本委員会では、気候変動等対応品種法案、種苗法改正案、主要農作物種子確保法案の3法案を一括議題として質疑が行われました。論点は、公的試験研究機関の役割強化、育成者権の存続期間延長、登録品種の海外流出防止対策、農研機構の運営費交付金や施設老朽化への対応、種子法廃止をめぐる懸念など多岐にわたりました。舟山康江氏、かごしま彰宏氏は公的試験研究機関の重要性を強調し、岩渕友氏は農民の権利制約や種苗企業への利益偏重を懸念して反対の立場を示しました。上月良祐氏は議員立法への共感を示しつつ民間の意欲低下への懸念も述べました。鈴木憲和大臣は育成者権管理機関の早期設立や重要品種の育成・普及支援の方針を説明しました。
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全52テーマ ・ 紐づく質疑81件
農研機構の試験研究施設・機器の老朽化対策
クビアカツヤカミキリの被害への対策強化に関しては、同種が19都府県で発生確認されており、桜や果樹への被害が拡大傾向にあることが論点となりました。山下副大臣は和歌山・奈良を視察し、防除には人手が必要である一方で特効薬がない現状が示されました。岩渕議員は、前回の質問を受けて山下副大臣が現地視察を行ったことに謝意を示すとともに、環境省との対策本部設置に伴う予算確保を要望しました。対策本部は石原環境大臣と鈴木大臣が本部長を務める形で設置予定とされています。発言者のスタンスとしては、進藤金日子氏がスコア0.75で深刻な事案と認識し対策強化を求める賛成方向の立場を示し、鈴木憲和氏もスコア0.75で対策本部設置により農業と文化を守るとして積極対応の姿勢を示しました。
本テーマでは、ゲノム編集育種と交配育種の違い、及び基礎研究の重要性について議論されました。交配育種は膨大な組合せから優良個体を選抜する必要があり長期間を要することが課題として挙げられ、一方でゲノム編集育種は狙った場所に変異を起こすことで開発速度を速められるものの、その前提として遺伝子機能解明という基礎知見の蓄積が必要であることが指摘されました。また、基礎研究段階では民間が参入しにくいことから、国が基礎研究をしっかり担保すべきとの指摘がなされ、大学の遺伝子機能知見を基に小麦・バレイショのゲノム編集品種開発が進められている状況が示されました。発言者については、かごしま彰宏氏がスコア0.50で、ゲノム編集推進の前提として基礎研究への国の投資強化を要求する条件付きの姿勢を示し、山下雄平氏はスコア0.75で、基礎研究の蓄積の重要性を認識し農研機構が注力すべきと表明する推進の立場を示しました。
本テーマでは、ゲノム編集食品の表示義務の在り方が議論されました。消費者庁の井上計政府参考人は、遺伝子組換え食品には表示義務がある一方、ゲノム編集食品は安全性が同等と判断され表示義務付けは行っておらず、科学的な判別が困難なことから罰則付きの表示義務化は難しいとし、事業者の自発的な情報提供を促す立場を示しました。石垣のりこ議員は消費者の選択権確保の観点から表示義務化を提起し、企業への義務付けを主張しました。これに対し鈴木憲和大臣は、検出技術上の困難を理由に表示義務化には応じられないと回答しました。また杉本純子議員は、ゲノム編集食品の表示は消費者の知る権利に関わる重要な問題であるとし、表示制度の在り方の再検討を求めました。なお、EU規則では遺伝子組換え食品同様にリスク評価・表示義務が課されており、2028年7月適用予定の新規則ではNGT1カテゴリーの表示義務は免除される一方、種子には表示義務が課される旨が示されました。
本テーマでは、スマート育種における先端技術・設備の活用範囲について議論が行われました。杉本議員は、AI・ロボティクス・DNAマーカーに加え、放射線育種・ゲノム編集・遺伝子組換え設備も対象となるかを質問しました。これに対し堺田輝也政府参考人は、法案は特定の育種方法を指定・除外するものではなく、供用対象設備については農研機構の利用状況等を踏まえて検討中であると答弁しました。堺田輝也氏のスタンスは、特定手法の指定・除外を否定するのみで積極活用への賛否は不明であることから中立的なものとされています。
今回の法案において、特定の育種方法を指定したり、あるいは除外することは考えておりません。
本テーマでは、みつひかりの種苗法違反と三井化学の種子事業撤退の経緯・理由について議論が行われました。岩渕友議員は、みつひかりの種苗法違反と三井化学の種子事業撤退の経緯・理由を質問し、同様の失敗事例を挙げながら批判的な立場から言及しました。これに対し山口政府参考人は、みつひかりの種苗法違反は技術的・管理的・人的側面の問題であり、撤退理由は技術的・人材的・経済的要因であると説明しました。岩渕議員は、経済的要因についてコストに見合わないための撤退であるとした上で、同様の失敗を防止するため重要品種育成事業計画の内容を確認しました。これを受け堺田政府参考人は、重要品種育成事業計画では研究・育種の執行体制や実現性を審査すると説明しました。
品種の混入と産地の偽装表示で種苗法違反となり、今年の三月で三井化学は種子事業から撤退をしました。
本テーマでは、みどりの食料システム法に基づく環境直接支払制度について議論が行われました。岩渕友議員は、環境支払が市場で評価されにくい自然環境・生物多様性への貢献を評価するものであるかを確認しました。これに対し堺田政府参考人は、新たな環境直接支払交付金がみどり法認定農業者を対象とし、環境負荷低減と生産性向上の両立を目指す施策であると説明しました。また、2027年度から同一圃場・同一取組支援を5年で打ち切る方針について、岩渕議員は生態系保全の実態と乖離していると批判しましたが、堺田政府参考人は5年で収量安定・利益確保ができるとのデータ等を踏まえて支援期間5年を検討していると説明しました。岩渕議員はスコア0.50の立場から、制度の趣旨自体は前提としつつ、5年打ち切りの方針は実態に合わないとして、方針の見直しや要件緩和、単価引上げ、予算拡充を求めました。
方針の見直し、そして要件や手続の緩和、あと単価の引上げ、予算の大幅な拡充行うべきだということ強く求めて、法案の質疑に入りたいというふうに思います。
本テーマでは、主要農作物の新品種育成における公的試験研究機関の役割について議論されました。要点として、民間による新品種開発はほとんど進んでおらず、自給率向上や食料安全保障の観点から公的試験研究機関が果たす役割は非常に大きいことが示されました。発言者のスタンスとしては、舟山康江氏がスコア0.90(賛成寄り)で、公的試験研究機関の役割は非常に大きいと明言し、その重要性を強調しました。また、かごしま彰宏氏はスコア0.75(賛成寄り)で、食料安全保障分野における国の主体的関与を主張しており、公的機関重視の立場と解釈できるものの、その根拠は限定的であるとされています。両者とも公的試験研究機関の重要性を肯定的に評価する方向で発言している点が共通していますが、明確な結論や決定事項については示されていません。
主要農作物種子確保法案の趣旨・妥当性について、複数の発言者からスタンスが示されました。舟山康江氏は公的試験研究機関の役割を重視する立場から法案を提出し、優良品種育成の重要性を説明しました。石垣のりこ氏は法案趣旨を踏まえ、公的研究機関の基盤強化を要望する賛同的な言及を行いました。進藤金日子氏は立法趣旨に共感を示す一方で、確認質問も行うなど慎重な姿勢を示しました。上月良祐氏は野党議法に共感を示しつつ、民間へのディスカレッジ(意欲低下)につながる懸念から、議法そのものへの疑問も併せて述べました。佐々木りえ氏は対象拡大による財政圧迫と支援の薄化を懸念し、慎重な姿勢を示しましたが、明確な反対表明には至りませんでした。全体として、公的研究機関の役割強化に賛同する意見がある一方、財政面や民間への影響を懸念する慎重な意見も示されました。
公的試験研究機関の役割は重要であり、その取組を後押しするため、政府提出法案の補完として、重要品種の育成及び普及に関する施策を補強するために、公的試験研究機関における主要農作物の新品種の育成が継続的かつ安定的に行われるよう、本法案を提出いたしました。
この主要農作物種子確保法の趣旨も踏まえまして、公的研究機関の基盤の強化、また研究環境の改善に向けて是非動いていただきますように強くお願いを申し上げたいと思います。
立法趣旨には共感できる点もございますが、本法案に関して農研機構や農林水産省に確認したいことがございまして、質問させていただきたいと思います。
しかし、国の財政に限りがある中で、議員立法によって対象が広がると、必要な支援が、少し、私個人としては、個人的には薄くなる可能性もあるのではないかなと思っております。
その点、発議者座っていただいておりますが、野党の議法にも共感できる点はあると私は思っております。
本テーマでは、稲・麦・大豆の公的品種育成・種子供給を守る基盤整備を目的とした議員立法(立憲・国民・公明・参政・共産共同提出)の提出趣旨が議論されました。論点として、農業競争力強化支援法第8条4項により民間活力の活用が目指されたものの、新品種の開発・生産が進んでいない現状が示されました。これを踏まえ、議員立法は公的試験研究機関の役割を後押しし、政府提出法案を補完・補強するものであると説明されました。発言者のスタンス(賛否)データは示されていません。
本テーマでは、主要農作物として稲・大麦・裸麦・小麦・大豆を対象とする理由が議論されました。これらは国民の生存に直結する基幹食料であり、食料安全保障上重要であることから対象とされました。米はほぼ100%国内生産が可能である一方、麦の自給率は約17%、大豆は約6〜7%と輸入依存度が高く、国産化の推進が必要であるとされました。稲・麦・大豆は主食を形成し、食料自給率向上に資するため、広域普及の有無を問わず育成・普及が重要であるとの説明がなされました。また、重要品種の対象は稲・麦・大豆を含め幅広い品目であり得るとの政府答弁がありました。徳永エリ氏は、自給率の低さと生産性向上の政策的必要性から対象作物を限定したとの説明のもと、賛成の立場を示しました。
食料安全保障の観点から国産化を進めなければなりませんし、また、麦、大豆の生産性の向上が政策的にも推進されていることから、米、麦、大豆に限定をさせていただきました。
本テーマでは、タマネギ等の種子生産においても交配用蜜蜂の不足が深刻化しているとの指摘がなされました。これを受け、種苗会社・養蜂家・自治体・農研機構等が連携し、需給把握やダニ防除等を一体的に進めるべきとの提案が示されました。鈴木憲和氏はスコア0.75で、花粉交配用蜜蜂不足への対応の必要性を明言し、関係者連携を肯定的に述べました。高橋光男氏はスコア0.90で、関係機関の連携による一体的対応を明確に主張しました。これに対し農水省は、ダニ増殖抑制技術の実証を令和8年度に全国3か所で実施すること、養蜂人材育成講習会も開催していることを説明しました。また、花粉交配の代替技術として、ドローンによる花粉付着技術の研究開発を支援していると説明しました。
備蓄米の買戻し・放出方針については、進藤金日子議員が、備蓄米が約32万トンとなり適正水準とされる100万トンを割り込んでいることへの懸念を示し、早急な買戻しを要請しました。あわせて、民間在庫の増加により概算金が標準コストを下回る状況が生じており、これが離農の加速につながるおそれがあるとして、備蓄米の買戻しを改めて要請しました。進藤議員のスタンスは、食料安全保障の観点から備蓄米買戻しの早急な実施を求めるものであり、賛成の立場が示されています。
そこで、米の価格にコミットすることなく、食料安全保障確保の観点から備蓄米の買戻し等を早急に行うべきであります。
公的機関における新品種出願件数の減少について議論が行われました。上月良祐議員は、長期的に見て新品種出願件数がやや減少傾向にあると指摘し、国の新品種出願件数が2006年の35品種から2025年の32品種へとほぼ横ばいで推移している一方、都道府県では128品種から47品種へと約3分の1に減少している状況を示しました。上月議員は出願件数減少への懸念を示していますが、賛否についての明示的な立場は示されていません。石垣のりこ議員は、コスト増加に関する説明に具体的な数字が示されていないことへの懸念を表明し、批判的な姿勢を示しました。両議員の発言からは、国と都道府県における新品種出願件数の推移の違いが論点として取り上げられたことが確認できます。
本テーマでは、公的研究機関の知見・知的財産の海外流出防止をめぐり、複数の論点が示されました。運用面では、農研機構における施設供用に際して申請者の国籍・資本構成・国内拠点有無の確認や秘密保持契約の締結により知財流出防止を図る取組が挙げられました。また、参法では公的育成品種の知的財産権の適正な保護・管理に関する国民理解を深めるための啓発活動等の努力義務が規定されています。事例としては、長野県のシナノゴールドがイタリアとライセンス契約を結び、日本への逆輸入を不可とする流出防止・ブランド管理の仕組みを構築していることが示されました。一方で、都道府県単独では海外品種登録や侵害調査、ライセンス交渉等の専門性確保に限界があるとの指摘もありました。発言者のスタンスとしては、かごしま彰宏氏が知見流出防止の徹底と国による厳格管理を主張し、佐々木りえ氏と山下雄平氏はそれぞれ国主導の支援体制強化、専門機関設立による流出防止体制構築を積極的に述べました。鈴木憲和氏は育成者権管理機関の早期設立による侵害対応を明言し、石垣のりこ氏は証拠収集強化を大臣に求める発言を行いました。
特に、主要農作物に関する研究知見は、将来の食料安全保障の核となる重要な基盤であり、国が責任を持って厳格に管理すべきです。
できるだけ早く、早期に専門性のある管理機関を立ち上げていくことによって、育成者権者からの委託を受けて、国内におきましては、優良品種の普及でありますとか流出防止に向けた管理を行っていき、また、海外におきましては、流出や無断栽培の監視、そして侵害対応に取り組んでいかなければいけないというふうに考えております。
海外において流出や無断栽培などの管理、侵害対応などに取り組むための育成者権管理機関をできる限り早期に立ち上げることとしております。
シナノゴールドのようなすばらしい成功事例を全国に広げ、我が国の優良品種を海外で守りつつ世界で稼ぐ強力な知財へと育てるためには、国が一丸となった支援体制が不可欠だと思います。
今回の法改正の趣旨からしても、こういう点まできちんと踏み込んでやるべきではないかと考えますが、大臣、いかがですか。
本テーマでは、品種開発コストの上昇と研究職員の人材不足について議論が行われました。育種コストは品目・品種によって差が大きく、具体的な増加額の提示は困難であるとされた一方、高温耐性等の新たな形質を付与する際の難易度・コストは増加傾向にあると説明されました。また、気候変動対応や病害抵抗性など外見では判断できない形質の評価に関して、DNAマーカーの開発や検定施設の整備等の設備投資が増加していることが示されました。人材面では、育種専門家を含む研究職員数について、過去20年間で農研機構が約30%、都道府県が約23%減少しているとの数値が示されました。なお、コストの具体的な数字が示せないことへの懸念も指摘されました。
本テーマでは、宮城県視察を通じて確認された採種農家の高齢化、後継者不足、施設投資負担といった実情を踏まえ、国内採種基盤の維持が論点として取り上げられました。気候変動等対応品種法案については、種苗生産圃場の集団化等により国内採種基盤の維持に寄与するとされました。また、基本方針に生産団地形成や産官学連携強化を位置付け、各計画へ反映させる方針が確認されました。発言者のスタンスとしては、高橋光男が国内採種基盤の維持を基本方針に明記し各計画へ反映するよう明確に要求し、賛成の立場を示しました。鈴木憲和も基本方針への位置付け検討を明言し、前向きな姿勢を示しました。
本テーマでは、地方公共団体の試験研究機関に対する予算・地財措置のあり方が議論されました。上月良祐議員は、農研機構や都道府県試験場の研究環境把握が不十分であるとして、的確な地財措置を要望する立場からスコア0.75の賛成姿勢を示しました。徳永エリ議員は、財政措置を法案第4条に明記し、新品種育成の継続的・安定的実施と安価な種子提供を担保すべきと主張し、スコア0.85の強い賛成姿勢を示しました。進藤金日子議員は、長野県農業試験場が海外ライセンス許諾料を県単独研究に充当する事例を紹介しつつ、自助努力促進を前提とした所管官庁の支援強化を主張し、スコア0.75の条件付き賛成姿勢を示しました。これに対し山下副大臣は地方公共団体試験研究機関への分析機器等整備支援を実施中であるとし、総務省の橋本氏は農業試験場運営費に普通交付税単位費用引上げ等の地財措置を実施していると説明しました。鈴木大臣は、新品種開発の取組状況を的確に把握した上で予算・地財措置要求を行う方針を示しました。
必要な財政措置が担保されれば、主要農作物の新品種の育成が継続的かつ安定的に行われ、農家に安価な種子を提供し続けることができると考えております。
そこ任せにせずに、自分たちでもちゃんと研究開発の状況を見ていただくなどして的確な地財措置やっていただきたいと思いますが、お考えを伺いたいと思います。
その自助努力を促しながら、分野別所管官庁からの支援のみならず、組織横断的な地方創生等の枠組みを活用するなど、あらゆる方策を駆使した上で、足らざるところはやはり所管官庁がしっかりと支援していく、これが重要だというふうに考えております。
本テーマでは、民間企業が開発した稲品種が奨励品種になり得るかという論点が議論されました。岩渕友議員は、民間企業品種が奨励品種となることで選択肢がなくなる懸念を表明し、批判的な立場を示しました(スコア0.20)。これに対し堺田政府参考人は、国が都道府県に情報提供を行い、都道府県の基本計画において奨励品種として位置付けることが可能であると説明しました。また鈴木憲和氏は、国内関係機関の力を結集する法案であると説明するにとどまり、民間企業品種への評価については明確な立場を示しませんでした(スコア0.60)。議論の中で明示的な結論や決定事項は示されていません。
本テーマでは、新品種開発における花粉媒介昆虫との適合性評価が論点となりました。養蜂家からは、品種による花粉量・蜜量・花形の違いにより蜜蜂が訪花しにくくなるとの指摘がありました。これを踏まえ、重要品種育成事業計画では育成段階から農業者等関係者との連携を必須とする方向での検討が進められているほか、栽培マニュアル等において花粉媒介昆虫に関する情報提供に取り組む方針が示されました。発言者としては、高橋光男氏が品種育成の基本方針等への位置付けを明確にするよう要望し、賛成の立場を示しました。これに対し堺田輝也氏は、農業者連携を必須化し、基本方針に評価の必要性を位置付けるとの前向きな答弁を行い、同様に賛成の立場を示しました。
本テーマでは、植物新品種の海外流出防止対策の強化について議論が行われました。山下雄平氏は品種登録前種苗の輸出差止め請求権創設や輸出目的保管の育成者権対象への追加を説明し、法改正の推進に積極的な立場を示しました。農水省調査では日本の登録品種と同名・類推名の品種が中国・韓国サイトで8品目約50種確認されたほか、品種登録前の流出疑いとしてイチゴ3品種、かんきつ4品種が確認されたことが報告されました。令和3年4月の前回改正以降、自家増殖による海外流出の確定事例は把握できておらず、流出ルートは種苗業者買付けや盗難など多岐にわたり時期・経緯の把握が困難であると説明されました。山形県紅秀峰の穂木譲渡によるオーストラリアでの産地化事例や外国人研修生による苗木持出し事例も紹介され、鈴木大臣は流出発覚時には既に増殖・販売が進み追跡が困難な現実を説明しました。石垣議員はシャインマスカットについて違法流出ではなく想定外の栽培拡大だった点を指摘しました。かごしま彰宏氏、杉中淳氏、杉本純子氏、進藤金日子氏はいずれも対策強化に賛成的な立場を示し、育成者権取得に加えライセンス契約締結や訴訟対応、国内企業の海外資本買収リスクへの対応の必要性が論点として挙げられました。
是非、徹底してこの流出防止を強化いただきたいというふうに思います。
今回の法改正は、流出防止対策を強化するため、品種登録前の種苗の輸出差止め請求権の創設でありますとか、また、登録品種の輸出目的保管の育成者権の対象への追加などを盛り込んでおります。
しかし、権利を設けるだけで流出は防げません。海外での権利取得はもとより、流通を監視し、流出による違法栽培が確認されれば訴訟による栽培差止めを求めていくといった、育成者を一貫して支援する体制が不可欠です。
外国人のバイヤーを通じて日本の登録品種が海外に流出したと疑われる事例が多数確認されて、こういった品種が海外で育種の材料として使われるということのリスクの方が目前のリスクとしては大きいのではないかと考えております。
育成者権を守るだけではなく、育成者権を持つ国内企業を守るという観点が重要であると考えます。
本議案では、気候変動等対応品種法案の立法趣旨について議論が行われました。鈴木大臣は、気候変動による農業生産への影響が顕在化していることを受け、重要品種の育成・普及が喫緊の課題であると説明しました。鈴木憲和氏は、重要品種育成の必要性を喫緊の課題と説明し、法案の意義を積極的に肯定する立場を示しました。
食料安定供給を確保するためには、高温耐性や多収性などの形質を持ち、広域での課題解決に資する新品種の育成と普及を図ることが喫緊の課題であると認識をしております。
本法案は、高温耐性や病害虫耐性等を有し広域での普及が可能な品種を「重要品種」と位置付け、その迅速な育成・普及を図るものです。対象は主要農作物に限らず、野菜・果樹等も含まれ、民間事業者も対象となることが説明されています。国の責務として、重要品種を育成する事業者に対する集中的かつ効果的な支援の努力義務が規定されています。メリット措置としては、農研機構が保有するスマート育種支援システム等の先端研究設備の供用や専門家の派遣、産官学連携の促進のほか、出願料・登録料の減免による負担軽減が実施されることが示されています。発言者個別の賛否スタンスに関するデータは示されていません。
本テーマでは、登録品種の名称使用義務違反に対する過料引上げ(10万円から20万円へ)の妥当性が議論されました。名称使用義務違反事業者はこれまで行政指導で改善されており、過料の執行実績はゼロであることが確認されました。石垣のりこ議員は、摘発実績がない中での過料引上げの妥当性に疑義を呈し、説明を受けても納得できないと明言しました。これに対し鈴木憲和大臣は、オンライン販売の増加や伏せ字表示等の義務違反が疑われる事例の増加を理由に挙げ、登録品種名称の使用徹底のため過料引上げが必要であると説明しました。杉中淳氏は過料引上げにより名称使用の徹底を図る方針を説明し、肯定的な立場を示しました。高橋光男議員は、推定規定の運用明確化とガイドライン整備を求めましたが、過料引上げ自体への賛否は明確にされませんでした。
その中で抑止力をいかにして働かせるかという観点で、今回この過料を引き上げているということで御理解いただければというふうに思います。
それがこの場合として妥当であるのか、このタイミングで妥当であるのかということに対しては、御説明を受けても、すぐに納得、私としてはできるものではないと考えます。
今回の改正では名称使用義務違反の過料も引き上げることとしておりまして、この登録名称の使用を徹底していきたいというふうに考えております。
そこで、推定規定の適用範囲をしっかり明確にしていただき、品種登録データベースや表示制度を整えるとともに、訴訟時の専門家活用などと併せて、これにつきましてもQAとかガイドラインに示すべきと考えますが、今後の政府の対応について答弁をお願いします。
登録品種の普及支援策をめぐっては、種苗の許諾料に関する実態や存続期間延長に伴う農家負担、重要品種の普及に向けた支援策が論点となりました。許諾料については、水稲で種苗販売価格の0.数%、ブドウで数%程度に該当することが育成者権者への聞き取りにより説明されました。また、存続期間延長による農家負担増については、水稲で10年間100~300円程度、ブドウは10年で改植した場合約4000円程度と試算されていることが示されました。鈴木大臣は、稲・麦・大豆の栽培実証や果樹・お茶の改植・新植支援を通じて重要品種の普及を図る考えを答弁しました。杉本純子は、登録品種を利用する農家への支援の重要性を主張し、賛成的な立場を示しました。
そのため、この品種を普及していくという観点から、登録品種を利用する農家さんを支援していくこともまた重要であると考えます。
本テーマでは、登録品種の自家増殖に係る許諾手続の負担や種苗価格の動向が論点となりました。農研機構は作物分類ごとに許諾手続の要否をホームページで公表し周知徹底を図ってきたと説明されました。また、令和2年から令和6年にかけての種苗価格上昇は9.6%にとどまり、肥料の36.9%や飼料の40.5%と比較して大きな問題になっていないとの説明がなされました。杉中淳氏(スコア0.75)は、現場から許諾手続の煩雑化や価格高騰による負担増の声はなく、適切な運用が図られているとの認識を示し、肯定的な評価を行いました。
現場からの意見でも種苗法改正によって許諾手続の煩雑化や苗木価格の高騰などの負担が増えたといったような声はなく、適切な運用が図られているものと考えます。
本テーマでは、登録品種名を使用して販売された種苗を登録品種と推定する新規定について議論が行われました。この推定規定は登録品種名称のみを対象とするものであり、あわせて名称使用義務違反に対する過料も引き上げられることが説明されました。高橋光男氏は、本規定を無断販売の抑止に有効な措置と評価する立場(賛成、スコア0.75)を示す一方で、その適用範囲の明確化を求めました。
無断販売への抑止として有効な措置になってくるかというふうに思います。
本テーマでは、公的機関における知的創造サイクルが自己目的化し公益から離れることへの懸念が示され、収益偏重や行政目的の市場化への懸念が論点となりました。これに対し大臣は、新品種育成の知財サイクル構築は農業者所得向上や食料安全保障に資する公益であり、実需品種の安定供給とのバランスが重要であると説明しました。また、戦略的許諾料設定や海外ライセンス収入を新たな知財創出につなげる方針を基本計画に打ち出したことが説明され、育成者権管理機関を通じたライセンス収入を次の研究開発投資へ還流する仕組みの構築を進める方針が示されました。杉中淳氏はこの還流の仕組み構築を進める意向を明確に表明し、賛成の立場を示しました。さらに岩渕議員から、品種登録出願義務化・出願料減免の枠組みにおける知的財産権の帰属割合について質問があり、堺田政府参考人は、複数研究機関が連携する場合は共同研究契約により貢献度等に基づき知財の保有割合を当事者間で決定すると説明しました。
管理機関を通じましたライセンス契約に基づく許諾料収入を次の研究開発への投資に還流できる仕組みの構築というものを進めていきたいと考えております。
本テーマでは、種子法廃止と公的試験研究機関の役割縮小への懸念について議論が行われました。岩渕友議員は、この方向性が誰の要望によるものかと問い、農研機構や農業試験場の体制では不十分なのかを大臣に質問しました。これに対し鈴木大臣は、国内の公的機関の力を結集していい品種を作るための法案であり、育成者権も守っていくため海外流出にはならないと説明しました。岩渕議員は反対の立場であり、2016年の規制改革推進会議における農水省幹部の発言を引用して種子法廃止の経緯を問題視し、民間移行が公的役割の放棄につながるとして懸念を表明しました。
この状況を放置して品種の育成を民間企業に移行しようというのは、公的役割を放棄することになるんじゃないかと思うんです。
本論点では、地域固有の種・種苗の多様性確保が気候変動や疫病、虫害への生存戦略として有効であり、農業システム全体の強靱性を高めるという主張が示されました。この点について、石垣のりこ議員は賛成の立場を示し、多様な品種を維持することを強靱性向上のためのリスク管理戦略として明確に肯定しました。他の発言者のスタンスは示されておらず、明示的な結論や決定事項についても言及はありませんでした。
この多様な品種を維持、利用することは、農業システム全体の強靱性を高めるリスク管理戦略としても位置付けられると思いますので、是非、今回の種苗法等の改正、そして重要品種の育成の新法がこうした基本的な考え方の下にバランスを欠くことがないよう意見を申し上げて、私の質問を終わります。
種苗法改正をめぐっては、令和2年改正で海外持ち出し制限の導入等により一定の抑止効果が見られたものの、出願中品種の流出等の新たな課題が判明し今回の改正に至ったとの説明がなされました。施行後5年をめどに海外流出状況やライセンス収入等の効果を把握し、見直しを検討する方針が示されました。発言者のスタンスとしては、山本啓介氏は新たな課題を踏まえた改正の必要性を説明する立場で賛成方向を示しましたが、効果検証への言及は乏しいものでした。石垣のりこ氏は、海外流出の把握が不十分なまま立法することの根拠の薄さを問題視し、批判的な立場を示しました。高橋光男氏は、立法事実の説明と効果検証・公表を要求する質疑を行い、賛否は明示していません。
種苗法改正案および重要品種育成法案をめぐっては、農民の権利や種苗企業の利益との関係、新品種の育成と保護のあり方などが論点となりました。岩渕友議員(共産党)は、両法案が農民の権利を制約し種苗企業の利益確保に傾くとして反対討論を行いました。一方、かごしま彰宏議員(国民民主党)は、新品種育成と保護を両輪として日本の農林水産業を前進させるとして、両法案に賛成討論を行いました。また、杉本純子議員は、海外流出防止という目的については理解を示しつつも、農家への負担や不安を懸念し、慎重な姿勢を示しました。最終的に、重要品種育成法案・種苗法改正案とも、委員会採決において多数をもって原案どおり可決されました。
本テーマでは、種苗の価格差と化学企業の参入に伴う農家負担増への懸念が議論されました。岩渕友議員は、みつひかりの種子価格が10アール当たり約1万6千円であるのに対し、全品種平均は約1600円であり、両者に10倍の差があると指摘しました。また、化学企業が品種開発に参入することで、種子と肥料・農薬のセット販売につながり、農研機構がその協力をさせられるおそれがあると懸念を表明しました。岩渕議員のスタンスは反対(スコア0.00)であり、化学企業によるセット販売参入が農家の負担増につながるとして反対の立場を示しています。議論では価格差の具体的な数値と参入による懸念が示されましたが、結論や決定事項についての言及は見られませんでした。
化学企業が品種開発に参入するということは、種だけでなくて肥料、農薬もセットで販売したいということになります。
本議論では、米国における小麦・大豆の公的品種と民間品種の割合、および民間参入による種子価格の変化が論点となりました。岩渕友議員はこの点について質問するとともに、久野秀二教授の研究やUSDA報告を引用し、米国種子市場の寡占化と価格高騰、種苗・農薬のセット販売による拘束問題を指摘し、反対の立場を示しました。これに対し杉中政府参考人は、2005年から2024年の登録品種において大豆は民間育種が98.5%、小麦は民間育種が65.1%を占めており、民間育種の増加に伴い価格は上昇傾向にあると説明しました。
民間企業が大きな割合を占めているし、価格は上がっているということです。
本テーマでは、育成者権の存続期間を25年から35年へ、永年性植物は30年から40年へ延長する改正内容が確認されました。延長されない場合、年内に18品種、2030年までに206品種の育成者権が消滅するとされ、農研機構開発のせとか・あきづきや都道府県開発の湘南ゴールドなどが対象例として挙げられました。また、白菜は最低10年、タマネギは最低20年など品種育成・産地形成に長期間を要するとの現場の声も紹介されました。岩渕友議員は、上限まで登録維持する品種は約17%にすぎないとして35年への延長は長過ぎると質問し、自家採種の許諾制化と期間長期化が地域品種の保存や地域社会に影響するとの懸念を重ねて主張しました。これに対し鈴木憲和大臣は、育成者権は利益保護と自由利用のバランスで設定されており、地域ブランド品種等の要望を踏まえて10年延長したと説明しました。杉中淳氏は育成者権者と農業者双方に利益があると肯定的に評価し、進藤金日子議員も延長を極めて重要と評価しました。一方、杉本純子議員は既存品種への遡及適用による農家の追加負担を懸念し、詳細な説明を求めました。
それを考えたときに、三十五年というのは長過ぎるんじゃないかというふうに思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
こうした品種の育成者権の保護が継続して延長されるということにより、品種の保護と品種を活用した地域農業の活性化を通じ、育成者権者と品種を利用する農業者の双方に裨益するというふうに考えております。
今回、育成者権が延長される対象には、今後登録される新品種だけではなくて、既に登録済みのものも含まれています。そうしますと、農家さんは予定していた年数よりも更に十年追加してコストを支払うこととなります。
これは極めて重要な点だと思います。
こういったことを総合的に勘案をして、今回この十年間の延長をするということになりました。
本テーマでは、育成者権の存続期間延長について、開発コストの回収とライセンスによる新品種育成サイクルの実現を目指す方針が示されました。あわせて、中小種苗企業や個人育種家も含めた海外出願・侵害対応費用への支援を行っているとの説明がなされました。発言者のスタンスとしては、鈴木憲和氏がスコア0.75で、中小育成者への費用支援策を挙げて肯定的に説明しており、存続期間延長自体への言及はないとされています。また、高橋光男氏もスコア0.75で、存続期間延長に意義を認めつつ、中小育成者支援の必要性を主張しました。両氏とも中小育成者への支援に関して肯定的な立場を示している点が共通しています。
本テーマでは、育成者権管理機関の設立による品種流出防止について議論が行われました。鈴木憲和大臣は、海外での流出・無断栽培への対応を担う育成者権管理機関をこの夏にも早期に立ち上げる方針を示し、国内の優良品種管理と海外での監視・侵害対応、弁護士等専門家と連携したライセンス契約体制の構築を進める考えを述べ、国として全面的にバックアップする姿勢を明言しました(賛成)。また、管理機関立ち上げ後は海外流出防止やライセンス取組を支援し、ライセンス収入を研究開発へ還流させることで国全体の育種力向上を図る方針も示されました。かごしま彰宏議員は、管理機関の設立自体を前提としつつ、訴訟支援や予算・人材面での機能強化を求めました(賛成)。石垣議員は、農研機構種苗管理センターによるDNA分析等の侵害事実確認業務に関連し、生産地パトロールやゲノムチェックによる侵害証拠収集の強化を要望しました。なお、種苗法改正案に対する附帯決議では、登録品種の海外保護・活用を担う育成者権管理機関の早期立ち上げと事業化支援が求められました。
本テーマでは、育種家の高齢化・後継者不足による技術・データ喪失のリスクが論点となりました。杉本純子議員は、この課題を国内企業保護の大きなリスクと明確に指摘し、賛成の立場から人員確保の重要性について質問しました。これに対し鈴木大臣は、先端技術を活用できる人材の育成・確保のため、農研機構による設備供用や研修受入れを進める方針を答弁しました。
国内企業を守るという観点から考えますと、育種家の方々の高齢化や後継者不足もまた大きなリスクだと考えております。
本テーマでは、蜜源植物・緑肥作物への農政上の支援に関して議論が行われました。論点としては、地域の蜜源不足が蜜蜂不足の一因であることから地域ぐるみでの蜜源環境整備が必要であるとの指摘、また水田活用の直接支払における蜜源植物メニューについて支援単価が低く活用が広がりにくいとの現場の声が紹介されました。これに関連し、養蜂等振興強化推進事業や環境保全型農業直接支払、水田活用の直接支払等により蜜源作物への支援を実施しているとの説明がなされました。発言者としては、高橋光男氏が支援単価の低さを活用の障壁として指摘し、支援の拡充を求める立場を示しました。
私の地元兵庫県の稲美町というところでは、水活のメニューに蜜源植物を加えていただいているんですけれども、支援単価が低いんだということで活用が広がりにくいといったお声をいただいております。
本テーマでは、蜜蜂による自然交雑と育成者権侵害の関係が議論されました。養蜂家が管理できない自然交雑は通常育成者権侵害に当たらないとの理解でよいかという質問が出され、これに対し、蜂による自然交雑自体は侵害に当たらないが、交雑で得た品種を増殖すれば侵害に当たり得るとの答弁がありました。また、個別事例の侵害該当性は裁判所の判断事項であり、行政が具体例を示すことは適切でないとの見解も示されました。発言者のスタンスについては、山本啓介氏はスコア0.50で、自然交雑自体は非侵害だが増殖は侵害に当たるとの条件付きの整理を根拠としています。高橋光男氏はスコア0.75で、養蜂家が管理できない自然交雑は侵害対象外であることの明確化を求め、保護を支持する立場を示しました。
本テーマでは、種苗法改正案における輸出目的保管行為への育成者権効力拡張について議論が行われました。出願公表中の差止め請求権は輸出に限定されており、国内での無断栽培については登録後の差止め請求等で対応する旨が説明されました。改正案により輸出目的保管行為にも育成者権の効力を及ぼすこととされていますが、判断基準の明確化を求める指摘がありました。判断基準の一つとして通関事業者向け貨物であることが挙げられ、QA等で具体例を周知する方針が示されました。杉中淳氏は改正内容を実効性向上策として説明する立場を示しました。高橋光男氏は、輸出目的保管への効力拡張自体への賛否は示さず、判断基準の不明確さについて指摘しました。また、種苗法改正案の附帯決議では、輸出目的保管への育成者権効力拡張に関し、第三者の意図しない侵害関与を防止するため、周知徹底を求めることとされました。
本議論では、農作物遺伝資源の共有財産性と農民の権利のあり方が論点となりました。岩渕友議員は、農作物遺伝資源は人類共有の財産であり、国連農民の権利宣言等で農家の自家採種等の権利が規定されていると指摘した上で、農民の権利制約に強く反対する立場(賛成スコア1.00)から大臣の認識を質問しました。これに対し鈴木大臣は、品種は人類の英知の結集であるとしつつ、育成者権は独占と共有のバランスを取る制度であると説明しました。両者の発言内容以外の結論・決定事項は示されていません。
農作物の遺伝資源は、人類が数千年にわたって先祖代々保存、改良してきた人類共有の財産と言えるものです。
本テーマでは、農林水産省の知的財産戦略と公的機関の知的創造サイクルについて、発言者間で異なる立場が示されました。鈴木憲和氏は知財サイクルの構築が公益に資するとして明確に肯定的な評価を示しました。一方、石垣のりこ氏は知財の自己目的化と公益からの逸脱に懸念を示し、公的機関としての役割の堅持を求めるなど、批判的な立場から意見を述べました。
本テーマでは、農業競争力強化支援法に基づき公的機関の知見を民間へ提供した実績と課題が取り上げられました。実績として、民間が公的機関の知見を活用した事例に、業務用多収食味良好水稲品種やパン・中華麺用小麦品種の共同育成が挙げられました。一方で、研究開発プロジェクト数の増減など民間の実施状況を網羅的に把握することは困難であり、定量的な進捗を示すことはできないとされました。発言者については、舟山康江氏がスコア0.15と評価され、民間活用による成果が不十分であると指摘し、知見提供に対して慎重な姿勢を示したことが根拠として挙げられています。
長年にわたり公的試験研究機関が蓄積してきた知的財産の管理、活用の在り方として、私たちは慎重であるべきと考えております。
本テーマでは、農産物輸出拡大に向けた品種開発と産地形成について議論が行われました。農研機構が開発したべにはるかの人気等を背景に、カンショ加工品輸出が2025年に前年比24%増の45億円となったことが説明され、マーケットが求める特性の品種開発や、海外ニーズに応じた産地への品種導入によって輸出拡大を図る方針が示されました。発言者としては鈴木憲和氏が賛成の立場を示し、育種力強化と品種開発推進を重要と明言した上で、輸出拡大を肯定する発言を行いました。
国全体の育種力を高めることにより、品種開発を着実に行いつつ、これらの産地形成を後押しし、更なる輸出拡大につなげることが重要であります。
本議論では、農研機構における契約職員の雇用及び人件費の取扱いが論点となりました。運営費交付金の不足により契約職員の雇用手続きが2か月以上停止し、有能な契約職員が辞めざるを得ない事例があることが指摘されました。また、契約職員の雇用経費は人件費としてではなく、業務内容に応じて外部資金や運営費交付金の研究実施経費等から支出されている実態が示されました。これに関し、石垣のりこ氏は、契約職員の雇用が不安定であることや研究費が圧迫されている状況を問題視し、批判的な立場を示しました。
運営費交付金不足により、研究実施部門への予算配分が大幅に減少し、有給分賃金払いの見込みが立たないとの理由で、新規大型外部資金による契約職員雇用が二か月以上ストップしているとか、交付金予算が不足しているため高い技能を持った有能な契約職員に泣く泣く辞めてもらったと。
本テーマでは、農研機構における試験研究施設・機器の老朽化への対応が議論されました。千葉一裕理事長は施設・機器の老朽化が進行しており戦略的整備が必要と説明し、山下雄平副大臣は農業構造転換集中対策により農研機構5拠点の集約・機能強化を支援する方針を示しました。財務省中山次長は令和7年度補正で施設再編に予算措置を講じ、物価上昇分を運営費交付金に反映すると述べました。現場の実態としては、トイレの老朽化や男女別未整備、水道管劣化による水漏れでのパソコン破損、蛍光灯安定器の破裂発煙、冷凍庫故障による試料喪失、湿度調整機能の不全、製氷機の劣化、家畜舎扉の劣化によるネズミ侵入、建物壁の崩落や天井板の脱落、研究機材老朽化により精緻なデータが取れず論文執筆に支障が出ていることなどが指摘されました。機器・設備の不具合は運営費交付金を活用し、緊急性・必要性を勘案して優先順位を付けて更新・修繕しているとの説明がありましたが、同様の要望が現場から繰り返し出ており改善されていないとの指摘もありました。徳永エリ議員、杉本純子議員、石垣のりこ議員らは老朽化対策の予算確保や研究環境の改善を強く要望しました。
能力のある方がこの最先端の状況の中できちんと開発研究をしていただく環境というものを実質的に整えていただきたいということを改めて強く申し上げたいと思います。
研究基盤が整わなければ、気候変動に対応した品種を研究開発することもできなくなってしまいます。
日本の大切な食と農業を守るためには、やはり農研機構の設備を使えるということが大きなメリットとなるように、そして国防の一つとして、インフラ整備にもしっかりと対応と予算をお願いいたします。
そもそも老朽化の進む公的研究機関の整備を盛り込まなければ、制度目的を果たせません。
農研機構そして自治体の施設、それぞれの強みを生かした重要品種の開発が行われるよう、必要な予算の確保に力を入れてまいりたいというふうに考えております。
農研機構においては、地方の拠点も含め、施設や機器等の老朽化が進行しているというふうに認識しております。
本テーマでは、農研機構の運営費交付金について、一般管理費年3%・業務経費年1%の削減方針の下、物価高騰や人件費上昇、施設老朽化に伴う修繕費増加により財政状況が厳しく、品種育成の中止事例が増加していることが取り上げられました。研究者一人当たりの研究費が年15万円程度にとどまり、論文掲載料も払えない状況にあるとの説明がなされました。上月良祐氏は施設更新や物価高騰対応、研究開発への長期的な予算措置拡充を要望し、徳永エリ氏は運営費交付金のみでは不十分であるとして国による追加の財政支援の必要性を明言しました。石垣のりこ氏は農研機構の窮状を問題視し、運営費交付金の削減方針を批判しました。一方、佐々木りえ氏は予算措置を求めつつも、独法全体の運営交付金・物価高対応は政府全体の統一ルールの中で議論すべきとして慎重な姿勢を示しました。運営費交付金の充実ではなく別途の財政支援措置が必要であるとして、議員立法第4条に規定したとの説明がありました。
財務省さんも、老朽施設や設備の更新需要や現下の物価高騰など、現場の置かれた厳しい状況を十二分に踏まえて的確な予算措置を是非ともお願いしたいと思います。
削ることだけ、スリム化することだけが大事に使うということではなく、御紹介したような窮状が日本最先端の農業研究の場から出てくるということはゆゆしき問題であると思います。
ですから、国は必要な財政上の措置を講ずる必要があると考えまして、第四条にその旨を規定したところでございます。
したがって、物価高騰への対応は、できる限り政府全体の統一的なルールの変更や運用の見直しの中で議論していくことがまた望ましいとも思います。
本テーマでは、農研機構を中核とした全国的な育種研究体制の再編強化について議論が行われました。論点としては、農研機構が都道府県公設試験場・大学・民間をつなぐ産官学連携のハブとして機能してきたこと、法案において国が重要品種育成事業者への集中的・効果的な支援に努める責務規定を置き、施設供用ニーズを踏まえた予算確保・受入体制整備に努めるとされたこと、農研機構が中核となり都道府県の知見・データ・知財を集約して全国拠点化・海外展開の一元化を進めるべきとの提案、地域農業研究センターをハブに農研機構・公設試・民間の強みを集約するプラットフォーム活動、前年度比4割増の46億円の施設整備予算を措置し全国5か所の拠点機能強化に着手したことが取り上げられました。発言者としては、かごしま彰宏氏、佐々木りえ氏、堺田輝也氏がいずれも賛成の立場で、農研機構中核の育種体制構築や予算措置の必要性、知財海外展開の一元化、研究開発から社会実装までの推進の重要性をそれぞれ主張しました。大臣からは、農研機構中核の全国的育種研究体制再編強化を進め輸出拡大等につなげる方針が表明されました。
農研機構を中核に、都道府県の知見やデータ、知財を集約し、作物ごとの全国拠点化、知財管理、海外展開の一元化など、国全体の育種力を高めるまで踏み込んでいくという検討をすべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
米、麦、大豆を始め、国として重要な品種の開発をより進めていくためには、農研機構や都道府県の試験場、試験研究機関が中核的な役割を果たし、大学や民間と連携する体制を築くべきです。
今後の農業に欠かすことのできない新品種の開発、あるいはスマート農業技術なども含めまして、農研機構が中核となって研究開発から成果の社会実装までをスピード感を持って推進することが重要だと考えております。
本テーマでは、大型ドローンによる高濃度農薬散布及び残留農薬が蜜蜂等に与える影響への懸念が論点となりました。高橋光男氏は、大型ドローンによる高濃度散布の蜜蜂への影響に強い懸念を示し、規制強化を求める立場を表明しました(スタンススコア0.05)。また、大型ドローンの散布方法について現行規制がなく、現場が不安を抱えているとの指摘もありました。これに対し、農薬の再評価において蜜蜂への影響評価を充実させる方針が説明され、イミダクロプリドについては開花期におけるドローン高濃度散布の制限案を検討中であるとの説明がなされました。あわせて、再評価後も新たな知見が得られた場合には、登録内容の見直し等の措置を講じられる規定がある旨が説明されました。
一方で、その評価を進めていただくに当たって、その散布方法ですよね、そうしたまだ規制が掛かっていないものも含めて、何の今法的な制限がない中でやっているということで現場は戦慄しているというふうなお話もいただいているところでございますので、しっかりと対応していただくようにお願いいたします。
本テーマでは、地域限定生産による希少性やブランド力と、広域普及の要件との兼ね合いについて議論が行われました。石垣のりこ議員はこの点を大臣に質問し、地域ブランド化の意義を評価しつつ両立の難しさも指摘しており、立場は明確ではないとされています。答弁側の山本啓介氏は、県独自の品種育成には限界があるため広域普及できる重要品種の育成が重要であるとし、従来の都道府県ブランド品種と併せて取り組む方針を肯定的に説明しました。杉本純子氏は、重要品種の広域普及と地域ブランド品種育成の両立を要望する立場を示し、条件付きの中立的な姿勢を取りました。全体として、重要品種の育成と地域ブランド品種の育成を対立させるのではなく、両者を併せて推進する方向性が示されました。
本テーマでは、育成者権の存続期間延長や重要品種の広域普及要件と、地域ブランド品種育成との両立が議論されました。存続期間上限まで登録する品種は17%であり、地域ブランドを持つ都道府県から延長要望が強かったことが説明されました。参考人意見として、長野県リンゴの産地化には約6年、愛媛県のオリジナル産地確立には約15年を要すること、輸出に力を入れる産地では知財権取得にも期間を要することが紹介され、これらを踏まえ育成者権の期間延長を10年とした経緯が説明されました。杉本純子議員(スコア0.25)は、重要品種の広域普及要件が都道府県の地域特性品種育成を排除しないか懸念を表明し、高温耐性等品種の広域普及と地域ブランド品種育成のバランスを求めました。これに対し堺田輝也政府参考人(スコア0.60)は、広域普及要件を2以上の都道府県に普及可能なものと定義した上で、地域に根差した品種育成を阻害する意図はないと説明しました。
本テーマでは、重要品種育成計画の認定要件と広域普及の考え方について議論が行われました。認定に関しては、堺田氏(政府参考人)が、事業の実施内容・体制・財務資料等をもとに確実性を判断する方針を説明しました。広域普及については「2以上の都道府県域に普及可能」と定義する方向で検討されていることが示されました。また、農研機構による人工気象室等の先端設備の供用が想定されているものの、具体的な施設については検討中であるとの説明がありました。これに関連し、岩渕友議員は、交雑防止のための圃場確保が課題であるとして、認定後に圃場貸出し等の協力が得られるのかを質問しました。岩渕議員は本法案について、公的役割の放棄や独占企業への移行につながるものであると批判し、明確に反対の立場を示しました。
重要品種法案は、こうした流れに同調し、公的試験研究機関の知見、データ、施設を民間企業に提供させるだけでなく、育種から生産に至るまで全面的に協力させることで、種子、種苗開発に対する公的役割を放棄し、内外の独占企業に移行する足掛かりをつくろうとするものです。
重要品種育成法案に関する附帯決議について議論が行われました。参法は重要品種育成事業の認定メリット(施設供用等)の実効性を確保するため、公的試験研究機関の研究基盤整備も含めて想定されていることが示されました。石垣議員は、産官学連携・知財保護・予算確保等12項目からなる附帯決議案を提出し、多数で可決されました。附帯決議では、農研機構等が保有するDNAデータや栽培試験データ等の知的財産・技術について、国外への流出を防止する措置を求める内容が盛り込まれました。かごしま彰宏議員は、予算・人材措置が制度目的の達成に必要であると主張し、附帯決議の内容を支持する立場を示しました。鈴木憲和大臣は、重要品種の普及・振興を支援策により図る方針を肯定的に説明した上で、附帯決議の趣旨を踏まえて適切に対処すると答弁しました。
重要品種育成法案・種苗法改正案は委員会採決で原案どおり可決され、石垣のりこ議員提出の附帯決議案も多数で可決されました。附帯決議では既存品種利用農業者への周知徹底、産官学連携、知財流出防止、予算確保等が求められ、鈴木大臣はその趣旨を踏まえ適切に対処すると答弁しました。
上記テーマに分類されなかった質疑応答です。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。