内閣委員会では、一般職給与法案、特別職給与法案、育休法案の三案が一括して議題とされ、大臣が趣旨説明を行いました。審議では、人事院の川本裕子総裁、平将明大臣、鬼木誠委員、井上哲士委員、柴田巧委員、大島九州男委員らが発言しました。主な論点は、人事行政諮問会議の位置付けと「世界最高水準の行政サービス」の文言、給与勧告の閣議決定の遅れと年内支給、若年層重点の改定に伴う中高年層の配分差、地域手当の見直しと地域間格差、官民給与比較の方法、特別職給与の改定方式と閣僚給与の据置き、育児時間制度の拡充と非常勤職員の両立支援、官民人事交流、期間業務職員の雇用などです。また、旧優生保護法に基づく調査・検証を第三者機関に委託することが理事会で合意された旨も報告されました。
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全16テーマ ・ 紐づく質疑18件
地域手当と地域間賃金格差の是正
人事行政諮問会議の位置付けと「世界最高水準の行政サービス」という文言が議論されました。人事院総裁は、人事院は国家行政組織法の非適用だが組織設置の際はその趣旨を踏まえると答弁し、諮問会議を政府見解と同様の私的諮問機関的性格のものとして、提言がそのまま人事院の施策になるわけではないと述べました。これに対し鬼木誠委員(反対・スコア0.15)は、中間報告が管理報告に直ちに反映され、諮問会議が人事院の結論誘導の機関になる疑念があると指摘し、位置付けと「世界最高水準」という表現を一貫して批判しました。川本裕子氏(賛成・スコア0.80)は、世界最高水準の行政サービスを理想の理念として擁護し、公務組織の最大化に不可欠と説明しました。総裁は、同文言は諮問会議委員の認識で盛り込まれたもので人事院が持ち込んだものではないと答弁しました。本年の報告では同文言が削除されましたが、総裁は基本的な考え方は変わらないと答えました。
人事院の労働基本権制約の代償機能について議論されました。川本裕子総裁は、給与勧告を労働基本権制約の代償措置と位置付け、民間給与を速やかに反映させる必要があると述べました。また、勧告にあたっては各府省や職員団体等の意見を聴いており、勧告後も速やかな実施を要請していると答弁しました。川本総裁は、給与勧告が適正な処遇を確保する機能を持つと肯定的に説明しており、賛成の立場です。鬼木誠委員も、代償機関としての役割の重みを踏まえ、職員の理解と納得を得られる対応を求め、賛成の立場から強く要請しました。本テーマについて、特段の結論や決定事項は示されていません。
人事院勧告の取扱いの遅れと給与改定の年内支給について議論されました。鬼木誠委員は、閣議決定が遅れ年内支給ができなくなったことを批判し、地方公共団体でも年内に支給できない事態が生じていると指摘しました。そのうえで再発防止と、法成立後の速やかな処理を要請しました。平将明大臣は、十二月のボーナスに間に合わなかったことを謝罪しました。遅れの理由として、改定所要額が三千億円超となり補正予算と並行して検討する必要があったことを挙げました。また、地方公共団体の声に配慮し、取扱方針のみを切り離して十一月中に閣議決定したと説明しました。従来の予備費対応という説明は、既定経費の執行残見込額からの対応と訂正されました。川本裕子氏は、民間給与の状況を速やかに公務員給与へ反映すべきだと述べ、迅速な改定に肯定的な立場を示しました。
保育所公定価格の地域区分と地域手当の見直しをめぐり、公務員の地域手当を基準とする現行の考え方の扱いが論点となりました。竹詰仁氏は、国家公務員準拠から独自の公定価格の仕組みへ見直すことを提起し、その迅速化を要請しており、賛成の立場でした。これに対し辻清人副大臣は、公務員の地域手当準拠を基本としつつ、他の社会保障制度との整合を踏まえて丁寧に議論を進めると答弁し、中立的な立場を示しました。また厚生労働省は、介護報酬の地域区分は地域手当準拠が原則であるとした上で、社会保障審議会等で対応を検討すると答弁しました。見直しの具体的な結論や決定事項は示されていません。
国家公務員の生産性向上と業務効率化について議論されました。総裁は、各府省トップの強い姿勢、デジタル化の推進、勤務時間を意識したマネジメント、柔軟な働き方が重要であると答弁しました。川本裕子氏は賛成の立場で、各府省トップの強い姿勢によって業務の削減・合理化と意識改革を進めるべきだと明確に主張しました。柴田巧氏も賛成の立場で、生産性向上に力を入れるよう求め、改革を後押しする姿勢を示しました。提示された材料の範囲では、反対や中立の立場の発言者は示されておらず、具体的な結論や決定事項も記載されていません。
国家公務員の育児時間制度の拡充と非常勤職員の両立支援が論点となりました。制度面では、育児時間に年十日相当の新形態を追加して選択可能にすることが示され、これは民間の養育両立支援休暇に合わせたものとされています。人事院は、非常勤職員の休暇に関する六月要件の削除、育児時間の対象を小学校就学前までに拡大すること、私傷病休暇の有給化を挙げました。井上哲士委員は、育児時間の拡充を評価しつつ、常勤と非常勤の間の無給など残る格差の解消を求め、賛成の立場を示しました。大島九州男委員は、育休法改正を時代に近づくものと一定評価し、賛成を明言しました。川本裕子総裁は、格差解消の求めに対し、民間の状況を注視しながら必要に応じて検討すると答弁し、留保的・条件付きの立場でした。提示された範囲では、格差解消に関する新たな決定事項は示されていません。
地域手当の支給地域設定と地域間賃金格差の是正が論点となりました。人事院は、支給地域を賃金構造基本統計調査で設定し、都道府県単位に広域化したと説明しました。井上哲士委員は、最大二〇%の差が温存されると転勤により実質的な減収が生じ、地域間格差是正と整合しないと指摘し、地域手当の廃止と底上げによる是正を主張しました(賛成寄り)。これに対し人事院は、引下げ地域も一%にとどめ、全体で給与水準は上がると答弁し、二〇%差については今後検討するとしました。川本裕子総裁は見直し期間を十年から短縮し、支給割合の差も検討すると答弁しましたが、是正への賛否は明確ではありません。佐々木雅之氏も支給割合の差が過大との問題意識を示し今後検討と述べましたが、具体策は示されていません。竹詰仁氏は十年の見直しは長すぎるとして期間短縮と早期実現を求めました(賛成寄り)。
私は、地域間格差をこういう温存するような地域手当もなくして、全体の底上げを図るということが必要だと思います。
私も、この十年という、十年に一度の見直しという期間は長過ぎるというふうに感じておりますが、総裁にお尋ねしますけど、この支給割合の見直し、十年というこの期間を短縮すること、そしてその短縮することでより早く実現されるものにつながると考えますけれども、総裁の見解をお尋ねいたします。
一方、地域手当の支給割合の差の在り方につきましては、最大で二〇%という支給割合の差が過大ではないかという問題意識も踏まえ、今後検討してまいる所存でございます。
地域手当については、御指摘のように、これまで十年ごとに見直すこととしていましたけれども、今後はより短い期間で見直しを行っていくこととしています。
地方公務員の地域手当と自治体の独自支給割合について議論されました。総務省は、地域手当の支給割合は都道府県単位を基本とするよう助言しつつ、それを超える支給割合を設定する場合には、議会や住民への説明責任を求めると答弁しました。また、地域手当に関する特別交付税の減額措置については、制度の見直しに合わせて廃止するとしました。発言者のうち恩田馨氏は、基本割合を超える設定を想定しつつ説明責任を求める条件付きの容認という立場です。竹詰仁氏は、自治体の意見を伝聞の形で紹介し、圏域を考慮する考え方に理解を示しましたが、本人の明確な賛否は示されていません。
官民人事交流の促進と交流派遣の減少について議論されました。柴田巧委員は、交流派遣が激減していること、および交流状況に府省間の偏りがあることを指摘し、官民人事交流は全省庁的に実施されることが望ましいとの立場を示しました。これに対し内閣人事局は、人材確保が難しく派遣が困難であると説明しました。平将明大臣は、交流派遣は必要で推進すべきとしつつも、定員割れで余裕がないため、現時点は数値目標を入れる時期ではないと答弁しました。また、リボルビングドアの推進にはジョブ型の導入とロールモデルづくりが近道であるとし、人事院と連携する考えを述べました。公務員復帰者の人数については、内閣人事局が網羅的な把握は難しく答えられないとしました。
官民給与比較における企業規模・調査方法の見直しが議論されました。柴田巧委員は、従業員五十人以上を対象とする調査は民間の実態とずれていると指摘し、調査方法に疑問を呈して見直しを求めました。これに対し川本裕子総裁は、役職段階をそろえた比較が必要であると説明しました。非正規については条件をそろえた比較が困難であり、国税庁調査は単純平均のため不適当だと答弁しました。比較企業規模については、前提を置かず検討を進めると述べました。一方、柴田委員は企業規模の変更による安易な引上げは避け、職務ベースの報酬や人事評価の整備を優先すべきと主張しました。総裁は、全体水準は民間準拠で決め、個人の給与は職務・能力・実績を反映する方向で検討を続けると答弁しました。
旧優生保護法に基づく調査・検証等の実施方法が議論されました。この件について、両委員会の理事会において、調査・検証等を適切な第三者機関に委託することで合意に至ったことが示されています。和田政宗氏は、理事会で第三者機関への委託による調査・検証の実施について合意が得られたことを報告しており、この方針に賛成の立場です。提示された材料では、第三者機関の具体的な名称や委託の時期、調査の範囲や方法などの詳細は明らかにされていません。決定事項としては、調査・検証等を適切な第三者機関へ委託するという点で理事会の合意が成立したことが確認できます。
本委員会の理事会及び衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会の理事会のそれぞれにおいて協議した結果、お手元に配付のとおり、適切な第三者機関に委託して調査及び検証等を行うことで合意いたしました。
期間業務職員の公募要件と雇用の安定化について議論されました。総裁は、公募三年要件の運用上の弊害を踏まえ、再採用の上限回数の記載を削除し、各府省の柔軟な対応に委ねたと説明しました。川本裕子氏は、画一的な基準よりも各省の柔軟な対応を重視する立場で、上限回数の記載を撤廃しており、雇用の安定化への積極的な姿勢は示されていません(スタンスは中立寄りで、賛否スコアは0.40)。これに対し、井上哲士委員は、期間業務職員の常勤化と十分な定員の確保を求め、定員抑制政策の中止を主張し、雇用の安定化に強く賛成する立場を示しました(スコア0.90)。提示された材料には、これらの意見を踏まえた結論や決定事項は含まれていません。
そもそも期間業務職員が常勤職員の業務を代替している現状はおかしいのであって、この常勤化を始め、業務量に見合う十分な定員を確保するのが筋でありますし、時間がなくなったので大臣に質問の時間がなくなりましたけど、そもそもやはり、この今の人材確保の危機的な状況ということを言うのであれば、定員の抑制政策そのものをもうやめるべきだということを強く求めまして、質問を終わります。
各府省が直面している現場の実情は様々であります。今般の見直しに当たって、人事院としては、画一的な基準を設けるよりも、各省がそれぞれの現場の実情を踏まえながら、状況に合った方法で柔軟に工夫、対応いただくことが重要と考えており、このような取扱いとした経緯がございます。
特別職給与の改定方式と閣僚給与の据置きが論点となりました。柴田巧委員は、特別職給与が一般職に連動して自動的に上がる現行方式の合理性を質し、別物として見直しの議論を求めました。これに対し平将明大臣は、一般職の指定職との均衡を踏まえて準じて改定する方式は合理的であると述べました。一方で、国会議員が任命される閣僚等の給与は当分の間据置きとしました。大臣は、役所案は一旦引き上げて返納する形であったものの、野党の批判も踏まえ、自ら据置きを決断したと説明しました。大島九州男委員は、閣僚給与の据置きは容認しつつ、カジノ委員等の引上げには反対し、切離しと引下げを要求しました。スタンスは、平大臣が改定方式に賛成、柴田委員と大島委員は現行方式や一部引上げに懐疑的・反対の立場です。
若年層に重点を置いた給与改定が中高年層に与える影響が論点となりました。鬼木誠委員は、若年層重点の配分により中高年層の賃上げ実感が薄れ、離職の増加や士気低下につながると指摘し、問題視しました。大島九州男委員も、中堅層以上の引上げ幅が小さいとして上乗せを主張しました。これに対し川本裕子総裁は、人材確保のため若年層を重点としつつ、中高年層も全員の引上げと月数の引上げで改善を図ったと説明しました。人事院は、三十歳代後半以降の中高年層では年間給与の改定が物価上昇率を下回る例があること、中堅層以上の改定率が相対的に低いことを認めました。総裁は、初任給にとどまらず職務に応じた給与が確保されるよう検討を進める必要があると述べました。大臣は、民間賃金の伸びを踏まえフォワードルッキングに人事院と議論したいと述べました。
官民較差の配分に年代濃淡を付けることで一定年齢以上の職員の意欲や士気を下げるということについてやっぱりもっともっと問題意識を持つべきではないかというふうに思いますけれども、そのような他の方法ということも含めた上で、今後の水準や体系、あるいは制度の検討をお願いをしたいと思いますが、その点についての御見解、いかがでございましょうか。
しかしながら、若手の上げ幅に比べ、職務の中核を担う中堅層以上の職員、例えば行政職四級以上の職員については引上げ幅が一・一から一・三と微々たるもので、育児や介護などの多様な支出が多くなる世代に対し手厚い引上げがなされておりません。
本年は、公務における人材確保が御指摘のように極めて厳しい状況にあることも踏まえまして、若年層に特に重点を置いた引上げを行いました。
通信制高校の学習等支援施設に通う生徒の通学定期・回数券の継続について議論されました。文部科学省は、学習等支援施設を法的に明確化した経緯を説明したうえで、通学頻度は施設ごとに異なると答弁しました。国土交通省の高見康裕氏は、JR東日本が来年四月から回数券を面接指導等実施施設のみにすると説明し、継続を求める問題意識は事業者に伝えると答弁しましたが、自身の賛否は明言しませんでした。大島九州男氏は、子供が負担なく通学できるよう、JR東日本への国交省の指導を求める立場で、この問題に賛成の姿勢を示しました。なお、提示された範囲では、継続の可否に関する結論や決定事項は示されていません。
大島委員は中堅層の引上げ不足等を理由に給与二法案に反対し、育休法に賛成する討論を行いました。採決の結果、一般職給与法案と特別職給与法案は多数で、育休法案は全会一致で可決されました。地域手当の見直し期間など個別の論点には、具体的な結論が示されないものもありました。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。