本委員会では、ヒトゲノム編集胚等取扱い規制法案を中心に、ゲノム医療・遺伝子治療関連の多岐にわたる論点が議論されました。ヒトゲノム編集胚等の胎内移植禁止、届出制の実効性担保、罰則の主体・対象範囲、規制対象範囲の政令による線引き、国際的な規制の整合性等について、浅野哲、豊田真由子、沼崎満子、佐々木昌弘、上野宏史、上野賢一郎、伊東信久の各委員から質疑がありました。あわせて、CAR-T細胞療法やがんゲノムパネル検査の診療報酬上の取扱い、生活保護における自動車保有をめぐる自立概念や水際作戦への懸念について辰巳孝太郎議員らが取り上げたほか、健康経営優良法人認定における女性の健康課題教育、薬機法改正による濫用防止医薬品の販売規制なども議論されました。
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ヒトゲノム編集胚等の胎内移植禁止による生命倫理・安全性確保と基礎研究の国際競争力維持の両立
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本テーマでは、CAR-T細胞療法等の再生医療等製品に対する市場拡大再算定の適用の在り方が議論されました。論点として、CAR-T細胞療法は患者本人から採取・加工する製法上、大量生産によるコスト低減が見込めないため、市場拡大再算定の在り方を見直すべきとの指摘がありました。また、現時点で再生医療等製品に市場拡大再算定の適用を受けた品目はなく、業界団体からは対象除外を求める意見がある一方で慎重な意見もあることが示されました。発言者としては、浅野哲氏がCAR-T等への市場拡大再算定の見直し・配慮を要望する立場を示しました。間隆一郎氏は、対象除外を求める意見と慎重論の両論があることを踏まえ、次期改革で引き続き検討する旨を述べるにとどまりました。本件について具体的な結論や決定事項は示されておらず、次期改革に向けて継続的に検討される方針が確認されました。
がんゲノムパネル検査を巡っては、エキスパートパネルの負担軽減と診療報酬上の見直しが論点となりました。令和8年度診療報酬改定では、薬事承認医薬品が特定できる場合等一定の要件を満たす場合にエキスパートパネルを省略可能とする見直しが行われました。金澤結衣氏は、現場の負担軽減を求める要望を肯定的に紹介し、質と安全性の維持を条件とした上で賛成の立場(スコア0.75)を示しました。間隆一郎氏は、省略要件の見直しの実施内容を説明し、負担軽減の方向性について肯定的に述べ、賛成の立場(スコア0.75)を示しました。両者とも負担軽減の方向性を肯定する立場で一致していました。
本テーマでは、がん遺伝子パネル検査の実施タイミングと保険適用の在り方が議論されました。浜地雅一委員は、現行の標準治療終了要件により体力が弱った段階でしか保険適用で検査を受けられないという問題を指摘し、体力が充実するより早い時期での検査実施を求める声を示して前倒しを主張しました(スコア0.85)。金澤結衣委員も、患者の負担事例を挙げて現行制度の制約上の課題を指摘し、前倒しや適用拡大の必要性を示唆しました(スコア0.75)。これに対し間隆一郎氏は、標準治療終了前の実施や複数回実施の検査については評価療養の枠組みでエビデンス収集を進めており、その結果を踏まえて中央社会保険医療協議会(中医協)で保険適用の議論を進めるとの立場を示しました(スコア0.50)。厚生労働省としても、標準治療終了前実施を評価療養の枠組みで進め、エビデンス収集の上で中医協において保険適用の議論を進める方針が説明されました。
もう少し早いタイミングでこのパネル検査を受けることによって、まだ体力が充実しているうちにそういった適切な治療を受けたいという切実な声があることは厚労省も承知をされていると思います。
私の地元でも、長期間にわたり治療を続けた末にパネル検査にたどり着いたものの、その後の治療費や御家族の負担を考えると、次の治療に進むべきか悩んでいるという切実なお話をお伺いしました。
今後、これまで実施してきた評価療養の取組から得られた有効性、安全性に係るエビデンスの分析も含めて、関連学会の学術的見解も伺いながら、保険適用に向けた議論を中央社会保険医療協議会において進めてまいりたい、このように考えております。
ゲノム医療基本計画と関連法令・指針の一元的ガバナンスに関して、昨年11月に閣議決定されたゲノム医療基本計画にはゲノム情報の適正取扱いと利活用基盤整備が盛り込まれ、施策の進捗を定期的にフォローアップし、本法の施行状況等を次期改定に反映させることとされました。また、関係法令や指針についての情報整理をホームページで公開し、法案成立後は内容を充実させ、学会や研修の場で周知徹底を図ることが述べられました。発言者については、上野賢一郎氏がスコア0.75で、施行状況を検証し次期改定に臨むと回答するなど前向きな姿勢を示しました。浅野哲氏もスコア0.75で、縦割りの是正と一元的で分かりやすいガバナンスの構築を大臣に要望しました。
本テーマでは、ゲノム医療等最先端技術に関する国民理解の促進とサイエンスコミュニケーションのあり方が議論されました。国立がん研究センターのがん情報サービス等を通じ、法案成立後もサイエンスコミュニケーションを推進する方針が示されたほか、ゲノム医療基本計画に基づき教育・啓発を通じた国民理解促進策を進める考えが大臣から表明されました。また、審議会の議論整理では、受精胚への遺伝子操作の影響について国民の認識に差があることが指摘され、十分な周知の上で国民的理解を得つつ議論を進める必要があるとされました。さらに、患者団体やマスコミ関係者も交えた多角的な議論を継続し、諸外国の情勢や技術水準等に関する情報発信に取り組む方針も示されました。発言者としては、佐々木昌弘がサイエンスコミュニケーションの必要性を認め推進する意向を示し、金澤結衣も国民が正しい知識で判断できる環境整備の重要性を強調するなど、いずれも促進に肯定的な立場を示しました。
本テーマでは、ゲノム編集による原因遺伝子改変を目指す遺伝子治療研究の推進が議論されました。浜地委員は、薬探索ではなく原因遺伝子自体を改変し健常化を目指す研究の方向性について質問しました。これに対し政府参考人は、国産ゲノム編集技術を用いた遺伝子治療が臨床研究前段階に進展していることを説明し、今後も開発支援を継続する方針を答弁しました。
本テーマでは、ゲノム編集技術に関する規制の国際的整合性と海外渡航による規制逃れへの対応が論点となりました。規制が未整備な国へ渡航し胎内移植を受けて出生した子が、帰国後に日本の保険制度で治療を受けることへの懸念が指摘されました。また、国際学会が中国の事例を探知した経緯を踏まえ、政省令確定後に国際発信を行い諸外国との調和を図る方針が示されました。発言者では、上野宏史氏が海外渡航規制逃れへの懸念を紹介するにとどまり明確な賛否は示さなかったのに対し、佐々木昌弘氏は国内規制の明確化と国際発信により国際調和を図る積極方針を表明し、沼崎満子氏は国外持ち出し後の用途限定・報告・廃棄確認等、規制の実効性確保を積極的に求めました。
本テーマでは、ゲノム編集技術のエンハンスメント目的利用をめぐり、倫理的配慮と規制の必要性が議論されました。疾病・障害の有無で人の価値が左右される受け止めを生みかねないとして、多様性・包摂性の観点から倫理的配慮を求める指摘がありました。容姿や身体能力向上等のエンハンスメント目的利用については、用途・目的の明確化を通じた一定の規制を求める意見が出されました。浅野哲委員は、重篤な単一遺伝性疾患予防目的とエンハンスメント目的との線引きの重要性を指摘し、尊厳や将来世代の権利保護の観点から治療目的との区別を重視して規制の必要性を主張しました(スコア0.00)。また浅野委員は、分析・解析技術の成熟が遺伝子選別につながり得るとし、不妊治療における遺伝子選択等、優生思想拡大への懸念を提起しました。沼崎満子委員もエンハンスメント利用に一定の規制を設けるべきと明言しました(スコア0.25)。厚生科学審議会等の議論の整理では、エンハンス目的の許容可否について国民的議論が未成熟であり、法的規制対象とする旨が確認されました。なお、政府参考人からは、ゲノム情報と発現型の関連研究自体には現時点で規制はないとの説明がありました。
本テーマでは、ゲノム編集技術等のリスクの濃淡に応じた規制の在り方について議論が行われました。浜地雅一委員は、ゲノム編集等の技術にはリスクに濃淡があり、規制についても緩急をつけるべきであると主張しました(賛成、スコア0.75)。これに対し厚生労働省は、エピゲノム編集技術やミトコンドリア核置換術についても遺伝子発現制御に係るリスクがあることから規制対象に含める考えを示し、現時点ではこれらを同じ扱いで規制し、今後科学的知見が進展すれば規制に濃淡が生じ得るとの見解を述べました。
今回の法の趣旨であります予測し得ない遺伝子の改変をもたらす可能性は、技術によって、私は、グラデーションがあるんじゃないか、この危険性というのは濃淡があるんじゃないかと。ならば、その濃淡に合わせて、規制もやはり緩やかにしたり、若しくは厳しくしたりということがあってしかるべきだと思います
本議論では、ゲノム編集技術を用いた基礎研究への新たな法的枠組みの適用が論点となりました。基礎研究は従来指針に基づき行われてきましたが、今回の法規制により法的位置づけが明確になるとの答弁がありました。発言者のスタンスとしては、豊田真由子氏が禁止解除を含む柔軟な運用を要望し、条件付きで前向きな姿勢を示しました。一方、辰巳孝太郎氏は相談体制の不備による基礎研究の萎縮への懸念を表明し、慎重な立場を示しました。
本テーマでは、ヒトゲノム情報の保護と利活用の両立に向けた基盤整備が議論されました。ゲノム情報は機微性が高いことから、情報流出防止に配慮しつつ利活用基盤の整備を進める方針が示されました。浜地雅一委員は、ゲノム情報が個人識別符号そのものであり仮名化が事実上不可能であるため利活用が進まないという問題を提起し、氏名等の特定情報を削除した上でゲノムデータを提供する方法を積極的に提案しました(スコア0.75)。これに対し厚生労働省は、ゲノムデータが匿名化・仮名化に適さないとした上で、本人同意の取得、利用目的の事前審査、GeMJが提供する解析プラットフォーム上でのみ解析を行うという方針を説明しました。森真弘委員は、利活用推進を重要としつつ個人の利益侵害防止にも配慮するとして条件付きで賛成の立場を示し(スコア0.60)、金澤結衣委員も保護と活用の両立を条件付きで支持し、明確な賛否は示しませんでした(スコア0.50)。
本テーマでは、ヒトゲノム編集技術に関する規制について、一国のみの取組では実効性が保てないことから、国際条約等の全世界的な取組の必要性が質疑されました。これに対し、WHOが2021年に専門家報告書を公表していることを踏まえ、日本の法規制を周知することで他国の立法を促し、国際協調を進める旨の答弁がなされました。さらに、WHOのような場において全加盟国による討議を行うことが、先進国と途上国の間の乖離を埋める周知につながるとして、引き続きの働きかけが要望されました。
本テーマでは、ヒトゲノム編集胚の移植禁止規定に関する罰則の主体・対象範囲の明確化と周知が議論されました。伊東信久委員は、第三条・第十九条の罰則規定において主体が明記されておらず、移植を受けた側も罰則対象になり得るかを質問し、罰則主体の周知不足を指摘した上で明確化・周知の必要性を主張しており、この点について肯定的な立場を示しました(スコア0.75)。これに対し政府参考人は、ヒトゲノム編集胚等と知らずに移植を受けた場合は罰則対象外となる一方、知りながら関与した場合は共同正犯・幇助の対象になり得ると説明し、研究者のみならず国民への広い周知を図る方針を表明しました。あわせて、拘禁刑10年以下等の罰則の実効性や違反の端緒をどう掴むかについて懸念が示され、DNA等の痕跡が残りにくいことから、指針策定・届出確認・報告徴収・立入検査等の体制整備と広範な周知により実効性を担保するとの答弁がありました。さらに、届出をしない場合や届出後に違反する場合への懸念、意図しない変異による規定抵触の可能性も指摘され、周知の必要性が強調されました。
我が党の厚生労働部会でも議論になったんですけれども、誰が罰則に値する可能性があるか十分に周知する必要が、必要だという意見がございました。
本テーマでは、ヒトゲノム編集胚等の胎内移植禁止を柱とする法規制の必要性と、基礎研究の国際競争力維持との両立が論点となりました。オフターゲット変異等の安全性への懸念や将来世代への遺伝的影響という社会倫理的懸念から胎内移植を禁止する必要性が示される一方、基礎研究については許可制でなく届出制とし、個体産生につながらない場合は政令要件により適用除外とすることで研究の遅滞を生じにくくする方針が説明されました。米国・中国・欧州も基礎研究は原則容認、臨床応用は禁止という国際的均衡が保たれているとされ、令和元年の科学技術・イノベーション会議報告書を契機に7年かけて検討し法案提出に至った経緯も示されました。豊田真由子は法制化自体は必要としつつ英仏独等に比べた対応の遅れを批判し、沼崎満子はオフターゲット変異等の予測困難性から規制の必要性を主張しました。上野賢一郎は胎内移植禁止による影響防止と基礎研究推進の両立方針に賛成的な立場を示しました。附帯決議では、臨床利用に関する安全性評価の考え方構築や社会的倫理的課題対応体制整備、人の尊厳・生命倫理の尊重、将来世代への影響配慮、国民理解促進を求める内容が可決されました。
本法案によりましてヒトゲノム編集胚等の胎内移植を禁止することで、予測をし得ない遺伝子改変によるヒト胚や人の発育、個人や社会に対する重大な影響を防ぐ、そうしたことができれば、国民の理解を得ながら適切に基礎研究を進めることもできると考えております。
やはり今回は、伺っても、どうして遅かったのかなというところがちょっと私は理解ができないところでございます。もちろん遅きに失するということはないんですけれども、ほかの、法規制も含めて、やはり海外の情勢は適時適切に見極めていただいて、キャッチアップをしていただきたいというふうにお願い申し上げます。
その影響を今の時点で確実に予測することは困難というふうに思います。
我が国だけが過度に厳しい規制となれば、研究者や研究開発拠点が海外流出し、日本の国際競争力の低下につながることも懸念されます。
これは、ゲノム編集技術等の安全性がまだ確立していない段階であるための今回の法案であるので、胎内移植を禁止する点は理解しますけれども
その上で、あわせて、ヒトゲノム編集胚等を用いた研究によって、例えば、生殖補助医療であったり、又は遺伝性疾患、先天性疾患の治療技術が開発をされるということに対する社会的な期待というのも非常に高いものがあるというふうに思います。
本テーマでは、届出制の実効性担保のあり方が論点となりました。豊田真由子は届出制の実効性に強い懸念を表明し不備を指摘する一方、佐々木昌弘は届出制であっても指針遵守義務、60日間の実施制限中の内容確認、計画変更命令、立入検査等により実効性を担保できると肯定的に説明し、沼崎満子も届出制の実効性担保を重要視して肯定的に言及しました。上野宏史は届出制による研究遅滞回避に理解を示しつつ周知徹底を求めました。政府参考人からは、取扱者に記録作成を求め指針不適合時は中止命令、報告徴収・立入検査で監督すること、監督・指導監査は厚生労働省等の主務大臣の下の職員が実施すること、実施主体は大学等の研究機関に加えクリニック等の医療機関、民間企業まで想定されることが説明されました。国外へのヒトゲノム編集胚持ち出しには遅滞なく主務大臣への届出が必要である一方、国外使用は当該国の法律が適用されるため、用途限定や取扱状況報告、廃棄確認等の担保が重要との指摘もありました。附帯決議では、違法な胎内移植防止のための届出の周知徹底、報告徴収等による把握・是正・指導監督、相談通報体制整備、関係機関連携を求める内容が可決されました。
ヒトゲノム編集胚等取扱いに関する指針策定をめぐっては、医学・自然科学・生命倫理・法学の専門家に加え、患者や報道等の立場も含めて総合科学技術・イノベーション会議にも諮りながら議論を進める方針が示されました。大臣は、患者団体や報道関係者も交えた多角的な議論を継続する考えを表明しました。浅野哲委員は、障害当事者や遺伝性疾患患者・家族等が審議会等の意思決定プロセスに参加する仕組みの必要性を質問し、審議会への当事者参加の拡大を志向しました。上野賢一郎、佐々木昌弘、沼崎満子の各委員も当事者意見聴取や幅広い立場からの意見反映、生命倫理に関わる法案としての意見聴取を肯定的に評価しました。結論として、指針の策定・変更に当たり総合科学技術・イノベーション会議の意見に加え国民の意見も十分聴取することを求める内容、および臨床利用の検討に当たり生殖補助医療・遺伝性疾患医療の当事者、患者家族、医療従事者、生命倫理専門家等の幅広い意見聴取を求める内容を盛り込んだ附帯決議が可決されました。
委員御指摘の、実際に、患者さん、病気で悩む方ですとか、また、広く報道する等の立場の方、こういった方を加えることによって、まずはこの指針等の議論の中で十分に御意見を伺いたいと考えております
御指摘のとおり、当事者の御意見もしっかりとお聞きをしながら政策の中立性を確保する、このことは大切だと考えています。
非常に生命倫理に近い法案になりますので、是非ここはお願いをしたいところです。
具体的には、障害当事者や遺伝性疾患の患者、御家族、生殖補助医療の利用者などを、この審議会などの意思決定プロセスに参加する仕組みなどを設ける考えがあるのか、そのことについてお考えをお聞かせください。
本テーマでは、ヒトゲノム編集胚等の規制対象範囲を政令でどう線引きするかが議論されました。ゲノム編集技術自体は各国共通で規制対象とする一方、エピゲノム編集技術やミトコンドリア核置換術は国により対応が異なり、英国ではミトコンドリア病治療目的での条件付き実施が既に許可され出生例もあるとされました。佐々木昌弘氏は、これらの技術には科学技術的・社会的・倫理的課題があるとして広く規制対象とする方針を示しました。上野宏史氏は線引きの難しさを指摘しましたが、賛否は明示していません。審議では、伊東委員が動物胎内移植で胎盤形成開始の可能性がないと定める要件の政令内容を質問し、政府参考人は雌雄を分けて管理する案と不妊手術を行う案が研究者から挙がっていると説明しました。浅野哲氏は、政令による対象拡大自体は否定しない一方、胎盤形成の有無という基準だけでなく動物の繁殖形態の多様性を踏まえた基準策定を要望し、基準と手続の明確化を条件として求めました。政府参考人は、個体誕生に至る状況を予防する基準を三省庁四専門委員会で検討し指針等を定めると説明しました。最終的に、動物胎内移植時の政令要件を研究実態と乖離しないよう専門的知見を踏まえ検討することを求める附帯決議が可決されました。
本テーマでは、ヒトゲノム編集胚等取扱い規制法の施行後五年以内の見直し規定をめぐり、検討過程の透明性確保が論点となりました。浅野委員は附則の五年以内見直し規定に触れ、将来の臨床利用議論において治療目的とエンハンスメント目的の区別が重要であると指摘しました。政府参考人は、エンハンスメント目的については国民的議論が未成熟であるため現時点で法的規制対象としており、将来これを受容するか否かは決定しておらず対象の外にあると説明しました。また、基礎的研究は届出制とし、臨床応用につながる研究以降は治療・エンハンス目的を問わず一律に規制対象とする方針が示されました。施行後五年以内の見直し規定について、外部から検証可能な記録・体制での検討が必要との問題提起がなされ、三省庁の四専門委員会合同会議を活用して透明性ある検討過程を国民と共有し、五年以内でも必要な対応を取るとの答弁がありました。佐々木昌弘氏は適時適切かつ透明性ある見直し検討を進めると明言し賛成的姿勢を示し、古川あおい氏は検討過程の記録化と外部からの検証可能性の確保を強く求めました。
本テーマでは、ヒトゲノム編集胚等取扱い規制法の施行に伴い、届出受付から60日以内の指針適合審査など新たな行政事務が発生することを踏まえ、年間見込み件数や事務負担の見積もりについて質問が行われました。これに対し、現状の研究件数からすると当分は対応可能であるが、将来的に件数が増加した場合にはノウハウの蓄積やAI活用等により効率化を図るとの答弁がなされました。発言者としては古川あおい氏が言及されていますが、行政事務の権限委任の仕組みを確認するにとどまり、賛否は明確にされていません。議論を通じて重要な結論や決定事項は示されていません。
こちら、厚生労働省とか、その他関係省庁ということになっているかと思いますけれども、例えば、厚生労働大臣の権限については地方厚生局にも委任し得ると理解をしております。
本テーマでは、ヒト胚・生殖細胞提供者へのインフォームド・コンセントと個人情報保護の担保について議論が行われました。論点としては、提供者に対する取扱いや不利益、個人情報保護方法等の説明を現行指針が既に求めており、これを新指針にも反映する方針であることが確認されました。また、個人情報保護法上の開示により個人が特定される可能性があり、ゲノム情報についてはより狭い規制が必要であるとの指摘がありました。発言者については、佐々木昌弘氏がインフォームド・コンセントと個人情報保護の重要性を強調し肯定的な立場を示し、沼崎満子氏がゲノム情報保護のためにより狭い規制が必要であると明確に主張し、いずれも賛成の立場からの発言でした。
本テーマでは、ミトコンドリア核置換術の規制対象該当性と国際的な取扱いの相違が議論されました。浜地雅一委員は、同術が核外技術でありイギリスでは条件付で規制せず既に成果があると指摘し、将来的な規制緩和を明確に主張しました。豊田真由子委員は、英国・オーストラリアでは臨床応用可能な法的枠組みがある一方、日本では規制対象になるとの国際的なそごを指摘し、将来の規制緩和の余地を求めつつ安全性重視も併記しました。上野宏史委員は英国の条件付き許可事例を紹介し規制のあり方を問いました。これに対し仁木副大臣は、本術を規制対象に例示しつつ、将来的な容認可能性は安全性評価や社会的倫理的体制整備が必要と説明しました。佐々木昌弘氏は、科学技術的な不確定性と社会倫理的合意の未成熟を理由に国際的に確立されたものとはまだ言えず規制対象に含めたと説明しました。厚労省は諸外国の実施状況を踏まえ国際動向の情報収集に努めると答弁し、安全性・有効性を引き続き注視し将来的に判断を変える余地も持ってほしいとの要望が示されました。
私は改めてお伺いをしたいんですが、このミトコンドリア核置換技術については、まずは規制をするということでありますが、将来的にはやはりこれは規制を緩めていくべきではないかというふうに思います
これに関しては国際的にもう確立されていてというものにはまだ至っていない、だから、広く規制の対象の中に含める、こういう検討過程でございました。
安全性、有効性について、引き続き、厳しくある必要はあろうと思いますが、ウォッチをしていただいて、判断を変えていくということも視野に入れていただきたいというふうには思います。
例えばイギリスにおいては、重篤なミトコンドリア病の治療に対応する場合は、所定の条件下で実施許可というふうにされています。
本テーマでは、法規制の対象範囲が次世代に影響を及ぼす生殖細胞系列に限定されることが確認され、体細胞を用いるCAR-T療法等の先端治療技術は規制対象外とし、その開発が進むよう仕掛けを講じるとの答弁がなされました。豊田真由子氏はスコア0.50の中立的立場を示し、生殖細胞系列規制を前提としつつも、体細胞研究が萎縮しないよう求める条件付きの要望を根拠として述べました。
そういったゲノム編集の技術自体が中止となる、あるいは消極的にならざるを得ないというようなことにならないように、適切に説明をしていただく必要があると思います。
本テーマでは、健康経営優良法人認定における片頭痛を含む女性の健康課題教育の位置づけと中小企業への普及状況が論点となりました。片頭痛の有病率が男性の3倍以上であることを理由に、同教育が評価対象とされている点が示されました。認定法人数は5年前の1万弱から本年度2万7千社に増加した一方、規模の小さい中小企業ほど女性従業員割合が高いにもかかわらず対応が進んでいない実態が指摘されました。発言者については、江澤正名氏が性差に基づく健康課題への対応と中小企業支援強化の方針を明言し賛成の立場を示しました。沼崎満子氏も、教育項目としての位置づけを前提としつつ、普及が不十分である点を指摘し、その促進を求める立場から賛成を示しました。両者とも中小企業への普及促進という方向性で一致していますが、具体的な結論や決定事項については示されていません。
再生医療等製品の薬価算定方式をめぐっては、初回投与で長期的な効果が続き機会損失も少ないという特性を薬価算定に反映すべきとの提案がなされました。浅野哲委員は、こうした長期効果やコスト構造を薬価に反映する方策を政府に求め、賛成的な立場を示しました。これに対し間隆一郎氏は、原価計算方式において製造・品質試験・流通費用を積み上げるとともに、効果の持続期間を踏まえた算定も一定程度行っていると答弁し、有用性加算により既存治療より効果発現が著しく長い価値は既に反映されているとしつつ、次期改革での継続検討にとどめる回答を行いました。あわせて費用対効果評価制度の見直しについても議論が開始されたことが示されました。結論として、令和8年度薬価制度改革骨子では、再生医療等製品を含む革新的新薬の評価方法について次期改革で引き続き検討するとされました。
国内のヒトゲノム編集胚関連研究の実施主体・目的について議論が行われました。現行指針の下でのヒト胚等研究は、大学・医療機関・民間企業において、ヒトの発生分化の解明や生殖補助医療の向上を目的として実施されていることが述べられました。また、現状の研究は疾患治療研究までには至っておらず、発生や生殖医療に関連する研究が中心であり、実施機関は比較的広範囲にわたることが示されました。発言者のスタンスに関するデータは示されていません。
本テーマでは、国産ゲノム編集技術に関する論点として、CRISPR-Cas9は米国が主要特許を保有する一方、国産技術のCRISPR-Cas3は臨床研究前段階まで実用化が進んでいることが挙げられました。また、国産遺伝子編集技術の研究開発をAMED等を通じて支援し、健康・医療・安全保障の観点からも重要と位置づけることが議論されました。海外では既にCRISPR-Cas9等が薬事承認されている一方、日本もAMEDを通じ国産ゲノム編集技術の遺伝子治療研究を支援していることが説明されました。発言者については、上野宏史氏が賛成の立場(スコア0.75)で、国際競争の厳しさを指摘し強化を示唆しました。栗原渉氏も賛成の立場(スコア0.90)で、国産技術基盤の保有を医療イノベーションと安全保障上極めて重要と明言し、支援方針を表明しました。
本テーマでは、新制度創設に伴う厚生労働省の業務量把握と人員配置の適正化について議論が行われました。政府側からは、所掌事務は組織令等で定め、人事課が各部局の業務量状況を把握し、定員要求や柔軟な人員配置で対応しているとの答弁がありました。また、小さな事務増加であっても文書として省内に記録が残るべきであるとして、法施行後の体制についてフォローアップを希望する意見が示されました。古川あおい氏は、業務量把握の具体策を質し、回答を曖昧と指摘するなど、制度の是非そのものではなく手続きの明確性を追及する立場でした。
ちょっとふわっとしたお答えだなという感じで、おっしゃるとおり、もちろん、明確に何か、例えば、こども庁ができたから厚労省のこの事務をこども庁に移しますみたいな大きなことがあれば、大規模な組織規則などの改正ということになると思いますけれども、こういった、今回の改正に伴う事務レベルのものというのがどこまでそういった文書で規定されているのかなというところにちょっと関心がございます。
生活保護における自動車保有原則禁止をめぐり、一人親家庭の8割が自動車を保有する一方、生活保護利用母子世帯の保有率は3割にとどまるとの調査結果や、福祉事務所で申請を諦めた理由の最多が「車保有ができないと説明されたため」との調査結果が示されました。また、都道府県別の自動車普及率と母子家庭生活保護利用率の決定係数が0.74であり、全世帯データの0.41より強い相関があることから、自動車保有原則禁止が公共交通機関に乏しい地域で水際作戦として作用しているのではないかとの指摘がなされました。辰巳孝太郎議員は自動車保有制限の撤廃と原則保有容認を明確に主張し、公共交通機関利用困難地域かつ一人親家庭では原則保有を認める方向への転換や、維持費負担への対応としての自動車関連加算の創設を求めました。これに対し大臣は水際作戦の趣旨に疑問を呈しつつ、通勤・通院等での例外的保有容認という従来の考え方を維持すると答弁しました。厚労省局長は都市部・地方の要因を踏まえるべきとし、独自分析では車保有率と保護率に高い相関はないと反論しました。議員は局長データの委員会提出を要求し、委員長は理事会協議とすることを表明しました。
私は、この自動車保有については、もう制限を撤廃するべきじゃないか、原則認めるべきじゃないかというふうに思います。
本テーマでは、生活保護における自立概念をめぐって議論が行われました。2004年報告書に基づき、自立は経済的自立のみならず日常生活自立・社会生活自立を含む概念であると説明され、車がなければ日常生活自立・社会生活自立が困難な地域があることが指摘されました。また、自立は制度利用がなくなることのみを意味しないとの整理も示されました。自動車保有をめぐっては、辰巳孝太郎氏が原則禁止の運用を水際作戦と批判し、原則容認への転換を主張したのに対し、上野賢一郎氏は維持費が生計を圧迫するとして原則不保有の立場を維持しました。鹿沼均氏は、自動車保有の用途限定なしの緩和について、保護の補足性原理や最低生活需要を超えない範囲という制度趣旨との関係で慎重な検討が必要と述べました。一方で、自動車保有を原則認めることが自立の助長、特に日常生活自立に資するとの主張も示されました。
生活保護世帯だったら自動車は要らないとか、やはりそういう劣等処遇の考え方を改めて、原則認めていく、一人親家庭は認めていく、困難な地域は認めていく、そういう方針に変えるべきだということを改めて提起して、私の質問を終わります。
その維持費が生計を圧迫することも踏まえ、原則として自動車の保有は認めていないところであります。
御指摘のように、用途等を限定せず自動車保有の取扱いを緩和することについては、生活保護制度の基本原理の一つである保護の補足性の原理ですとか、また、自動車の維持費は生計を圧迫する側面もあることから、最低生活の需要を超えない範囲で保護を行うという生活保護法の趣旨との関係、こういったことを踏まえ、慎重な検討が必要だというふうに考えております。
本テーマでは、片頭痛患者の多くが受診せずに市販鎮痛薬を漫然と使用し、薬物乱用頭痛のリスクが生じている実態が取り上げられ、薬剤師・登録販売者による受診勧奨の重要性が論点となりました。あわせて、薬剤師研修や登録販売者試験・研修プログラムに片頭痛・薬物乱用頭痛に関する内容を含め、適正使用を推進しているとの説明がありました。発言者としては、宮本直樹氏がスコア0.75で、薬剤師等の適正使用への働きかけを重要と評価し規制強化に前向きな立場を示し、沼崎満子氏もスコア0.75で、薬剤師等による受診勧奨の重要性を主張し規制強化に肯定的な立場を示しました。両者とも受診勧奨や適正使用推進の取り組みを重視する点で共通しており、明確な反対意見は示されませんでした。
ヒトゲノム編集胚等の取扱いの規制に関する法律案は、質疑終局後の採決で起立総員により原案通り可決され、六会派共同提案の附帯決議案も起立総員で可決されました。上野厚生労働大臣は附帯決議の趣旨を十分尊重し努力する旨を発言し、委員会報告書の作成は委員長に一任されました。
上記テーマに分類されなかった質疑応答です。
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