本会議では、農林中央金庫法改正案と農業近代化資金融通法改正案が審議されました。農林中金の業務規定見直し・出資規制緩和・外部理事制限緩和による出融資拡大の可否、JA・信連・農林中金の役割分担、地方銀行等一般金融機関を含めた農業向け貸出しの裾野拡大、大規模農業法人・フードテック・陸上養殖等への出資を通じた伴走支援強化などが論点となりました。あわせて、令和6年度に計上した約1.8兆円の純損失を受けたガバナンス強化や外部理事登用の利益相反防止措置、農業近代化資金の貸付限度額引上げ・手続簡素化、運転資金ニーズへの対応、金利上昇下での固定金利・利子補給制度の活用も議論されました。主な発言者には鈴木憲和大臣、岩渕友議員、東野秀樹議員、杉本純子議員、佐々木りえ議員、高橋光男議員、横沢高徳議員のほか、農林中金参考人(長野真樹氏)らが含まれます。このほか、宮城海上保安部巡視船重油流出事故の漁業被害への賠償対応や岩手県大槌町の林野火災、熊等鳥獣被害対策予算についても質疑が行われました。
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農業近代化資金の貸付限度額引上げによる資金需要への対応
本来、どんな事業に融資するかは農林中金が自ら決めることであり、全く必要のない改正です。
農業者が必要とする融資を適切なリスク管理を行いながら従来以上に積極的に行って、農業生産、販売の拡大、生産効率の向上等を引き続き支援してまいりたいと考えてございます。
本テーマでは、有識者報告書が農協系統による貸出促進を提言する一方、現場からは地方銀行等一般金融機関も含めた農業向け新規貸出しの裾野拡大を求める意見が示されました。地銀等については、農業法人情報の把握困難、審査の手間、相談窓口の分散といった課題が指摘され、地銀・農協系統・公庫等の連携、案件情報の共有、審査知見の横展開の方策が問われました。これに対し政府参考人は、日本政策金融公庫のACRISによる農業経営数値化情報や協調融資を通じて審査ノウハウの横展開を進めていること、農業経営アドバイザー制度により同公庫が地銀等の環境整備を支援していることを説明しました。農水省は、近代化資金拡充の内容を地方銀行にも周知し、民間金融機関による農業融資の促進に努めると答弁しました。スタンスでは、かごしま彰宏氏と小林大樹氏がそれぞれスコア0.75、高橋光男氏がスコア0.80と、いずれも地銀等を含めた農業向け貸出しの裾野拡大に肯定的な立場を示しました。
本テーマでは、大規模農業法人・フードテック・陸上養殖等への出資を通じた金融面の伴走支援強化について議論が行われました。大臣は大型農機・大規模ハウス・加工流通施設・植物工場や陸上養殖等、数百億円規模の大規模資金需要案件への融資出資拡充とリスクを取った出融資強化を期待し、副大臣も同様に積極的な取組を期待しました。政府参考人はフードテック進展に伴い今後こうした大規模資金需要案件が増えると想定を示しました。農林中金の参考人は、川上から川下まで接点を持つ強みを生かした食料システム構築への貢献方針を説明し、アグリビジネス投資育成を通じ20年以上出資を行い件数・金額とも増加し国内最大級の規模となっていること、出資と併せ輸出支援や販路紹介等の多面的成長支援、融資・出資先との対話による経営課題抽出とソリューション提供を行ってきたことを説明しました。また、米国アグファンダー・ファンドへの日本の金融機関初の出資についても取り上げられ、大臣は海外フードテック動向把握と取引先との事業連携が狙いと説明しました。佐々木りえ議員(賛成、スコア0.90)は成果検証と専門的伴走支援体制の強化を求め、長野真樹議員・鈴木憲和議員・高橋光男議員(いずれも賛成傾向)も体制強化や出融資拡大を肯定的に評価しました。一方、岩渕友議員(反対、スコア0.00)は大規模事業への投融資促進策が現場の農林漁業者の実態と乖離していると指摘しました。
今回の改正は、農外事業者など大規模な事業者のニーズに応えるためのものであり、現場の深刻な実態や要求と余りにも乖離したものです。
こうした構造転換を加速させるためにも、従来の融資という枠組みを超えて、出資という財務基盤の強化と経営面で伴走支援がやはり不可欠だと思っております。
大規模案件に対する融資、出資を強化していただきたいというふうに考えますし
その規模自体は国内最大級ということでもございますので、一定の実績は積み重ねてこれたかなというふうに認識してございます。
県をまたぐ大型案件や、農協組合員以外の利用も多い物流、加工施設などへの資金需要に対しましては、全国機関であるこの農林中金が果たす役割が大きいものと認識しております。
アグリ社で対応困難な大規模な案件などにつきましては、農林中央金庫が直接的な出資、こういったものも取り組んでまいりたいと考えてございます。
本テーマでは、宮城海上保安部の巡視船による重油流出事故を受けた漁業被害への対応が議論されました。塩竈市ではワカメ等千トンを超える廃棄物の処分が始まったものの処理能力が不足しており、水産庁に対し処理業者あっせん等の協力が要望されました。これに対し水産庁は、宮城県による処理業者あっせんが行われ順次処理が進んでいると説明しました。また、漁業者任せにせず海上保安庁が直接処理業者と契約するなど負担軽減策を検討すべきとの指摘があり、海上保安庁は謝罪した上で、サーベイヤーを増員して被害調査を進め、可能なものから早期の賠償を目指すと答弁し、直接契約についても漁業者の要望を踏まえ工夫して負担軽減に努めると回答しました。このほか、ごみ処理費用など査定不要な確定分の早期支払い、加工・販売関連事業者の間接損害の補償対象化、種苗栽培への遅発性被害の補償対象化についても要望があり、いずれも個別事例ごとに判断しつつ寄り添って対応する、誠実に対応するとの回答がありました。石垣のりこ氏は査定前の先行支払いと誠実な補償を強く要求し、高橋徹氏は早期の賠償支払いに努める方針を表明しました。
本テーマでは、岩手県大槌町で発生した林野火災について議論が行われました。同町では吉里吉里地区で約140ヘクタール、小槌地区で約15ヘクタールの延焼があり、建物7棟の被害と避難指示が生じたことが報告され、自衛隊派遣要請中である状況が示されました。横沢高徳氏は早期鎮圧と予防徹底の重要性を主張し、大臣の見解を質問する姿勢を示しました。これに対し大臣は、延焼面積や建物被害、避難指示の状況を報告した上で、早期消火に協力する意向を答弁しました。鈴木憲和氏も早期消火への協力姿勢を明言しました。両氏とも林野火災への対応を支持する立場が示されましたが、具体的な結論や決定事項については明示されていません。
本テーマでは、岩手県紫波町において熊による死亡被害が発生したことを踏まえ、鳥獣被害対策予算について現場ニーズを積み上げて確保することが議論されました。横沢高徳氏は、現場ニーズ積み上げによる予算確保の推進を大臣に要望し、賛成の立場を示しました。これに対し鈴木憲和氏は、鳥獣対策交付金による支援状況を説明した上で、要望段階の潜在ニーズも含め現場ニーズを幅広に把握し、来年度予算要求に反映する方針を答弁し、賛成の立場を示しました。両者とも現場ニーズを踏まえた予算確保の方向性について同様の立場を示しています。
本テーマでは、農協貯金原資の歴史的性格と現状の構造変化が議論されました。岩渕友議員は、農協の貯金原資が戦後の相互扶助的理念から出発した経緯を確認した上で、運用資産83.5兆円・組合員貯金107.2兆円という規模の積み上がった経緯を質問し、政府参考人は農協貯金が農産物販売代金等組合員から預けられた資金を中心とすると説明しました。岩渕議員はさらに、貯金内訳が農業収入中心から農外収入・年金等中心へ変質したと指摘し、これを農業衰退と表裏の構造であると批判しました。また、令和7年3月末時点で農協貯貸率22.8%、信連10.1%、農林中金預け金48.2兆円という数値を確認し、政府参考人がこれを答弁しました。岩渕議員は、農業衰退により貸出先が減少し、会員外・業種限定なしの貸出増加によりリスクマネー投資に傾斜していると指摘しました。かごしま彰宏議員も農業関連融資割合の低さに問題意識を示しました。両議員とも現状の構造に否定的な立場を示しています。
本テーマでは、農業近代化資金の貸出実績の長期的な減少とその要因、農林中央金庫における必須業務化による融資増加の見込みが議論されました。近代化資金の貸出実績は昭和52年度の3390億円から令和6年度には581億円へと6分の1に減少し、平成7年から令和6年にかけてスーパーL資金が999億円から2365億円へ増加する一方で近代化資金は逆に減少して逆転が生じたことが示されました。杉本純子議員は、農林中金では平成27年以降近代化資金の貸出実績がゼロであると指摘し、融資額増加の見込みについて質問しました。東野議員も同様に、近代化資金貸付額の長期的な減少を改めて指摘しました。政府参考人は、実績低迷の要因は資金需要の不足ではなく借入限度額の低さなど貸付条件面が大きいと説明し、スーパーL資金への資金需要の移行の可能性を示しました。また、農林中金の融資増加の具体的な数字については、民間金融機関であることから言及は適当でないとし、農業法人向け融資は案件ごとに異なるため具体的な規模感の提示は差し控えるとしました。参考人は、大規模案件への対応として昨年度に人員を1割増員する体制強化を行ったことを説明しました。
本テーマでは、農林中央金庫による農林水産業者向け出融資機能の拡充と、経営管理体制のあり方が議論されました。融資面では、アグリビジネス投資育成株式会社を通じた出資が増加基調にあるほか、大規模案件については農林中金が直接出資することも検討されています。また、農林中金は昨年度、農業融資担当者を1割増強し人材マネジメントポリシーを策定した一方、有識者報告書では農業・食料システム向け出融資を担う職員が全体の2割程度にとどまると指摘されています。佐々木議員は、必須業務化により融資が実際に増加する根拠や農水省の監督方針、経営管理委員会・理事会の二層構造と外部理事導入による役割分担・ガバナンス機能について質問しました。これに対し副大臣は、大型機械・施設整備・フードテック等の大規模案件への積極融資に期待しモニタリングを継続すると答弁し、政府参考人は経営管理委員会が重要事項決定を、理事会が日常業務執行と職務監督を担うと役割分担を説明した上で、外部理事が市場運用を含む業務執行判断に多様な視点をもたらしガバナンス強化に資すると述べました。長野真樹議員は外部理事任用など体制強化を肯定的に説明しました。大臣は財務戦略委員会への外部有識者招聘など経営判断の多様な視点確保に既に着手していると答弁し、外部理事登用等ガバナンス強化と融資拡大への積極的取組みを求める附帯決議が可決されました。
外部理事の任用におきましては、経済、金融やガバナンスなどの分野に専門性をお持ちの方を複数名任用することを想定してございまして、これによって多様な視点を確保し、柔軟な意思決定を行ってまいりたいと考えてございます。
本議論では、農林中央金庫が多額の赤字を計上した事態を監督官庁が未然に防げなかった理由が追及されました。政府参考人は、米国金利上昇の影響等をモニタリングしていたものの、赤字発生を重く受け止め有識者検証会で原因を検証したと説明し、検証会では組織体制や権限責任の不明確さ、理事が全員生え抜きで理事会に外部視点がなかった点等が指摘されたとしました。令和6年度の約1.8兆円の損失計上が、外部理事の登用制限緩和など今回の改正の背景にあると指摘され、杉本議員がこの赤字を改正の背景として言及し外部理事招用の趣旨を確認しました。また政府参考人は、令和6年度決算の1.8兆円純損失について公的資金投入は一切行われていないと答弁しました。山本啓介議員、岩渕友議員、横沢高徳議員はいずれも赤字発生の経緯や監督責任、公的資金投入の有無を確認する質問を行い、明確な賛否は示しませんでした。
本テーマでは、農林中央金庫において外部理事が過半となることで海外資本に乗っ取られるとのネット上の臆測に対する説明責任が議論されました。東野秀樹議員は、農林中金が一人一票の協同組織であり株式会社とは異なるため資金力による意思決定の掌握はできないとの見解を示し、乗っ取り懸念は当たらないと表明しました。これに対し参考人は、農林中金が一人一票の協同組織であり株式会社と異なり資金力で意思決定を掌握できない仕組みであることを説明するとともに、外国企業のために行動する者が外部理事に就任する状況にはしないと明言しました。小林大樹議員、杉本純子議員、石垣のりこ議員は、監督権限の範囲や外国資本規制の適用について確認や丁寧な説明を求めるにとどまり、懸念に対する賛否は明確には示されませんでした。長野真樹議員は、外資による乗っ取り懸念を否定し、歯止めとなる仕組みについて説明しました。
農林中金は、そもそも株式会社とは違って、出資額の大小にはかかわらず一人一票の協同組合組織であるため、私はそのようなことは決してないというふうに思っておりますが、これについての農林中金さんの見解をお伺いいたします。
改正農林中金法の趣旨、会員の皆様の意思、こういったものに反しまして外国企業のために行動する者が外部理事に就任するような状況にはいたしませんし、外部理事が理事の過半数を占め、組合員から離れた運営がなされるような状況にはいたしません。
そういった国民の声に対して、正確な情報をお伝えしていくことの重要性を踏まえて質問させていただきます。
農林中金が出資する企業は、国内の会社であれば、その筆頭株主が外国企業や外国人の場合であっても出資はこれ問題ないですよね。
個別具体的なこの理事の人選、こういったものに監督官庁である農林水産省が関与するということはございません。
本テーマでは、農林中金の出資規制緩和により企業への出資を許可不要・届出のみとする改正の理由と政策的必要性が質問されました。大臣は、アグリビジネス投資育成の実績を生かし、発展段階の法人への出資強化に期待すると答弁しました。出資対象は地域農林水産業の持続的発展に資する国内会社であり、食品製造・流通・販売・輸出等広く対象になるほか、実績のない新設・スタートアップ企業も「資すると見込まれる」要件で対象になり得ると説明されました。また、国内会社であれば筆頭株主が外国企業・外国人でも出資可能だが、外国企業のための事業を行う会社は対象外とされました。杉本純子議員は運用資産83.5兆円が国内経済・国内一次産業に還元される仕組みを求め、佐々木りえ議員は市場運用で得た利益を責任を持って農林水産業に投資し厳しく監督すべきと主張しました。鈴木憲和議員はアグファンダー出資を農林水産業発展への寄与として肯定的に評価する一方、岩渕友議員は農外への大規模投融資を一貫して批判し、日本農業再生への資金活用転換を主張しました。
本テーマでは、農林中央金庫法第一条に定める協同組織金融機関としての目的・役割が議論されました。岩渕友議員は、一般金融機関と異なる農林中金の役割・目的の確認を求めるとともに、農林中金資産83.5兆円に対し農業者向け融資が0.1%以下と低比率であることを問題視して原因分析を求め、融資対象の決定は農協・農林中金自身が行うべき事項だと指摘しました(スコア0.30)。石垣のりこ議員は、企業への出資・融資拡大が協同組合としての相互扶助の趣旨を損なわないための担保策を質問しました(スコア0.50)。鈴木憲和大臣は、農協・信連で対応困難な大規模案件への融資・出資拡大を期待しつつ、目的規定に会員たる農林水産業者のための金融円滑化を明記し協同組織性は変わらないと答弁し、農林中金法第一条の目的(農林水産業発展・国民経済発展)を踏まえ融資出資拡充を求めるとしました(スコア0.75)。政府参考人は同法第一条の目的規定を引用し、協同組織のための金融円滑化を通じ農林水産業発展に寄与すると説明しました。農林中金は国際分散投資で会員へ収益還元する一方、農業融資はJA・都道府県と役割分担しており十分でないと認識を示しました。
本テーマでは、農林中金の外部理事登用に伴う利益相反防止措置の実効性が議論されました。参考人は、経済・金融・ガバナンス分野の専門性を持つ複数名を役員推薦委員会の推薦・経営管理委員会選任・総代会承認の枠組みで選定し、就任後も忠実義務と利益相反取引の事前開示・承認義務を課すことで自律的に管理すると説明しました。政府参考人は、外部理事の個別人選には監督官庁の農水省は関与しないとした上で、農水省の監督機能強化として専門人材登用を検討中と述べ、外部理事登用は一・八兆円損失を受けたガバナンス強化を目的とし、兼職兼業規制対象から外す措置であると説明しました。杉本純子議員は選定プロセスや意思決定への影響について説明を求め、石垣のりこ議員は法的な第三者チェック機能ではなく手続的担保に留まるとの懸念を示しました。高橋光男議員は外部理事の設置のみでは不十分とし、理事会と現場との情報共有・報告体制の改善など組織全体での運用体制強化を求めました。岩渕友議員は外部人材登用が農林漁業者の資金ニーズではなく別の資金ニーズを強化する趣旨だと指摘しました。附帯決議では、外部理事選任に当たり利益相反防止に万全を期すことが求められました。
チェック機能は具体的に法的なものではないということですよね。あくまでも手続上の中でそういうふうに担保されるであろうという御回答ですよね。
農業者向けの融資、出資ということであれば、外部人材ということじゃなくて、農協の中にこそ詳しい方たちたくさんいらっしゃるわけですよね。
そこに更に外部理事として専門の知見を導入することによって、今回の改正に至ったような事態、そういったものは再発防止に努めていかれると思っております。
外部理事が理事の過半数を占めて理事会の意思決定を支配する、こういったことはございません。
ただ、この外部理事を置けばそれで十分かというと、私はそうではないというふうに思っております。
そこでその外部理事を選ぶ際に、その出身母体との間に取引関係や利害関係などが出るということで、農林中央金庫の業務にまず万全を期す必要と考えますが、この点についてのお考えをお伺いします。
しかし、多くの一次産業事業者の方々の大切なお金の運用ですので、やはりそうした皆さんが納得でき、信用できる方に入っていただけるよう、そして信頼関係がしっかり保てるようにお願いいたします。
農業倒産件数が2025年度に105件と4年連続で増加し、過去30年で最多を更新したこと、負債総額が421億円を超えたことについて、大規模化に伴う資金繰りリスクが論点となりました。大臣は、施設園芸や畜産において設備投資後の販売不振や生産減が主な要因であると説明し、コスト高騰が資金繰り悪化に拍車をかけているとの分析を示しました。その上で、セーフティーネット資金や燃油高騰対策、食料システム法に基づく価格形成を通じて経営を下支えする方針を答弁しました。横沢高徳議員は大臣に質問を行いましたが、発言内容からは同議員自身の賛否の立場は明確にされていません。
倒産件数が増えている現状について、まず大臣の御見解をお伺いいたします。
本テーマでは、農業機械のメンテナンス体制縮小に伴うランニングコスト増への対応が議論されました。論点として、高額な農機具代が担い手参入のハードルとなる中、融資額拡大が業者の価格上昇を誘発しないかという懸念や、メンテナンス代・整備代の上昇、営業所減少による対応遅延といったランニングコスト対応の必要性が指摘されました。横沢高徳はランニングコスト対応の必要性を指摘し大臣に見解を求め、鈴木憲和は問題意識を表明しましたが、いずれも具体的な賛否は示されませんでした。大臣は農機具物価指数が令和8年2月時点で116.5に上昇していることを説明した上で、過去に貸付上限引上げと物価指数上昇との関連は確認されていないと答弁しました。また、東北における三菱農機等の撤退事例を含むメンテナンス体制縮小に問題意識を持ち、経営への影響を定点観測する旨を答弁しました。
農業経営における運転資金ニーズへの対応強化については、設備資金は借りやすい一方で、雇用や資材、出荷までのつなぎ等の運転資金は借りにくいとの現場の声が紹介されました。具体例として、北海道の農協職員の声から、経営困難な酪農家が採算見通しなしとして借入れができず離農するケースが紹介されました。これに対し、山下雄平氏は運転資金など多様なニーズへの対応の重要性を認識していると述べ、高橋光男氏も運転資金支援の必要性を明確に主張しており、いずれも賛成の立場が示されました。
本テーマでは、農業近代化資金の融資手続をめぐり、都道府県への意見聴取において借入限度額の低さや償還期限の短さについての意見が多く寄せられたことが説明されました。また、都道府県における利子補給手続の遅れが貸付決定・融資実行の遅延を招く懸念が指摘され、国が都道府県の申請書類を検証して簡素化を図るとともに、各審査機関による同時並行審査を検討することが示されました。小林大樹は、審査の同時並行実施を検討し簡素化・迅速化を進める方針を明言し、賛成の立場を示しました。高橋光男は、手続の遅延が資金計画を不安定化させると指摘した上で簡素化・迅速化を要請し、賛成の立場を示しました。附帯決議では、農業者の資金ニーズに応じた時宜を得た融資実行のため、融資手続の簡素化等の環境整備を求めることとされました。
本テーマでは、農業近代化資金の貸付対象への農林中金出資法人の扱いが議論されました。論点として、農林中金が出資した実績のない新設会社(AI・システム会社等)も融資対象になり得るかという質問が示され、これに対し、農業者・農協等に加え農林中金も含めた総議決権過半数保有をもって近代化資金の貸付対象に含める旨の説明がなされました。あわせて、農林中金の出資により農協等の出資比率が過半を割り込んだ場合に貸付対象から外れてしまう問題を解消するための改正であるとの説明があり、農協子会社の食品加工工場や全農子会社の飼料工場建設への近代化資金活用が具体例として示されました。スタンスデータでは、かごしま彰宏が、出資による制限を問題視し規定見直しを支持する発言をしており、賛成の立場を示しています。
御答弁いただいたとおり、やっぱり規模拡大をしようと思って大規模な出資、融資を主に担っている農林中金さんからの出資を受けた場合に制限が掛かってしまうと、頑張ろうと思ったら制限が掛かってしまうというのはやっぱり良くないと思いますので、そういったところで規定の見直しをされるんだと思います。
農業近代化資金融通法改正案では、農業経営高度化資金の貸付限度額を個人2億円・法人7億円に引き上げることについて議論が行われました。この引上げにより、大型農業機械導入やハウス増設など従来対応できなかった資金需要への対応が可能となり、新設の農業経営高度化資金は地域計画に位置付けられた者を対象に農地取得や借換え等にも使途が拡大されます。杉本純子議員は、1993年以降30年間貸付上限額が政令で据え置かれてきた理由を質問し、政府参考人は個別案件は知事承認で限度額超の融資が可能だったため法令上限は据え置いてきたこと、今後の資金需要拡大には公庫貸出拡大のみでは限界があり民間資金活用のため限度額を引き上げたことを説明しました。鈴木大臣は、民間金融機関による返済可能性等の適正な審査を前提に必要額を貸し付ける必要性を答弁しました。また、大規模化に伴う負債リスク対策の必要性も指摘されました。岩渕友議員は改正案に賛成を明言しました。附帯決議では、貸付上限額引上げ等の内容や制度の利点を丁寧に説明するよう求められました。
私は、日本共産党を代表して、農業近代化資金融通法の一部改正案に賛成、農林中央金庫法の一部改正案には反対の立場から討論を行います。
今般の法改正で、農業近代化資金貸付上限額を引き上げることとなりました。既存のメニューに加えて、新たに農業経営高度化資金を創設する。このことから、生産現場、私の地元の金融機関も非常にこれ期待をしているところであります。
このため、今般、民間金融機関が取り扱う農業近代化資金につきまして、法令上のこの貸付限度額の引上げも含む資金内容の大幅な拡充を行ったということでございます。
今回の改正に伴いまして、農林水産省としても、総務省に対して地方財政措置の要望を行ったところであります。
実際に、地域計画に位置付けられた者については、認定農業者などの担い手を中心に、小規模な経営体も含めた多様な経営体が位置付けられているところでありまして、もちろん、これ兼業農家の方も入っているケースも多々あります。
資金需要が拡大してきているということなら、ずっと三十年据置きだったのはなぜなのでしょうか。
生産者が万が一のときに負債を苦に命を絶つようなことにならないように、農林水産省としても、大規模化へのリスク対策もこれから必要と考えますが、まずは大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
真に資金を必要とする方が使えるように柔軟な運用が必要ではないかというふうに思いますが、大臣の見解をお伺いいたします。
農業近代化資金制度をめぐっては、融資後の事業実施状況のフォローについて議論がありました。国は事業実施状況のフォローを直接行うのではなく融資機関が担う仕組みとしつつ、経営改善資金計画書の提出を求めるなどして指導していると説明されました。融資が失敗した場合の国の責任についての質問に対し、副大臣は都道府県を通じた融資機関への指導を強調し、大臣は民間金融機関の審査は厳格であるとした上で、返済困難時には早期再生支援に取り組むよう指導すると答弁しました。また、融資返済を苦にした倒産や自死の事例にも留意すべきとの指摘がありました。かごしま彰宏氏(スコア0.75)は国の政策方向性に国が責任を持ち、事業失敗リスクも国がフォローすべきと主張し、鈴木憲和氏(スコア0.75)は融資後の状況把握・経営支援を指導する方針を明言しました。附帯決議では、農業者等の資金ニーズに応じ必要な融資が確実に行われるよう都道府県と連携した措置を求めることとされました。
農業近代化資金の融資対象拡大に関し、農林中金出資企業が開発したシステム等を購入する農業者も融資対象になり得ることが確認されました。融資活用を前提とした事業者の営業活動は制度上可能であるものの、融資可否の判断は民間金融機関が行うと説明されました。便乗値上げの懸念については、市場価格と乖離すれば金融機関が融資しないため生じにくいとの説明がありましたが、AI・システム分野は適正価格の客観指標や競合が乏しく見極めが困難との反論が提起されました。また、規模拡大や高付加価値化志向の事業者に資金が集まりやすくなる一方、中小・条件不利地域農家との格差拡大への懸念が示されました。これに対し政府は、令和6年度実績で借受者の約75%が個人農業者であることを挙げ、制度見直しは格差拡大につながらないと答弁しました。横沢高徳は便乗値上げへの懸念を表明し大臣に注視を求め、かごしま彰宏は格差拡大への注意喚起と運用改善を要望しました。山本啓介は格差拡大しないと述べ周知徹底に言及し、石垣のりこは制度説明を行いました。附帯決議では、物価高騰下における農業用機械・施設・資材等の実勢価格動向を継続的に把握することが求められました。
今回の農業近代化資金の見直しが農業者間の格差の拡大につながるものではないと考えております
この点については是非注意をしながら、今回の改正で融資を受けやすくなる方々以外の方々もちゃんと農業の持続的な発展に資するような制度と総合的に捉えられるような運用の仕方をしていただきたいと思いますが、政府の御見解をお伺いをいたします。
融資額が上がることで、それに伴って、今大臣もおっしゃったように、更に機械代もそれに伴ってちょっと業者の方が上げていくとか、そのようにならないようにやはり注視していく必要があると考えますが、この点、大臣、いかがでしょうか。
引用は制度説明のみで便乗値上げ防止策への評価が読み取れない
本テーマでは、金利上昇に伴う農業投資への影響と、それに対応する制度活用が議論されました。農水省は、金利上昇によりJA保有国債等に評価損が発生していることを把握し、財務健全性をモニタリング中であることが示されました。対応策として、固定金利の近代化資金、農業信用保証保険制度、認定農業者への当初5年間の金利負担軽減・保証料助成の活用が挙げられ、近代化資金は設備資金に加え資材購入等の長期運転資金にも対応すること、経営高度化資金は借換えも対象に追加されたことが示されました。発言者としては、高橋光男氏が固定金利や利子補給、保証強化の重要性を指摘し、これらの制度活用を支持する立場を示しました。
特に若手やこれから規模拡大に挑む経営体ほど、返済額が将来変わらないような固定金利のような融資メニューや利子負担の軽減、またあるいは保証制度の強化、こうした仕組みが重要だといった御指摘もいただいております。
審議の結果、農林中央金庫法改正案は賛成多数で、農業近代化資金融通法改正案は全会一致で可決されました。日本共産党は近代化資金融通法改正案には賛成した一方、農林中金法改正案には反対する討論を行いました。外部理事登用等によるガバナンス強化と融資拡大への積極的取組みを求める附帯決議が可決され、両案の審査報告書作成は委員長一任とすることが異議なく決定されました。
上記テーマに分類されなかった質疑応答です。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。