議事録データ出典: 国会会議録検索システム(国立国会図書館)に掲載されている公式議事録を使用しています。
本会議では、デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会において、情報処理促進法改正案と個人情報保護法改正案が一括議題とされ、稲谷龍彦、石川智也、郷野智砂子、黒田知宏の4参考人から意見聴取が行われました。主な論点として、AI・ビッグデータによるプロファイリングが採用・入学等の差別を生むリスク、統計作成等特例による本人同意不要でのデータ利用、課徴金制度の対象範囲や団体訴訟制度の導入の是非、次世代医療基盤法における安全管理措置の在り方、個人情報保護法における事前同意規制から実質主義・事後規制への移行等が議論されました。若井敦子議員はデータ利活用の分断状態を「データ鎖国」に例え、データ連携を進める視点の必要性を述べ、平戸航太はデータ利活用推進と国民の権利利益保護のバランスが法改正の鍵であると説明しました。
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全35テーマ ・ 紐づく質疑55件
適格消費者団体による差止め請求制度の導入見送り
本テーマでは、AI・ビッグデータによるプロファイリングが採用・入学・婚姻等における差別を生むリスクが議論されました。大門氏は、リクナビ事案等を例に、AI・ビッグデータのプロファイリングが採用・入学・婚姻等の差別につながる懸念を指摘しました。これに対し黒田氏は、EHDSではデータ利用目的を審査し、健康・社会の増進に資する目的でなければ利用は認められない枠組みであると説明し、次世代医療基盤法も同様に利用目的の宣言と倫理的審査が前提とされていると述べました。黒田氏はこうした利用目的審査の仕組みによってプロファイリング利用に歯止めがかかるとの見解を示しました。
ですので、EHDSにおいても当然そういう枠組みになっていますから、プロファイリングに使うというものは許されているわけではなかろうというふうに想像します。
本テーマでは、AIプロファイリングによる差別的取扱いや不利益誘導への規制の在り方が議論されました。郷野智砂子参考人は、AIによる属性推定やスコアリングといった新たな権利侵害への対応が改正法案において限定的であると指摘しました。具体的には、AIによる属性推定・スコアリングが広告表示や審査等に反映されることで、本人にとって見えにくい評価が生じる問題があるとしました。その上で、AIプロファイリング特有のリスクに対する規律が限定的であるとし、説明責任や本人の関与の仕組みを整備する必要があると求めました。郷野参考人のスタンスは規制強化を求める立場であり、AIプロファイリング規制の不十分さを一貫して問題視し、対応の強化を要求する根拠が示されています。
こうした改正案の中では、AIプロファイリング特有のリスクに対する規律というのが限定的であったために、そこをきちんと規律、限定的ではなくてきちんと対応していただきたいのと、あとは説明責任ですとか適切な関与の仕組みを含めたルール整備を今後のところでは検討していただきたいと思っているところです。
本テーマでは、AI開発事業者の選定が事業者間で無制限になっている点及びリスク評価主体の在り方が論点となりました。岸真紀子は、AI開発事業者選定が無制限な選定になっている点でリスク評価主体を問うとともに、法律上匿名化・加工の義務がなく大臣答弁でも不要とされたことから不安が残ると指摘し、これらの点を問題視して懸念を表明する立場(スコア0.20)を示しました。これに対し稲谷参考人は、統計等特例は個人データ化しない加工が前提であり、個人情報保護委員会の規則・ガイドラインによってリスク低減を図る仕組みであると説明しました。両者のやり取りを通じて、AI開発事業者選定の在り方とリスク評価の実効性をめぐる論点が示されましたが、結論・決定事項については言及がありませんでした。
今回の個人情報保護法改正案では、AI開発事業者を国が指定をしたり認定したりするものではなく、あくまでも企業と企業といったように、事業者の選定がある意味無制限と言えます。
本テーマでは、GDPR・EUデータ法におけるアクセス権・消去権・データポータビリティー権・プロファイリング拒否権の内容と実効性が論点となりました。石川氏は、GDPRがこれらアクセス権・消去権・データポータビリティー権・プロファイリング拒否権を保障していることを確認しました。また石川氏は、プロファイリング問題は統計作成特例とは別の問題であるとし、日本においては令和二年改正で導入された利用停止請求権により一定の対応がなされているものの、なお議論を深化させる必要があると述べました。スタンスデータは提示されておらず、賛否の立場は示されていません。
本テーマでは、セクター別ガイドラインと一般法の役割分担が議論されました。石川智也参考人は、GDPRが前文・ガイドラインで詳細を補う原則ベースの立法であり、日本のガイドラインも実務運用上遜色ないと説明した上で、セクター別法令と一般法令は分けて議論すべきであり、一般法の変更は波及効果が大きいと指摘しました。石川参考人は、セクター別事情はセクター別ガイドラインで上乗せ規律すべきであり、一般法は縛り過ぎないべきだと述べました。また、日本の個人情報保護法には必要最小限度の原則が明文にない点が根本問題であると指摘した一方、不安払拭のためガイドラインで生データの不要な提供を控える旨を示す解決策もあり得ると述べました。石川参考人のスタンスは、一般法改正に慎重で、セクター別ガイドラインでの対応を支持するというものでした。
基本的には、セクター別の事情はセクター別でやるべきだなと思っておりますし、現在のガイドラインの作り方としては、結構そのセクター別のガイドラインで厳しい、上乗せの内容を定めていることが多くなっています。
本テーマでは、セルフレジの顔モニターに関する顔データ取得の有無について、消費者が事業者に問い合わせても回答を拒否されたという異議申立ての事例が紹介されました。これを踏まえ、郷野智砂子参考人は、事業者による取得有無の回答義務化、生体情報に対する厳格な規律の導入、AI利用時における説明義務の明確化、差止め請求制度の導入が不可欠であると述べ、規制強化を求める立場を示しました。議論では、消費者が自身の生体情報の取得状況を把握できない現状への不安と、それに対応する制度整備の必要性が論点として取り上げられました。
よって、個人情報保護法を改正するのであれば、即時破棄の場合も含めて取得の有無を回答する義務、生体情報の厳格な規律、AI利用時の説明義務、差止め請求制度の導入などが不可欠です。
本テーマでは、データ保護規制における過大なコンプライアンスコストが反競争的効果をもたらす可能性について議論が行われました。稲谷龍彦氏は、GDPR型の重いコンプライアンスコストが中小企業の参入を困難にし、反競争的効果を持つと指摘し、対応できる規制は大企業に限られ新規参入の妨げになると述べました。稲谷氏のスタンスは賛成寄り(スコア0.90)であり、過大な規制コストが中小企業排除や大企業寡占を招くとして一貫して批判する立場です。石川智也氏は、実体規制が事業者の業務範囲を制限する一方で、規制強化がイノベーションを促す面もあるものの、対応できる企業が限られると述べました。石川氏のスタンスはやや反対寄り(スコア0.15)であり、規制が体力ある企業のみ対応可能である点から中小企業への反競争的影響を懸念する立場です。両者とも、規制強化が企業規模によって対応可能性に差を生む点を論点として挙げています。
本テーマでは、技術変化が激しい状況に対応するための制度設計の在り方が議論されました。稲谷龍彦参考人は、ハードローとソフトローを組み合わせ段階的に制度を精緻化するアジャイルガバナンスが必要であると述べ、本法案が指針等のソフトローに運用を委ねる構造となっている点についてアジャイルに対応できるものとして評価しました。あわせて、マルチステークホルダーによる議論と、ハードローとクイックに変更できる部分との層分けの重要性を説明しました。稲谷参考人のスタンスは、ハードローとソフトローの組合せによるアジャイルガバナンスを繰り返し必要不可欠と主張するものであり、賛成の立場が示されました。
ハードローとソフトロー、固い構造と柔らかい構造を適切に組み合わせることにより、実効性と柔軟性の両立を図り、全体の法体系を今求められているものに組み替え続けていく、こういった努力が求められるのだと思われます。
本テーマでは、プライバシー強化技術(PETs)や仮名化・匿名化を努力義務ではなく義務として位置付けるべきかが論点となりました。平戸航太は、要配慮個人情報の扱いにおいてPETsや仮名化・匿名化を義務化すべきと明確に主張し、賛成の立場を示しました。これに対し稲谷参考人は、PETsは多様であり費用や精度低下といった要素も存在するため、事前に法律で一義的に決定することは困難であり、ソフトローによる詳細な決定が重要であると説明しました。両者の見解を通じて、義務化の是非をめぐる論点と、それぞれの根拠が示されました。
特に、要配慮個人情報を扱う場合には、PETs、プライバシー強化技術の導入や仮名化、匿名化といった再識別防止装置を努力義務にとどめず、行政や事業者に対して義務として位置付けるべきではないかと考えております。
本テーマでは、個人情報が海外事業者へ提供・流出した場合の消費者保護の在り方について議論が行われました。郷野智砂子参考人は、海外への個人情報流出時には追跡・訂正・削除が困難であることや、AIプロファイニングによって本人が不利益を受ける懸念があると説明しました。これを踏まえ、郷野参考人は海外提供先の透明性を徹底すること、本人の関与を確保すること、救済手段を整備することが必要であると指摘し、消費者保護の強化に賛成する立場を示しました。
したがって、消費者の立場からは、海外への個人情報の提供の有無や提供先の透明性を徹底すること、本人関与を確保できる制度、説明、同意、利用停止等を強化すること、被害が生じた場合の救済手段の整備することが不可欠であり、安心してデータ社会に参加できる環境の整備が必要だと考えます。
本テーマでは、個人情報保護とAI開発利活用の関係を二者択一(てんびん)として捉えることの妥当性が議論されました。若井議員は、データ利活用推進と個人情報保護は対立するものではなく車の両輪であると述べました。伊波氏は、個人情報保護とAI開発がてんびんに掛けられている委員会の構図自体を問題視しました。これに対し石川参考人は、今回のAI特例は社会全体の便益優先ではなく個人の権利利益を害するおそれがない開発に限定されたものであり、てんびんの議論ではないと反論し、特例の要件は個人の権利利益を害するおそれがないことであると説明しました。また石川氏は、安全管理措置はハードローで規定済みである一方、ミニマイゼーションの担保は弱い面があると認めました。スタンスデータでは、石川智也氏はスコア0.50で、てんびん論を否定し権利利益侵害防止を強調する一方、証拠が単一で断片的とされ、稲谷龍彦氏はスコア0.70で、法律により権利利益侵害リスクは増えないとの立場から公表義務等の担保策を評価しています。
本テーマでは、個人情報保護における同意原則のあり方が論点となりました。稲谷参考人は、個人の自律的意思や事前同意に依拠する法制度は認知的負荷が大きく、法益保護の観点でかえって逆効果になり得ると述べました。また、リスク管理においては法・運用・技術を適切に組み合わせることが決定的に重要であり、同意の有無とは直接関わりがないと指摘しました。これらの発言以外に、他の発言者の立場や、本件に関する結論・決定事項を示す情報は示されていません。
本テーマでは、個人情報保護法における形式主義・事前同意規制から実質主義・事後規制への移行が論点となりました。石川智也氏は、個人情報保護法が形式主義・事前規制から実質主義・事後規制へ移行する必要があり、今回の改正はそれを実現するものであると述べ、賛成の立場を示しました。石川氏は、同意疲れという問題について、同意原則では権利を実質的に保護できないという問題意識から捉えるべきであるとも述べました。稲谷龍彦氏は、硬直的な事前規制を問題視し、実質主義・事後規制への移行に肯定的な立場を示しました。
本テーマでは、個人情報保護法における課徴金制度の対象範囲及び金額の拡大、並びに団体訴訟制度の導入の是非が論点となりました。石川参考人は、課徴金の範囲と金額の拡大及び団体訴訟の導入について、今後も引き続き論点となるべきであると述べました。岸真紀子氏は、差止め請求権が欠如していることや課徴金の対象が限定されていることへの懸念を表明し、対象範囲の拡大に理解を示す姿勢を示しました。郷野智砂子氏は、集団的救済制度の導入が是非必要であると明言し、賛成の立場を示しました。両氏とも制度の拡充に前向きな姿勢を示しており、議論を通じて明確な反対の立場は示されませんでした。
本テーマでは、個人情報保護法改正における医療分野向け特例(三十条の二の五)をめぐり議論が行われました。郷野参考人は、令和8年方針及び改正法案が、個人の権利保障の拡充を志向していた令和6年報告書の方向性から後退していると総論的に述べました。黒田参考人は、政府答弁におけるGDPRの最小化解釈について、仮名化を含み得るとしつつ、統計等の目的が満たされれば個人情報を含む解釈には当たらないとの説明を行いました。また黒田参考人は、三十条の二の五について、医療分野では既存の認定作成事業者制度で対応可能であり、新たな特例はプレーヤーの自己責任負担を増大させ、萎縮を招くと指摘しました。司隆史は、日本医療情報学会等から三十条の二の五の統計特例に関して緊急意見書が個人情報保護委員会に提出されたことを紹介しました。
このテーマでの明確なスタンス表明はありませんでした
本テーマでは、個人情報保護法改正の検討過程における消費者団体の意見の扱いが論点となりました。郷野智砂子参考人は、個人情報保護委員会が三年見直し検討会に消費者団体を論議に加えたことは前進であるとしつつ、最終改正案確定に向けては消費者団体の意見を求めなかったと指摘し、経済優先の構造がなお残っていると述べました(スタンス:反対寄り、スコア0.05)。また、個人情報被害の多くが少額多数であることから、集団的救済制度の設計が特に重要であると述べました。大門氏は、与党部会での調整過程において消費者問題側の提案が妥協により後退する構造があると指摘しました。両者の発言からは、検討過程における消費者団体の関与のあり方と、意見が最終的な調整段階で反映されにくい構造上の課題が論点として示されました。
個人情報保護委員会は、個人情報保護法三年見直し検討会で初めて消費者団体を論議の場に加えましたが、最終的な改正法案の確定に向けては消費者団体の声を求めませんでした。
個人情報保護法改正案における統計等特例に関して、複数の論点が示されました。若井議員は、AI学習や統計作成目的での本人同意不要特例について、権利利益侵害を懸念する慎重な立場があると紹介しました。岸真紀子は、民間同士の契約でデータが行き渡るおそれがあり、権利利益侵害の有無を見抜けない懸念を指摘しました。伊波氏は、統計等特例の下で要配慮情報を含む個人情報が民間当事者間で売買可能となり、政府の関与や利用目的の事前チェックがない仕組みであると批判しました。一方、石川参考人は、特例措置はガイドライン等で適切なデータガバナンスが確保される限り、国際的な議論の幅に収まると述べました。スタンスデータでは、石川智也がスコア0.75とされ、統計特例で作成したモデルがEU規制違反に当たらないと述べて制度を擁護したのに対し、黒田知宏はスコア0.00とされ、安全管理措置義務の欠如を批判し、現行制度より安全性が低下すると指摘しました。
本テーマでは、個人情報保護法改正案における課徴金制度の対象限定について議論されました。郷野智砂子参考人は、令和6年報告書が課徴金を不当利得剥奪と位置付け、安全管理措置義務違反も対象とし得るとしていたにもかかわらず、改正法案では対象外とされたと指摘しました。その上で、漏えいの多くはずさんな安全管理に起因するため、課徴金対象からの除外は大規模漏えいへの抑止力を弱めると述べ、課徴金は不当利得回収を趣旨とすべきだが改正案は悪質事業者に限定され安全管理措置義務違反が対象外となっている点を批判しました。さらに、安全対策コストを掛けずリスクを許容する誘因が生じ、抑止効果が働かなくなることへの懸念を示しました。郷野参考人は対象限定に一貫して反対(スコア0.00)の立場を取りました。石川智也氏は、課徴金の範囲拡大を今後の論点とすべきと主張し、対象限定に懸念を示す立場(スコア0.75)を取りました。
本テーマについては、要点の抽出はありませんでした。発言者のスタンスとしては、稲谷龍彦氏が賛成(スコア0.75)の立場を示しており、統計特例の段階的で慎重な設計を肯定的に評価していますが、安全管理措置義務の欠如自体への言及はないとされています。
あえて、法律にも書かれていますように、個人の法益を侵害するおそれがない状態にするレベルからまず始めるということをやられているのは、私個人はかなり慎重な方法をやられたんではないかと思っていますし、また、その具体化に当たりまして、規則を作り、ガイドラインを作りという形で、相当丁寧に理解を得られるように進めようというふうにされているというふうに私個人としては理解をしているところでございます。
本テーマでは、個人情報保護法改正案施行後のデータ最小化原則・安全管理義務の制度設計上の確保について議論が行われました。石川参考人は、必要最小限度の原則は目的との関係で判断されるものであり、目的に不要なデータを含めれば違反になると説明し、また仮名加工の可否はデータの持ち方(漢字表記の揺らぎ等)によって異なると指摘しました。黒田参考人は、医療分野では目的宣言と審査を経てデータ提供する仕組みが既にあり、出す側が責任を負う体制になっていると説明した上で、既存の医療データ受け渡し体制がある中で新たな制度を作る必要性に疑問を呈しました。スタンスとしては、黒田知宏氏はデータ最小化と安全管理義務の確保を条件とした賛否保留の立場(スコア0.50)を示しています。
一番大事なことは、やっぱりデータ最小化の原則をいかにして確保するか、そこ一点、それと、利用者そのものの安全管理義務をどういうふうに押さえて、かつそれをどうやって担保するかだと思うんです。
本テーマでは、個人情報漏えい時における本人通知義務の緩和について議論が行われました。郷野智砂子参考人は、権利利益の保護に欠けるおそれが少ない場合に通知を不要とする規定について、二次被害防止という制度目的と整合しないと指摘し、反対の姿勢を示しました。黒田知宏氏も、通知義務の緩和により信頼が失われればデータ活用が停滞するとの懸念を示し、緩和には否定的な立場を取りました。両者ともに通知不要範囲の拡大に慎重ないし批判的な見解を示しており、賛成の立場からの発言は示されていません。議論を通じて明確な結論・決定事項は示されていません。
本テーマでは、医療AI分野における日本の国際競争力の在り方が論点となりました。黒田知宏氏は、AI基盤技術と応用技術は担い手が異なるとした上で、日本は基盤技術よりも応用分野において質の高い診療データを活かすことで競争力を発揮できるとの見解を示しました。また、分野特化・目的特化型のAI開発で勝負すべきであるとし、開発におけるタイムラグよりも安全性を優先すべきとの立場を示しました。スタンスデータによれば、黒田氏はスコア0.85(0=反対〜1=賛成)となっており、応用分野特化による競争力確保という立場を示すとともに、安全性優先とすべきとの質問にも同意する姿勢を示したことが根拠として挙げられています。
そのデータを正しく使うことさえできれば十分競争力は出てくるでしょうし、実際、私ども京都大学が作っている、会社が作っているものでも既に海外から引き合いがあるという状況でございますから、そういうふうにはもう簡単になっていくのだろうというふうに思います。
本議論では、官民データ活用推進基本法の理念を踏まえた行政保有データの民間利活用制度の整備が論点となりました。若井議員は、2016年に制定された同法の理念を踏まえ、今回の法案が行政保有データの民間利活用の仕組みを整備するものであると述べました。また、新実彰平は、統計特例において公のプラットフォームや民間認定事業者が匿名化・仮名化を担う在り方について稲谷参考人に問いました。これに対し稲谷参考人は、統計等作成に関する一般法と医療分野の特別法は分けて考えるべきであり、スタートアップの参入を広げる方向性であると説明しました。
本テーマでは、データ利活用の基礎規範として憲法十三条の幸福追求権を中心に据えるべきかという論点が議論されました。稲谷龍彦参考人は、データ連携によるベネフィットの最大化を正面から捉え、幸福追求権を指導理念とすべきであると述べ、便益最大化のためのデータ利活用促進を明確に主張する立場(賛成、スコア0.85)を示しました。
データの連携と利活用によってどのようにベネフィットを最大化できるかという視点を正面から据え、幸福追求権を単なる保護の規範にとどまらず、個人のウエルビーイングの実現に直結する法規範としてデータ利活用に関する議論全体を導く役割を果たす指導理念として考えていくべきであると、このように考えます。
本テーマでは、日本とEUの課徴金額の差異とその抑止力・レピュテーションリスクの実効性が論点となりました。石川参考人(石川智也氏)は、GDPRの制裁金は必ずしも高額事案に限られず、高額事案でも裁判等で9割程度棒引きされる場合があると指摘しつつ、それでも事後規制の抑止力として十分意味があり、執行事例の積み重ねが重要であると述べました。また、GDPR課徴金の法定上限は高額だが、実際に科される金額は数千~数十万ユーロが大半であると説明しました。課徴金は利得ではなく売上げ全体を取るため抑止力はあるが、欧州型の売上高基準等と比べ範囲が狭いと評価する一方、課徴金制度導入自体は個人情報保護法における大きな一歩と評価しました。さらに、外資事業者も日本市場でのレピュテーションを重視しており、指導・公表のみでも十分な抑止力になり得ると述べました。石川参考人のスタンスは、制裁金の見劣りを認めつつ、GDPR基準での議論は大げさであるとし、既存の指導・公表の仕組みを評価するものでした。
その意味ではこのGDPRの最大額を基に議論するというのは少しちょっと大げさかなというふうに思っております。
本テーマでは、本人同意原則の弱体化と本人関与・異議申立て確保の必要性について議論されました。郷野智砂子参考人は、AI開発や統計作成等を理由に同意不要とされる例外が拡大され、本人同意原則が弱体化していると指摘し、スコア0.10と同意不要例外の拡大に懸念を示す立場から、同意不要とされる例外は真に限定的な場合に絞るべきであり、本人が説明を求めたり異議を申し立てたりできる仕組みが必要であると述べました。一方、稲谷龍彦氏はスコア0.15とされ、事前同意原則は認知負荷が大きく法益保護にかえって逆効果であると批判し、同意原則の弱体化を支持する立場が示されました。
本テーマでは、次世代医療基盤法における認定作成事業者の安全管理措置と、欧州EHDS型医療情報基盤の在り方が論点となりました。黒田知宏参考人は賛成の立場(スコア0.90)で、病院にも患者にも守られていると感じてもらえる欧州EHDS型の一元審査型医療情報基盤を構築すべきと述べました。その根拠として、違反者からデータに触る権利を剥奪する仕組みが最も効果的な安全装置になると指摘し、NDBが目的外利用を行った研究者名を公表し、情報提供を無期限停止した例を紹介しました。また、改正案により患者が守られていないと感じれば、データ活用全体が止まりかねないと指摘し、EHDSのようにデータアクセス主体を一点に集約し、全てを公開かつオプトアウト可能とすることが重要であると説明しました。
私は、資料四にお示ししているように、国が安全性を認めた機関だけがデータを集め、一か所で全ての利活用提案が審査されて、その結果が公表される欧州EHDS型の医療情報基盤をつくるべきだと考えています。
本テーマでは、次世代医療基盤法における認定作業事業者数や医療情報提供数が伸び悩む要因と、医療機関の負担軽減策の必要性が論点となりました。黒田知宏参考人は、LDIにおける約十万人分のデータ誤抽出事故により、医療機関から次世代法離脱の懸念の声が上がった経験を紹介しました。平戸航太委員は、次世代医療基盤法と改正案の特例が医療分野では変わらない点を、黒田参考人の資料により確認しました。黒田参考人は、連結可能匿名加工医療情報の仕組みでは既に名前を渡さずに連結が可能であり、生の名前は不要であると説明しました。また、医療分野以外においても、名寄せの要否とゲノム等の仮名化不可能な個人識別符号の有無を除けば、仮名加工の共同利用によって遂行可能であると述べました。さらに黒田参考人は、保険診療データについては強制的に提供する方向で議論がまとまりつつあり、義務提供であれば事後の責任は問われにくいとの見通しを示しました。黒田参考人のスタンスは提示された論点との直接的な対応関係が明確でなく、例外導入に対する慎重な見解が示されるにとどまりました。
ですので、政府や国会議員の皆様には、性急に必要のない例外の穴を空けることは避けていただきたいと心からお願いを申し上げます。
本テーマでは、汎用AI「ミュトス」の登場とアクセス遮断を踏まえたAI主権確立の必要性、および包括的データ法制のグランドデザイン検討が論点となりました。石川智也参考人は、ミュトスの登場とアクセス遮断によりAI主権確立の必要性が突き付けられていると指摘し、民間データの価値開放とデータ集積を踏まえた包括的データ法制のグランドデザイン検討の本格化を望むと述べ、賛成の立場(スコア0.75)を示しました。その根拠として、AI主権確立とデータ法制検討の必要性を早急な課題として指摘し、推進的な立場をとっていることが挙げられています。また、岩本氏は、AI時代に価値を持つのはモデルよりデータそのものであり、日本の医療データが世界に誇る資産であると指摘しました。
驚異的な能力を誇る汎用AI、ミュトスの登場や、そのアクセス遮断により、我が国におけるAI主権の確立の必要性が突き付けられているということは指摘せざるを得ません。
本テーマでは、データセキュリティガバナンスを法制度・技術・運用の三要素を統合して設計・運用することの重要性が議論されました。稲谷龍彦参考人は、法制度、技術、運用の三要素を一体として設計運用することが実効的なガバナンスの実現に重要であると述べ、賛成の立場を明確に示しました。黒田氏は、法改正が実現した際にはデータ最小化原則の確保と利用者の安全管理義務の担保が最重要であると提言し、また悪質なプレーヤーを排除する制度設計の必要性を指摘しつつ、ソフトローの範囲でどこまで対応可能かについて不安があると述べました。
制度、技術、運用という三つの要素を一体として設計、運用することで、法執行及び法遵守の両面において効率的かつ実効的なガバナンスを実現することが重要でございます。
本テーマでは、消費者裁判特例法における制度の限界について議論が行われました。郷野智砂子参考人は、個人情報被害は少額多数であり集団的救済制度が不可欠であるが、令和8年方針では制度化の方向性が示されていないと指摘し、課徴金・差止め請求・集団的救済という基盤的制度が弱められ制度全体の実効性に懸念があると総括しました。また、消費者と事業者の境界が曖昧で現行法に抜け穴があり、消費者個人の権利利益保障のための制度改正が必要と説明しました。新実彰平は、医療機関と患者の契約関係の有無で団体訴訟の意味が変わり得るかを石川参考人に問いました。これに対し石川参考人は、契約関係のない場合や従業員データ漏えい等、消費者概念では捉えられない場面が多いと説明し、消費者裁判特例法が慰謝料請求を対象外としており実害発生時のみ意味を持つと確認しました。
令和八年方針と改正法案では、制度化の方向性が示されず、被害者が救済されない構造が続く危険があります。
本テーマでは、現行の個人情報保護法における仮名加工情報の共同利用等の枠組みで医療AI開発が十分対応可能かが論点となりました。黒田知宏参考人は、認定作成事業者にAIを預けて学習させるアプローチにより、手続なしにゲノムを対象とするAIも開発可能であると説明しました。また、名寄せが不要であれば現行個人情報保護法の仮名加工情報共同利用の枠組みで十分であり、統計例外の導入によって新たに実現できることはないと述べました。その上で、医療分野において本法律を作らなくてもAI開発は止まらないと明言し、現行法の仕組みにより今回の法改正は医療分野では不要であるとの考えを示しました。黒田参考人のスタンスは賛成(今回の法改正は不要との立場に同意)とされています。
以上、お話ししてまいりましたように、統計例外を導入することによって初めて実現できることというのは実は何にもないんです。全く何もありません。
本テーマでは、改正個人情報保護法第三十条の二第五項に基づく統計作成等特例と、GDPR第八十九条及び次世代医療基盤法との規律の不整合が論点となりました。黒田知宏参考人は、同項の特定個人情報受領者には安全管理措置や受領データ範囲の制限が課されておらず、GDPR第八十九条がデータ最小化原則を条件としているのに対し統計例外はこれと平仄が取れていないと指摘しました。また、統計例外と次世代医療基盤法は可能な行為が同じであるにもかかわらず安全管理義務の水準が異なり、十分性認定の喪失につながる可能性もあると述べ、データの安全性確保をAIモデル完成時に置くか作成者への提供時に置くかで論点がずれているとも指摘しました。これに対し石川智也参考人は、AIモデルからの個人データ非出力、モデルスコープの限定、契約締結により、委託によるモデル開発と比較しても遜色ないと説明し、統計特例はGDPRと乖離しないとの立場を示しました。両参考人の見解は対立しており、明確な結論・決定事項は示されていません。
本テーマでは、統計作成等特例における個人データのAIモデル学習目的での利用について、海外動向との整合性を中心に議論が行われました。石川参考人は、昨年11月に公表されたEUデジタルオムニバス法案によるGDPR改正提案でも同様の議論がなされていることを紹介し、GDPR下でもAIモデルが個人データに該当するか等が議論中であることから、日本の統計特例は国際的に不整合ではないと説明しました。石川氏は実効的確保を条件としつつ、特例導入を国際的にバランスの取れた進化と評価する立場(賛成、スコア0.75)を示しました。稲谷氏は、統計特例の利用には公表義務・認定取得が必要であり、悪質事業者以外は制度の枠内で運用されると説明しました。一方、黒田氏は結果の公表義務が法律上明記されていないため、公表しない事例が生じ得ると指摘しつつ、薬機法・広告規制等の他の法制度によるリミッターがあるため産業全体のブレーキにはならないとの見解を示しました。
今回の特例措置は、今後の様々なガイドライン等を通じて適切なデータガバナンスの仕組みが確保される限りにおいて、法制度の進化する方向としては十分にバランスが取れていると。
本テーマでは、統計作成等特例創設の立法事実として、スクレーピングやAIモデル学習のための個人データ利用の整理が各国法制の課題となっている点が取り上げられました。石川智也参考人は、統計作成等特例の導入により日本がGDPRより先行してこの課題に答えを出す点は象徴的であると述べ、賛成の立場を示しました。また、仮名加工情報は個人の同定禁止のため異なる出所のデータの突合ができない点を限界として指摘し、共同利用では提供者のみがモデルを使えるのに対し、統計特例では作成者が広く扱えるようになる点が実務上重要であると述べました。稲谷龍彦参考人は、スクレーピングによる情報収集で逐一同意を得るのは現実的に困難である点を立法事実の一つと積極的に肯定し、法益侵害リスクの少ない類型で広く統計的処理を認めることがイノベーション促進に資すると述べ、賛成の立場を示しました。両参考人とも特例導入自体には肯定的な見解を示しました。
本テーマでは、要配慮個人情報の突合規制緩和をめぐり、伊波氏と黒田氏がそれぞれ懸念を示しました。伊波氏は、統計等目的という概念が不明確なまま要配慮情報の突合規制が緩和される点について、不安と不信を指摘しました。黒田知宏氏は、要配慮個人情報の突合禁止からの大転換であるとした上で、不安を持つ国民がデータ提供を拒めば日本全体のデータ流通が停滞しかねないとの懸念を示し、スコア0.05という強い反対の立場から、現行制度でのデータ提供を拒否すると明言しました。両者とも規制緩和に対して否定的な立場から意見を述べており、明確な結論や決定事項は示されていません。
私は病院の責任者でございますけれども、この制度でデータ出したいとはこれっぽっちも思いません。怖くてできないです。
本テーマでは、適格消費者団体による差止め請求制度が改正法案で削除された点が議論されました。岸真紀子は、検討段階にあった差止め請求権・団体訴訟制度が改正案から消えたことを指摘し、郷野参考人に見解を求めました。郷野参考人(郷野智砂子)は令和6年報告書で不可欠とされたこの制度が改正法案で完全に削除されたと指摘し、被害の未然防止・拡散性・事後救済の限界を理由に制度の必要性を繰り返し主張しました。石川参考人(石川智也)は、団体訴訟の意義と実効的救済の必要性を主張する一方で、消費者概念と個人情報保護上の個人が一致しないという法理論的整理の難しさが導入見送りの一因であると説明しました。また平戸航太は、制度削除により権利保護が後退しかねないとして反対の立場を示しました。
議論を通じて、AIプロファイリング規制の強化、課徴金対象の拡大、集団的救済制度の導入等について賛否双方の立場が示されましたが、これらの論点に関する明確な結論・決定事項は示されませんでした。データ利活用推進と個人情報保護のバランスをめぐる論点整理が行われ、今後も引き続き検討が必要であることが確認されました。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。