼田宗純氏、大西勝也氏、栗田暢之氏の三参考人から意見聴取が行われました。議論は、インクルーシブ防災における障害当事者・高齢者の参画、事前防災推進のための土地利用政策、住宅耐震化の地域差是正、南海トラフ地震に備えた津波避難インフラ整備と広域道路啓開計画、国と基礎自治体の役割分担、命の教育を通じた防災教育、声を上げられない被災者への支援ニーズ把握、広域避難者支援、日本版インシデントコマンドシステム導入、ボランティア・NPOと行政・社協の三者連携、防災庁職員に求められる専門性など多岐にわたりました。大西氏は黒潮町での取組を踏まえ防災庁の勧告権・総合調整権限の活用を要望し、栗田氏は防災庁への過度な期待への懸念を示しつつ国民と共に立ち向かう姿勢を望むと述べ、沼田氏は防災庁を政策転換点と位置づけ大学連携や人材育成の重要性を強調しました。原田議員、佐々木議員、嘉田議員、杉本議員らも各論点について質問しました。
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全31テーマ ・ 紐づく質疑48件
インクルーシブ防災における障害当事者・高齢者の防災計画への参画
インクルーシブ防災における障害当事者・高齢者の防災計画への参画をめぐり、大西勝也氏は黒潮町において障害者が既に防災計画の策定、避難訓練、振り返りに参画している事例を紹介し、多様な視点を確保するうえでは防災庁職員としての内部登用か外部ヒアリングかという方法論よりも、日々のコミュニケーション量の確保が重要であると説明しました。また、当事者自身が企画立案に関わることで当事者感(我が事感)が醸成されると述べ、高齢者や障害者は避難歩行速度の違いなどを自覚していることから、健常者よりも当事者感が高い可能性があるとの見解を示しました。栗田暢之氏は、障害者を支援の対象としてだけでなく人材として位置づけ、本人の意思を理解しながら共に活動できる仲間を増やすべきであると主張しました。両氏とも障害当事者・高齢者の参画促進に肯定的な立場を示しています。
本テーマでは、事前防災推進のための土地利用政策が議論されました。沼田宗純参考人は、防潮堤や津波避難タワーには寿命があるとした上で、事前防災の要は土地利用政策であると主張しました。沼田参考人は防災庁設置による土地利用政策の進展に期待を示しており、土地利用を事前防災における重要な論点として肯定的に強調する立場です(賛成傾向)。
事前防災のやっぱりポイントは、その土地利用をどうするかが私は一つの大きなポイントかなと思っています。
本テーマでは、住宅耐震化の地域差是正と防災理解に基づく行動変容の促進について議論が行われました。佐々木議員は、家具転倒防止や感震ブレーカー設置率向上等の行動変容促進策について質問しました。沼田参考人は、福祉訪問の際に家具固定等の防災点検を併せて行う、福祉と防災の連携を提案しました。大西勝也参考人は、避難行動を取らない人への一律の批判は不適切であり、心理学的な理由分析が必要であると発言しました。大西氏は、黒潮町が補助金額は低いにもかかわらず県内34自治体中で耐震化実施率が高いというイレギュラーな結果を示し、耐震化が進む要因は自分の命だけでなく隣人や避難弱者への配慮を伴う防災全体への理解にあると分析しました。大西氏は耐震化・避難施策の実績を肯定的に述べ、防災理解の重要性を強調する立場でした。
これ、なぜこういうことになるかと自分なりに解析しますと、やはり防災全体に対する理解だと思います。
本テーマでは、南海トラフ地震に備えた津波避難インフラ整備と住民主体の避難行動醸成について議論が行われました。大西勝也氏(賛成、スコア0.75)は、2012年に公表された津波想定34.4mを機に避難放棄者を出さない目標を掲げ、官民一体で対策を推進したと説明しました。地域とのワークショップを重ねて住民参画を促し、戸別避難カルテや世帯別津波避難行動記入シートを活用することで住民の主体性を引き出し、行動変容を実現したと述べました。その結果、津波死者想定は2012年の2100人から2026年の見直しで460人へと約8割減少したと報告しました。また、津波避難には「逃げるか」「逃げられるか」という二つの課題があり、家族全員の所在確認が避難開始を妨げる要因になると指摘しました。黒潮町では観光客への対応として多言語防災ガイドブックを道の駅等に常置し、技能実習生向け講演も実施していると説明し、リスクをゼロか百かではなく許容範囲を検討する姿勢で観光と防災の両立を図っていると述べました。さらに、黒潮町の防災リーダーは自分の命ではなく他者の命へのリアリティー(二人称防災)を持って活動を継続しているとしました。
このように、自分たちが整備計画策定に参画した、実際にその避難インフラの整備が目に付き始めますと、過程と結果が結び付く、あるいは防災対策が少しずつ前に進んでいることの実感を持っていただけた、こういったことも一つ大きな要因であろうかと思います。
本テーマでは、南海トラフ地震等の大規模災害に備えた広域道路啓開計画の脆弱性と高規格道路整備のあり方が議論されました。大西勝也氏(賛成、スコア0.85)は、旧両町を結ぶ道路が国道一本のみである点を挙げ、大規模災害時の脆弱性を指摘し、県計画が示す3日での啓開見込みは楽観的であると述べました。同氏は、国道が寸断した場合の迂回路は距離395km・所要時間約5時間半に及び、そのほぼ全区間が高規格道路であると説明し、現在建設が進む高規格道路が浸水区域において道路構造物自体を避難インフラとして機能させることへの期待を示しました。一方で、重機不足によって啓開のめどが立たないフィーダー路線が存在し、これが救急搬送や人命捜索の障害になっていると指摘しました。さらに大西参考人は、高規格道路整備は国土交通省が防災の観点から予算配分を行っているものの、整備を一層促進するためには勧告権と予算の純増が必要であると述べました。
我が国は、災害大国である以上、防災にはひるむことなくインフラや人材に投資をする姿勢が必要でございます。
南海トラフ地震等の大規模災害における国と基礎自治体の役割分担について議論が行われました。原田議員は、基礎自治体任せの対応には限界があるとして、国と自治体の役割分担への期待を質問しました。これに対し大西勝也参考人は、基礎自治体が内製化や経験値の蓄積を進めることを重視しつつ、防災庁が全国の事例を集約し対応マニュアルの質を高めるべきであると発言しました。大西参考人のスタンスは中立に近く、基礎自治体の実行主体性を重視する一方で防災庁による集約支援にも期待を示しており、基礎自治体への責務過剰には懸念を示すものでした。
本来は、できるべきことは基礎自治体がやるべきだというのが僕の考えです。
命の教育を通じた防災教育の推進について議論が行われました。大西勝也氏(賛成)は、2013年より片田氏とともに義務教育の悉皆性を活用した「命の教育」と称する防災教育を推進しており、フィールドワークを通じ生徒が地域防災を動かすことで自己有用感による好循環が生まれたと説明し、こうした教育を受けた世代が今後厚い人材層を構成し社会実装される防災資源になると期待を示しました。具体例として、黒潮町では片田氏監修の下、学校の防災担当者・校長らが1年掛けて防災教育マニュアルを策定し教育者を育成したこと、高齢女性が詠んだ句が悲観から避難訓練への前向きな姿勢へと変化したこと、中学生が発案した「日本一短い距離の避難訓練」など住民主体の訓練企画が自走的に実装されていることが紹介されました。栗田暢之氏(賛成)は、事前防災で防げる命と災害関連死で失われる命の二種類があり、両方への理解醸成が防災庁の役割であると述べました。沼田宗純氏(賛成)は、SDGsバッジのように自分の防災行動が社会貢献に結び付く仕掛け・文化づくりを防災庁に期待すると発言しました。
本テーマでは、声を上げられない被災者への安否確認・支援ニーズ把握体制のあり方が議論されました。沼田参考人は、外国人向けに入国時登録を活用した安否確認システムの整備を防災庁の役割として提案しました。栗田暢之氏は、石川県において厚労省の被災高齢者等把握事業をJVOADが受託し、支援員が約1.5万世帯を訪問して安否確認を行った取組を紹介するとともに、車椅子生活で車中泊が3か月に及んだ例や仮設住宅の壁の薄さから声を上げられない障害者等のニーズ把握が課題であると指摘しました。栗田氏は、行政・社会福祉協議会・NPOの連携を強化し、こうした声を上げられない被災者に気付く体制を作るべきだと主張し、賛成の立場を示しました。
そこは行政と社協とNPOと、やっぱりこの三者の連携で、聞こえてこないとするならばそれは聞こえてきた方がいいんで、そこは連携を強化して、誰かはそれに気付くという体制を強化していくしかないのかなというふうには感じています。
本テーマでは、大規模災害時における負傷者搬送リソースの不足と、それに対する国の財政支援のあり方が論じられました。大西勝也氏は賛成の立場から、内閣府による医療分野の救急搬送等に関する弱部分析を有益な取り組みとして評価し、今後も国の積極的な関与を求めました。同氏は、L2規模の災害を想定した弱部分析において、負傷者数が約1040人、うち搬送を要する者が約340人発生する一方、救急車2台では対応が不足するとの試算を示しました。その上で、事前防災により対象者数を減らす努力は必要としつつも、それでもなお不足する搬送リソースへの対応は国が担うべきであると主張し、弱部の洗い出し後の対応には国の強力な財政措置が不可欠であり、地方任せでは実効性を欠くと指摘しました。また、防災庁の勧告権について、財政当局に対しても実効力を持つ必要があるとの要望を述べました。
その搬送しなければならない対象者をそもそも減らす努力をしていく、つまり事前防災です。その事前防災について自分たちは一生懸命やりますが、それでもどうしても出てしまうその対象者についてのリソース不足というのは国が積極的に解決をすべきところだと思っていまして、それを地方の責務と言われると少し、財政状況を考えたときに、自分たちとしては満点の対応は取りかねるということにならざるを得ないというのは現実でございます。
本テーマでは、広域避難者への情報把握と自治体を越えたシームレスな生活支援の制度的担保について議論されました。脇氏は、広域避難者への迅速な情報把握と国としての支援方策を栗田暢之氏に質問しました。栗田氏は賛成の立場から、災害対策基本法等改正により広域避難者の所在把握制度ができた一方でソフト面の支援体制が伴っていないと指摘し、東日本大震災で復興庁が設置した26拠点の広域避難者支援の仕組みが能登半島地震では活用されなかった点に疑問を提起しました。また、仮設住宅と広域避難先(市営住宅等)とで受けられる支援(家電支給等)に格差があるとして、法による一律化の必要性を主張しました。さらに、広域避難者の孤立防止には人との交わりが重要であるとし、復興庁が培った拠点支援のノウハウを官民連携で活用すべきと述べました。
何か同じ国に住んでいて受けるサービスが違うということを、法によって一律にすることは多分できるんじゃないかなと。
本テーマでは、日本版インシデントコマンドシステム(ICS)導入による現場指揮・情報共有の標準化について議論が行われました。沼田宗純氏は、日本版ICSの必要性自体は認めつつ、「日本版」という呼称は避け、防災庁独自の枠組みを構築すべきであると述べました。また、47種類の業務分類を基に、ICS的な組織内の役割配置の考え方を組み合わせることで、応援がスムーズになるとの見解を示しました。さらに、災害対応後のレビュー・検証が十分に行われていないという課題を指摘し、防災庁がレビューを行いプロトコル改善に繋げるべきであると述べました。沼田氏のスタンスは賛成寄り(スコア0.75)であり、日本版ICSの必要性を明言したことがその根拠とされています。
日本版ICSというのも必要だと思っています。
民間・ボランティア人材活用のための認定基準・インセンティブ制度整備をめぐり、沼田宗純氏は民間人材活用のための認定基準の整備と、ボランティア活動への税制インセンティブ導入を提案し、ボローニャ市がボランティア専用の活動スペースを本部会議室隣に設置している事例を紹介しました。また、金銭的インセンティブ(税制優遇等)を付与する仕組みについても提案しており、一連の提案に積極的な立場を示しました。栗田暢之参考人は、体育館開放や学校の公欠扱いなど自治体・学校連携の事例を全国に伝えるコーディネーション機能を防災庁に期待するとともに、ボランティア活動への金銭的インセンティブ付与についても賛成の立場から発言しました。原田議員は、消防団の減少が進む中でボランティア・NPOへの防災庁による支援の必要性について質問しました。
本テーマでは、災害ボランティア・NPOと行政・社協との三者連携による支援の漏れ・むら解消が議論されました。栗田暢之参考人は、能登半島地震の珠洲市において技術系NPOとボランティアセンターが協働し支援先を調整したことで、支援の漏れ・むらを防いだ事例を挙げました。軽トラック等の車両救出(226件)は技術を持つNPOでなければ対応できず、一般ボランティアでは対応が不可能であったと説明しました。また、行政・ボランティアセンター・NPOの連携会議を珠洲・輪島・穴水で開催し役割分担を話し合ったことが対応の進展につながったと述べました。栗田氏は、災害中間支援組織・行政・社協の三者連携の枠組みをふるさと防災職員に理解してもらう必要があると発言し、珠洲市は社協を中心にNPO・行政が連携する三者連携を実践しており、今後も充実へ働きかける意向を示しました。さらに、声の上がらないニーズは放置されがちであり、行政・社協・NPOの連携強化により気付く体制が必要であると述べました。栗田氏は三者連携の必要性と行政の主体的関与について一貫して賛成の立場を示しました。
これは今までの災害ですと、NPOと社協、これはあったんですけれども、そこに行政が加わるという仕組みをやっぱり重要視しなきゃいけないというのが三者連携なので、ここは都道府県域であったり市町村域であったり、やっぱりその社協におんぶにだっこじゃなくて、ちゃんと行政も関わるという姿勢を行政には深めていただきたいなという、その認識の途上にあるというふうに思っています。
本テーマでは、災害中間支援組織を軸とした行政・一般ボランティア・NPO等の三者連携体制の強化について議論が行われました。栗田暢之氏は、災害中間支援組織が支援の漏れ・むらを調整する役割を担うと説明し、能登半島地震では石川県に同組織が未設置でJVOADが代替対応にあたり、約430団体のNPOが活動した経緯を述べました。令和7年6月6日の閣議決定では、都道府県域の災害中間支援組織の組織率を令和12年までに100%とする目標が盛り込まれ、現在28都道府県に設置済みで、未設置の13県についても令和8年度中に立ち上げ支援事業が展開される予定です。栗田氏は、組織の設置自体は目的ではなく、設置後の都道府県ごとの連携体制構築や、平時の対応維持のための財源確保、被災援護協力団体の分野拡充が重要と指摘しました。また、山梨県で未設置である理由として、中間支援組織という概念の定着不足と災害特化NPOの不足を挙げました。小沢氏は沼田氏に対し平時の知見共有の在り方を質問し、嘉田議員は都道府県ごとの災害ボランティアセンターの状況について質問しました。栗田氏は都道府県ごとに温度差があり、各地域に合った組織設置が進められていると述べ、県庁内にキーパーソンがいる場合に連携がうまくいった経験を紹介し、ふるさと防災職員にも同様の調整役を期待すると述べました。栗田氏は官民連携体制強化についてスコア1.00(賛成)とされています。
これ、私たちは歓迎しているといいますか、これをしっかりと官民連携でやり遂げなきゃいけないという覚悟でいます。
本テーマでは、災害対応業務を八分野四十七種類に定義して標準化する取組と、専門人材のデータベース化が議論されました。沼田宗純氏(賛成、スコア0.85)は、この標準化の枠組みを紹介した上で、SOP(標準的手順)の考え方を導入して専門人材をデータベース化する必要性を提案しました。また、イタリアで採用されているA・B・C三段階の被害規模レベル化を紹介し、現場対応に有効であると説明しました。沼田氏は、こうした業務の体系化・標準化は最低限のラインであり、防災庁が全体の調査方針・対応方針を決定し、人員をコントロールすべきであると述べました。原田氏は、防災庁の司令塔機能が各省庁間の調整にとどまることへの懸念を示し、災害対応の体系化・標準化や役割プロトコルの整理が重要であると指摘しました。一方、栗田暢之氏(スコア0.50)は、防災庁の車両調整機能への期待を示したのみで、八分野四十七種類の標準化については言及していません。
本テーマでは、災害時の即応能力を維持するために、建設作業従事者を平時から確保する仕組みづくりが喫緊の課題であるとの論点が示されました。大西勝也氏は、建設作業従事者の維持確保と平時の事業量確保を喫緊の課題と明言し、これを推進する賛成の立場を示しました。
加えて、災害時の即応能力、その後の復旧復興を円滑に進めるための事業者並びに建設作業従事者をどう維持確保していくのか、平時の事業量の確保や仕組みづくりというのは喫緊の課題でございます。
本テーマでは、災害現場における人命救助・支援部隊間の役割分担及び交通整理について議論されました。栗田参考人は、能登半島地震において自衛隊・消防・警察の車両が現場で渋滞を招いた経験を挙げ、防災庁による部隊間の役割分担調整の必要性を指摘しました。
本テーマでは、自助・共助・公助の順序の在り方と要配慮者支援における公助の役割について議論が行われました。大西勝也参考人は、災害対策基本法における自治体責務規定はやや過剰であるとし、主体性は責任論ではなく役割分担の問題として捉えるべきと述べました。また、自助・共助・公助は優先順位を示すものではなく「自助も共助も公助も」全てが必要であり、当事者ごとにニーズの割合が異なると発言しました。一方、沼田宗純氏は、耐震化率が9割に達しても残り1割にはやりたくてもできない人がいるとして防災庁が支えるべきと指摘し、防災庁設置を機に自助共助公助の順番を公助共助自助に変える考え方もあり得ると提案しました。さらに栗田氏は、障害の程度に応じて公助がすぐに医療福祉につなぐべき人と支援活動に合流できる人がいると指摘しました。
本テーマでは、被災自治体への復旧復興支援における法制度知識の伴走体制について議論されました。佐々木議員は、発災後の復旧復興まで一貫した伴走体制への期待を質問しました。これに対し大西勝也参考人は賛成の立場から、小規模自治体には法律解釈のナレッジ蓄積がなく、解釈できる人材による伴走が重要であると発言し、防災庁には基礎自治体への事前トレーニングの提供と、専門家集団としての関与を期待する考えを示しました。
したがいまして、そういう解釈ができる人材がそばにいていただくことというのは大変重要でございまして、これは漏れなくもう被災地の首長の皆さん全てが言われます。
本テーマでは、黒潮町における防災インフラの老朽化とその維持管理費用の財源確保が論点となりました。大西勝也氏(賛成、スコア0.75)は、黒潮町が県の財政支援を基に一時避難場所約150か所・避難道約250本・避難タワー6基を整備してきたことを説明した上で、これら避難タワー等の改修・修繕には今後10年で約3億円が必要となる一方、十分な財源がないと述べました。その上で大西氏は、こうした防災インフラの維持費用については、補助金や交付金ではなく、地方交付税の防災費算定に本来含めるべきであると提言しました。
したがいまして、しっかりとその防災インフラの維持については、僕は補助金とか交付金ではなくて、本来交付税で僕は措置するべきだと思っております。
本テーマでは、避難生活支援・防災人材エコシステム構築による地域住民の防災人材育成が議論されました。具体的な取り組みとして、レスキューストックヤードのスーパーボランティアが避難所トイレの衛生対応について住民に指導し、住民による自主運営を促した事例が示されました。人材育成研修については、令和2年の提言により開始され、令和4年から6年にかけて2000名が受講し、令和7年以降もさらに2000名が受講する予定であることが述べられました。発言者として栗田暢之氏は、被災者の困りごとに「気付く・整える・つなぐ」ことができる住民の育成の重要性を強調し、人材育成研修の意義を強調して全国での推進を明確に支持する立場を示しました。
この方々、これやっぱり、気付く、そして整える、そしてつなぐ、こういうことが分かった方々を是非全国でもっともっと増やしていきたいというふうに思っております。
本テーマでは、防災大学校における人材育成のあり方が議論されました。沼田宗純氏は、米国の助言を紹介しつつ、防災大学校は施設整備よりもまずカリキュラムの整備を優先すべきと述べ、また座学だけでなく実習・実践中心の研修が重要であるとし、米国FEMAが全米の研修を一元管理している例を紹介しました。これに対し脇氏は、防災大学校が形式的な研修に終わらず実効性ある人材育成となるための制度設計について沼田氏に質問しました。沼田氏は、自身の総務省GADM講師としての経験を踏まえ、座学だけでなく本部運営等の体験型学習が実効性向上に不可欠であると説明しました。沼田氏はカリキュラム整備と実習重視を提案・推進する立場を示しています。
座学だけじゃなくて、実習、実践しましょうと。
本テーマでは、防災庁が産官学民の知見を蓄積・活用するプラットフォーム機能を持つべきかが論点となりました。沼田宗純氏は賛成の立場で、過去の標準化委員会等が途中で終了した課題を指摘し、そうした取り組みを継続的に機能させる場の必要性を述べました。また、インドネシア国家防災庁のテレビチャンネル等の事例を挙げ、防災庁の活動を分かりやすく発信する広報機能の必要性についても言及しました。沼田氏は研究会的な場での発信機能の重要性を主張しており、審議会とは異なるこうしたプラットフォームの設置に前向きな姿勢を示しています。
そういうふうにいろんな活動を一般の人にも分かりやすく発信する機能を持つということも大事かなと思います。
本テーマでは、防災庁が避難所運営や住家被害認定調査等の専門人材を全国規模で名簿化し、配置する役割を担うべきかが論点となりました。沼田宗純氏は賛成の立場(スコア0.75)から、イタリアの例を挙げ、国が専門人材を抱えて被害程度に応じて市町村へ配置する体制を紹介し、防災庁がこうした司令塔機能を果たすことを肯定的に評価しました。
そういった方を全国から集めて適切に配置をできるということが防災庁の大きな役割の、司令塔としてはですね、意味合いがあるかなと思っています。
本テーマについては要点の抽出はありませんでしたが、発言者のスタンスとして、栗田暢之氏は防災庁への期待を表明しており、スコア上は賛成寄り(0.75)とされていますが、検証・広報発信機能への具体的な言及は薄いとされています。また、沼田宗純氏は防災庁のレビュー機能を役割として明確に肯定しており、同じくスコア0.75で賛成の立場を示しています。両者とも防災庁の機能に対して肯定的な姿勢を示していますが、具体的な検証事例や広報発信の強化策についての詳細な議論内容は示されていません。重要な結論・決定事項についても、提示された資料からは確認できません。
本テーマでは、防災庁による自治体間連携のコーディネートと広域的な脆弱性評価のあり方が論点となりました。大西勝也氏は、脆弱性評価は市町村ごとに個別に行うのではなく広域で対応すべきであり、そのコーディネートは防災庁の役割であると述べ、賛成の立場(スコア0.75)を示しました。その根拠として、広域的な脆弱性評価と防災庁による自治体連携のコーディネートを明確に要望している点が挙げられます。
それは自治体間の連携ももちろん必要ですが、それをコーディネートするのが僕は防災庁の仕事だと思っていまして、まずそこら辺から手を着けていただきたいと思っています。
本テーマでは、防災庁の組織デザインや広報のあり方を通じた国民の防災意識醸成について議論が行われました。沼田宗純参考人は、防災庁職員の統一されたデザインや格好よさが子供の憧れや地域住民の防災意欲を引き出すと述べたほか、避難所看板や石碑など既存の防災サインについてもデザインの統一や分かりやすさが重要であると発言しました。沼田参考人のスタンスは賛成寄り(スコア0.75)であり、防災庁のロゴ等のデザインに好意的な立場を示しましたが、言及は単発的なものにとどまりました。他の発言者による議論や結論・決定事項については、提示された資料からは確認できませんでした。
こういう、防災庁も格好いいロゴとかいろいろできるといいのかなと思います。
本テーマでは、防災庁職員に求められる専門性のあり方が議論されました。沼田氏は、防災庁職員には現場活動に加え、学術的貢献による体系的・俯瞰的・長期的視点の専門性が必要であると述べました。大西町長(大西勝也)は、防災庁職員は専門家集団であると同時に地方自治体での勤務経験を有し、基礎自治体とのコミュニケーションが図れることが必要であると述べ、防災庁職員は在籍中に少なくとも1年程度は基礎自治体で勤務経験を積むべきと発言しました。大西勝也氏はこの主張について一貫して賛成の立場を示しています。
少し関連すると思いますので、前段の答弁で、専門家集団である防災庁の職員は、できれば基礎自治体での勤務経験を持つべきだと発言をさせていただきました。
本テーマでは、防災庁の組織のあり方と現場対応の方式について議論が行われました。沼田宗純氏(賛成、スコア0.75)は、防災庁を防災の専門家集団とし、指揮命令型ではなくキャプテンシップによって人を巻き込む対応が望ましいと提案しました。その根拠として、イタリアでは国職員が現場で指揮命令を行うのではなく、助言役として地元住民やボランティアを巻き込む方式を採っていることを紹介しました。
やはりキャプテンシップの発想で、いろんな課題を一緒に解決して、いろんな人を巻き込んで一緒にチームを運営していこうというスタイルが、僕は現場をいろいろ見て望ましいのかなと思っています。
本テーマでは、防災庁設置法案における事前防災・科学的リスク評価と防災教育の連携が議論されました。沼田氏は防災庁による事前防災推進で土地利用政策や企業の防災対策コミットメントが進むと期待を示し、大西氏は事前防災の推進により地域レベルの社会・地域の弱部抽出が進むと評価しました。脇氏は本法案が科学的リスク評価に基づく事前防災を基本理念に追加する点を踏まえ、防災教育者育成の方策について大西町長に質問しました。杉本議員は複数省庁・地方連携が必要な中でのワンストップ機能の実現可能性について質問しました。大西参考人は、防災庁の勧告権・総合調整権の範囲が重要であるとし、広範なリスク評価と予算確保が必要と発言しました。大西勝也氏はスタンススコア0.75とされ、防災庁の強力な権限行使を要望しつつ勧告権の範囲拡大を求め、条件付きで支持する立場を示しました。
防災庁に付与されるとされている総合調整権限並びに勧告権などをしっかり有効に運用いただき、防災庁の強大な、強力なリーダーシップの下、国土強靱化の取組と併せて、防災大国、防災立国実現に向け、各種防災施策の推進を強力にお願い、強力に推進していただくことをお願いいたしまして、意見とさせていただきます。
本テーマでは、防災研究における大学の連携拠点化と教育予算措置が議論されました。嘉田議員は、地方の大学を防災の知の拠点として活用するアイデアについて質問しました。沼田参考人は賛成の立場で、国内の防災研究大学の連携が不十分であるとし、防災庁の設置を契機に連携を強化すべきと発言しました。さらに、米国のFEMAが大学に対して研究費ではなく教育予算を出している例(テキサスでは年間百億円規模)を挙げ、日本においても防災庁が大学に教育予算を付け、プラットフォーム化を進めるべきと提案しました。
是非、防災庁にお願いできるのであれば、いろんな研修を、これだけの大学のリソースがあるので、プラットフォーム化して、しっかり各大学に予算を、教育の予算を付けていただいて、そこで地域の人が勉強をする、横をつなげるという、そういう拠点になるような活動を防災庁にお願いできればと思います。
議論を通じて、防災庁の役割として自治体間連携のコーディネート、専門人材の確保・育成、事前防災の推進、ボランティア・NPOとの連携強化など多様な期待が示されました。三参考人はそれぞれ「腹をくくる」(栗田氏)、「腹くくりました」(大西氏)、「バリュー(付加価値)」(沼田氏)という言葉で防災庁への期待を表現しましたが、具体的な制度設計や権限の範囲については引き続き検討が必要な状況です。
上記テーマに分類されなかった質疑応答です。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。