本会議では、海外通信・放送・郵便事業支援機構(JICT)の設置期限延長を主な議題として、設立十年間の実績と今後の在り方が議論されました。田嶋要委員はJOINとの組織統合や東京都外への本社移転を提案し、武藤かず子委員・許斐亮太郎委員は追加性の検証基準や出資者ガバナンス、審査体制・人員確保の課題を指摘しました。中川宏昌委員は資金供給手法の偏りや支援分野・支援先の偏重是正を求め、青木ひとみ委員は情報開示の透明性や評価の客観性を要望しました。布施田英生政府参考人・林芳正大臣からは、リスク分散や地政学リスク管理体制の強化、官民出資比率、他の官民ファンドとの関係などについて答弁がなされました。あわせて東京圏の税源偏在是正についても質疑が行われました。
この概要はAIによる自動生成です。解釈の違いや誤りが含まれる場合があります。
全35テーマ ・ 紐づく質疑57件
JICT体制強化に向けた人員増員の必要性
本テーマでは、JICTとJOINの組織統合によるオーバーヘッド削減が論点となりました。田嶋要委員は、JBIC社員740人に対しJICT31人・JOIN57~60人という小規模組織が別々に存在しオーバーヘッドが重いと指摘し、両組織が長期インフラを担う点で類似し業務フローチャートも同様であることから一元化を提案しました。また、統合によりオーバーヘッドは7割程度に圧縮できるとの試算を示しました。これに対し林芳正大臣は、統合によるオーバーヘッド低下と目利きの専門性集積との間にトレードオフがあると指摘しつつ、検討する姿勢を示しました。田嶋委員は明確に統合を提案する立場を示した一方、林大臣は明確な賛否を示さず、双方のメリット・デメリットを踏まえた検討課題として扱われました。
本テーマでは、JICTによる呼び水効果として示された誘発民間投資額約七千百六十七億円について、投資先にNEC・NTT等の大手企業が多く含まれることから、自力投資が可能ではないかとの疑問が示されました。また、この金額はJICTと協調した民間投資の合計であり、JICTがなければ当該投資が実現しなかったかを明確に示す追加性の文書化・検証の仕組みは現状存在しないことが確認されました。これに対し、投資判断材料として誘発に寄与しているとの説明がなされ、客観的基準の整備を求める要望が出されました。武藤かず子委員(スコア0.05)は追加性の検証・判断基準の欠如を批判し明示を強く要求し、高見亮委員(スコア0.20)も測定手法の妥当性に疑問を呈し客観的基準の必要性を訴えました。国際金融公社等の開発金融機関に倣った追加性評価の判断基準の明示を求める意見に対しては、多角的評価と説明責任を果たすことの重要性が答弁されました。
本テーマでは、JICTによる地方自治体・地域企業の海外展開支援について議論が行われました。林芳正大臣は、JICTが沖縄県中小企業支援や地銀からの出向者受入れによる地方人材育成を実施していると答弁し、また有識者検討会の報告を踏まえ、JICTに地方銀行等との一層の連携と地域企業の海外展開支援を促すと述べ、賛成の立場を示しました。中川宏昌は、地方技術の海外展開の成功事例を積み上げるよう要望し、支援拡充に賛成の立場を示しました。
本テーマでは、JICTのデータセンター案件への投資集中が議論されました。データセンター案件三件で支援決定額の合計が五百四十四億円に達し、ポートフォリオ全体の約四割を占める偏りがあることが指摘されました。あわせて、電力供給制約、価格高騰、建設モラトリアム、冷却技術の陳腐化といった下振れリスクが山積しているとの懸念が示されました。これに対し中川宏昌氏はスコア0.40で、特定分野・地域への資金集中に懸念を示しその評価を問う質問を行いました。一方、布施田英生氏はスコア0.75で、データセンター以外の事業も積極的に支援しリスク分散に留意していると説明しました。運営側からは、共同出資パートナーの事業戦略やユーザー確保状況、国・地域の分散を考慮してリスク分散を図りつつ収益性を見極めているとの説明がなされました。
本テーマでは、2015年に設立されたJICTが海底ケーブルやデータセンター等のデジタルインフラを中心に28件の支援決定を行い、累積投資額が約1159億円に達していること、また、この累積投資額により誘発された民間投資額が約7167億円であると説明されたことが論点となりました。布施田英生氏はスコア0.90と賛成の立場を示し、JICTの支援は目的に適合しており、民間投資の呼び水として機能していると評価しました。福原淳嗣氏もスコア0.90と賛成の立場を示し、オール光ネットワーク等の成果をJICTの取組の結果であると評価しました。両発言者とも賛成の立場であり、反対や中立の立場を示す発言は見られませんでした。
このテーマでは、JICTの資金供給手法が出資に偏重している点が論点となりました。大型案件は主にリスクの高い直接出資で行われており、劣後ローン等の融資手法の活用と民間金融機関とのリスク分担の明確化を求める意見が示されました。これに対し、出資以外にも劣後ローン等の融資を組み合わせた資金供給が行われており、社債発行や民間借入れによる調達実績もあることが説明されました。中川宏昌氏は、出資偏重の是正と民間との規律ある資金分担を積極的に提案する立場(賛成、スコア0.75)を示しました。布施田英生氏は、多様な調達実績を説明するにとどまり、出資偏重の是非への明確な立場は薄いもの(賛成、スコア0.60)でした。資金調達の大半は政府財政投融資であることを踏まえ、多様な調達手段の検討と政府出資への過度依存を避ける運営体制構築を監督する方針が示されました。
JICTの利益還元・国庫納付の仕組みと情報開示について議論が行われました。累積損失解消後の収益の扱いについては、再投資への活用又は国を含む株主への還元を財務状況等を総合勘案して検討しているとの答弁があり、累積損失解消後の配当は財投特会投資勘定の歳入となり、産業投資全体の財源として再投資される仕組みであることが示されました。情報開示については、財務諸表公表やプレスリリース等に加え、関係閣僚会議でも累積損益状況を共有・検証しているとの説明がありました。渡辺公徳氏はスコア0.75で、情報開示充実は当然と明言し従来の開示実績を説明しました。青木ひとみ氏もスコア0.75で、利益還元と投資成果の透明な開示を要求し、情報開示強化に賛成的な立場を示しました。
本テーマでは、JICTの在り方に関する有識者検討会の構成員選定と評価の客観性・独立性が論点となりました。情報通信・海外事業・経済学・安全保障等の5名の外部有識者が多角的に検証し、設置期限延長が適当との提言を得たことが示され、5名の中にはデジタル技術精通者や地政学リスク専門家も含まれ、投資リスク管理強化の必要性が指摘されました。布施田英生氏は、多分野の外部有識者による検証を肯定的に説明する立場を示しましたが、客観性への言及は限定的でした。一方、青木ひとみ氏は、評価対象であるJICTが立会人として同席し資料も提供する構図に透明性への疑問を提起しました。
本テーマでは、JICTにおける地政学リスク評価体制の強化について議論されました。具体的には、二〇二五年に招聘されたマクロ経済・地政学専門家顧問が投資意思決定委員会に参加し、外国政府動向等を投資判断材料に活用していることや、情報通信研究機構の技術アドバイザーが全社員会議に週次参加して技術的理解向上を図っていることが取り上げられました。JICTはマクロ経済・地政学分野の専門家を顧問招聘し、地政学リスクの情報収集・分析体制を強化しているとされました。これに関連し、カントリーリスクのヒートマップ作成やリスクエクスポージャー算定への活用、リスク顕在化時の損切り判断基準整備を求める意見も示されました。発言者については、中川宏昌氏が専門家知見の活用と多角的モニタリング実施を要望し体制強化に賛成の姿勢を示し、青木ひとみ氏も専門家議論の重要性を強調して体制強化に前向きな立場を示しました。
本テーマでは、JICTの官民出資比率について、当初は官民五〇対五〇であったものが令和六年度には国出資が九七%まで上昇しており、官民ファンドの実態が問われました。この背景として、官民ファンドの出資比率には一対一等の横断的な規範がなく、投資家が個別案件への直接投資を選好するため親元ファンドへの出資が集まりにくいという構造的課題が指摘されました。一方で、経営改善の進捗を背景に民間企業から新たな出資意向が寄せられ始めており、政府出資に過度に依存しない体制の構築を目指す方向性が示されました。発言者では、林芳正が民間出資拡大を望ましいとし継続的な募集努力に言及して賛成の立場を示した一方、許斐亮太郎は官民出資比率の政府偏重を批判し民間出資拡大を求める発言をしており、両者とも民間出資拡大の方向性については共通した見解を示しました。
このテーマでは、JICTの政策性KPIと収益性KPI、国への収益還流の考え方が議論されました。答弁側からは、政策的意義を重視する案件と収益性を重視する案件を組み合わせ、ポートフォリオ全体のバランス確保に努めているとの説明が複数回示されました。具体的には、政策性KPIとして投資額・民間連携数・呼び水効果の3指標、収益性KPIとして累積損益を設定し、2035年度末の目標を116億円とすること、また国への収益還流目標自体は設定していないものの、目標達成時には出資比率に応じて110億円超が国庫納付される見込みであることが説明されました。これに対し武藤かず子委員は、国民の税金を原資とする以上、追加性の判断基準を明示すべきと発言し、評価枠組みの未明示による検証困難性を懸念する立場からKPIの明示を求めました。
この両者の評価の枠組みが事前に明示されていなければ、将来にわたって客観的な検証を行うことが難しくなると懸念をしております。
本テーマでは、JICTの案件審査体制及び専門人材確保の課題について議論が行われました。支援基準に関しては、政策的意義・民間主導性・長期収益性・他機関との関係性を基準に案件を選定し、政策性と収益性のバランスを重視する方針が説明されました。また、インドのデータセンター市場において日本企業がトップシェアを獲得することに寄与するなど、民間投資の呼び水効果の実績が示されました。これに対し、武藤かず子委員は審査体制の不備による案件の積み上がりへの懸念を表明し、拡張に慎重な姿勢を示しました。
支援対象を拡張していけば、適切なリスク審査が行われないまま案件が積み上がっていくことを懸念しております。
本テーマでは、JICTの運営コスト・人員体制のスリム化計画と組織規模の適正化について議論されました。現在三十人規模の体制の下、案件の大型化・多様化が進む中で今後十年を担い切れるかとの懸念から体制強化を求める意見が出されました。武藤かず子委員は、スリム化計画が未策定であること、設置期限延長後の人員見通しが示されていないこと、2025年度末に31名から36名へ増員が進んでいることを指摘し、INCJが投資回収フェーズで人員縮小・組織清算を行った例を挙げてJICTの組織規模の方向性を質しました。これに対し布施田英生政府参考人は、職員数が2015年度末の16名から2025年度末には33名に増加したと説明した上で、設置期限延長時には体制強化が必要となる一方、投資回収フェーズでは体制縮小もあり得るとの考えを示しました。
JICT事業譲渡に関して、日本―グアム―豪州間光ケーブルにおいてアメリカ系企業が事業を継承した事例が取り上げられ、撤退時の株式譲渡先選定において経済安全保障確保への影響を十分に考慮すべきという点が論点として挙げられました。布施田英生氏は経済安全保障への影響を考慮すべきと述べており、許斐亮太郎氏は選定基準における経済安全保障の考慮度合いについて問うており、いずれも賛否は明確ではありません。
JICT体制強化に向けた人員増員については、昨年10月に社員数が31名から33名体制へ増員されたものの、小口案件増加への対応にはなお不足しているとの指摘がなされました。直近2年間では定員が7名増となっており、今後も必要な職員確保に努める方針が示されました。この論点について、中川宏昌氏は現体制での十年間対応に懸念を示し体制強化を要望し、向山淳氏は体制強化の必要性を認めた上で定員増を実現したと説明しました。布施田英生氏は経営改善を前提に体制強化の必要性を明言し、許斐亮太郎氏は33名体制でも不足していると指摘し増員を要求しました。いずれの発言者も体制強化・増員の方向で一致しています。
昨年十月にJICTの社員数は三十一名から三十三名体制へと増員されましたが、やはりこれも足りないと思います。
中小企業や地方企業、スタートアップなどのニーズを的確に酌み上げていくためには、委員御指摘いただきましたように、体制の強化が必要でありまして、必要な定員要求を行ってきた結果として、直近二年間で七名の定員増になっております。
引き続き経営改善への取組を着実に行っていくことを前提にいたしまして、JICTの体制を強化していく必要があると考えてございます。
やはり、案件の大型化ですとか、また多様化が進む中で、現在の体制で今後十年、しっかり本当に担い切れるのかというところが非常に懸念があるところであります。
本テーマでは、JICTの投資案件における収益性低下時の早期撤退・売却判断基準の明示が議論されました。武藤かず子委員は、IRR改善が見込めない案件について早期売却基準を明示する必要性を質問し、基準があっても検証できなければ説明責任を果たせないとして、独立有識者による出資者ガバナンス整備を重ねて要求しました。これに対し布施田英生政府参考人は、支援決定時に投資回収方針を策定し撤退の取決めを行っていること、週次・四半期のモニタリング会議で撤退判断を実施していること、決算過程で回収が見込めない案件については損失計上を行い、外部会計監査法人の監査を受けていることを説明しました。中川宏昌委員は損切り基準の整備を要望する立場を示しました。青木ひとみ委員は早期撤退の基準策定を要求しました。
JICTの支援先に関しては、支援実績の大半が大手事業者との共同出資であり、地方企業・スタートアップへの波及効果が依然不十分との指摘がありました。中川宏昌はこの大手偏重による波及効果不足を批判的に指摘し、許斐亮太郎も大手偏重の現状を問題視しました。支援実績は大手17件、中小・スタートアップ4件、ファンド出資7件であり、令和4年の支援基準改定以降は中小・スタートアップ支援が増加傾向にあることが示されました。取組としては、地方銀行からの出向者を通じたJICT案件化は実績がまだないものの出向元での案件形成が今後期待されること、LP出資によるスタートアップとの人的ネットワーク構築を通じてCO2排出管理技術を持つ企業のM&Aによる海外展開支援事例が発生したこと、エコシステム推進グループを設置し全国セミナー参加等で認知度向上・支援先裾野拡大に取り組んでいることが挙げられました。平林晃は地方企業・スタートアップ・中小企業の海外展開推進を機構に求める附帯決議案を提出しました。また、有識者検討会からはガバナンスが確保された事業者との共同出資を前提に、地方・スタートアップ・中小企業支援を一層強化すべきとの提言がありました。
本テーマでは、2022年2月の支援基準改正によりハードインフラ整備を伴わないICTサービス事業が支援対象に追加されたことが取り上げられ、多言語翻訳サービスについてはNICT技術ライセンス供与企業の海外展開事例が挙げられました。一方で、審査人材の確保が難しい状況下で支援対象を拡張すると適切なリスク審査が行われなくなる懸念が示され、審査基準・体制の見直しを求める意見が出されました。発言者のスタンスとしては、武藤かず子氏が政策的関与効果の不明瞭さへの懸念を表明し否定的な問題提起を行い、許斐亮太郎氏も放送・郵便分野の支援対象化に慎重な検討を求め、拡大に否定的な立場を示しました。
本テーマでは、JICT・JOIN統合の上での東京都外への本社移転が議論されました。田嶋要委員は、2028年度に大型投資案件の回収が見込まれ累損解消が進むとした上で、JICT・JOIN統合の上で埼玉・神奈川・千葉など東京都外への本社移転を繰り返し明確に提案しました。これに対し布施田局長は、JICTが2026~2035年度に東京都へ支払う地方税は試算で約80億円程度になると説明しました。また高見亮委員も、副首都構想への金融ファンド移転の検討を要望しており、移転に前向きな姿勢を示しました。
本テーマでは、情報通信分野が成長戦略における優先支援分野と位置付けられ、JICTによる支援が国内情報通信産業の活性化や稼ぐ力の向上、所得・雇用の安定に寄与することへの期待が示されました。堀内詔子は支援への期待を表明し、賛成の立場を示しました。一方、青木ひとみは国内への還元よりも税金流出への疑念を中心に述べ、慎重な姿勢を示しました。
JICTの累積損失について、改善計画より三年前倒しとなる二〇二九年度に解消する見通しであることが説明されました。その根拠として、二〇二三年度に単年度黒字化を達成したことなどが挙げられ、達成の蓋然性は高いとされています。また、二〇二八年度以降には大型案件の投資回収が見込まれており、その回収方法としては、保有株式を共同出資者へ売却することが一般的な方法として想定されていることが示されました。
本テーマでは、JICT解散を見据えた職員の人材育成・処遇の在り方について、人材育成がJICTの重要な役割かつ戦略軸の一つであるとの論点が示されました。具体的には、解散後に職員が民間企業で活躍できるような人材育成が期待されるという内容が挙げられています。発言者のスタンスに関するデータは提示されておらず、賛否についての具体的な情報はありません。
JICT設立の政策目的をめぐり、田嶋委員は10年前の高市総務大臣答弁における「政策目的が異なる」という説明の意味を質問しました。これに対し林大臣は、JICTの政策目的は需要拡大による我が国事業者の収益性向上にあり、クールジャパン機構やJOINとは目的が異なると説明しました。一方、田嶋委員は各官民ファンドの政策目的について、日本の国益や企業の海外進出支援という点では共通性があると指摘しました。また、JICTのデジタルインフラ事業は投資回収までに十年以上を要するため、設置期限が十年を切ると新規案件の組成が困難になるという課題が示されました。JICTと他の政府系金融機関・官民ファンドとの関係については、政策目的や支援対象に応じて役割分担を行い、補完関係にある場合は連携して支援するとされました。さらに、経済安全保障推進法改正によるJBICの劣後出資は、採算性が不確実な案件を対象として政策的意義をより重視するものであり、JICTとの連携により相乗効果を目指すことが説明されました。
JICT設立初期の三年間で計四案件から合計約八十一億円の損失が計上され、その教訓として地政学リスク分析・投資審査の多角化・耐性の高い投資スキームの必要性が挙げられました。個別案件としては、香港―グアム間海底ケーブルが米中対立により許認可を取得できず事業停止となったほか、日本―グアム―豪州間ケーブルは販売連携が実現せず売上低迷により事業継続が困難となりました。MVNO事業案件ではパートナー企業情報を過度に重視し事業計画の検証を怠った結果、支援決定から一年足らずで対象事業者が民事再生を申請しました。ミャンマー放送事業はクーデター発生により事業継続が困難となり、民主化支援の政策目標が断絶しました。これらを受け、地政学リスク分析体制の強化、社外取締役中心の意思決定委員会への変更、耐性の強い投資スキームの採用が対策として実施され、令和五年度以降は二年連続で黒字となっています。布施田英生氏はこうしたリスク管理体制強化の成果を肯定的に報告しました。許斐亮太郎氏は、香港が関係する海底ケーブル案件が秘密保持契約を理由に詳細説明が控えられたことについて情報開示を要望するとともに、農林漁業成長産業化支援機構の期限前廃止も他山の石として、想定外を想定した運用を求めました。
本テーマでは、JICTの支援実績が二〇二五年度末時点で通信分野二十七件に対し放送分野一件、郵便分野ゼロ件と大きく偏っている実態が取り上げられました。この偏りの要因として、放送・郵便分野は参入障壁が高く市場成長性に劣るため案件形成が進んでいないとの分析が示され、支援決定案件数についても市場プレーヤーの少なさとプロジェクト組成機会の乏しさが背景にあるとされました。対応方針としては、在外公館連携により案件形成を後押しすることが示されています。あわせて、放送・郵便分野は配信化やデジタル化により既存システムの海外需要に疑問があるとして、収益性の観点から慎重な検討を求める意見も出されました。中川宏昌氏は、三分野の実績偏りを問題視し改善を求める立場から発言しています。
現在の実態を見てみますと、郵便分野の実績はなく、放送分野は、初期のミャンマー案件から撤退して以来、実質的に途絶えている状況であるかと思っております。
JICTの設置期限延長をめぐっては、設立当初の存続期間20年は投資回収期間(10~15年)を踏まえ設定され、新規出資は最初の10年間が想定されていたことが林大臣より説明されました。有識者検討会報告を受け、設置から約10年経過した現時点での見直しは適切なタイミングであるとし、林大臣は延長を妥当と説明しました(スコア0.75)。一方、田嶋要委員は案件が顕在化してからの改正は遅く、本来5年前に見直すべきだったと指摘し、今回の10年延長自体には反対しないものの、今後3年以内にJOIN型のオープンエンド化を提案しました(スコア0.25)。中川宏昌委員は延長を追認せず、過去の教訓とガバナンス強化の明示を求める条件付きの姿勢を示し(スコア0.50)、青木ひとみ委員は延長への懸念を踏まえた慎重な質問にとどまり明確な賛否は示されませんでした(スコア0.50)。期限設定の方式については、サンセット方式とローリング方式の両論があり得るとし、今後の状況を踏まえ検討する旨が答弁されました。当初二十年の半分を経過した時点での改正であることから、二〇四五年度末への再延長についても判断基準が必要との指摘があり、再延長の要否は現時点で判断困難だが、民間金融の状況や経済・国際情勢を踏まえ適時適切に検討するとの答弁がなされました。
設置から約十年が経過した時点で見直しを行うということは適切なタイミングである、こういうふうに考えております。
こんなふうに、危なくなってきた、ひょっとしたら、大事ないい案件なのに投資できないような案件が具体的に四件も顕在化してから法律改正したいというのは、私は順序としてはおかしいと思うんですね。
十年の期間延長をするに当たりまして、これまでの歩みを単に追認するものではなくて、過去の経験から何を学んで、そしてそれをいかに今後のガバナンス強化につなげていくか、これを明らかにしていくことが非常に大事だというふうに思っております。
期間が延びることで、かえって緊張感が薄れたり判断が甘くなったりすることはないか、そうした視点から質問させていただきます。
本テーマでは、JICTの財務諸表において純資産約一千億のうち大半を占める営業投資有価証券が原価評価とされているため、貸借対照表からは含み益か含み損かが判別できない点が指摘されました。これに対し、評価損・減損は適切に反映している一方、時価上昇は収益に織り込まない保守的な会計処理であるとの説明がなされ、リスク開示の充実を求める意見が出されました。発言者のスタンスとしては、武藤かず子氏は第三者査定を経ない自己評価による延長の正当化を問題視し批判的な立場を示し、高見亮氏は情報開示・リスク開示の強化を要望する改善志向の立場を示しました。
本テーマでは、JICTの累積損失解消見通しに関する資産評価をJICT自らが実施しており、独立した第三者査定がなく出資者ガバナンス機能が不在であることが指摘されました。これに対し布施田英生氏は、公正価値評価を自ら実施・公表するとともに会計監査法人の監査も受けており、社外取締役中心の委員会で投資意思決定を行うなど外部意見を積極的に反映していると説明しました。一方、武藤かず子氏は、資産回収の進捗に連動したスリム化目標の設定とその達成状況の検証について、独立した有識者による能動的な評価・監視という出資者ガバナンスの仕組みを整備することが不可欠であると強調し、その整備を求めて質問を終えました。
本論点では、JOIN(海外交通・都市開発事業支援機構)が業務完了時に解散する定めのみで存続期限を設定せず、5年ごとに法律の施行状況を検討する仕組みとなっている点が取り上げられました。国交省参考人からは、令和6年のJOIN有識者委員会において、存続期限を設けず5年ごとの見直しを行うことが適当との結論が示されたことが説明されました。これを踏まえ、田嶋要委員は、今回の延長には賛成の立場を示しつつ、JICTについてもJOINと同様に期限を設けず、5年・3年ごとの見直し体制へ切り替えるべきであるとの提案を行いました。
私としては、今後三年間でもう一度法律改正して、JOINのようなオープンエンドにして、五年ごとの見直し体制にした方が、今後の、特に情報通信のような極めていろいろな可能性がこれから人工知能も含めて広がってくる世界に唯一リスクを取ってお金を出している、そういう組織でありますから
本テーマでは、JICTの支援基準として外交政策・対外経済政策との調和が求められ、経済安全保障・危機管理の観点が重要な支援決定基準とされていることが説明されました。具体例として、日本・シンガポール・インド間海底ケーブル事業支援がインド太平洋地域のAI社会基盤構築に経済安保面でも貢献するとされたほか、部品・資材調達元や関係主体の関与国・地域の確認を通じた事業リスク評価、サイバーセキュリティー分野の戦略的自律性確保の観点も重要なテーマとして位置づけられました。一方で、経済安全保障の政策的意義と収益性は別ベクトルであるとされ、政策重視案件と収益重視案件の組合せによりバランスを確保するとの説明があり、これまで断った案件はないことも示されました。布施田英生氏は経済安保がJICT支援決定の重要基準であり危機管理投資に貢献するとして肯定的な立場を示し、許斐亮太郎氏は経済安全保障と収益性の両立を課題視し、慎重な見極めを求める条件付きの立場を示しました。
官民ファンドをめぐっては、令和7年3月末時点で全体では7123億円の累積黒字である一方、海外展開支援に関する3ファンド(JICT・JOIN・海外需要開拓支援機構)では累積損失合計が1424億円に上ることが内閣官房から示されました。内閣官房は、各ファンドが累積損失解消の数値目標・計画を策定・公表し、改善が見られない場合は組織見直し、成果が上がらない場合は統合又は廃止を前提に検討する方針を答弁しました。林芳正大臣は、経済・財政新生計画の進捗管理・点検・評価表に基づく統廃合の枠組みにおいて、乖離があれば抜本見直し、成果がなければ統合・廃止の道筋を検討すると説明したほか、JICTの支援基準における民業補完原則の審査運用について述べました。クールジャパン機構(累積損失約380億円規模)やJOINの巨額損失計上も事例として指摘され、官房長官指示によりJOINの事例を参考にリスク管理強化の監督が行われているほか、総務省有識者検討会が昨年12月に取りまとめを行ったことが示されました。スタンスについては、平林晃氏が早期の累積損失解消と適切な監督を求める姿勢、三木文平氏が改善計画の履行を重視する条件付きの姿勢、中川宏昌氏が過大リスクの丸抱えや出口戦略の欠如を懸念する慎重な姿勢をそれぞれ示しました。
機構が改善計画を達成し、早期に累積損失を解消できるよう、機構に対し適切な監督を行うこと。
このクールジャパン構想、また、JOINのように、過大なリスクを丸抱えして、挙げ句に出口戦略を描けず組織の存廃等を問われる事態、これは絶対に避けていかなくてはいけないというふうに思っております。
JICTの支援基準においても、民業補完に徹すること、こう定めておるところでございまして、投資案件の支援決定時の認可の際に、同支援基準に基づいて、民業補完の観点から、JICTが事業者との間で原則として最大出資者にならない、これを審査しております
改善が見られない場合は、組織の在り方を含め抜本的な見直しを行い、見直しによる成果が上がらないときには、ほかの機関との統合又は廃止を前提に具体的な道筋を検討することとしております。
本テーマでは、総務省が日本成長戦略会議の下でオール光ネットワーク・海底ケーブル・次世代ワイヤレスを優先支援分野に位置づけたことを踏まえ、JICTの役割について議論が行われました。官民投資ロードマップの実行に向けた呼び水として、JICTが情報通信分野の海外市場開拓を担うことへの期待が示され、向山淳氏はJICTの海外展開における役割拡大に肯定的な立場から発言しました。また、地域未来戦略の推進による地域経済強化との関連では、林大臣がJICTの海外展開支援を有効な手段とする答弁を行いました。
JICTには、今後取りまとめる官民投資ロードマップの実行に当たって、我が国の企業の戦略的投資の呼び水として、情報通信分野の海外市場の開拓において一層重要な役割を果たすということを期待しているところであります。
東京圏(都・神奈川・埼玉・千葉)の税源偏在是正(法人二税・固定資産税)について、林芳正氏は、対立でなく共存発展を掲げ、与党方針も踏まえ偏在是正を推進する意向を明言し、賛成の立場を示しました。一方、田嶋要氏は、偏在を深刻な問題と捉えサービス格差の是正を要望したものの、是正の具体的な手法への賛否は明らかにされませんでした。
海外展開した日本製ICTシステムについて、継続的な保守・更新受注を確保するための仕組みが議論されました。論点として、相手国のニーズへ柔軟に対応することと、相手国政府との協力関係を深化させることが、保守受注の継続的な確保にとって重要であるとの説明がなされました。
海外通信・放送・郵便事業支援機構法改正案について、質疑終局後、討論の申出なく直ちに採決が行われ、法律案は起立総員で原案どおり可決されました。あわせて、鈴木英敬君外四名から五派共同提案として附帯決議動議が提出され、起立総員で可決されました。附帯決議は、民業補完及び地方・スタートアップ・中小企業の海外展開推進を機構に求めるとともに、官民ファンド運営ガイドラインに従った活動検証の適時的確な実施、改善計画達成による早期の累積損失解消と機構への適切な監督を求めています。また、海外事業・ICT・金融等の専門知識を有する民間人材の確保・育成、出融資決定から損益確定までの一層の情報開示による国民への説明責任、経済安全保障確保のための総務省・政府系金融機関・民間株主等との連携強化のほか、独立有識者による定期的な国会報告の仕組みに関する法改正検討、支援決定に係る認可における検討過程の透明性確保を求めています。附帯決議案の提出者代表を務めた平林晃は賛成の立場から監視強化の仕組み検討を説明し、林芳正総務大臣は決議事項の趣旨を十分尊重すると発言しました。委員会報告書の作成は委員長一任とされ、異議なしとされました。
本テーマでは、海底ケーブル破損事故が世界的に急増していることを踏まえ、地政学有識者や現場知見を今後の議論に加えるべきとの指摘がなされました。青木ひとみ氏は、地政学有識者や現場知見を議論に反映すべきと要望し、地政学リスク管理体制の強化に賛成の立場を示しました。
地政学に関する有識者の方の御意見とか、あと、つくったら終わりではなくて、それを、では今後どうやって守っていくのか、そういうところの現場をよく知る人の知見なんかも今後議論に加えていただいて、吟味していっていただければと思います。
本テーマでは、福原淳嗣委員が次世代ワイヤレス・非地上系ネットワーク・衛星分野へのJICT投資領域拡大を提案しました。これに対し政府は、衛星通信は海外展開が重要であるものの投資回収の見通しが立てにくい課題があるとし、危機管理投資としての呼び水効果を期待する旨を答弁しました。スタンスデータによれば、福原淳嗣委員は投資領域拡大を2度にわたり明確に要望し賛成の立場(スコア0.90)を示しています。また布施田英生委員も、JICT支援が呼び水として機能することへの期待を表明し、肯定的な評価(スコア0.75)を示しています。
防災ICTシステムの海外展開については、インドネシアにおいて閣僚級によるトップセールスが行われ、Lアラートをモデルとした災害情報共有システムの運用が2024年に開始されたことが取り上げられました。一方、タイ等については財政状況等の要因により導入が進んでおらず、ODA等のファイナンス支援とのパッケージ提案が重要であるとされました。また、平成23年のASEAN防災分科会において行われた防災ICT提案については、JICTの支援決定案件にはまだ至っていない状況であることが示されました。
審議の結果、海外通信・放送・郵便事業支援機構法改正案は原案どおり可決され、民業補完・地方や中小企業支援の推進、情報開示の充実、経済安全保障への配慮等を求める附帯決議も可決されました。JICTの累積損失は二〇二九年度に解消される見通しが示され、設置期限延長の妥当性や出資者ガバナンス整備など一部の論点は今後の検討課題として残されました。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。