本会議では、外国人政策全般をめぐり、JESTA(電子渡航認証制度)の個人情報取得・管理体制や厳格な出入国管理、在留許可手数料の大幅引上げとその使途、外国人受入れ総数の上限設定、日本語教育プログラムの拡充、年金・介護等の社会保障、難民認定手続における第三者機関設置の是非やノン・ルフールマン原則との関係、訪日外国人旅行者数目標とオーバーツーリズム対策など多岐にわたる論点が議論されました。打越さく良氏、佐々木雅文氏、小林さやか氏、安達悠司氏らが法務・財務・外務・国土交通・厚生労働の各大臣及び小野田担当大臣に対し質問を行い、平口洋法務大臣、片山さつき財務大臣、茂木敏充外相、上野賢一郎厚生労働大臣、金子恭之国土交通大臣、松本洋平文部科学大臣らが答弁しました。手続的正当性や手数料引上げの妥当性、外国人受入れの在り方をめぐり賛否双方の立場が示されました。また、投資協定4件、家畜伝染病予防法改正案、環境省設置法改正案の採決も行われました。
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全12テーマ ・ 紐づく質疑25件
在留許可手数料収入の使途透明化(外国人関連施策への充当・国会報告)
そこで、審査と情報管理の透明性を確保することの重要性と、その重要性を踏まえた制度設計を構築する観点から、具体的にどのような情報を取得するのか、また、取得に当たっては個人情報保護法六十二条の利用目的の明示を行う必要があると考えられますが、どのような手段で相手方に伝えるのか、明示する内容はどのようなものとなるのか、そして、取得した情報はどの組織がどのように管理するのか、法務大臣の答弁を求めます。
本テーマでは、電子渡航認証制度(JESTA)の導入をめぐり、制度の仕組みや効果について議論が行われました。平口法務大臣は、査証不要な外国人等について認証を取得していない場合は原則として上陸を認めない仕組みとし、運送業者に搭乗拒否の義務を課すことを説明したほか、認証取得者については上陸許可証印を省略できることを述べました。また、ウォークスルー型ゲートについては外国人入国者数の多い空港から導入する方針を示し、手数料額は政令委任事項であり現時点では未定であると答弁しました。佐々木氏は、上陸審査の円滑化は有益であるとしつつ、厳格な出入国管理も制度の目的であると指摘しました。小林氏は、JESTA導入による負担削減効果と、それに伴う人員再配置について法務大臣に質問し、これに対し平口法務大臣は、空港での審査業務は合理化される一方、事前認証業務において新たな人員需要も生じると答弁しました。
在留外国人の日本語教育プログラムの拡充について議論が行われました。小林氏は、身分・地位系の在留資格を持つ外国人に対する日本語教育の機会が乏しいことを指摘し、教育内容や水準、実施機関について質問しました。これに対し平口法務大臣は、帯同家族を含む在留外国人向けの日本語等学習プログラムの創設を検討中であると答弁しました。また佐々木氏は、育成就労制度における日本語能力要件に触れるとともに、手数料を日本語教室の拡充に活用することの意義を指摘しました。
在留外国人の高齢化に伴う年金・介護をめぐる議論において、小林氏は65歳以上の在留外国人が23万5817人に上り、国民年金の最終納付率が令和6年度で約50%と全体平均を下回っている点を指摘しました。これに対し上野厚生労働大臣は、国民年金保険料の納付率が令和6年度において49.7%であることを認め、更なる改善が必要であると答弁しました。また介護保険制度については、国籍にかかわらず適用要件を満たす者を被保険者としており、多言語による周知を実施していると説明しました。
在留資格の変更・更新及び永住許可の手数料引上げをめぐり議論が行われました。平口法務大臣は、変更・更新手数料の上限を10万円、永住許可を30万円とする方針を説明し、手数料は在留資格付与への対価であり応益的・政策的要素を勘案できると述べました。試算として変更・更新の実費は約1万円、永住許可の実費は約2万円、管理費用は年間約2万円とし、在留期間3か月以下は1万円、5年で約7万円、永住許可で約20万円を検討していると答弁しました。歳入見込みは変更・更新手数料が令和9年度総額690億〜920億円、永住許可が約60億円としました。打越さく良氏は、現行上限1万円から10倍・30倍への引上げは不合理であり、英米との比較は事業主負担である点で同種でないと批判しましたが、平口大臣は政治体制・経済規模が近似する国等と比較しており指摘は当たらないと反論しました。佐々木雅文氏は上限額設定の幅が広く予見可能性を欠くとして積算根拠を質問し、新設六十七条三項の人道配慮対象が狭いとして減免措置の対象拡大を求めました。これに対し平口大臣は、経済的事情による人道上配慮者への減額・免除規定を設け、対象は国会審議等を踏まえ検討すると答弁しました。
在留許可手数料の増収分の使途を巡り、打越さく良氏は財務省資料に手数料引上げが他施策の財源確保に寄与すると明記され、高校無償化等への充当が報道された点を指摘しました。これに対し片山さつき財務大臣は、増収分を他施策の財源に直接活用するものではなく、結果として予算全体の収支改善に寄与すると答弁しました。小林さやか氏は、手数料収入が一般財源であるため外国人共生施策への充当額が見えにくいとして、使途規定の設定や国会報告を求めました。平口洋法務大臣は、一般財源であるため使途規定を設けるのは困難としつつ、情報発信に努めると答弁し、また増収分は外国人の出入国・在留管理施策の経費を賄うために活用されるとの認識も示しました。佐々木雅文氏は、手数料は外国人関連政策に限定して使用すべきと主張し、政府説明の整合性に疑問を呈しました。
財務大臣、排外主義的な空気に乗じて負担増を行おうとしているのではありませんか。
徴収する手数料については、負担と公平の観点からも、外国人に関する政策に限定して使われるべきと考えますが、法務大臣の答弁を求めます。
改正法に使途規定を設けるのが望ましいと考えますが、せめて予算確保後の施策の実施状況を国会に報告するなど、収入を確実に外国人関連施策へ充てるための具体的な措置を講じる考えがあるのか、平口法務大臣並びに片山財務大臣に明確な答弁を求めます。
手数料の収入が一般財源に計上されていることを前提としても、今般の引上げに応じた増収分は外国人の出入国及び在留の公正な管理に関する施策の経費を賄うものであり、そのために活用されるものと承知しています。
議員御指摘のように、同手数料収入は一般財源であり、仕組みとしては歳入と歳出が厳密に一対一で対応するものではありませんが、それらの外国人関連施策の充実について外国人や国民の皆様に御理解いただけるよう、制度を所管する法務省等において引き続き適切な情報発信や説明に努めていただくことが重要と考えております。
本テーマでは、外国人全体の受入れ総数に上限がないことをめぐり議論が行われました。安達悠司議員は、外国人全体の受入れ数に上限がないことを指摘し、量的マネジメント権限の所在について法務大臣に質問したほか、外国人政策全体の受入れ数の調整権限が小野田担当大臣にあるか、上限設定の意向についても質問しました。これに対し平口洋法相は、外国人総数を定めた方針は現時点で存在しないとした上で、総合的対応策に基づき省庁横断的に政府全体で検討すると答弁しました。小野田担当大臣は、外国人を無制限に受け入れるものではなく個々の在留資格を厳格審査していると述べ、総合的対応策で将来推計等を行いつつ政府全体で受入れの基本的在り方を検討するとし、本年4月以降省庁横断的な調査検討を開始し体制強化も行ったと答弁しました。
本テーマでは、外国人労働者の受入れと日本人労働者との雇用競合、および技能実習生に関する労働法令違反対策が議論されました。小林さやか氏は、安価な労働力への依存が賃上げの阻害や景気後退時の雇用競合につながる懸念を指摘しました(スタンス:反対寄り)。安達悠司氏は、完全失業者が176万人存在する中、外国人労働者の受入れよりも国内労働者の活用へとマインドを転換すべきと主張しました(スタンス:反対寄り)。これに対し上野賢一郎厚生労働大臣は、外国人労働者の割合は2025年10月時点で4.1%であり影響は限定的としつつも労働市場の動向を注視すると答弁し、技能実習制度については機構が日本人同等以上の報酬を確認するとともに監理団体に労働法令講習を義務付けていること、労働基準監督署が長時間労働是正等の重点監督指導を実施していることを説明しました。また、賃上げ環境の整備やリスキリング支援、女性・高齢者等多様な人材の労働参加促進を進める方針を示しました(スタンス:中立的な慎重姿勢)。
外国人受入れ増加に伴う人口構成変化への対応をめぐり、小林氏は一部地域で外国人住民とのあつれきが生じている現実から目を背けられない状況にあると指摘しました。安達悠司議員は在留外国人の急増による人口構成変化や国民の不安・不公平感、移民国家化への懸念を表明し、反対の立場を示しました。これに対し平口法務大臣は、個々の在留資格を厳格に審査しており無制限受入れではないと説明した上で、総合的対応策に基づき関係大臣と連携し秩序ある共生社会の実現に取り組むとともに、国民の不安感にも丁寧に取り組むと答弁しました。小野田紀美担当大臣は、外国人受入れの基本的な在り方について社会保障・教育等の諸課題を整理し、将来推計等を行うと答弁し、無制限受入れを否定する慎重な姿勢を示しました。
本テーマでは、外国人留学生受入れ数に関する政府目標の見直しについて議論が行われました。安達悠司議員は、2033年までに留学生40万人とする受入れ目標の踏襲や変更の是非、および国立大学協会が掲げる留学生3割目標の妥当性について質問し、政府方針を質す慎重な姿勢を示しました。これに対し松本洋平文部科学大臣は、具体的な新たな目標を設けるかどうかは総合的対応策等を踏まえ政府全体で議論すべき事項であるとし、国立大学協会の3割目標については文部科学省として関与していないと説明しました。松本大臣は戦略的な留学生受入れ拡大を国の成長への貢献として肯定的に評価する立場を示しています。両者の質疑を通じ、留学生受入れ目標の設定主体や政府としての関与のあり方が論点となりましたが、具体的な結論には至っていません。
多文化共生社会基本法の制定をめぐり、外国人施策の理念・方向性を明確化する基本法が必要との立場から、打越さく良氏は全国知事会の要望を踏まえ立憲民主党提案の同法制定を求め、小林さやか氏も制定の時期に来ているとして小野田担当大臣に質問しました。これに対し、小野田担当大臣は総合的対応策において基本的考え方を示し、在留資格適正化等を盛り込んでいると答弁し、平口洋法務大臣も総合的対応策に基づき秩序ある共生社会の実現に取り組む旨を述べるにとどまり、基本法制定そのものへの言及は避けました。
本テーマでは、改正法案第五十六条の二第二項の搭乗拒否通知規定について、平口法務大臣が、運送業者は入管庁長官から搭乗者を入国させることが相当でない旨の通知を受けたときは乗船させてはならないと説明しました。
訪日外国人旅行者数の目標をめぐっては、安達悠司氏が高市政権に対し政府目標を踏襲するか変更するかを質問し、金子恭之国土交通大臣は第五次観光立国推進基本計画においてオーバーツーリズム対策に取り組みつつ、2030年6000万人目標を従来通り維持する方針を答弁しました。佐々木雅文氏は、観光を主目的とする訪日外国人旅行者が増大しており今後も増加が見込まれると指摘しました。一方、オーバーツーリズム対策の財源をめぐっては、打越さく良氏が政府によるビザ免除拡大でオーバーツーリズムが発生し、その対策費用を在留外国人へ転嫁するのは不合理であると批判し、平口洋法務大臣は手数料増収分がオーバーツーリズム対策の経費を賄うものではないと否定しました。また、片山財務大臣は令和8年度予算においてオーバーツーリズム対策等の関連施策を充実させると答弁しました。
従来の政府方針と同様に、二〇三〇年に六千万人とすることを目標として定めたところでございます。
裾野の広い観光産業を更に発展させていくことや、日本の文化や歴史を知ってもらうためにも、訪日旅行者が増えることは歓迎すべきことです。
在留外国人にこうした費用を転嫁するというのは余りにも不合理でございます。
オーバーツーリズムや地元の公共交通機関が圧迫されるなどの声もありますが、高市政権は、外国人観光客の受入れ数につき、従来の政府目標を踏襲するのですか、それとも変更するのですか。
このため、観光客を対象としたオーバーツーリズム対策の経費を手数料の増収分で賄うものではありません。
本テーマでは、難民等の認定手続に関する第三者機関の設置と独立性確保の是非が議論されました。打越さく良氏は、難民等保護法案が想定するような独立性・専門性を持つ第三者委員会の設置と、JESTA運用の検証の必要性について質問し、賛成の立場を示しました。これに対し平口洋法務大臣は、難民等認定手続は他の入管行政と密接に関連することから入管庁で行うことが適当であるとし、第三者機関の設置は考えていないと答弁し、反対の立場を示しました。両者の見解は対立しており、この論点について一致した結論は示されていません。
難民認定申請者への手数料賦課をめぐり、打越さく良氏は、難民認定審査に平均2年10か月を要する現状で手数料を引き上げれば非正規滞在を助長すると批判し、入管庁資料で欧州では難民申請中の更新手数料・認定申請手数料が不要と判明したと指摘して反対の立場を示しました。これに対し平口洋法務大臣は、難民認定手続は在留管理と密接に関連するため手数料算定に費用を勘案するのは適当であり、手数料額引上げが不法残留者増加につながるとは考えていないと答弁し、難民認定申請者等も在留許可により恩恵を受けるため手数料納付を要しないとするのは相当でないとの見解を示しました。また佐々木雅文氏は、難民条約は入管法に優位する規範であるとし、短期滞在審査の効率化で得た人的資源を難民認定の迅速化に振り分けるべきと指摘しました。ノン・ルフールマン原則との関係については、茂木敏充外相が、追放・送還によらない帰国は同原則との関係で問題は生じず、我が国は難民条約締結国として義務を誠実に履行してきており今後も変わらないと答弁しました。
手数料引上げや第三者機関設置、多文化共生社会基本法制定などの論点では意見の対立が続き、明確な合意には至りませんでした。一方、政府は総合的対応策に基づき省庁横断的な検討を進める方針を示し、投資協定4件、家畜伝染病予防法改正案、環境省設置法改正案は可決されました。
上記テーマに分類されなかった質疑応答です。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。