2025年5月14日の参議院本会議では、公益通報者保護法の一部を改正する法律案の趣旨説明および質疑が行われたほか、北朝鮮船舶の入港禁止措置の延長承認と医薬品・医療機器関連法の改正案の採決が実施された。
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公益通報者保護の強化と制度実効性の向上
従事者指定義務違反以外の措置義務違反についても罰則を導入し、公益通報の対象とすべきではないですか。
EUの公益通報者保護指令では、従業員五十人以上の事業者に内部通報窓口の設置義務が掛かっています。少なくとも百人以上とすべきです。
国民への周知を徹底するためには、従業員数三百人以下の事業者による体制整備を義務化することが効果的だと思われますが、義務化は必要ないのでしょうか。
改正案で新設された解雇・懲戒への直罰規定および立証責任転換について複数の議員が議論しました。大椿ゆうこ議員(賛成寄り)は「解雇・懲戒以外の不利益取扱いにも刑事罰や立証責任の転換を適用すべき」と主張し、「会社は、公益通報を理由にいきなり解雇、懲戒はしません。嫌がらせ、配置転換、降格……ありとあらゆる方法を使う」と指摘しました。松沢成文議員(賛成寄り)は「配置転換や退職勧奨にも刑事罰がなければ、配置転換や退職勧奨による報復がますます増えてしまうのではないか」と問題提起しました。大門実紀史議員(賛成寄り)は「今回の改正は一歩前進」と評価しつつ、秋田書店の事例を挙げ「パワハラ、暴言、嫌がらせなどによって休職に追い込まれたケースを防ぐことができるのか」と問いました。田村まみ議員(賛成寄り)は「配置転換に関する不利益取扱いに対する罰則や立証責任の転換は不可能とお考えなのか」と政府の方針を問いただしました。伊東大臣は「配置転換や退職勧奨については、不利益であることが客観的に明確ではないため、罰則の対象とすることは困難」と答弁しました。
公益通報者保護制度全体の実効性向上について、会議の主要テーマとして広範な議論が行われました。伊東良孝国務大臣(賛成寄り)は、今回の法改正により「制度の実効性が向上し、事業者の自浄機能発揮につながる」と説明し、保護対象にフリーランスを追加したことや通報妨害行為の禁止規定を新設したことを趣旨説明で示しました。大椿ゆうこ議員(賛成寄り)は「保護対象者の一層の拡大」を求め、EU指令のようにボランティア、退職者、通報を援助する者も含めるべきと主張し、また「市民団体による企業の監視活動や労働組合の活動などが重要」と述べました。大門実紀史議員(賛成寄り)は「今回の改正は一歩前進」と評価しつつ、「二十一年も掛けてたった一歩の前進」と述べ、経済界の抵抗が制度整備を遅らせてきたと批判し、「更に実効性のある改正を求める」と主張しました。松沢成文議員(賛成寄り)は通報対象事実のネガティブリスト化、報奨金制度・付加金制度の導入、通報者探索への罰則規定など抜本的強化を求めましたが、いずれも伊東大臣は困難または慎重な検討が必要との立場を示しました。田村まみ議員(賛成寄り)は法の活用促進と「通報対象事実を包括的に捉え直すことが求められている」と述べました。
保護対象者の一層の拡大を考えるべきではありませんか。
今回の改正案は、公益通報を理由とした解雇、懲戒に対する刑事罰の導入など、公益通報者保護を強化する点で、これまでの実効性のない改正に比べ、文字どおり一歩前進と言える内容です。
これらの措置により、制度の実効性が向上し、事業者の自浄機能発揮につながると考えております。
この欠点を補うためには、ネガティブリスト方式、すなわち原則全ての法令違反を通報対象とし、例外的に除外されるもののみをリスト化する方式へ転換すべきです。
公益通報者保護法を真に実効性のある法律にするためには、単に消費者被害の防止という観点だけではなく、法令遵守を促し、労働者を含む内部告発者を守る制度として位置付け直し、対象法律や通報対象事実を包括的に捉え直すことが求められているのではないでしょうか。
特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法に基づく入港禁止措置の延長(令和九年四月十三日まで)について、国土交通委員長の小西洋之議員が委員会における審査経過と結果を報告しました。報告によれば、対象は北朝鮮籍の全船舶、北朝鮮の港に寄港した第三国籍船舶、国連安保理の決定等に基づく制裁対象船舶、および北朝鮮の港に寄港した日本籍船舶であり、委員会において多数をもって承認すべきと決定したとされました。本会議での採決では、投票総数二百三十六のうち賛成二百三十、反対六で承認されました。
委員会におきましては、国土交通大臣より趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案について、厚生労働委員長の柘植芳文議員が委員会における審査経過と結果を報告しました。報告によれば、医薬品品質保証責任者等の設置義務付け、後発医薬品の安定供給体制支援、革新的新薬の研究開発支援、条件付き承認の見直し、調剤業務の一部外部委託の許容等の措置を講じる内容であり、委員会では視察も実施されたとされました。討論では日本共産党および れいわ新選組が反対意見を述べ、採決の結果、多数をもって可決すべきと決定したとされました。本会議での採決では、投票総数二百三十六のうち賛成二百十六、反対二十で可決されました。
討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
公益通報者保護法改正案については、伊東大臣が刑事罰新設・立証責任転換等を説明した一方、各会派の議員から配置転換等への罰則拡大、三百人以下の事業者への義務化、通報対象のネガティブリスト化など更なる実効性強化を求める質疑が行われ、政府は多くの点で現行改正の枠内での対応が重要との立場を維持した。北朝鮮船舶の入港禁止延長は賛成多数で承認され、医薬品・医療機器関連法改正案も賛成多数で可決された。
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