本委員会では農林水産分野の複数の論点が議論されました。木下敏之氏はパック御飯等の需要拡大を踏まえた食味評価基準の見直しや輸入米使用拡大の実態について質問し、臼木秀剛氏は中山間地域等直接支払制度の要件緩和や政府備蓄米の放出基準明確化、食糧法改正に伴う生産者への責任集中への懸念を表明しました。近藤和也氏は能登半島地震・豪雨からの復旧状況を確認した上で、能登町方式の横展開や漁協事務所への支援拡大、収入保険の複数年対応化、食糧法改正における価格安定の位置づけ後退を論点として取り上げました。野間健氏は条文中の「生産者」文言の削除を主張し、鈴木憲和大臣は事務負担軽減や需給安定の考え方について答弁しました。
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米流通事業者への在庫・出荷・販売量報告義務化の制度設計と負担軽減
日本の米政策は、炊きたての白飯を重要視するところから、消費者の変化、こういった、レンジでチンしておいしいかどうかというところに転換していくべきではないか、そのことが需要の拡大につながるんだと思っておりますが、この点についての農林水産大臣の御見解を伺います。
本テーマでは、中山間地域等直接支払制度における交付要件の緩和や単価の引上げ、所得制限及び個人配分の受給上限の撤廃が論点となりました。臼木秀剛委員は、受給上限の撤廃や見直し、要件緩和を明確に要求し、賛成の立場を示しました。これに対し鈴木憲和大臣は、条件不利地域の実態に配慮し、事務手続の撤廃を含め支援拡大の方向で検討している旨を答弁し、同様に要件緩和に積極的な姿勢を示しました。両者とも制度の見直しに賛成の立場であり、具体的な結論として示された事項は、支援拡大の方向で検討が進められているという点にとどまります。
本テーマでは、中山間地域等直接支払について、急傾斜地で参加率5割、緩傾斜地で3割弱にとどまっている現状が示され、事務負担の重さや高齢化が課題として挙げられました。能登町では中山間・多面的機能支払の手続を町が一括して行うことで事務負担を軽減している取組が紹介され、根本幸典氏(賛成、スコア0.85)は能登町方式の全国横展開と事務負担軽減の推進を明確に表明し、近藤和也氏(賛成、スコア0.90)も能登町方式の横展開を繰り返し主張し、その努力を求めました。一方で、石川県内でも能登町方式が広く知られていないことが指摘され、周知・普及を加速する必要があるとされました。これに対し副大臣は、能登町のような交付金事務の一元化の取組を全国に横展開する方針を示し、鈴木大臣も事務手続の煩雑さを踏まえ、見直しにより面倒な手続を撤廃する方向で答弁しました。
本テーマでは、能登の被災農家について、被災1年目のみ収入保険・農業共済の対象となり、翌年以降は対象外となる点が問題提起されました。これに対し近藤和也氏は、制度を複数年対応へ見直すべきだと主張し、賛成の立場を示しました。一方、鈴木憲和氏は、農業保険が単年サイクルの営農計画を前提としているため複数年対応は現実的に難しいとの見解を述べ、否定的な立場を示しました。あわせて、保険制度に代わる支援策として、研修雇用支援や直営施工受託費、多面的機能支払の日当等により被災農業者を支援しているとの説明がなされました。
外食・中食・冷凍食品向け業務用品種の生産拡大について、木下敏之委員はパック御飯・外食・中食向けの新しい食味評価基準導入の必要性を提起し、業務用需要のある品種としてにじのきらめき、つきあかり、ほしじるしを挙げ、これらが令和二年産から六年産で大幅に増加している実態(にじのきらめきは9741%増)を踏まえて生産拡大の状況を問いました。木下委員の発言は生産拡大の実態を問う質問が中心であり、賛否は明確ではありません。また、農研機構が冷凍チャーハン用のやまだわら・とよめきや、パック御飯用のこしのつぶ等の品種を育成していることが示されました。これに対し鈴木憲和大臣は、新品種開発支援と生産現場への普及に努める方針を表明し、業務用品種開発を重要な取組と位置づけ、支援を継続する姿勢を示しました。
本テーマでは、政府備蓄米の売渡し要件が条文上供給不足のみであり、需要増加等の枕言葉は前提条件ではない点が確認されました。副大臣は、量が足りなければ売り渡し、足りていれば売り渡さないという考え方で運営する方針を答弁しました。また、法改正後に基本指針を策定し、機動的な備蓄放出の運営の在り方について食糧部会の意見を聞いて定める方針が示されました。臼木秀剛氏は、放出基準やルールの明確化・周知を求めており、見直しに賛成の立場を示しました。
基本的には、やはり一定程度、基準やルールというのは明確である必要はあると思いますので、新たに、食料供給困難事態対策法に基づく基本指針のように基準やルールを一定程度明確にしておくということであったり、またその周知をしておくということも是非お願いを申し上げたいと思います。
本テーマでは、漁協共同施設のうち荷さばき場は災害復旧支援の対象となっている一方、上階の事務所部分は対象外となっている現状が指摘されました。近藤和也氏はスコア0.85で、漁協事務所への支援拡大を2発言で一貫して要望する立場を示しました。これに対し大臣(鈴木憲和氏、スコア0.25)は、共同利用施設災害復旧事業の対象要件として特定少数利用でないこと等が定められており、漁協事務所はこの要件に該当しないため対象外であると説明し、対象限定は法律の趣旨に基づくものであるとして現状維持の立場を示しました。あわせて、農協の結婚式場・葬儀場等との切り分けも含め、対象範囲については精査と議論が必要であるとの認識が示されました。
本テーマでは、能登の一部田んぼにおいて災害復旧と圃場整備の同時実施が答弁通りに進んでいない実態が指摘されました。近藤和也氏は同時実施に関する答弁内容を確認しつつ、未着手の現状を指摘しており、賛否は不明瞭です。これに対し副大臣は、奥能登モデル地域等において県主導により復旧と圃場整備の合意形成を並行して進めていると説明しました。あわせて、被災地域外への避難者との連絡困難や、水路管理費負担への懸念が合意形成を進める上での障害として挙げられました。
同時にすることはできますよ、災害に遭ってしまったから、この際だから田んぼも広げて、そして様々な設備のところもいいですよという答弁をいただいたんですが、実際、まだ動いていないんですよね、聞いてみますと。
本テーマでは、米流通事業者への在庫・出荷・販売量報告義務化に関する制度設計が議論されました。食糧法の対象事業者は米の出荷・販売・加工・中食外食業者で年間取引数量が一定規模以上の者とされ、年間取引数量300トン以上を規模要件として想定し、対象事業者数は合計約7千事業者と試算されています。一方、トレーサビリティー法は米菓等の加工品事業者も対象とし、規模要件がない点で食糧法と異なります。定期報告対象は約7000事業者のうち、300トン以上の3000事業者は毎月、それ以外は年1回報告する方向が示され、報告事項は在庫数量・出荷販売数量・買入数量に加え、取引相手業種・搗精数量等を省令で想定するとされました。令和7年6月の緊急調査では約7万業者中回答率が2割程度にとどまり、実態把握の課題が判明しています。制度の実効性確保のため助言・指導規定を設け、故意の未報告には罰則を措置する方針も示されました。負担軽減については電子申請導入や統一フォーム、スマホ対応が検討されています。広瀬建氏、林拓海氏、鈴木憲和氏はいずれもスコア0.75で、罰則による実効性確保や電子申請による簡便化を根拠に制度導入に前向きな立場を示しました。他方、精緻な数量把握が需給をタイトにし価格変動を招くとの懸念も委員から示されました。
本テーマでは、能登半島地震に関連する農地復旧事業について議論が行われました。直営施工後に不具合が生じ、災害復旧事業を活用して修繕した事例は、現時点では確認されていないことが示されました。また、豪雨による復旧後に新たに地震被害が確認された場合には、災害復旧事業の活用が可能であるとの説明がなされました。さらに、複数の被災箇所を統合した査定範囲内において新たな被害が確認された場合には、個別相談により対応するとされました。発言者ごとのスタンス(賛成・反対・中立)を示すデータは提示されておらず、本論点に関する賛否の立場は確認されていません。
本テーマでは、需要に応じた生産における農業再生協議会の役割が議論されました。2018年以降、生産数量目標の配分は廃止され、農業再生協議会が適正生産量を周知する仕組みとなっており、今回の法改正後もこの役割に変更はないと政府参考人が答弁しました。これに関連し、臼木委員からは、農業再生協議会が示す適正生産量の提示が、生産者を実質的に拘束し得るとの懸念が指摘されました。提示された要点の範囲では、これ以外の論点や賛否のスタンス、結論・決定事項は示されていません。
本テーマでは、需要に応じた米生産における需給見通しの精緻化と価格変動リスクが議論されました。需給見通しは作付前年11月末に策定・公表し、需給状況の変化に応じ逐次変更するとされ、需要量は幅で設定し、生産量見通しは需要の上位値で余裕を持たせる方式に見直されたことが説明されました。また、水田活用交付金の取組計画確定日を6月30日から8月20日へ延長し、柔軟な対応を可能にしたとの説明がありました。論点として、生産者の主体的判断による作付では供給不足のおそれがあり、需給がタイト化する懸念が示されました。臼木秀剛委員は、精緻化が価格急変を招く懸念を表明し、需給タイト化による供給不足時に生産者へ責任が集中することや価格変動リスクを懸念し、歯止めの必要性を指摘するなど慎重な姿勢を示しました。これに対し鈴木大臣は、民間備蓄の放出等により国が全面的に責任を持つと答弁しました。
やはりきちんと、一定程度、政府の責任、今回なくなりますが、そこは何かしら歯止めを入れておく必要があるのではないかということだけは付言をさせていただきます。
本テーマでは、需要予測に枠外輸入米の動向をどのように反映するかが論点となりました。木下敏之委員は、価格高騰時に輸入米へ需要がシフトする傾向を今後の需要予測に見込むべきであると主張し、輸入米への需要移行を明確に反映すべきとの立場を示しました。これに対し山口靖政府参考人は、枠外輸入は変動が大きいことから需給見通しには数値として示さず、令和7年9月の基本指針から文章記載とする方針を説明し、需要予測の数値には反映せず動向を注視するにとどめる立場を示しました。
本テーマでは、食料安定供給における国の責務と生産者の責任分担について議論が行われました。大臣は、国民を飢えさせず食料を安定供給する責務と、生産者の生産基盤維持を支える責任がともに国にあると認め、豊作・凶作いずれの場合の需給対策も国の責任として行うものとの理解が確認されました。また、米の供給は生産者・JA・国・自治体による共同作業であるとの認識も示されました。鈴木憲和大臣は、米不足時には民間備蓄放出等により国が全面的に責任を持つ旨を答弁しており、国の責任を明言し供給不足回避へ積極的に関与する姿勢を示しました(スタンススコア0.75)。
そこについては国が全面的に責任を持っているということだというふうに思います。
本テーマでは、食糧法における取扱事業者の範囲・規模要件について、トレーサビリティー法との差異が論点となりました。食糧法の対象は出荷・販売・加工・中食外食業者であり、想定300トン以上という規模要件を設定する点でトレサ法と異なることが示されました。また、下位法令の制定にあたっては、事業者への過度な負担増を避けるため、事業者の意見を聞きながら慎重に検討するとされました。発言者としては、臼木秀剛が事業者負担増への懸念と、供給不足時に生産者へ責任が集中することへの懸念を表明し、慎重な姿勢を示しました。
この点、是非御留意をいただきたいと思っています。
食糧法改正における需給の安定と価格の安定の位置づけを巡り、改正案では需給の安定を主とし、価格の安定はその結果としての「安定化」に位置づけが後退したとの懸念が示されました。近藤和也氏は、改正により価格安定の位置づけが下がったとして批判的な立場を示しました。これに対し鈴木憲和氏(大臣)は、国が米価格に直接関与するのは適当でなく、需給の安定を図ることを通じて結果として価格の安定化を図るという考え方を説明し、価格への直接介入には慎重な立場を示しました。
食糧法改正の趣旨と基本法・基本計画との整合性については、米価高騰時に流通実態の把握が不十分であったことや備蓄の売渡しに機動性を欠いていたことが明らかになった点が、改正の契機として挙げられました。改正内容としては、生産調整に関する規定を廃止する一方で、需要開拓や輸出促進等の施策を法律上に位置づけることとされました。また、こうした改正の内容は、食料安定供給の理念を掲げる基本法や、2030年に818万トンの増産目標を掲げる基本計画と整合していると説明されました。なお、発言者のスタンスに関するデータは示されていません。
本テーマでは、食糧法第二節の表題「生産者による需要に応じた生産」や「主体的に」との文言が生産者に責任を集中させるとの懸念が議論されました。この論点について、大臣は生産調整廃止に伴い政府による生産調整継続と誤解されないための書きぶりであると説明しました。一方で、生産調整は実質行われていないにもかかわらず規定が残ることへの違和感が改めて表明されました。また、北海道農連参考人の指摘を引用し、責任を生産者に押しつけるとの懸念に一定の同意が示されました。発言者のスタンスとしては、臼木秀剛氏は生産者への責任押しつけとの指摘に同意し、価格変動への懸念も表明しました。野間健氏も生産者への責任集中を懸念し、条文中の「生産者」という文言の削除を主張しました。他方、鈴木憲和氏は規定の削除は不適当であるとして現行の書きぶりを擁護し、生産者への責任集中への懸念については否定的な立場を示しました。
どうも生産者に負わせるんじゃないか、そういう懸念を持たざるを得ないんです。
需要に応じた生産は、場合によっては、米価の不安定化の原因を、生産者自らが需要に応じた生産をしなかったためとなりかねず、責任を生産者に押しつけるものであるという御指摘もありましたし、この懸念については私も一定程度同意するところではあります。
これを削除した場合、政府による生産調整を引き続き維持したいと捉えられるおそれがあるため適当でないというふうに考えておりましてこのような書きぶりになりましたので、御理解をいただければというふうに思います。
本テーマでは、高関税下でも輸入米の使用が拡大している実態について議論が行われました。木下敏之委員は、この動きを国産米政策への警鐘と位置づけ、実態について質問を行いました。これに対し、輸入米が使用される理由として、国内価格の上昇により枠外関税を払っても割安になるためとの回答が多く示されました。輸入米の使用先としては、丼・カレーチェーンや、低価格帯を狙う大手スーパー・ドラッグストアなどが挙げられました。味に対する否定的評価は多くなかったものの、国産米との価格差が縮小したことにより販売を停止したとの報告もありました。また、令和8年1~3月の民間輸入数量は4918トン、4160トン、2049トンと3か月連続で減少していることが示されました。木下委員は、輸入米のリピーター化の実態把握が重要であるとして、早期の聞き取りを行うよう要望しました。
昨年、高い関税を支払ってでも主食用米を輸入する動きが出たこと、これは国産米政策に対する重大な警鐘であると受け止めております。
中山間地域等直接支払や能登町方式の事務負担軽減については支援拡大・横展開の方向で検討が進められている一方、収入保険の複数年対応化や漁協事務所への支援拡大、食糧法における生産者関連規定の見直しについては、大臣から否定的または現行維持の答弁がなされ、意見の隔たりが残る形となりました。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。