本委員会では、国旗損壊罪の新設をめぐり、内心・表現の自由への萎縮効果、外国国章損壊罪とのバランス、構成要件の明確性、罪刑法定主義適合性、立法事実の有無、議員立法とした経緯の是非など多岐にわたる論点が議論されました。大門実紀史、杉尾秀哉、小島とも子、窪田哲也、伊勢崎賢治、塩村あやか各委員は違憲性や萎縮効果、立法事実の乏しさ、議員立法プロセスの不備等を理由に反対の立場を示し、日弁連や刑法学者・憲法学者からの反対声明も紹介されました。一方、提案者側の高木啓、塩崎彰久、飯泉嘉門、勝目康、長谷川淳二、阿部圭史、黒田征樹各氏は、外形的行為のみを処罰し内心を規制しないことや国民感情保護の必要性を説明し、合憲性・立法事実の存在を主張しました。堂込麻紀子、大津力両氏は賛成の立場を示しました。
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全23テーマ ・ 紐づく質疑50件
国旗損壊罪創設の憲法適合性・表現の自由への制約
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本テーマでは、国旗損壊罪の新設に関し、外国国章損壊罪とのバランスをめぐる論点が議論されました。飯泉嘉門議員はG7の中で自国国旗毀損への処罰規定がないのは日本のみであるとしてアンバランス解消の必要性を説明し、阿部議員も外国国旗は保護され日本国旗は保護されない状況の是正を主張しました。高木提出者は、外国国章損壊罪の保護法益は外交作用の円滑・安全という国家法益であるとしつつ、外国人の感情を害する行為を禁圧する作用もあると答弁し、諸外国に同様規定があるという単純な理由で立法したものではないと説明しました。これに対し小島とも子委員は、外国国章損壊罪の保護法益に感情は含まれないとする理解は誤りだと指摘し、ドイツ・イタリア・フランスの国旗損壊罪は各国の成り立ちに基づく法益保護であり単純比較でアンバランスとは言えないと反論しました。窪田哲也氏は、趣旨説明がG7で唯一のアンバランスを理由に挙げている点を問題視し、維新との連立政権合意書との整合性や、自己所有対象化により新たなアンバランスが生じているのではないかと指摘し、討論では外国国章損壊罪の保護法益は外交上の国益であり釣り合っておらず新たなアンバランスを生んだと批判しました。勝目氏は社会的法益保護を重視しており、単なるアンバランス解消のみが目的ではないと説明しました。
アンバランスであるということは成り立たないということを申し上げておきたいと思います。
外国国章損壊罪の保護法益は我が国の外交上の国益であり、守るべき法益が釣り合っておらず、かつ、本法案は自己所有も処罰対象となるなど、新たなアンバランスを誕生させたことになります。
実は、G7の中で、外国国旗に対しての毀損とそれから自国の国旗に対しての毀損について、自国についての毀損がないもの、処罰規定がないのは日本だけということがあります。
本罪以外にもある種の社会的に共有されている感情を社会的法益とする法律というのはございまして、礼拝所不敬罪、礼拝所に対する一般の宗教的な感情を保護法益にしているものであったり、又は健全な性風俗ないし公衆の性的感情を保護する公然わいせつ罪なども前例があるものでございます。
本テーマでは、国旗損壊罪における事後の動画配信行為の扱いが論点となりました。堂込麻紀子議員は、自室等公然性のない場所での事後の動画配信は公然性を欠くため構成要件に該当しないとの理解を確認し、与党提案では国旗損壊の事後配信行為も処罰対象とされていたが、表現の自由侵害のおそれから国民民主党の求めにより全面削除された経緯を討論で説明しました。飯泉嘉門議員も、自室等公然性のない場所での事後配信は構成要件の対象外であることを確認したうえで、表現の自由の制約を懸念して当該規定を盛り込まなかったこと、国民民主党の求めにより旧2条2項の事後配信処罰規定を削除した経緯を説明しました。両議員とも、事後配信の処罰対象除外について、表現の自由への配慮に基づく対応であるとの立場を示しました。
本テーマでは、国旗損壊罪における「国旗」の該当性判断基準が議論されました。堂込議員は、法1条にある「社会通念上認められる」国旗の定義や一般通常人基準について確認する質問を行いました。これに対し飯泉議員は、式典で国旗を映すモニターの損壊も対象になり得るとし、判断は一般通常人によるものであると説明しました。また堂込議員は、お子様ランチの旗等は国旗の用に供しているといえず対象外とする7月9日の答弁を踏まえ、その判断基準を質問し、飯泉議員はお子様ランチの旗が対象外であることを確認した上で、国を象徴するシンボルとしての役割が判断の大きなメルクマールになると説明しました。さらに小島とも子委員は、国旗を燃やす等の行為が特定の思想の伝達である場合には象徴的言論として表現の自由に含まれるとの木下参考人の見解を紹介しました。小島とも子委員は、他国事例の単純適用に疑義を呈するなど慎重な姿勢を示しています。
成り立ちが異なるものを同一に並べて、外国にも自国の国章損壊罪が存在をしているから日本も国章損壊罪、国旗損壊罪を制定する必要があるとは言えないと思いますけれども、見解をお伺いをいたします。
本テーマでは、国旗損壊罪と子どもの権利条約との整合性が議論されました。伊勢崎賢治議員は、同条約第14条が保障する良心の自由を根拠に、子どもへの刑罰適用が内心への強制につながると批判し、参考人質疑における木下・橋本両参考人の懸念(民主主義教育への悪影響や教育現場での強制の契機となる可能性)を紹介しました。また討論においても、同条約が良心の自由を絶対的に保障している一方、本法案はSNS上の悪ふざけのような行為すら犯罪化するものであると批判し、法案に反対の立場を示しました。これに対し長谷川議員は、条約解釈そのものへの回答は差し控えるとしつつ、本法案は外形的行為のみを処罰対象とするものであり、内心の自由を害するものではないと説明しました。
我が国が批准する子どもの権利条約は、子供の良心の自由を絶対的に保障しております。しかし、本法案は、SNSでのたわいのない悪ふざけすら国家への犯罪に仕立て上げます。
本テーマでは、国旗損壊罪における私人逮捕・誤認逮捕のリスクが議論されました。小島とも子委員は、法律専門家でも判断が困難な要素を一般市民が現場で判断することにより誤認逮捕や市民間の衝突が生じる危険性を指摘し、また私人逮捕に伴い暴行罪・傷害罪・逮捕監禁罪等につながる危険性についても懸念を示しました。これに対し高木啓提出者は、私人逮捕は他の犯罪でも行われ得るものであり国旗損壊罪特有のリスクではないと答弁し、法案成立によって国民間に分断やいさかいが生じるとは考えていないと述べました。杉尾秀哉氏も誤認逮捕の危険性を具体例を挙げて指摘し、法案の欠陥を批判する立場を示しました。討論では塩村氏が、未熟な法案の成立により誤った私人逮捕による人権侵害や警察実務への過大な負担を招きかねないと批判しました。
本テーマでは、国旗損壊罪における「著しく不快又は嫌悪の情を催させる」との判断基準が、表現内容ではなく行為態様や外形的・客観的事情に基づくものであるかが議論されました。堂込議員は表現内容によらず行為態様・客観的事情によって判断される点を確認し、萎縮防止のための丁寧な説明の必要性を指摘しました。飯泉嘉門議員(賛成、スコア0.75)は内面に踏み込まず外形的・客観的に判断する旨を確認し、寄せ書き等についても表現内容ではなく方法によって判断されると説明し、表現の自由への配慮を示しました。高木提出者は、第三条は内心・表現内容の規制ではなく、万全を期すための入念規定であると説明しました。塩崎彰久議員(賛成、スコア0.75)も外形的行為で判断する制度設計を説明し支持しました。一方、小島委員は方法規制が内容規制につながるのではないかとする木下参考人の見解を紹介し、提出者はこれを否定しました。杉尾秀哉議員(反対、スコア0.25)は、内容非依拠であるとの説明が法案の条文から読み取れないとして疑義を呈しました。鬼木氏は附帯決議案として、著しく不快又は嫌悪の情の判断は外形等の客観的事情を総合勘案し、表現内容に基づかないことに留意すべきとする内容が決議されました。
本テーマでは、国旗損壊罪の合憲性をめぐり、思想・良心の自由との関係が議論されました。大門実紀史氏は討論において、国旗にどのような感情を持つかは個人の自由であり、刑罰による価値観の押し付けは内心の自由の侵害であると批判し、反対の立場を示しました。伊勢崎賢治氏も、国家権力による強制的な敬意の付与を批判し、国旗損壊罪に否定的な立場を示しました。一方、豊田真由子氏は外形的行為のみを処罰し内心を強制するものではないとして合憲であると明言し、阿部圭史氏も外形的行為のみを処罰し内心を処罰しないと説明した上で合憲性を擁護しました。高木かおり氏は客観的行為のみを処罰し内心に立ち入らないとして合憲性を主張し、黒田征樹氏も客観的行為のみを処罰するものであり思想・良心の自由に違反しないと明言し、合憲の立場を示しました。
こうしたことから、思想及び良心の自由に対する制約にはならず、憲法第十九条には違反しないと考えております。
本法案は、刑罰によって特定の価値観を押し付け、国旗を大切に思う感情を強制するものであり、内心の自由を侵害するものにほかなりません。
刑罰という国家権力で強制された敬意に一体何の価値があるんですか。
本法案第二条の罰則は、国旗の損壊等として外形に表れた客観的な行為のみを構成要件として、個人の内心に立ち入って、その行為の基礎となった思想や信条を処罰するものではなく、また、その思想、信条に反する特定の行為を強いるものではないということでございます。
思想及び良心の自由を保障する憲法十九条に違反するものではないというふうに考えております。
本法案は、あくまでも国旗の損壊等として外形に表れた客観的な行為を処罰の対象とするものでございまして、個人の内心に立ち入って、その行為の基礎となった思想や信条を処罰するものではございませんし、その思想や信条に反する特定の行為を、行動を強いるものではございません。
国旗損壊罪の合憲性をめぐり、表現の自由との関係が議論されました。塩崎提出者は、同罪は表現内容とは無関係な弊害防止を目的とするため表現の自由への制約は小さく、合憲であると答弁しました。杉尾委員は、参考人質疑において二人の法学者が違憲立法であると指摘したことを紹介し、違憲立法を進めるのかと追及しました。橋本参考人は、日本国憲法史上初めて政府批判を禁止する法律ができようとしていると指摘しました。スタンスデータでは、平沼正二郎、豊田真由子、長谷川淳二、高木啓、黒田征樹の各氏が、規制は必要かつ合理的で表現の自由に違反しないとして合憲の立場を示した一方、小島とも子氏は、国旗損壊罪を内容規制と位置づけ違憲の疑いを示唆する参考人見解に同調しました。
こうしたことから、思想及び良心の自由に対する制約にはならず、憲法第十九条には違反しないと考えております。
本法案は、刑罰によって特定の価値観を押し付け、国旗を大切に思う感情を強制するものであり、内心の自由を侵害するものにほかなりません。
刑罰という国家権力で強制された敬意に一体何の価値があるんですか。
本法案第二条の罰則は、国旗の損壊等として外形に表れた客観的な行為のみを構成要件として、個人の内心に立ち入って、その行為の基礎となった思想や信条を処罰するものではなく、また、その思想、信条に反する特定の行為を強いるものではないということでございます。
思想及び良心の自由を保障する憲法十九条に違反するものではないというふうに考えております。
本法案は、あくまでも国旗の損壊等として外形に表れた客観的な行為を処罰の対象とするものでございまして、個人の内心に立ち入って、その行為の基礎となった思想や信条を処罰するものではございませんし、その思想や信条に反する特定の行為を、行動を強いるものではございません。
本議論では、国旗損壊罪における「損壊」「除去」「汚損」という行為類型の解釈が論点となりました。堂込議員は外国国章損壊罪の解説に基づき、これらの意味を条文ごとに確認し、損壊とは引き裂きや焼却等、除去とは移転や隠蔽、汚損とは泥靴での踏み付けや墨汁の付着等を指すとの理解を示しました。これに対し飯泉議員も同様の理解であるとして回答しました。両者のスタンス(賛否)は示されておらず、行為類型の意味についての確認的なやり取りが行われました。
本テーマでは、附則に設けられた施行後三年を目途とした見直し検討条項の内容と実効性が議論されました。提案者は、施行後三年を目途に陳列行為等の発生状況を勘案し必要な措置を検討する条項を設けたと説明し、警察庁・法務省も施行後3年を目途に施行状況把握等に努める方針を示しました。大津力委員は、党の講演会でバツ印の日の丸提示による抗議を受けた経験を踏まえ、損壊国旗の陳列行為も検討対象とすべきと主張し、共同提出四党協議でこの主張が見直し規定に反映されたと説明しました(スコア0.85)。堂込麻紀子議員は、附則第2項の3年後見直し規定について見直し主体・方法を質問した上で、国民民主党の要望で設けられた同規定は罪刑法定主義を更に担保すると評価しました(スコア0.75)。飯泉嘉門議員は、事後配信や損壊国旗の陳列等の事例を国会審議の場で積み重ね不断の見直しを行うと説明しました(スコア0.75)。一方、小島とも子委員は、検討条項が事後配信・損壊国旗展示など処罰対象拡大のみを想定していると批判しました(スコア0.15)が、高木提出者は検討の方向性は規制拡大に限定されておらず確定的な方向性はないと答弁しました。
自宅等で損壊した国旗を大衆の前に持ち込んで陳列する行為についても処罰対象に含めるべきだと強く主張をしました。
なぜ規制拡大だけを対象として書き込まれたのか、お答えください。
そこで、この法律の規定については、この法律の施行後三年を目途といたしまして、国旗を損壊等する状況に係る映像に関するインターネット等の利用の状況、損壊等された国旗を公然と陳列する行為等の発生の状況その他この法律の施行状況等を勘案し、国旗を大切に思う国民感情を保護するのに必要かつ十分なものになっているかどうか等の観点から検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるとする検討条項を設けたところであります。
三年後の見直し規定を設けることにより、実施の状況を踏まえ、将来的に罪刑法定主義を更に担保していくこととしたことに加え
やはり不断の見直し、検討、また社会的情勢をしっかり勘案した上で、この法律がしっかりと機能するのかしていないのか、あるいは行き過ぎであるのか、こうした点について踏まえ、そして具現化をさせていただければと、このように考えております。
本テーマでは、国旗損壊罪の施行期日を公布後20日とする早期設定について議論が行われました。大津委員は、早期施行期日とした理由や他法令における前例の有無について質問しました。これに対し提案者は、国民感情保護の社会的要請から早期施行としたこと、性的姿態撮影等処罰法等にも同様の例があることを説明しました。堂込議員は、公布から20日での施行でガイドライン作成や国民への周知が間に合うか疑問を提起しました。飯泉嘉門議員は賛成の立場から、社会的保護法益を速やかに守る観点から、航空機強取処罰法等の過去の類似立法例に倣い20日としたと説明しました。また警察庁の重松政府参考人は、法案成立後は都道府県警察へ通達等で周知徹底を図る方針を説明しました。
やはり国旗を大切に思う国民の皆様方のその感情、社会的保護法益、これをしっかりと守るためには、法律が成立をすれば速やかにこれを施行をしていくと、こうした考え方から実は出させていただいているところでありまして
本テーマでは、国旗損壊罪における「著しく不快又は嫌悪の情」という構成要件の明確性が議論されました。高木かおり委員は、当該文言はストーカー規制法等と同様の評価的文言であり明確性を備えると指摘し、提案者も二条二項の客観的事情に基づく判断規定と併せて通常人が判断可能な基準が読み取れると説明しました。塩崎提出者は、著しく不快とは一般通常人から見てひどく快くないと感じさせる程度であり、客体・行為類型・方法の限定により中核領域は明確だと答弁しました。一方、杉尾秀哉委員は、保育園落ちた日本死ねの例や新品の靴に泥が付いて国旗を踏んだ場合を挙げ、処罰対象の不明確さを追及し、法律の致命的欠陥だと批判しました。高木提出者は、人とは特定の人を想定せず一般通常人を基準に客観的事情を総合勘案して判断すると答弁しました。橋本参考人は、感じ方だけで処罰する構成要件は表現を萎縮させ検閲的効果を持つと指摘しました。スタンスとしては、塩村あやか委員、小島とも子委員、杉尾秀哉委員、窪田哲也委員が明確性に否定的な立場を示す一方、高木かおり委員と黒田征樹委員は明確性を肯定する立場を示しました。
本法案二条一項の「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」との文言は、表現の自由を制限する刑罰法規として十分な明確性を備えておりまして、憲法二十一条一項、三十一条に違反するものではないというふうに考えております。
その意味で、著しく不快という、その処罰の対象となる行為の不明確さ、これ致命的なこの法案の欠陥なんです。
刑法に不可欠な明確性も全く担保されていません。
何が処罰になって何が処罰にならないのかということが全く分からないんですよ。
二条に著しく不快、嫌悪という言葉があります。これはあくまでもやっぱり人が感じるものですので、法的安定性には大変疑義があるというふうに感じざるを得ません。
そのこと自体が直ちに罪刑法定主義を違反する意味、違反を意味するものではないというふうに私は理解をしております。
本テーマでは、国旗損壊罪の立法事実としてSNS普及とグローバル化を挙げる将来的予防の妥当性が議論されました。提案者側では、塩崎彰久氏(賛成、スコア0.75)がSNS普及とグローバル化により国旗損壊が及ぼす影響を踏まえ将来の抑止を立法事実として説明し、黒田征樹氏(賛成、スコア0.75)もSNS拡散を踏まえた将来抑止の必要性を立法事実として肯定しました。また飯泉議員はインターネット全盛期における国旗焼却等の事例増加を踏まえた予防的立法の趣旨を説明し、勝目氏はSNSの拡散速度・範囲が従来と格段に違い社会行動への影響を否定できないとし、実際の検挙事例やネット上の損壊映像を踏まえ抽象的可能性ではないと説明しました。これに対し窪田哲也氏(反対、スコア0.05)は、否定できないという可能性のみで新たな処罰を作ることを問題視し、蓋然性が高いとする具体的根拠を繰り返し質問したほか、予防的立法事実は差し迫った生命・身体への危険と異なり抽象的な国民感情保護には不十分であると批判し、海外の国旗損壊がSNSで伝播するとの説明は説得力に乏しいと述べました。
これ、否定できないということになれば、どんな立法でもできちゃうわけですよ。可能性があるからということで新しい処罰をつくっていく、そんなことがあっていいんですか。
SNSなどが加速的に普及し、グローバル化が進展する中で、国内にとどまらず海外でも生じている国旗を損壊する行為がリアルタイム又はそれに近い形で様々な影響を与えることは否定できない、こういった事情を踏まえつつ、この国旗損壊等の事案の発生を将来に向かって抑止する必要があるということを立法事実の一つとして考えております。
国旗を損壊する等する事案の発生を将来に向かって抑止する必要性があることも立法事実の一つではあるというふうに考えております。
国旗損壊罪の立法事実の有無については、賛否双方から議論がなされました。提案者や黒田征樹委員は、昭和62年・平成3年・平成8年・平成20年の国旗損壊の検挙事例や、飯泉議員が示した平成20年の神社境内での国旗奪取・踏み付け・さお折り事例を挙げ、これらを立法事実として提示し、立法の必要性を主張しました。高木かおり委員も、自己所有国旗損壊の統計対象がないこと自体をもって立法事実がないとは言えないとして、立法の必要性を擁護しました。一方、窪田氏は、過去に国旗損壊の立法事実はないとの理解を示し、将来の抑止効果についての説明を求めたほか、討論において提案者が示した事例はいずれも他人所有物であり器物損壊罪の対象であるため、立法事実はないと主張しました。大門委員は、国会議員が刑法学者でないまま議員立法とした経緯や、立法事実の乏しさを批判しました。杉尾秀哉委員も、参考人の見解を引用し、予防的立法事実の必要性論証を批判しました。
本論点では、国旗損壊罪の構成要件における「著しく不快又は嫌悪の情」等の文言が罪刑法定主義・明確性の原則に適合するかが議論されました。大津委員は当該文言が明確性を欠かないか質問し、提案者は一般通常人を基準に国旗を大切に思う感情を害するかで判断するとし、最高裁判例の基準を満たすと説明しました。飯泉議員は罪刑法定主義・明確化の観点から旧2条2項の削除と見直し規定新設を行った経緯を説明しました。勝目氏は罪刑法定主義違反の指摘には当たらないと答弁し、構成要件を客観的・外形的にし一般通常人基準で客観性を持たせるよう意を砕いたと説明しました。一方、窪田氏は何が処罰対象か明確に答えられないほど不明確だと批判し、討論でも主観的で処罰対象が不明確だと述べました。杉尾委員は木下参考人の萎縮効果への懸念を紹介し、塩村氏は橋本教授による客体・行為態様の定義が曖昧で予見可能性を欠くとの批判を紹介しました。大門氏は討論で対象物・行為・態様が曖昧であり憲法三十一条の罪刑法定主義に反すると批判しました。
本テーマでは、国旗損壊罪を議員立法として提出したことが国論を分断する懸念につながるのではないかという点が論点となりました。窪田哲也氏は、議員立法とした理由の説明が国論を二分してもよいという含意ではないかと提出者に質し、議員立法での推進が国論分断を招くとして懸念を表明しました。これに対し提出者側の勝目康氏は、国論二分をやむを得ないとする趣旨で議員立法としたわけではないと否定しました。小島とも子氏も国論分断を招く危険性を懸念として指摘しました。一方、高木啓氏は国論分断は生じないと明確に否定し、法案推進の立場を示しました。
本テーマでは、国旗損壊罪を議員立法として提出する意義について議論が行われました。長谷川議員は、外国国旗の保護と同程度に自国国旗を保護する必要性等から、本法案制定の必要性が高いと説明しました。松野議員は、国民感情の保護のためには政府提案よりも立法府による案作成が適切であると説明しました。渡辺猛之議員は、三年後見直し規定と議員立法による迅速な対応のメリットを指摘しました。勝目氏は、様々な意見があることを踏まえ、立法府で案を作成することがより適切と考え議員立法としたと説明し、あわせて自民党・日本維新の会に加え、国民民主党・参政党とも共同で法案を提出したと説明しました。
本テーマでは、国旗損壊罪を議員立法とした経緯とその是非が議論されました。大門実紀史委員は、刑罰法規は通常閣法として法制審議会・内閣法制局の厳格な審査を経るべきだと述べ、本法案が議員立法とされた理由を追及し、総合的勘案規定や適用上の注意規定の存在自体が刑法典に馴染まないとして、議員立法とした理由は成り立たないと批判しました。杉尾秀哉委員も、衆議院法制局の検討のみで内容が不十分な議員立法だと批判しました。窪田哲也氏は、参考人質疑で伊藤参考人が内閣法制局審査を経ずに議員立法として提出されたことに苦言を呈したと指摘し、また法制審議会を経ず閣法で出されるべきだったとの意見が複数出たとも述べ、自民党内での十八回・二十時間以上の審議は少なすぎ、閣法で出すべきだったと批判しました。これに対し塩崎彰久提出者は、国民の意思を代表する立法府で案を作成することが適切と考え議員立法としたと説明し、内閣法制局は通していないと答弁しました。勝目氏は、自民党内で役員会を含め十八回・二十時間以上審議したと説明し、刑罰法規を全て内閣法制局を通し閣法で出しているわけではないと反論しました。
今回は、内閣法制局通していない、その前の法制審も通していない。こうやって議論のプロセスを全く捨象しちゃって、いきなり法案を出して、自分たちの考えを押し付けて
議員立法にしたというのは、本当の意味での法案審査、憲法上の審査を避けるために、避けるために議員立法にしたんではないかと思いますが、いかがですか。
たった十八回、二十時間ですか。余りにも少ないと思いますよ。人に刑罰を科す、心に踏み込むような、そういう法律を作ろうとされているわけですから、もっとしっかり議論をして閣法で出されるべきだったんじゃないかなというふうに思いますけれども、慎重意見というのはどういうものが出ましたか。
様々な御意見があり得ることも踏まえ、政府から提案するよりも、国民の意思を代表する立法府において案が作成されることがより適切と考えて議員立法により提出したものでございます。
議員立法であっても、憲法適合性や刑罰法規としての合理性などについてもしっかりと議論した上で提出に至っているものであります。
様々な御意見があり得ることも踏まえ、政府から提案をするよりも、国民の意思を代表する立法府によって案が作成されることがより適切と考えたものであります。
本テーマでは、国旗損壊罪創設と愛国心醸成の関係が主な論点となりました。阿部圭史提出者は、愛国心は刑罰で強制するものではなく自然に醸成されるべきものと答弁し、渡辺猛之議員が愛国心醸成は本法案の目的ではなく阿部議員個人の願いであるとの理解を確認したのに対し阿部議員も同意しました。一方、杉尾秀哉議員は衆院での阿部議員の発言撤回を繰り返し求めましたが、阿部議員は撤回せず遺憾の表明にとどまり、杉尾議員は橋下徹氏による「愛国心の醸成を言ったらおしまい、中国と同じ」との批判を紹介した上で、法案が内心に影響することを期待していると批判しました。窪田哲也議員は教育を通じた涵養では不十分と判断した理由を質問し、刑罰より教育を重視すべきだとして法案を短絡的と批判しました。これに対し勝目氏は、教育による意義の醸成は法制定後も変わらず、本法は外形的行為のみを対象とし内心には立ち入らないと説明し、世論調査での賛成多数や地方議会の意見書提出を制定の裏付けとして挙げました。塩村あやか氏は討論で、愛国心は国家が個人を尊重することで自発的に生まれるものであり、強制は民主主義の否定であると批判しました。
国家が国民に対して愛せと強制をすることは、健全な政府批判を封じるものであり、民主主義と立憲主義の否定にほかなりません。
刑罰という国家の強制力に頼らなければ国旗の尊厳を守れないというのであれば、それは日本人の道徳心に対する国家の敗北宣言ではないでしょうか。
あなた方がしようとしていることは、国旗への尊崇の念を通じて国民に愛国心を持たせる、それを刑罰をもって実現させようとしていることにほかならないんですよ。
この処罰をもって国旗を大切に扱う、また、感情をですね、大切に思う感情を守っていこうというのは、これは先ほども出ていましたけれども、そういう強制的なものというのはとても弱いと思いますよ。
私自身、愛国心、自国に対する自信や誇りというものは、刑罰等によって強制されるべきものではなく、自然に醸成されていくべきものであると考えております。
何らかのそういう、愛を押し付けようというか、国家が醸成しようということがこの法案のやっぱり背景に、動機に見え隠れするものですから、そもそも違うんではないかというふうに思うわけでございます。
国旗損壊罪創設をめぐっては、立法事実の有無が主な論点となりました。提出者の塩崎氏は、国内外での国旗損壊事案の発生やSNS普及を踏まえた将来的な抑止の必要性を立法事実として説明しました。これに対し、木下参考人は予防的な立法事実は高度な必要性を論証するものではなく、国民感情は取り返しの付かない利益ではないと指摘したことが杉尾委員により紹介されました。窪田氏は地方議会からの意見書が令和七年十二月以降、現政権誕生後に集中していると述べ、最近の突発的な動きであると指摘し、立法事実の欠如を明確に主張して法案に否定的な立場を示しました。一方、長谷川淳二氏と阿部圭史氏は、国民感情の保護や外国国章との均衡等を理由に法案制定の必要性が高いとする積極的な立場を示しました。討論では、堂込氏が世論調査で過半数が賛成していることや地方議会からの早期創設の意見書を紹介し、大津力氏は参政党として国旗汚損行為の被害を受け法整備の必要性を訴えてきたと説明しました。
提案者が示した事例は、いずれも他人所有の国旗の損壊であり、器物損壊罪で罰せられます。立法事実はないのです。
国旗を大切に思う国民感情という社会全体の重要な利益について、これを害する蓋然性の最も高い行為である、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法で公然と国旗を損壊等した行為を罰則をもって対処する必要があり、また、外国国章が保護されるのと同程度に保護されるようにするためにも本法案を制定する必要性が高いと考えたところでございます。
法案提出者としては、国旗を大切に思う国民感情を正面から保護し、現行法では対処できない領域をカバーするため、国旗損壊罪を制定する意義があると考えております。
現在、この法案に対しまして約三十ほどの反対声明が上がっていらっしゃるのを皆さん御存じだと思います。
国旗損壊罪創設については、提案者から国民感情の保護の重要性や、客観的行為態様のみを処罰対象とすることで思想・信条の自由(憲法違反)や表現の自由(憲法21条)に抵触しないとの説明がなされました。塩崎彰久氏は礼拝所不敬罪や公然わいせつ罪等の前例を挙げ保護法益の曖昧性への反論を示し、表現の自由への制約は小さく合憲であると評価しました。大津力氏も客観的行為態様に着目した必要最小限の制限であるとして賛成の立場を示しました。一方、木下参考人は本法案を合憲とするには従来の表現の自由の憲法法理を解体する必要があり憲法改正と同じ効果があると指摘し、橋本教授は異常な法であり法の支配の全面否定になり得ると批判したことが紹介されました。これらを踏まえ、塩村あやか氏、大門実紀史氏、杉尾秀哉氏、小島とも子氏らは違憲性や表現行為への萎縮効果を理由に反対を表明し、大門氏は法案の撤回を求めました。伊勢崎賢治氏も刑罰による表現排除への懸念から反対の立場を示しました。
こんな法案、本当に、何というか、こういう、違憲法案ですよね。一旦撤回して出直すべきだということを申し上げて、質問を終わります。
こんな憲法違反の疑いのある法律なんか絶対作っちゃ駄目です。
私は、この法律は成立させるべきではないと心から強く思っているということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
不快な表現に対し、言論で向き合うのではなく、刑罰という国家権力で排除する、そのような大人の姿を子供たちに見せることが、民主主義を担う子供たちの教育として本当に、本当にふさわしいとお考えですか。
国旗を大切に思う感情は尊重されるべきですが、これを刑罰という重い制裁を用いて保護しようとする発想には、極めて重大な危惧を抱かざるを得ません。
表現の自由との調和を図りつつ、国旗を大切に思う国民感情を社会的な法益として正面から保護しようとする姿勢を高く評価いたします。
本法案二条の罰則は必要かつ合理的な規制であり、最高裁判例の考えに照らしても、表現の自由を保障する憲法二十一条一項に違反するものではないと考えております。
刑罰をつくるわけですので、極めて慎重であらねばならないというふうに思っております。
本テーマでは、国旗損壊罪法案に対する附帯決議案について議論が行われました。鬼木氏が自民・立憲・国民民主・公明・維新・参政の共同提案として附帯決議案を提出し、朗読しました。附帯決議は、政治的・芸術的表現への萎縮効果を防止すること、客体を具体的に明示すること、表現内容に依拠しない判断を行うこと、警察官等への周知を徹底すること、三年後の検討時に権利へ配慮すること、特定の思想を強制しないことなどを政府に求める内容でした。この附帯決議案は多数の賛成により委員会決議として採択されました。これを受け、木原内閣官房長官は、附帯決議の趣旨を尊重し、関係省庁と連携して努力する旨を表明しました。
国旗損壊罪法案について、質疑終局後に討論が行われ、採決の結果、法律案は多数をもって原案どおり可決されました。討論では、伊勢崎賢治氏がれいわ新選組を代表して明確に反対を表明したほか、塩村あやか氏が断固反対の立場を明言し、大門実紀史氏及び窪田哲也氏も反対討論を行いました。一方、堂込麻紀子氏は会派代表として賛成の立場を明言し、大津力氏も賛成の立場から討論する旨を述べました。採決後、審査報告書の作成については委員長に一任することが異議なく決定されました。
本テーマでは、国旗損壊行為をSNS上でライブ配信するなど悪ふざけ・受け狙い目的で行った場合の処罰対象性が議論されました。提案者は、悪ふざけや受け狙いといった目的の有無は構成要件該当性の判断に影響せず、違法性阻却も認められにくいと説明しました。高木かおり氏および黒田征樹氏は、悪ふざけ目的の国旗損壊ライブ配信であっても処罰対象となる旨を明言し、違法性阻却は認められないとして処罰対象性を肯定する立場を示しました。一方で、窪田氏はSNS上で処罰の限界を試すような動きが起きていると指摘し、伊勢崎氏は討論において、SNSでの悪ふざけを国家への犯罪として扱うことがデジタルリンチに法的根拠を与えることになると批判しました。
本テーマでは、国旗損壊配信のシェア・リポストにおける共犯・幇助犯の成否が論点となりました。提案者は、意思連絡のない単純なシェア・リポストについて、共同正犯・幇助犯のいずれも成立しないとの説明を行いました。発言者としては黒田征樹氏が挙げられており、同氏はスコア0.25(0=反対〜1=賛成)で、意思連絡のない単純なシェア・リポストは共同正犯も幇助犯も不成立との見解を根拠としています。提示された要点・スタンスデータからは、これ以上の論点や結論・決定事項は示されていません。
事情を知らない第三者が単純にシェアやリポストをする場合など、両者に意思連絡がない場合には共同正犯は成立せず、また、シェアやリポストによって公然と国旗を損壊する等する行為を容易ならしめたとは言えないということで、幇助犯も成立しないということではないかというふうに考えております。
質疑・討論を経て採決が行われ、法律案は多数をもって原案どおり可決されました。あわせて、表現萎縮防止や客体の明示、表現内容非依拠の判断、施行後三年を目途とした見直し等を政府に求める附帯決議案が多数の賛成により委員会決議として採択され、木原内閣官房長官がその趣旨尊重を表明しました。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。