本委員会では、主要食糧法改正案を中心に、西川邦夫参考人(日本大学)、長谷川敏郎参考人(農民運動全国連合会)、武本俊彦参考人(新潟食料農業大学)の3名を招いた参考人質疑が行われました。杉本純子、岩渕友、石垣のりこの各委員から、コスト指標による価格下支え機能の限界と流通適正化、生産調整規定の削除と需要に応じた生産の法定化、政府備蓄の運用と機動的な放出、民間備蓄制度の創設、新規就農者の人材確保・育成、稲作農家への所得補償・セーフティーネット、米の価格転嫁の実現可能性、水田活用の直接支払交付金の根拠規定削除、食糧法改正と2027年度以降の水田政策見直しとの関係など多岐にわたる論点が提起されました。長谷川敏郎参考人は生産調整規定削除や助言・指導規定の後退、備蓄運用の遅れに懸念を示す一方、武本俊彦参考人と西川邦夫参考人は改正の方向性をおおむね妥当としつつも、制度設計上の課題を指摘しました。武本参考人は目的規定における需給・価格安定の一体性の妥当性についても言及しました。
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全15テーマ ・ 紐づく質疑28件
稲作農家の高齢化・離農進行と農地集約の限界を踏まえた農家への所得補償・セーフティーネット
そうしたぶれが出ることを前提に農家が安心して生産続けていいよという、そういう制度設計を是非お願いしたいというふうに思います
本テーマでは、コスト指標による価格下支え機能の限界と流通適正化策の必要性について議論が行われました。コスト指標はあくまで取引参照用であり最低価格保証ではないため、需給が緩めば指標を下回る価格形成もあり得ることが指摘され、指標の実効性確保には需給均衡の維持とフードGメン等による流通適正化の実効性が重要であるとされました。杉本純子は、コスト指標公表と市場価格決定原則の目的不整合について対策を三参考人に質問しました。西川邦夫参考人(スコア0.30、中立寄り)は、コスト指標の価格下支え効果に限界を指摘しつつ、取引関係者への参照指標かつ中長期的な生産維持のための政策ツールとしての意義も説明しました。武本参考人は、先渡し契約や先物取引などで価格・量を安定させる工夫、直接支払や保険方式の必要性を政策判断として言及しました。
それが、じゃ、どれぐらい価格の下支え機能を持つのかというふうなことは、かなり難しいのではないかなと思っております。
本テーマでは、主要食糧法改正案における生産調整規定の削除と、需要に応じた生産の法定化について議論が行われました。論点としては、需要に応じた生産は本来生産者にとって当然のことであり政府の役割は流通過程整備にあるとする指摘、2003年食糧法改正以来押し付けられてきた「主体的に」との文言への批判、社会経済変化により需要に応じた生産が当たらないことがあり個人の責任外であるとの指摘、食糧法第五条が生産者・JA等・地方公共団体・政府それぞれに責任を課す構成となっていること、需要に応じた生産の定義が条文に明記されておらず解釈の幅で政策の方向性が変わる懸念、需要と供給のギャップを誰が負担するかが本質的問題であり農業は製造業と異なり数量調整が効かないとの指摘、生産調整の文言が消えれば減反的な生産抑制運用の法的担保が失われるとの懸念が挙げられました。発言者では、武本俊彦氏が生産調整規定廃止に異存なしと明言し事前規制不要との立場を示し、西川邦夫氏も改正内容をおおむね妥当とし削除の方向性を評価しました。一方、長谷川敏郎氏は生産調整規定削除と需要対応生産の法定化を国家責任の農家への転嫁であると強く批判しました。
本テーマでは、政府備蓄の運用と需給・価格安定に関する論点が議論されました。需給見通しが外れた場合の対応として、流通段階での措置や民間備蓄20万トンの枠拡大が一案として提案されたほか、単年度の需給見通しに頼らず、豊作時は買入れ、不足時は早期放出を行う備蓄運用の平準化を求める意見が示されました。農業は競りや入札に頼らざるを得ず価格の数量調整が困難であるため、需要に応じた供給量の担保に折り合いが必要との説明がありました。過剰時にも備蓄を機能させる必要性が指摘され、市場過剰・米価急落局面での備えや買入れの必要性についての質問がなされ、これに対し、備蓄の定義を供給不足時対応から需給変動対応へ変えることは政策的・政治的議論が必要な段階であるとの回答がありました。また、在庫がだぶついた際の対応として、政府備蓄・民間備蓄・輸出・加工用米の組み合わせ方についての質問や、民間備蓄の基準引下げ・復元による引締め効果、用途限定米穀規制の緩和による不足時融通の工夫を提案する発言もありました。長谷川敏郎氏は、備蓄運用の法的義務不履行という政府の怠慢を明確に追及する立場から発言しました。
政府が法に定める備蓄の機動的な運営や、米穀の適切な買入れ、輸入及び売渡しを法律どおりに実施しなかった怠慢の結果ではありませんか
本テーマでは、改正により農協及び地方公共団体の役割が情報提供のみとなり、従来存在した必要な助言及び指導に関する規定が削除されることが論点として取り上げられました。長谷川敏郎氏は、助言・指導規定の削除と情報提供のみへの後退を問題視し、明確な懸念を表明しており、反対に近い立場(スコア0.10)を示しています。提示された要点及びスタンスデータの範囲では、これ以外の発言者による見解や、本論点に関する結論・決定事項は示されていません。
先ほどかごしま先生がおっしゃいました五条の問題では、生産者団体である農協だとか、地方公共団体の役目は情報提供のみになっておりますので、現在の必要な助言及び指導を行うというようなことが消えます。このことは明確に私は強調させていただきたいというふうに思います。
本テーマでは、杉本純子が後継者不足や新規就農のハードルの高さを踏まえ、人材確保・農業基盤づくりについて三参考人に質問しました。西川邦夫は、大区画圃場整備や用水路整備など環境整備への支援が重要であると回答しました。長谷川敏郎は、大規模専業志向が新規就農のハードルを高めるとし、地域コミュニティで支え合う人材育成の必要性を強調するとともに、福島農民連が県事業と連携し新規就農者の受入れをワンストップで支援している事例を紹介しました。武本俊彦は、家族経営の限界を踏まえ、法人化や半農半Xなど多様な経営形態を認め、現場に任せる地域政策の重要性を主張しました。杉本純子、西川邦夫、長谷川敏郎、武本俊彦のいずれも、人材確保・育成や基盤整備の推進を支持する立場から発言しており、明確な結論・決定事項は示されていません。
水田作における新たな発動型経営安定制度(マルキン型)の導入について議論が行われました。畜産マルキン制度を参考に、コスト上昇局面において標準的販売価格と生産費の差額を補填する水田作版の制度を提案する意見が示されました。これに対し、農業政策単独ではなく地域政策として捉え、地域全体の底上げに資する所得安定対策として組み込む必要があるとの回答がありました。
本テーマでは、稲作農家の高齢化・離農進行と農地集約の限界を踏まえた所得補償・セーフティーネットのあり方が議論されました。現行の経営安定対策は認定農業者中心で、収入保険も青色申告限定であるため9割の白色申告農家が対象外となる点や、5年前の5中3基準では急激なコスト上昇に対応できない点が課題として指摘されました。また2021年の米価暴落時には農家が約5000億円をかぶった事例が示され、米穀周年事業も過剰在庫を機動的に隔離できなかったと指摘されました。杉本純子(スコア0.85)は直接支払による所得安定化を提起し、岩渕友(スコア0.85)は直接支払の必要性を質問しました。参考人のうち、長谷川敏郎(スコア0.90)は基幹的農業従事者の高齢化と生産基盤後退を説明した上で直接支払・所得補償を基本にすべきと述べ、武本俊彦(スコア0.80)は価格重視と再生産確保をセットで考える必要があると指摘、西川邦夫(スコア0.75)は適正価格とセーフティーネットの組み合わせや、基準設定が難しい中での固定払いなど中立的な単価設定が望ましいと回答しました。
直接支払、所得補償を基本にして、そのことによって経営を継続する、またそれが消費者の皆さんにも低い農産物を届けることができるというふうに考えています。
そこで、市場の価格に振り回されることなく続けられる農業がやれるとするならば、直接支払がいいのではないかと考えてはいます。
備蓄米の出し入れだけでは対応できずに農家が赤字になるようなことがあった場合に直接支払がやっぱり必要なんじゃないかというふうに思っているんですけれども
その部分をほっといちゃうと、再生産できなくなるから、みんなやめちゃうという話なので、セットでいくしかもちろんないと。
私の考え方としましては、多分どちらかではなくて、適正価格と、それからセーフティーネットですね、組み合わせるような形が一番望ましいのではないかというふうに考えております。
本テーマでは、米の合理的な価格形成における消費者への価格転嫁の実現可能性が議論されました。論点として、価格転嫁の成否が消費者購買力に依存する中、デフレからインフレへの転換により受け入れ余地が拡大しているとの分析が示されたほか、生産性上昇には限界があり、その限界点を見据えたセーフティーネットも含めた議論の必要性が指摘されました。発言者については、石垣のりこ氏がスコア0.20の反対的立場を示し、価格転嫁の実現が消費者購買力任せである点を問題視し懸念を表明しました。一方、西川邦夫氏はスコア0.65のやや賛成的立場を示し、デフレ脱却により消費者の価格転嫁受容余地が拡大している点を指摘しましたが、積極的な受容とは明言していません。両者の発言から、価格転嫁の実現可能性については消費者の受容力を軸に見解の相違が見られました。
本テーマでは、米の需要拡大に向けた輸出促進をめぐり、多収穫米の作付けによってコストを引き下げられる生産者から取り組むのが現実的であるとの指摘がなされました。発言者のスタンスとしては、西川邦夫氏が賛成の立場を示しており、政府主導の需要開拓に期待を表明するとともに、貿易交渉等における役割を求めていることがその根拠として挙げられています。
それをあえてこの法律案に政府の責務として明記するのであるなら、それは、政府には、民間にはできないことを是非、需要の開拓の手法としてやっていただきたいと考えております
本テーマでは、米流通における市場メカニズムと政府介入の線引きについて議論されました。論点として、情報が大規模量販店に偏在し価格が適正に形成されない問題があり、公正取引委員会と農水省の連携介入が重要であること、市場メカニズムは放置しても機能するものではなく、政府によるデータ開示で価格形成の適正性を認知させる必要があることが指摘されました。杉本純子は、価格は市場で決まるとする政府方針とコスト指標公表の整合性について三参考人に質問し、立場は明確でないとされています(スコア0.50)。これに対し西川参考人は、価格は需要と供給で決まるべきとしつつ、コスト指標は取引参照・中長期的政策ツールと説明しました。長谷川敏郎参考人は、市場価格が消費者・生産者双方に受け入れられるとは限らず、需給と価格安定は国家の責務であるとして政府介入を強く主張しました(スコア0.05)。武本俊彦参考人は、農業は工業と異なり供給が弾力的でないため需要主導で価格が決まりコストが償われない構造であると指摘し、現行の需給価格安定規定を支持し、市場任せでなく財政負担による再生産維持を主張しました(スコア0.15)。
本テーマでは、食糧法改正と2027年度以降の水田政策見直しを一体的に検討することの是非が議論されました。西川邦夫氏は、食糧法改正は水田政策見直しとセットで検討すべきと明確に主張しました。一方、武本俊彦氏は、水田活用支払交付金が予算措置である一方、ゲタ・ナラシは経営基盤強化法に基づく法定補助であるため、水活が法律事項か予算措置かによって国会審議の可否が異なると指摘しました。また、食糧法は流通円滑化に関する法律であり、水田農業の在り方は本来食料・農業・農村基本法において理念整理すべきと主張し、一体的検討には否定的な立場を示しました。さらに、食糧法改正には生産者による需要に応じた生産が明示されるが、基本法の理念が定まらなければ内容がぶれるとの懸念も示されました。
本テーマでは、食糧法改正で創設される民間備蓄制度と国家備蓄の機動的運営のあり方が議論されました。岩渕友(スコア0.75)は、米過剰時の政府買上げが法に明記されていない問題を三参考人に質問し、需給安定化の必要性を主張しました。長谷川敏郎(スコア0.20)は、過剰時の政府買入れが法文上明記されていないことを指摘し、機動的運営の明記と多様な安定化手段の確認を求めるとともに、民間備蓄はいざというときの適用除外規定があり区分管理・現物確認もなく調整には使えないと批判し、政府備蓄運用量が2013・14年頃から91万トンで固定され、その決定経緯が国民に示されていない点も指摘しました。武本俊彦(スコア0.25)は、改正案が国家備蓄の機動的運営の中身を示しておらず、棚上げ備蓄か回転備蓄かの基準明示が必要であり、暴落対策に用いるなら随意契約や会計法特例など制度設計の議論と歯止めが必要と述べました。西川邦夫(スコア0.40)は、民間備蓄基準の調整に引締め効果を期待する一方、政府買上げ・放出基準の設定は市場に不安定感を与えると懸念を示しました。
食糧法改正案が稲作農家の現状を解決するものとなるかについて、岩渕友が三参考人に質問しました。西川邦夫参考人は、改正案が現状を劇的に改善するものではないとしつつも、需要減少の反転に向けた政府の責務が明記された点を進歩として評価しました。長谷川敏郎参考人は、現行の改正案では問題は基本的に解決しないと述べました。武本俊彦参考人は、基本法に遡った中長期的な方向性の議論が必要であるとし、新五条の趣旨を明確化した上での政府保証が不可欠であると指摘しました。三参考人の間では、改正案の効果について留保や懸念が示され、明確な結論・決定事項には至りませんでした。
現在の出ている改正案では、基本的には全く解決しません。
少なくとも食糧法改正案について言えば、新しい五条の規定ぶりについては、過度に生産者が何か負担感を持つような、需給調整を任務として負わされるのではないかという危惧の念を持たさせないようにするための趣旨を明確化することと、政府はその代わりに何をやるんだということのその保証を出さない限りは、米の安定流通は担保できない。
この改正案には、現在の稲作の抱える最大の問題は、やっぱり需要の減少だと私も思っておりますので、それを反転させるような政府の責務が盛り込まれたというふうなことは、やはり大きな進歩ではないのかなというふうには評価しているところでございます。
改正案の効果をめぐっては三参考人の間で見解が分かれ、需要に応じた生産の定義や国家備蓄の機動的運営の中身、水田政策との一体的検討の要否などについて留保や懸念が示され、明確な結論・決定事項には至りませんでした。最後に藤木眞也委員長が質疑を締めくくり、参考人への謝辞を述べました。
上記テーマに分類されなかった質疑応答です。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。