本委員会では裁判所職員定員法改正案を中心に、司法・法務分野の諸課題が議論されました。判事補の欠員(定員842人に対し現在員660人)と全国転勤制度の見直しを國重徹委員・西村智奈美委員が取り上げ、最高裁は適材適所の観点から慎重な検討が必要と答弁しました。また、家庭裁判所出張所の地域格差(西村智奈美委員)、長野県佐久支部の家裁調査官常駐問題(小竹凱委員)、改正家族法施行に伴う調査官増員(原山大亮委員、鈴木美香委員)、DV支援措置と改正民法上の父母間協力義務(三谷英弘委員、小竹凱委員)、裁判所医療職・技能労務職員の削減(原山大亮委員、鈴木美香委員、清藤健一委員)、勤務時間管理システムの運用(小竹凱委員)、定員管理の弾力化(原山大亮委員、内野宗揮委員、清藤健一委員)等について、それぞれ最高裁及び法務省から説明・答弁がなされました。
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全16テーマ ・ 紐づく質疑27件
改正家族法(離婚後共同親権)施行に伴う家裁調査官の増員
本テーマでは、刑事・裁判手続における少数言語通訳人の確保体制について議論が行われました。検察庁は通訳人データベースや遠隔通訳システムを整備し、少数言語通訳人の確保体制を整えていることが説明されました。この点に関して法務省参考人は、通訳人確保が難しいことを理由に不起訴となった事例は把握していないと答弁しました。また裁判所についても、最高裁が法廷通訳人を事件処理に支障のない範囲で人員確保しており、少数言語については遠隔通訳での対応が可能であると説明しました。
判事補のなり手不足と欠員解消策について議論されました。國重委員は、法曹人口が10年で約3割増加する一方で判事補は約2割減少し定員充足率が約8割にとどまっている現状を指摘し、大手事務所の好待遇採用に加え全国転勤の不安定さが離職要因になっているとして、子育て・介護配慮の結果独身者等に遠方転勤が集中する不公平感への懸念を示した上で、エリア限定など転勤範囲を制限した働き方の検討を最高裁に求めました。西村委員はスコア0.75で全国転勤制度の見直しを積極的に提案する立場から、司法修習終了者数・新任判事補任官者数・退官者数の推移を確認し、地域限定・ブロック単位など制度的な転勤対応の検討時期に来ていると指摘しました。これに対し最高裁は、スコア0.25の板津委員も含め、勤務地域限定の仕組みは適材適所や裁判官の全国確保の観点から慎重な検討が必要との立場を繰り返し答弁し、面談等で希望・健康状態・家族状況に配慮し異動負担軽減に努めると説明しました。令和7年12月1日現在、判事補は定員842人に対し現在員660人、欠員182人です。平口法務大臣は判事補採用について司法権の独立に鑑み見解を差し控えました。附帯決議では、定員充足に努め実員の増減見通しを立てて定員の在り方を不断に検討すること、裁判官の全体的処遇改善に向けた検討を行うこと、法曹志望者数の改善傾向が見られないことを踏まえ法曹の質・判事補任官者数への影響分析を国会へ提示することが求められました。
学校・保育所における共同親権対応については、関係府省庁連絡会議が作成したQ&A解説資料に記載があり、文部科学省は昨年10月に事務連絡を発出しています。答弁では、卒業式・入学式等の学校行事参加は通常「日常の行為」に該当し、父母双方が親権者の場合は各親権者が単独で参加を判断できるとされましたが、父母が高葛藤状態にあり行事運営に混乱を来す可能性がある場合には、学校が行事参加を制限する対応もあり得るとされました。学校現場での対応がまちまちであるとの指摘を受け、文科省は5月に開催される教育長等が集まる会議で周知徹底を図ると答弁しました。また、都道府県・市町村教育委員会を経由せず文科省から各学校へ直接通知すべきとの提案がなされ、これに対し文科省は事案に応じた効果的な周知方法を検討すると答弁しました。この提案を行った小竹凱は、現行の教育委員会経由の方式を見直し、文科省による直接通知を主張しています。
まずは文科省から各学校へ直接通知が行くような形をつくって、(略)その講習であったり窓口的な機能を各教育委員会が担うというような、そういった役割分担の方が正しいんじゃないかと考えますが
家庭裁判所出張所における出張事件処理の地域格差是正について議論が行われました。新潟県議会は新潟家裁出張所の出張事件処理積極実施を求める意見書を全会一致で採択し、地域司法充実のための協議会連合会も藤沢・新潟・長野大町の出張所拡充要望を最高裁長官に提出しました。全国の家裁出張所77庁のうち20庁が受付出張所であり、令和7年の実績では長野大町出張所が出張回数83回・調停等123~128回と活発である一方、新潟の村上・柏崎・南魚沼・糸魚川出張所は全てゼロ件でした。西村智奈美委員(賛成、スコア0.75)はこの明確な差は個別事情のみでは説明できないと指摘し、和歌山家裁妙寺出張所が導入している当事者意向確認のチェック書式の全国周知、判断材料の提供不足の解消、裁判官・調停委員の人員配置の必要性を訴え、定員法による是正への期待を示しました。最高裁は出張調停の実施は裁判官・調停委員会が個別判断する事柄としつつ、周知や当事者への情報提供、人口動態等を踏まえた体制整備に努めると答弁しました。
出張所で出張事件処理がほとんど行われていないので何とかしてください、こういう意見書なんですよね。やはり司法サービスの地域格差があるということをこの件からも私はうかがい知ることができました。
本テーマでは、家庭裁判所支部における家裁調査官の配置状況とその地域格差が議論されました。家裁調査官配置支部は203庁中113庁で約55%にとどまり、未配置庁は近隣庁の調査官が出向いて対応しているとされ、配置判断は事件数のほか交通事情、事件種別、事件処理状況等を総合的に踏まえて決定していると最高裁が答弁しました。長野県佐久支部では家裁調査官常駐を求める要望書が約10年継続しており、調査官調査率が本庁・松本支部の半分程度の12.8%にとどまっていることが取り上げられました。佐久支部の填補調査官は自庁研修で、調査官調査を行うのは事件の3分の1程度と明言したとされ、佐久調停協会の調停委員からは常駐していないため信頼関係構築が難しく書記官・調停委員の負担が大きいとの声が紹介されました。全国の子をめぐる事件のうち約8割に家裁調査官が関与し、佐久支部も同様の割合と最高裁が説明した一方、佐久支部の調査率の低さから関与が必要な事件の8割程度をカバーできていない可能性が指摘されました。小竹凱氏は、10年来の要望を根拠に全支部への常駐配置を主張し、最高裁に対応を求めました。少年事件減少・家事事件増加を踏まえた常駐要望に対し、最高裁は必要な体制整備に努めると答弁しました。
少年事件の取扱いの少ない支部であるということ、それを抜きにして、家裁調査官を常駐させない理由にならないと考えて、全ての支部に家裁調査官を常駐させる方向で働くべきだというふうに考えますが、お答えをお願いします。
改正家族法の施行に伴う家裁調査官の増員をめぐり、最高裁は令和7年度に5人、令和8年度に10人の増員を行い、改正家族法に関する調査事務の運用を全国に定着させる支援に活用する方針を説明しました。あわせて子供の面接や親子交流試行のためのプレーマット・観察機器等の物的体制整備も進めていると述べ、施行後の事件動向については増加・減少両要因があり具体的予測は困難としつつ、必要な支援と体制整備に努めるとしました。また少年事件担当の家裁調査官が家事事件を担当しても専門的知見の基本部分は共通し支障なく対応可能であり、採用後2年間の研修とOJTで質を確保していると説明しました。原山大亮委員は増員を評価しつつ、家裁申立て急増が見込まれる中で10人増員は約0.6%にとどまると指摘し、負荷が予想を超えた場合の追加増員判断基準を質問しました。鈴木美香委員は10名増員では足りるか問題意識を示し、少年の家庭内暴力認知数の増加や子供の自殺件数の多さなど質的な課題深化を懸念し、更なる増員と質の確保を要望しました。國重徹委員は現場の増員要望を応援すると述べました。最高裁は令和9年度以降も運用状況や事件動向を踏まえ必要な体制整備に努めると回答しました。
最高裁判所における勤務時間管理システムについて議論が行われました。最高裁では昨年1月から全部署で本格運用が開始され、出退勤・休暇申請・端末使用時間等が電子的に記録されるようになりました。従前は管理職員の現認による勤務状況把握でしたが、システム導入により端末使用時間等の客観的記録に基づく超過勤務管理が可能となりました。1人当たりの月平均超過勤務時間は、令和6年の18時間16分に対し令和7年は19時間33分であり、客観的把握時間との差は約8時間台であることが示されました。下級裁についても本年度から同様の勤務時間管理システムが導入されたことが確認されました。この論点について、小竹凱氏は反対の立場に近いスタンスを示し、労働時間管理のブラックボックス化を批判するとともに、把握が不十分な状態での増員に疑問を呈しました。
しっかり把握ができていないのに毎年増員をしていくことも果たしてどうかなというふうに思いますので、そういった部分について、労働時間の把握というところ、(略)法務省もしっかりと取り組んでいただきますことを強く要望させていただきます。
民事裁判手続のデジタル化を定めた改正民事訴訟法は5月21日に全面施行が予定されており、移行期には新システム対応と紙ベースの事務が混在することで現場負担が増大するとの懸念が示されました。國重徹委員はこの移行期の負担増大を懸念し、サポート体制の整備を求めました。これに対し最高裁は、移行期における業務増加と習熟までの負担感を認識しているとしつつ、記録の電子化により将来的な事務合理化が期待できるとの見解を示しました。あわせて、令和3年以降デジタル化対応等のために事務官を約70人増員しており、現有人員の活用で対応可能であるとの説明が行われました。
過渡期は現場の負担が増大するからこそ、その時期を乗り越えていくための人的、物的なサポート体制が必要だと思います。
本テーマでは、育休・時短勤務職員の業務を代替する周囲職員への評価・インセンティブ付与の在り方が議論されました。周囲職員の業務量・時間については、幹部・管理職員が把握するとともに、勤務時間管理システムによっても客観的に把握されているとされました。國重徹委員は、民間企業における両立支援等助成金のような手当付与の必要性を問い、手当や定量評価等のインセンティブ導入を必要と主張して最高裁に見解を求めました(賛成の立場)。これに対し最高裁は、周囲職員の業務貢献は人事評価に適切に反映されているとの考えを答弁しました。
裁判所で働く職員についても、何らかの手当、あるいは昇給やボーナスに直結する定量的な評価基準を設けるなど何らかのインセンティブ、これをつけていく必要があるんじゃないかと考えますが、最高裁の見解を伺います。
裁判所の医療職72人削減をめぐり、DV・虐待事案における精神医学的専門知見への影響について原山大亮委員が懸念を表明しました。原山委員は、医療職削減による悪影響がないと断言できるか最高裁に問い質すとともに、地方支部では外部医療機関との連携が容易でないとの懸念も示しました。これに対し清藤健一委員は、医療職減員でも事務処理に支障はないと明言し、懸念を否定しました。最高裁は、今回の削減は常勤医師の確保が困難な欠員分の減員であり、非常勤医師の採用拡大により対応するため支障は生じないと説明しました。
本テーマでは、裁判所定員法改正の性格づけをめぐって議論が行われました。原山大亮委員は、今回の改正が事務職・速記官・技能職を減らし、家裁調査官等の専門人材へ振り分ける内容であると評価した上で、平成13年の約500人増員による量的拡大目標がおおむね達成され、質的専門化へ転換する段階にあると指摘しました。その上で、今回の改正が単なるコストカットではなく、デジタル化や家族法改正への対応を踏まえた前向きな組織再編であるかを最高裁に確認しました。これに対し最高裁は、今回の定員改正は事件動向・処理状況・社会経済情勢の変化等を踏まえて検討したものであると説明しました。原山委員はこの組織再編の方向性を支持する立場を示しました。
私は、その方向性は正しいと評価をしています。
裁判所定員算定における事件の質的変化を踏まえた予算決定方式について、裁判所の定員は事件数だけでなく、審理期間、未済事件数、合議率、社会経済情勢の変化や法改正の状況等を踏まえて毎年検討しているとの説明がなされました。
本テーマでは、裁判所書記官・家裁調査官等の資格官職について、専門性の養成に時間がかかり即戦力の補充が難しいことから、欠員補充策としてOB・OG活用やプール制導入等が議論されました。國重徹は、OB・OG活用やプール制導入という具体策を提案し、補充を推進する立場を示しました。これに対し最高裁は、欠員時には臨時的任用等で対応しており、書記官については退職者(OB・OG)を代替要員として活用していると答弁しました。また、事務処理に余裕のある部署から多忙な部署への応援や、事務分担の見直しにより必要な体制を整備していると説明しました。
専門性を有するOB、OGの活用や、あらかじめ余剰人員を抱えるプール制の導入であるとか、現実味のある欠員の補充策を講じるべきなんじゃないかと思いますけれども、現在の取組状況と今後の方針についてお伺いします。
本テーマでは、裁判所における運転手・清掃業務等の外注化に伴う機密情報保護と、技能労務職員の定員確保の在り方が議論されました。機密情報保護については、外注先との契約で秘密保持義務を課すとともに、執務室入室時には書類の施錠や職員の立会いにより機微情報を保護する対応が示されました。定員確保に関しては、鈴木美香委員が外注拡大は反対の立場であり、外注拡大が日本全体の人手不足に影響しうるとの懸念を示し、退職による減員に応じた安易な定員削減ではなく採用努力を行うよう要望しました。これに対し最高裁は、技能労務職員の減員は政府の定員合理化方針への協力であるとした上で、業務に支障が生じないか個別に判断した上で外注化を進めていると説明しました。
やはり、必要な仕事は正規の職員として採用していただきたいと思います。退職者で減ったからそこに外注ではなくて、その定員をなるべく埋めるという方向で採用の努力を努めていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
裁判所職員定員の見直しでは、裁判官以外の職員を126人減員することが議題となりました。最高裁は、家裁調査官10人及び事務官2人の増員がある一方、技能労務職員等138人の減員により差引126人減となると説明し、主な内訳として政府の定員合理化方針への協力による技能労務職員・事務官56人減員を挙げました。技能労務職員については退職時の外注化判断等、事務官については庁舎新営終了に伴う事務減少等の業務見直しにより合理化しているとの説明がなされました。これに対し小竹凱委員は、増員決定の算定根拠や必要性が不明確な進め方に疑問を呈しました。清藤健一委員は定員削減自体は容認しつつ、裁判事務への支障は避けるべきであるとの条件を付けました。西村智奈美委員は、裁判官・調停委員の定員は政府方針に縛られず最高裁が自主判断すべきであるとして確認を求め、削減について慎重な姿勢を示しました。
裁判官だとか調停委員だとかについては、私は、ここは最高裁として、政府の合理化方針があるとはいえ、これからも自主的に判断をしていきますということを確認させてもらいたいと思います。
算定式も分からなければ、現場からの増員ではなくて、いろいろ鑑みた中で二人を決定して進めていくというところがなかなか、じゃ、実際は、本当は一人でいいかもしれないのに二人の増員になっているのかだったりとか、どういうふうに人手が足りていないのか、更に言うとワーク・ライフ・バランス推進をしていくのかというところが分からないという部分が、私の肌感としては何か納得いかないところなんですけれども。
裁判事務に支障が生じるような合理化というようなことは考えていないというところでございます。
本テーマでは、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案が起立総員で原案どおり可決されました。あわせて藤原崇君外五名から共同提案で附帯決議案が提出され、趣旨説明が行われました。附帯決議では、判事補の定員充足や処遇改善、法曹養成機能向上等の検討、デジタル化進捗を踏まえた人員配置と裁判所職員の労働時間把握・労働環境整備、家事事件複雑化に対応した家庭裁判所の人的・物的体制強化、裁判官・裁判所職員が健康的に働ける職場環境整備と仕事と家庭の両立支援が求められました。この附帯決議も起立総員で可決され、法務大臣は趣旨を踏まえ適切に対処する旨を発言しました。なお、西村智奈美氏はスコア0.50とされ、地域格差是正を要望する締めくくりが示されたのみで、具体的な賛否の根拠は示されていません。
司法サービスの地域格差、これが是非埋まっていくような定員法であるということを切にお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
裁判所職員定員管理の弾力化・中期化について、原山大亮委員が、定員上限を法定した上で具体的な定員数を規則委任とする弾力的・中期的な管理方式への移行を提案しました。原山委員は毎年の法改正に疑問を呈し、この方式導入に前向きな姿勢を示しました(賛成)。これに対し法務省は、規則委任方式は機動的な対応が可能である一方、中長期的な事件動向の予測が前提として必要になると説明しました。最高裁は、同方式の導入には中長期的な事件動向予測や人的体制の見通しが可能かどうかを含めて検討が必要であると回答しました。内野宗揮委員は計画的・弾力的な運用の長所を認めつつ、導入の可否は裁判所の判断に委ねるとしました(賛成寄り)。清藤健一委員は中長期予測の困難さを述べ、導入可否を含めた検討が必要との慎重な姿勢を示しました(中立)。議論では明確な結論・決定事項は示されていません。
裁判所職員定員法の一部を改正する法律案は起立総員で原案どおり可決され、判事補の定員充足や処遇改善、家庭裁判所の人的・物的体制強化、労働時間把握・労働環境整備等を求める附帯決議も起立総員で可決されました。法務大臣は附帯決議の趣旨を踏まえ適切に対処する旨を述べました。
上記テーマに分類されなかった質疑応答です。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。