本委員会では、コーポレートガバナンス・コードおよびスチュワードシップ・コードの改定を通じた取締役会責任・開示や協働エンゲージメント、株主還元偏重から人的資本投資への対話転換について大島敦委員と片山さつき大臣の間で議論が行われました。また、ステーブルコインやトークン化預金等のオンチェーン金融実用化、ブロックチェーンを活用した決済・証券決済インフラの実装促進、国際金融センター実現に向けた金融・資産運用特区の取組が取り上げられました。財政面では、プライマリーバランス目標から債務残高対GDP比目標への移行検討、投資的経費の複数年度別枠管理、独立財政機関創設の是非、後年度影響試算の税収弾性値の妥当性が論点となりました。中東情勢緊迫化を踏まえた原油価格変動、デリバティブ市場整備、円安と為替介入、日銀の金融政策運営についても、伊佐進一委員、近藤雅彦委員、萩原佳委員らが質疑を行いました。このほか、食料品消費税ゼロ税率化の実務課題、地方銀行の不動産融資急増、地方財政法による地方債発行制限、防衛特別法人税導入の影響なども議論されました。
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プライマリーバランス目標から債務残高対GDP比目標への移行検討
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本テーマでは、四月三日のコーポレートガバナンス・コード改定案に適正な価格転嫁が盛り込まれたことを踏まえ、取締役会責任・開示・通報窓口の三点をコンプライ・オア・エクスプレーン対象とすべきとの提案がなされました。大島敦委員は、二〇二六年一月一日施行の改正下請法(中小受託取引適正化法)と労務費転嫁指針を踏まえ、コード改定は上場企業の経営・開示・投資家対話の回路を価格転嫁に乗せる役割を持つと整理し、取締役会責任・開示・コンプライオアエクスプレーン化を明確に求める立場を示しました。
単なる理念で終わらせず、取締役会の責任として明確にし、会社の開示項目にも入れて、コンプライ・オア・エクスプレーンの対象にして、実際に動く仕組みにするべきだと考えております。
スチュワードシップ・コードの策定経緯については、井上参考人が、二〇一三年の日本再興戦略を受けて二〇一四年に策定されたものであり、英国のコードも参考にしたと説明しました。機関投資家の行動変容の評価に関しては、片山大臣が、コードへの対応が形式的であるとの指摘や、投資家間で取組の質に差があるとの認識を示し、実質化が重要であると答弁しました。
本テーマでは、大島敦委員が、対話の焦点を株主還元偏重から人的資本投資としての賃上げへ転換すべきと提起しました。これに対し片山さつき大臣は、スチュワードシップ・コードは賃上げを直接の目的とするものではないが、企業の資源配分戦略を成長志向型に変容させるものであるとし、対話の実施状況をフォローアップする方針を答弁しました。両者とも当該提起について賛成の立場を示しています。
本テーマでは、スチュワードシップ・コード第三次改定の柱である協働エンゲージメントの位置づけについて議論されました。大島敦委員は、協働エンゲージメントの趣旨について質問しました。これに対し片山さつき大臣は、協働エンゲージメントはリソースを補いコスト削減につながる取組であり、対話手段の重要な選択肢として明記したと説明しました。
本テーマでは、片山大臣が昨年十一月に決済高度化プロジェクト(PIP)を設置し、実証実験を法令解釈面から支援する仕組みについて説明しました。PIPでは、三メガバンクによるステーブルコインの共同発行・クロスボーダー決済、証券決済の高度化、トークン化預金移転に係る銀行間決済の円滑化という三件の取組みが支援対象として決定されたことが述べられました。片山さつき氏はスコア0.75(賛成寄り)とされ、決済高度化の実証実験を法令解釈面で後押しする姿勢を明言しており、これらの取組みを推進する立場が示されました。
こういった支援の枠組みを活用して、我が国において決済の高度化、効率化、それから、やはり重要なことは、利用者利便の向上と、それが経済の発展に資するということですから、それにつながるような前向きな金融機関の取組は、このように実務的にしっかりと後押しをさせていただいております。
本テーマでは、中川委員がオンチェーン金融の国際標準化に向けて、規制当局に求められる安全性とイノベーションのバランス、及び国際交渉における大臣のリーダーシップについて質問しました。これに対し片山大臣は、暗号資産・ステーブルコインの規制について日本が世界に先駆けて早期に導入し、その後も見直しを継続してきたことを説明した上で、G7、G20、FSB等の場において国際的な規制枠組みの整備に貢献していく方針を答弁しました。片山大臣の答弁は国際的な規制枠組み構築への率先した貢献を明言するものであり、前向きな関与姿勢が示されました。
国際的な一貫した規制、監督の適切な枠組みができるように貢献をしていって、オンチェーン金融の円滑な普及や金融システムの安定の両方の観点から、この重要な、今大きな動きですね、に率先して貢献をしてまいりたい、このように考えております。
本テーマでは、スルガ銀行不正融資事案を踏まえた投資被害者救済における制度的課題が議論されました。片山さつき大臣は、参議院財政金融委員会での答弁を引用しつつ、金融商品取引における情報の非対称性を踏まえた買手保護の考え方はあり得るとしながらも、法体系の大がかりな見直しは複雑多岐にわたる検討を要するとの認識を示しました。その上で、まずは事件の原因究明と既存制度の適切な運用から取り組むべきとの考えを示し、大規模な法体系見直しには消極的な立場を取りました。田中健議員は、制度的課題の存在を指摘するにとどまり、賛否について明確な立場は示していません。議論を通じて、明確な結論や決定事項は示されませんでした。
プライマリーバランス目標から債務残高対GDP比目標への移行検討について、岩田和親副大臣は、骨太方針2025において国・地方のPB黒字化と債務残高対GDP比の安定的引下げを目標とすると説明し、高市内閣は成長率の範囲内に債務残高の伸びを抑え対GDP比を安定的に引き下げることで財政の持続可能性とマーケット信認を確保する方針であるとしました。また、単年度ごとのPB黒字化目標達成状況の確認を、数年単位でバランスを見る方向に見直すことを検討していると答弁しています。片山さつき氏は、債務残高対GDP比を見ることに肯定的な有識者評価を紹介しました。峰島侑也氏は成長投資による積極財政への賛成を表明しましたが、移行検討自体への言及はありませんでした。なお、令和8年度予算はプライマリーバランス黒字化・予算規模過去最大となったことが報道される一方、実質増額は乏しいとの指摘がありました。
本テーマでは、ブロックチェーンを活用した決済・証券決済インフラの実装促進について議論されました。片山大臣は、ブロックチェーンがクロスボーダー送金の迅速化・低コスト化や証券決済の効率化に活用できるとの認識を示すとともに、地域通貨的な仕組みとして特定商店街での消費喚起にブロックチェーン技術が既に国内で活用され始めていると説明しました。スタンスについては、片山さつき氏が決済高度化やコスト低下を経済にプラスと評価し促進姿勢を示しました。田中健氏も大臣の肯定的発言を引用し実装促進への期待を示しましたが、その根拠は当該発言1件にとどまるものでした。両者とも実装促進に対して賛成の立場を示している一方、反対や慎重な立場を示す発言は確認されませんでした。明確な結論や決定事項についての言及はありませんでした。
本テーマでは、ワンマン経営企業における不祥事事案とスチュワードシップ・コードの牽制機能について議論されました。大島敦氏は、ニデックのワンマン社長による不祥事事案を挙げ、スチュワードシップ・コードが機能しなかったのではないかと質問し、内部統制が弱い企業への機関投資家によるエンゲージメントによる牽制を肯定的に述べました。これに対し片山さつき大臣は、個別事案の原因については答弁を差し控えつつ、機関投資家にとって投資先企業の状況把握とガバナンス把握が重要であるとの一般論を答弁し、企業価値毀損の早期把握と改善の重要性を認めましたが、具体的な言及は限定的でした。
本テーマでは、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の変動と金融市場への影響が議論されました。伊佐委員は、二月末のイラン攻撃開始以降に三十年債金利が上昇していると指摘し、金融市場への影響について質問しました。近藤雅彦委員は、中東情勢緊迫化による原油価格の不安定な動きを踏まえ、信頼される価格指標とヘッジ手段の整備が経済安全保障上重要であると指摘し、標準的な仕様の金融商品・上場商品を国内に設け、国民に原油価格の実態を分かりやすく示すべきと提案しました。近藤委員は、ベンチマークとヘッジ手段整備の重要性を強調し、デリバティブ市場育成を主張する立場を示しました。
すなわち、信頼される価格指標、いわゆるベンチマークと、それに基づいてリスクを適切にコントロールするためのヘッジ手段が十分に整備されているかどうかが、企業活動、ひいては我が国経済の安定性を大きく左右するものと考えております。
中東情勢の緊迫化に伴う原油価格変動への対応をめぐり、片山さつき大臣は三月十九日から激変緩和措置を実施し、三月二十四日には前年度予備費約八千億円を措置して基金一兆円超を確保したと説明しました。また、令和八年度予算の予備費一兆円を活用可能であるとし、現時点で補正予算編成が必要な状況ではないと答弁しており、補正予算は不要としつつ予備費で臨機応変に対応する姿勢を示しました。一方、近藤雅彦氏からは予備費・補正予算への直接の言及はなく、市場整備と価格形成の透明性に関する要求が示されました。
現時点で補正予算の編成が必要な状況とは考えておりませんが、引き続き、中東情勢が経済に与える影響を十分に注視しつつ、状況に応じて必要な対応を図ってまいりたいし、そのようにきっちり、臨機応変で、漏れなく対応してまいりたいと思っております。
どうにかして一定の標準的な仕様の金融商品、上場商品等を国内に設けていくような、そのような形で、これは市場参加者だけではなくて、国民の皆さんに対しても、足下の原油の状況、価格の状況は真にどういう状況なのかというのを広く知っていただく意味でも、こういったところに検討を是非進めていただければ、合理的な価格形成に向けてそうした不断の検討をお願いしたい
中東情勢の緊迫化を踏まえた企業の価格変動リスクヘッジ手段の活用状況について議論が行われました。論点としては、原油価格変動への対応、為替リスクへの対応、そして今後のヘッジ手段の検討の3点が挙げられました。原油価格については、その変動が週次で卸価格に反映される仕組みであるため、原油価格自体を対象としたヘッジ取引は一般的ではないとの認識が示されました。一方で、為替変動リスクを抑えるための為替ヘッジ取引や、石油製品と原油との価格差に関する先物取引が行われている事例が示されました。これらを踏まえ、中東情勢を踏まえて今後どのようなヘッジ手段の活用が必要かを検討していく方針が示されました。なお、本論点に関する発言者のスタンス(賛否)データは示されていません。
本テーマでは、中東情勢緊迫化が長期化し景気減速と物価上昇が併存する場合の日銀の金融政策運営の在り方が議論されました。日銀からは、そうした状況においては物価安定目標達成の観点から最も適切な対応を選択するとの方針が示されるとともに、中東情勢の影響を含め利用可能なデータを踏まえ、毎回の決定会合で適切に政策判断を行うとの答弁がなされました。発言者個別のスタンス(賛否)に関するデータは示されていません。
このテーマでの明確なスタンス表明はありませんでした
令和8年度公共事業費は令和7年度の6兆858億円から6兆1078億円へと0.38%の増加にとどまり、物価上昇を吸収できていないとの指摘がなされました。牧野俊一氏は、物価上昇により予算が実質的に目減りすると指摘し、補正予算の必要性を示唆しました。これに対し大臣は、これまで効率化要求を続けてきた一方、単価上昇に対応するため国土強靱化関連で重点化を図ったと説明し、燃料費予算1兆円超と予備費が確保されていることから、現時点で補正予算を検討する状況にはないと答弁しました。あわせて、令和9年度予算については概算要求段階から当初予算化を本格的に目指す方針が示されました。
こうすると、現状の物価の上昇は全く吸収できない。したがって、同じ令和八年度予算規模では、令和七年度よりもできることは減ってしまうことはほぼ間違いないというふうに考えますが
本テーマでは、債務残高対GDP比の中長期目標を市場とどのように対話すべきかが論じられました。片山大臣は、中長期の財政目標の存在自体が市場の信認につながるとするブランシャール博士らの指摘を紹介し、債務残高の絶対値よりも予見可能性・計画性・信頼性が市場との対話において重要と述べました。またEUの財政基準超過国も計画を示し対話を続けている例を挙げ、なだらかな引下げ計画の提示が国際的潮流であると説明しました。内閣府中長期試算の成長移行ケースでは債務残高対GDP比が今後安定的に引き下がる見通しであるとも述べ、総理が毎年度の数値目標に必ずしも拘泥しないと発言していることも紹介しました。峰島侑也氏は、単年度でのコミットが成長投資の制約になり得るとして、3~5年等の中長期時間軸を明示すべきと提案し、骨太方針の記載検討時期であることから市場への期待値設定として重要と指摘しました。峰島氏、片山大臣ともに中長期時間軸の明示に肯定的な立場を示しました。
本テーマでは、円安の現状認識と為替介入・国力に基づく構造改革の必要性が議論されました。片山大臣は為替水準への具体的コメントを差し控えつつ、中東情勢緊迫化以降、為替市場でも投機的な動きが高まっているとの認識を示しました。萩原佳委員は、円安は過去30年の構造改革の遅れの表れであるとし、為替介入はびほう策にすぎず、強い経済の再構築が必要であると主張しました。スタンスデータでは、伊佐進一委員は財政規律の重要性を指摘するにとどまり、介入や構造改革への賛否は不明とされています。萩原佳委員については、為替介入を否定し構造改革を主張した一方、円安自体への賛否は不明瞭とされています。
本テーマに関しては、協同組織金融機関が資本金等を減少し、一般優先出資を消却できる制度を創設することが法案趣旨説明で提示されました。発言者のスタンスデータは示されていません。
このテーマでの明確なスタンス表明はありませんでした
合併・経営統合に係る資金交付制度について、片山大臣は地域金融機関の合併・経営統合は個々の経営判断であり数値目標は設定していないとしつつ、金融機能強化法に基づく資金交付制度は七件の活用実績があるとして支援する姿勢を説明しました。また、合併・経営統合を行う金融機関への資金交付制度の申請期限延長と、共同システム開発への交付制度創設が提案されました。片山さつき氏はスコア0.75と、再編を選択肢として歓迎し支援制度の活用実績を肯定的に紹介する立場を示しました。
まとまれば、選択肢の一つとして歓迎もいたしますし、支援もいたしますし。金融機能強化法の資金交付制度というのはこれまで七件の活用実績が実際あるわけですから。
本議論では、国債純利払い費(対GDP比)を財政状況の対外発信に用いることの是非が論点となりました。令和8年度の利払い費は約13兆円で過去最大となる見込みであり、10年物金利は足下2.3~2.4%で高すぎる水準ではないとの認識が示されました。牧野俊一氏は、日銀・政府保有外国債の利子収入を差し引いた純利払い費(対GDP比)で見ると日本はG7の中でも低水準であるとの資料を踏まえ、この指標による対話を提案し、財務大臣に見解を求める推進的な立場を示しました。これに対し大臣は、OECD定義の純利払い費(支払利子マイナス受取利子)指標の存在を認めつつ、金利上昇時には受取利子増を上回る支払利子増もあり得るため、純額のみで判断すべきではないと留保しました。片山さつき氏は、多面的指標の意義を認めつつ、ネット偏重に留意を求める条件付きの態度を示しました。また、諮問会議に招いたIMF元首席エコノミスト2名が、金利上昇に備えたリスク管理の重要性を指摘したことが紹介されました。
国際金融センターの実現に向けた取組について、2020年12月の総合経済対策で世界に開かれた国際金融センターの実現が掲げられてから5年が経過したことを踏まえ、これまでの取組の総括が確認されました。具体的な施策として、海外金融事業者向けに英語によるワンストップ支援窓口が新設され、5年累計で参入事業者が50を超えたことが示されました。また2024年6月には札幌・東京・大阪・福岡の4地域が金融・資産運用特区に指定され、規制改革等が推進されており、福岡ではベンチャーファンド投資促進の規制改革が実現したことが挙げられました。これらの取組について、近藤雅彦氏はコロナ禍による停滞があったとしつつも成果を評価し、取組の推進を求める賛成寄りの立場を示しました。
その中で着実に成果も上げられていると今お聞きしましたので、是非、いま一度、仕切り直しかと思いますけれども、この取組を推進していただきたいと思います。
本テーマでは、片山大臣が、昨年末に策定された地域金融力強化プランに基づき監督指針を改正し、デジタル化支援業務を監督上の着眼点に位置づけたことを説明しました。あわせて、地域のトークン化預金や地域デジタル通貨の取組についても支援していく考えを表明しました。片山さつき氏は、監督指針改正により金融DXを推進し取組を促すとの姿勢を示しており、賛成の立場が確認されました。
地域の金融DXの推進については、このプランを踏まえて、監督指針を改正して、デジタル化支援業務を金融機関が提案するソリューションの一つとして監督上の着眼点に位置づけたところであり、更なる地域金融機関による取組を促してまいります。
本テーマでは、地方税減税に伴う建設地方債許可制度について議論が行われました。平成18年度以降、標準税率未満での地方債許可を得た自治体は当初5団体あったものの、現在は名古屋市1団体のみとなっている状況が示されました。河村たかし委員は、平成12年の地方分権一括法により減税を可能にした制度改革の意義を評価する一方で、実施自治体が少ないことを問題視し、反省すべき点があるとの立場を示しました。これに対し総務省参考人は、各自治体が財政状況等を踏まえて判断した結果であり、反省すべき事項ではないとの見解を示しました。また、許可制度上、減税に伴う財源は当該年度の新規の行政改革により賄う必要があると整理されている旨の答弁がありました。
だけれども、やっておる、続けておるのが名古屋市だけだったと。
本テーマでは、財政法四条及び地方財政法五条による地方債発行制限のあり方が論点となりました。河村たかし委員は、同規定により国・地方が税金のみで運営を強いられ、民間資金の活用が制限されていると批判し、同規定を廃止して地元金融機関の資金を地域投資に活用する仕組みが必要であると主張しました。河村委員のスタンスは、地方財政法五条の廃止と民間資金活用を明確に求めるものであり、賛否スコアでは廃止・見直しに積極的な立場として示されています。提示された資料の範囲では、他の発言者による賛否の表明は確認されず、明確な結論・決定事項も示されていません。
千七百自治体があるんだから、その自治体がみんないろいろな工夫をして、財政法四条、地財法五条も廃止して、地元の金融機関に金は余っているんだから、そこで投資をしていくという仕組みを早くつくらないと、産業が全然育たぬよ。
地方銀行の不動産業向け融資残高は2025年9月末で45兆円超と、前年比6.6%増、5年前比32.3%増の急増を示しています。金融庁は2026年2月の地銀首脳との意見交換で、不動産向け融資割合の上限を設けていない、あるいはストレステストが不十分な金融機関に警告を行いました。あわせて、金融庁分析(FSAアナリティカルノーツ)により地域銀行の営業基盤外(越境)貸出しの実態を分析し、モニタリングに活用していることが示されています。片山さつき大臣は、不動産業向け貸出の増加時には限度額管理やストレステスト実施など適切なリスク管理が必要との認識を示し、かつての住専のような乱脈融資は見られないものの、金利上昇・地価下落・空室率上昇が重なればリスクが顕在化するおそれがあるとしました。その上で、今回の警告は総量規制ではなく、リスク管理体制の高度化を求めるモニタリングであると確認しています。田中健氏は不動産融資偏重とリスク管理不備を問題視し批判的な立場を示しました。
本テーマでは、大阪取引所における通貨先物市場の開設が議論されました。4月13日に同市場が開設される予定であり、機関投資家や事業会社にとって新たなヘッジ手段となる点に意義があるとの評価が示されました。また、日経225先物への海外投資家参加に関して、為替ヘッジ手段としての活用が市場関係者から期待されているとの紹介もありました。発言者については、岩田和親氏がスコア0.75で、通貨先物上場が金融資本市場の機能強化に意義があるとして肯定的な立場を示しました。近藤雅彦氏はスコア0.90で、通貨先物市場開設に大いに期待すると明言し、同様に肯定的な立場を示しました。両者とも反対の立場は示されておらず、議論全体として通貨先物市場開設への肯定的な評価が示されました。
本テーマでは、後年度影響試算における税収弾性値の算定期間と水準の妥当性が議論されました。令和8年度後年度影響試算では、昭和51年以降の長期平均である1.2が税収弾性値として採用されています。これに対し、直近10年間(平成27~令和6年度)の幾何平均が1.7、バブル崩壊前の安定成長期(昭和51~平成2年度)が1.3であるとの試算結果が示され、採用値との差異が論点となりました。財務省は、経済ショック時の振れをならす目的で長期間の計数を参照していると説明しました。一方、直近数年は税収上振れが続いているとして、より現実に即した値の採用を求める意見が出され、牧野俊一氏は実績より低い弾性値を上振れ実態に即して引き上げるべきと主張しました。
実際の、特にここ数年においてはやはり上振れが生じているわけですから、計算に当たって、もう少し現実に即した値を取っていただいた方がいいのかなというふうに思っています。
投資的経費に係る予算の複数年度別枠管理及び収支バランスについて議論されました。片山大臣は、投資を複数年度かけて別枠管理することについて有識者から肯定的評価を得たと紹介しました。高市政権は、危機管理投資・成長投資等を多年度で別枠管理する仕組みを導入し、当初予算で計画的に計上する方針を示しました。既に、GX経済移行債による10年間の先行投資支援や、AI・半導体基盤強化フレームによる7年間の公的支援など、複数年度予算措置の実例があることが示されました。また、経済安全保障上重要な造船・量子・重要鉱物等について、新たな財源枠組みを令和9年度予算からの導入を目指して検討中であることが述べられました。牧野俊一氏は、複数年度収支バランス方針を高く評価する発言で一貫していました。
こういったことは今後の日本経済をしっかりと支えていくために重要なことだと思いますので、非常に評価しているところではあるんですけれども
日本のデリバティブ市場の国際的地位をめぐり、大臣からデリバティブ取引にはリスクヘッジ・効率的取引・価格発見機能向上の意義があるとの説明がなされました。日経225先物など国際的指標性を持つ商品は存在するものの、日本のデリバティブ市場全体としては世界的に主要とは言えない状況にあることが示されました。これを踏まえ、JPXの新商品上場・祝日取引開始やTOCOMのJPX経営統合による総合取引所化を歓迎し、機能強化に取り組む方針が表明されました。発言者のスタンスとしては、片山さつき氏が流動性の高いデリバティブ市場の重要性を肯定的に述べ、近藤雅彦氏も国際指標性のあるデリバティブ商品育成の重要性を主張しており、いずれも賛成の立場が示されています。
潜在GDP推計における平均概念採用の是非について議論が行われました。潜在GDPを過去トレンドの平均的水準で計算する平均概念の採用により、デフレギャップが過小評価され、インフレギャップが過大評価される懸念が指摘されました。牧野俊一氏は、平均概念採用がデフレギャップの過小評価につながると懸念を示し、その採用理由を疑問視する立場を取りました。これに対し内閣府は、潜在GDPを景気循環をならした平均的供給力と定義しており、この定義はIMFやOECD等の国際機関や各国中央銀行と同様のものであると説明しました。
結果的に、デフレギャップというものを過小に、一方でインフレギャップを過大に評価してしまうということになりかねないと思っていますけれども、なぜ内閣府としてはこの平均概念というものを採用しているんでしょうか。
現下の経済情勢がスタグフレーションに該当するか否かについて、政府・日銀と委員との間で認識の相違が示されました。氷見野良三副総裁は、明確な定義はないとしつつ、中東情勢の緊迫化が長期化すれば景気減速と物価上昇の力が働き得る状況にあると述べ、現状はスタグフレーションではないとの立場を示しました。日銀としても、足下の物価上昇率は目標に近く、成長率も潜在成長率をやや上回る水準であり、スタグフレーションとは認識していないと答弁しました。これに対し伊佐進一委員は、景気ウォッチャー調査や消費動向調査の悪化と物価上昇が併存していることから、現状はスタグフレーションであるとの見解を示しました。さらに伊佐委員は、政府・日銀が状況の定義づけに慎重であることにより対応が遅れる、いわゆる「ビハインド・ザ・カーブ」のおそれを指摘しました。
本テーマでは、石油価格の国際指標と我が国の原油調達価格形成が議論されました。WTIは北米、ブレントは欧州、ドバイ原油はアジアの国際指標であり、日本の原油輸入はドバイ原油を活用していることが示されました。また、サウジ原油価格はドバイ・オマーン原油のスポット月間平均に調整金を加減して設定される仕組みであることが説明されました。この点に関し、中東産原油は自由市場での取引量が少なく、価格形成の透明性・流動性に課題があるとの指摘があり、近藤雅彦氏はこの課題を懸念する立場(スコア0.25)を示しました。さらに、ガソリン補助金の指標がドバイ原油から北海ブレント原油基準に変更されたとの報道が紹介されました。
価格形成の透明性や流動性の面で課題がこれまでも指摘されてきたところかと存じます。
独立財政機関の創設をめぐっては、租税特別措置・補助金見直し担当室の実効性への懸念から、独立した第三者機関の必要性が提起されました。事例として、政府から独立した立場で財政見通しや政策コスト評価を公表する英国OBR(予算責任局)の仕組みが紹介されたほか、経済財政諮問会議ではブランシャール氏が独立財政機関による財政見通し提示の必要性を提言したことが紹介されました。一方で、米国CBOや英国OBRについても中立性に課題があるとの指摘がなされ、現時点では経済財政諮問会議における学識経験者参画の体制を維持する方針が示されました。発言者では、中谷真一氏が客観性の重要性を認めつつも現行の諮問会議体制の継続を支持し、新機関創設には消極的な立場を示しました。他方、峰島侑也氏は既存の監視機能の不十分さを指摘し、新たな客観的仕組みの必要性を示唆しました。
本テーマでは、政府資産(有価証券・貸付金)も金利上昇により収益が増えるため財政負担と相殺され「行って来い」になるとの言説について検証が行われました。伊佐進一委員はこの言説の妥当性を問い、政府参考人(緒方氏)は、外為特会が外貨証券を保有する一方で負債側に政府短期証券を保有する構造上、金利1%上昇時の収益影響を一概に計算することは困難であると答弁しました。また、財政融資の貸付金利は国債利回りを基準に収支相償うよう設定されており、金利上昇分は調達金利にも反映されるため収益は増えないとの答弁がありました。これを受け伊佐委員は、貸付金・有価証券とも負債側の調達コストと連動しており、資産の増収によって財政圧迫が相殺されるものではないと指摘し、運用寄託金や有形固定資産は収益化されないことから資産・負債のバランスは負債超過であり、金利上昇は財政を圧迫する要因になると結論づけました。あわせて日銀のバランスシートや日銀納付金の扱いについても指摘があり、後年度影響試算における利払い費と日銀納付金の別建て試算については、組替えの予定はないとの答弁がありました。
むしろ、資産と負債のバランスを見ると圧倒的に負債の方が多いので、やはり財政を圧迫する要因になる。
本テーマでは、防衛特別法人税の導入に伴う法人実効税率の上昇が論点となりました。実効税率は29.74%から30.64%に上昇し、G7で最も高い水準になる見込みであると指摘されました。萩原佳委員は、法人税率の安易な引上げは国際競争力上マイナスであるとして反対の立場を示し、実効税率の高さを根拠としました。これに対し政府参考人は、外資系企業の進出は税制以外の要因が大きく影響し、ビジネスコストの影響は必ずしも明らかでないと答弁したほか、法人税額500万円まで付加税は課されず全法人の94%が対象外となる旨を説明しました。
私個人の考え方としては、今の税率、G7で最も高いというのは、国際競争力の上ではマイナスになっていると思っておりますので、是非、安易に法人税を上げるというような手法は取るべきじゃないということをお願いして
食品消費税ゼロ%の導入をめぐり、新聞に適用されている軽減税率の在り方が議論されました。萩原佳委員は、消費税がゼロ・八・一〇%の3種類となることで新聞の8%軽減税率が際立って見えることを懸念し、また新聞発行部数の減少が続いていることや大手新聞社の誤報事案を挙げて軽減税率適用の根拠に疑義を提起しました。さらに、税率が3種類になることで消費税の申告・経理事務が複雑化するとの実務上の懸念も示し、軽減税率見直しの説明責任を主張しました。これに対し片山さつき大臣は、新聞の軽減税率の見直しは食品消費税ゼロの検討対象には含まれていないとし、直ちに見直す考えはないと答弁しました。
本テーマでは、食料品消費税率を2年間限定でゼロ化する政府の検討方針が示され、詳細や軽減税率制度の扱いについては社会保障国民会議で引き続き議論するとされました。同会議の実務者会議では小売・経済団体等へのヒアリングが実施されており、夏前をめどに中間取りまとめを行う予定です。議論では、値札の貼替えなど実務上の負担、2年間の時限措置後の再変更、価格転嫁の困難さ、消費税還付業務の負荷や資金繰り悪化といった課題が指摘されました。峰島侑也はこれらの実務課題を指摘し減税に懐疑的な立場を示しつつ、物価高対策自体は支持し代替策を模索する姿勢を示しました。一方、片山さつきは課題の指摘にとどまらず実現方策の検討を前向きに促す発言を行いました。大臣は、自民党税調会長が実務者会議議長として課題克服に向けた具体的対応の方向性を検討する方針であると説明し、「できない理由をあげつらうのではなく」前向きな検討の進展を期待する考えを示しました。
本テーマでは、伊佐進一委員が、十月の自民党総裁選、十一月の補正予算議論、一月の解散総選挙・消費税減税公約という各時点において、三十年債金利が上昇したことを指摘しました。伊佐委員のこの発言は、金利上昇の傾向を事実として示すものであり、関連する政策への賛否は明確には示されていません。
高市総理になられて、全体的にやはりトレンドとしては金利がどんどん上昇傾向にある。
上記テーマに分類されなかった質疑応答です。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。
○武村委員長 これにて概要の説明は終わりました。 ――――◇―――――