本委員会は健康保険法等改正案の審査にあたり、城守国斗・安藤道人・桜井なおみの三参考人から意見聴取を行いました。主な論点は、高額療養費制度の自己負担上限見直しと保険者間格差、70歳未満における合算基準(二万一千円の壁)、OTC類似薬の自己負担引上げが障害者・低所得者に与える影響、出産の保険適用化と地域産科・助産所への影響、医師の働き方改革と医師偏在、医療機関の経営悪化と診療報酬改定、破滅的医療支出の実態調査の必要性など多岐にわたりました。安藤道人参考人は国際比較や試算に基づき制度見直しの財政効果の限定性や格差拡大への懸念を示し、桜井なおみ参考人はがん患者・難病患者の就労と生活への影響を訴え、城守国斗参考人は国民皆保険の理念堅持と財源確保の必要性を主張しました。石田議員・芳賀氏・小西氏・天畠大輔議員・白川議員・宮出氏・川村氏らも各論点について質問や見解を述べました。
この概要はAIによる自動生成です。解釈の違いや誤りが含まれる場合があります。
全27テーマ ・ 紐づく質疑42件
高額療養費制度の自己負担上限見直し(月額上限引上げの是非)
本改正で影響を被る現役世代の負担軽減策を是非講じていただきたいと思います。
本テーマでは、OTC類似薬の自己負担引上げに伴う影響と、公費負担医療の対象範囲の線引きが論点となりました。城守国斗参考人は、自己負担一割の方が影響を受けやすい点に留意すべきと指摘し、子供・がん患者・難病患者・低所得者・入院患者・医師が長期使用を必要と判断する患者等への配慮を改めて要望しました。また、医療保険部会において保険適用除外案に医療者として反対し、結果的に一部自己負担化に落ち着いた経緯を説明した上で、配慮すべき対象者の選定については今後別の会議体で議論される予定であると述べました。天畠大輔議員は、自治体独自の障害者医療費助成対象者への特別料金免除の方向性が曖昧なまま検討が先送りされている問題を指摘しました。安藤参考人は、医療保険財政の議論が自己負担引上げに偏りがちで、負担の重い人にしわ寄せが生じる構造的問題を指摘しました。城守参考人・天畠議員はいずれも自己負担引上げに否定的な立場を示しました。
本テーマでは、がん患者の治療と就労の両立支援について議論されました。宮出氏は、桜井参考人に対し両立支援に必要な社会保障制度や企業側の変化について質問しました。これに対し桜井参考人は、2011年の調査でがん患者の労働損失と離職により年間1兆1424億円が失われていたことを説明し、就労支援への投資の重要性を強調しました。また、就労が困難でありながら障害者手帳では評価されにくい患者に向けて、準障害者制度の活用と自治体による雇用促進の取組を紹介しました。桜井参考人のスタンスは、就労支援への投資と準障害者制度の活用による雇用促進を積極的に主張するものでした。
ですので、やはりこの予算のことを、この失われているお金のことを考えても、やっぱり就労支援に対してしっかり投資をしていくということは非常に重要なことだと思っています
健康保険法第百十五条修正案をめぐり、高額療養費の位置付けの明記が議論されました。桜井なおみ参考人は、生存権の観点から破滅的医療支出を回避する対策を国が講じる旨を同条第二項に明記すべきと述べ、高額療養費が国民の生命・生活を守る中核的役割を果たすとの現状認識やエビデンスに基づく調査、社会合意形成の条文明記を強く要望し、附帯決議への記載では弱く附則か条文に織り込むべきと重ねて表明しました。小西氏は公明党と共に、同修正案において高額療養費を国民皆保険の中核と位置付け、実態調査を求める意向を説明しました。安藤道人参考人は、法改正の是非は専門外としつつも、高額療養費の役割を見詰め直し数字に基づき議論することの重要性には同意しました。
本テーマでは、出産の保険適用化(現物給付化)が地域の産科・助産所に与える影響について議論が行われました。城守国斗参考人は、出産の保険化という理解は誤解であり、正しくは標準的出産費用の自己負担無償化と周産期医療体制確保の両立を図るものであると説明しました。その上で、標準的分娩は分娩費として現物給付的に行い、保険診療分は出産一時金を支給する制度の方向性を示し、具体的な金額は今年秋以降の議論に委ねられると述べました。城守参考人は、現行の自由診療に基づく施設ごとのコスト構造が、保険の点数設定次第では運営困難になる懸念を示しました。新実氏はセミオープン方式や熊本のくまもとメディカルネットワークによる産科情報共有の取組について評価を質問し、城守参考人は地域の実情に応じたセミオープン方式は問題ないが一律金額設定がないと分娩施設存続は厳しいと説明し、熊本の事例についても検証を行っていくと回答しました。白川議員は、現場の産科医・助産所が制度の具体的内容をほぼ把握していない実態を指摘しました。
そういう意味ではなかなか、それで一律にするとしても、一定の金額を設定しないと分娩施設の存続は厳しいんじゃないかなというふうに思います。
本テーマでは、出産費用の自己負担無償化と周産期医療提供体制の確保を両立させる方策が議論されました。城守国斗参考人(賛成、スコア0.60)は、無償化を前提としつつ、赤字産科医療機関が地域から撤退することで出産環境自体が失われる懸念を主張し続けてきたと説明し、財源確保と医療体制維持への配慮を示しました。検討会の取りまとめでは、出産費用無償化と周産期医療提供体制の確保、産科医療機関の存続を両立させる方針が明記されたことが同参考人により紹介されました。また、高市総理と松本日本医師会長との会談において、出産費用無償化に当たる国の対応を強く要請したことも説明されました。あわせて、法施行後の給付水準を確保するための十分な財源確保と、新旧制度併存に伴う混乱を防ぐための周知の必要性が要望として示されました。
十分な財源を確保していただくようお願いをいたします。
医師の働き方改革が地方への医師派遣・医師偏在に与える影響について議論が行われました。宮出氏は、医師の働き方改革により地方への医師派遣が止まる事態が起きていないかを城守参考人に質問しました。これに対し城守参考人は、昨年秋に実施されたアンケート調査では働き方改革による医師引揚げの大きな影響は確認されなかったと説明し、医師不足の要因としては医師偏在が挙げられるとしました。城守参考人のスタンスとしては、働き方改革の直接的な影響は限定的であり、医師偏在を医師不足の主因とする立場が示されましたが、働き方改革自体への賛否については明確にされていません。
ただし、この医師偏在ですね、医師偏在の影響でその医師不足が起こっているという答えも多かったものですから、それが複合的に恐らく地域医療構想と相まって、その問題を惹起しているのではないかなというふうには考えてございます。
本テーマでは、医療の質・持続可能性を支える財源としての税・保険料・自己負担の配分が議論されました。城守国斗参考人は、国民医療費の財源は税・保険料・自己負担の三つのみであるとした上で、患者自己負担のみを引き上げるべきではなく低所得者への配慮が不可欠と主張し、デフレ下で医療技術評価がなされず医療機関の持ち出しが生じ経営悪化を招いたとして、財源は税しかないと述べました(賛否スコア0.50、条件付きで負担配分の均衡を求める立場)。安藤道人参考人は、高額レセプトの増加は医療財政全体では規模が小さく、今回の見直しと直結しないとしてナラティブと数字の乖離を指摘しました(賛否スコア0.25、自己負担偏重の政策構造を批判)。桜井参考人は、病院が消費税を患者から徴収できず費用が積み上がっている実態を挙げ、高額療養費のみでの対応には限界があり、より大きな議論が必要と指摘しました。石田議員は、医療機関の維持・質向上のための負担と給付のバランスについて三参考人に質問し、各論の賛否にとどまらず社会保障全体を見た大きな議論の必要性を今後の活動に生かすと述べました。
本テーマでは、医療機関の経営悪化への対応として診療報酬改定のあり方が議論されました。石田議員は、医療機関における人件費・食費・材料費・施設更新費の高騰と処遇改善の急務を指摘し、六月改定が三十年ぶりのプラス改定であったにもかかわらず、現場では不十分であるとの不安があると述べました。城守国斗参考人は、デフレ下では医療費の増加を高齢化による伸びの範囲に抑える政策がとられ、技術評価が十分にされてこなかったことが、インフレへの転換により医療機関の経営悪化として顕在化したと説明しました。城守参考人は財源不足を指摘し、税による財源確保を求めていますが、改定内容そのものへの賛否は明確には示されていません。
ということになりますと、そもそもが財源の確保ができていなかったということであろうと思います。
本テーマでは、医療費支出適正化の必要性と優先順位について、新実氏が低リスク・過剰な備えから着手すべきとの観点で安藤参考人に質問しました。これに対し安藤参考人は、日本の医療政策議論において供給体制に関する議論が不足しがちで、自己負担のあり方に偏りやすいという構造的問題を指摘しました。あわせて安藤参考人は、被用者保険と国民健康保険の間、および被用者保険内の保険者間で生じている格差が無視できない水準になっており、今後の重要課題であるとの認識を示しました。安藤参考人はこの保険者間格差の是正を支持する立場を明らかにしています。
私はやっぱり現役層の保険者間格差の問題に取り込んでいくというのがやはり今後の重要な課題になってくるというふうに考えています。
国民健康保険組合(医師国保組合等)への国庫補助率引下げをめぐり、城守国斗参考人は、医師国保組合の国庫補助率が既に一三%まで引き下げられている中でさらなる引下げが検討されていることに対し、合理的な基準設定を求める要望書を提出したと説明しました。また、医師国保組合には医療従事者やその家族も加入しており、福利厚生上重要な役割を果たしているとして、補助率削減には慎重な対応を求めました。城守参考人のスタンスは国庫補助率のさらなる引下げに反対するものであり、根拠として医師国保組合の福利厚生上の重要性が挙げられています。
補助率の削減については慎重な対応を行っていただきたいと思ってございます。
本テーマでは、地方における医療提供体制の地域間格差是正が論点となりました。芳賀氏は、地方の医療機関格差是正のため国と医師会・病院団体の協議推進の必要性について城守参考人に質問しました。城守参考人(スコア0.70、賛成寄り)は、人口減少地域では民間医療機関の運営が困難化し、将来的に公立医療機関が役割を担うと説明し、集住化やオンライン診療・巡回診療・医療DXの活用と国の支援、地域医療構想調整会議の活用が必要であるとしました。また宮出氏は、奥能登・長崎離島の分娩休止事例を挙げ、離島・半島の周産期医療体制維持策について質問し、これに対し城守参考人は、人口減少地域では公的・公立病院が周産期医療体制を確保せざるを得ないと回答しました。両論点を通じ、人口減少地域における医療提供体制の維持には公立医療機関の役割拡大とDX等の活用、国の支援が必要との説明がなされました。
そうなりますと、やはり公立な医療機関がその役割をしていただくということになろうと思いますので、医療提供者側からはそういうふうな考えをやっぱり持たざるを得ないかなと。
本テーマでは、必要かつ適切な医療を保険診療で確保することについて議論が行われました。白川氏は、この理念に関する城守参考人の発言の意図を確認する質問を行いました。これに対し城守国斗参考人は、保険収載された医療は有効性・安全性が確認されたものであるとして、保険給付を基本的に堅持すべきとの立場を賛成(スコア0.90)として述べ、必要かつ適切な医療の保険診療確保という理念を一貫して堅持すべきと主張しました。
それは基本的に堅持したい。
破滅的医療支出(自己負担が医療費支払能力の四〇%以上)を巡り、桜井なおみ参考人と安藤道人参考人がエビデンスに基づく議論を展開しました。安藤参考人は、日本の該当人口割合が二〇一〇年の九・六%から二〇二四年には一〇・九%に上昇し、見直し案では更に上昇し得ると指摘し、国際比較ではOECD諸国中低くなく西欧主要国の中ではむしろ高水準であるとしました。桜井参考人は、所得不変を前提としても見直し案の月額基準では大半の年収区分で四〇%を超えると安藤試算を紹介したほか、がん罹患後一年で所得が平均三四%減少するとの研究や自団体調査、東大五十嵐特任准教授による自己負担増加者の試算を紹介し、所得減少を考慮すると年額でも四〇%に近づき月額ではほとんどの場合で大きく超えるとしました。両参考人はともに、厚労省による実態調査・公表や試算の計算式(長瀬式等)の開示を求めました。石田議員は破滅的医療支出が低所得者に多いとの認識を示し、芳賀氏は厚労省が実態調査を行っていないことを問題視して定期調査を求め、白川議員はドイツの世帯収入二%等の上限制度を挙げ制度充実を主張しました。
本テーマでは、令和版社会保障と税の一体改革の必要性をめぐり議論が行われました。安藤参考人は、高額療養費見直しの見直しを規定する全世代型社会保障や改革工程の在り方について部分的アップデートが必要な時期であると指摘し、高額療養費の維持強化が責任ある積極財政という現政権の方向性と矛盾しないとの見解を述べました。小西氏は、令和版社会保障と税の一体改革を2040年に向け政府・与党主導で実施すべきとして城守参考人に見解を求めました。これに対し城守参考人は、日本の国民負担率はOECD諸国より低く、これ以上の負担が可能かを議論する会議体が必要であると主張しました。
この要するに国民負担率に関して、果たしてもうこれ以上無理なのかどうかということをしっかりと議論していただけるような、そういう会議体みたいなものを、ないしは本当は……
薬価高騰を背景とした国民皆保険制度における保険収載の理念について議論が行われました。城守国斗参考人は、平成十六年の大臣合意に基づき、必要かつ適切な医療は保険診療で確保するという国民皆保険の理念を改めて確認した上で、有効性・安全性が確認され薬事審議会等で承認された医療・薬剤は保険収載すべきであると説明し、賛成の立場を示しました。あわせて、財務省等が示す「大きなリスクは共助、小さなリスクは自助」という民間保険的な発想については残念であると批判しました。一方、桜井参考人は、諸外国の例を挙げ、薬効・有効性に応じた技術評価と重み付けの仕組みを導入する必要があると述べました。
有効性、安全性が十分に確保されて、薬事審議会等においてその承認をされた医療、薬剤はその保険として収載をしていくべきであろうというふうに思います。
本テーマでは、障害のある妊婦の分娩入院時における個室利用等の合理的配慮が自己負担化されることへの懸念が議論されました。天畠大輔議員は、障害ゆえに不可避な配慮が自己負担となることは理不尽であるとして明確に批判し、反対の立場を示しました。これに対し城守国斗参考人は、合理的配慮に当たる個室料等については障害福祉サービスの範囲で手当てすることが妥当であるとして、医療保険と障害福祉サービスの役割分担を明確化する考えを述べ、賛成の立場を示しました。城守参考人は、この点についての具体的な取扱いは今後の検討会における議論に委ねるとしました。
本テーマでは、高額療養費制度における保険者間の自己負担格差が論点となりました。安藤道人参考人は、大企業健保・共済組合では付加給付により自己負担上限が実質月二万円前後に抑えられている一方、協会けんぽ・国保にはこうした仕組みがなく格差が生じていると指摘しました。また、国保では所得区分の判定が過去の所得に基づくため、罹患後に所得が減少しても区分に反映されにくく、格差がさらに拡大する可能性があるとも述べました。安藤参考人はこの問題について、見直し案が保険者間格差を拡大するとして批判的な立場(スコア0.10)を示し、高額療養費問題が現役層内の保険者間格差を顕在化させたと指摘しました。一方、城守国斗氏は自己負担増への懸念と低所得者への配慮を求める発言をしましたが、保険者間格差そのものへの言及はありませんでした(スコア0.50)。
高額療養費制度をめぐっては、月額自己負担上限の引上げの是非が議論されました。安藤道人参考人は、見直し案の中心が所得区分細分化に伴う応能負担強化と自己負担上限引上げであり、二〇〇〇年代以降の流れを強めるものであると説明し、月額上限が月収の二〇~三九%、年間上限が年収の八~二七%に達し所得税・保険料率より大きい負担になると試算しました。さらに低所得層では医療費負担が生活保護移行の方が合理的となる水準もあり得ると指摘し、通常上限のみ・多数回該当四回のケースでは年間数万円から二十七万円近い負担増になると試算した上で、月額上限引上げは負担集中に対し財政効果が限定的であるため可能な限り抑制すべきと主張しました(スコア〇・一〇)。これに対し川村氏は月額自己負担引上げの危険性について改めて説明を求め、安藤参考人は月額上限引上げと多数回該当の複雑な組合せにより多くの人が負担増になる仕組みを説明しました。白川容子は改悪に明確に反対し制度充実を主張しました(スコア〇・〇〇)。桜井なおみは資産勘案より家計条件考慮の必要性を指摘し、上限引上げ自体への賛否は示されませんでした(スコア〇・五〇)。
本テーマでは、高額療養費制度の自己負担上限の水準について、国際比較を踏まえた議論が行われました。安藤道人参考人は、ドイツの自己負担上限が年収の二%である点を示し、日本の水準がかなり高いと指摘しました。また、フランスでは代替性のない高額医薬品について自己負担がなく、スウェーデンでは外来が二万円程度・処方薬が四万円程度の上限とされている例を紹介し、日本の制度が国際的に特別手厚いとは言えないと述べました。その上で、日本の自己負担上限は月額設定である点も国際的に珍しいとし、政府に国際比較資料の公表を求めました。将来的な改革の方向性としては、ドイツの年収二%までは求めないとしつつ、年収五~一〇%程度を年間上限の目安として目指すべきと提言し、こうした所得比ベンチマークを参考に日本でも水準設定を検討すべきと提案しました。安藤参考人のスタンスは、現行の上限水準を国際的に高いとみなし、引下げに向けた議論を促す立場であり、賛成寄り(スコア〇・七五)と位置づけられています。
少なくともこの自己負担上限だけを見たら、やはり日本はかなり高めの制度になっています。
高額療養費制度の見直しをめぐっては、金額設定のプロセスの妥当性が論点となりました。城守参考人は、専門委員会には患者も参画していたものの、具体的な金額については両大臣の合意後に報告事項として提示されたのみであったと説明しました。また、今回の見直しは財源捻出を主たる目的とするものというよりも、医療保険制度の持続可能性という観点から始まったものであると説明しました。
高額療養費制度の見直しをめぐり、小西議員は安藤参考人に対し、この見直しが医療保険財政上不可避なものというより、子ども・子育て支援金の実質負担ゼロ化という政治的動機によるものではないかとの評価を質問しました。これに対し安藤参考人は、今回の見直しは子ども・子育て支援金の実質ゼロ負担化のための帳尻合わせが背景にあると説明し、表向きは医療の高度化や財政危機が理由とされているものの、実際の規模(数百億~千億円)とは乖離があると指摘しました。安藤参考人は高額療養費の維持強化を積極財政と矛盾しないものとして支持する立場を示しています。
高額療養費の維持強化は、責任ある積極財政という現政権の方向性とも矛盾しないと私は考えます。
高額療養費制度の見直しに関する政府シミュレーションについて、安藤道人参考人は、政府試算の給付費抑制二千四百五十億円および保険料軽減千四百円の内訳を分析し、月額上限引上げ分による効果は月額数十円程度にとどまると試算しました。また、政府が受診抑制を見込まないとしている一方、試算に含まれる受診抑制分を除いた場合、保険料軽減効果は一人当たり月額約三十八円にとどまると指摘しました。安藤参考人はこれらの分析に基づき、保険料軽減効果はわずかで負担増が大きいと批判的な立場を示しました。
つまり、月額数十円程度の保険料軽減のため、高額な医療を必要とする人々の自己負担を大きく引き上げるというのが見直し案の財政的特徴です。
高額療養費の多数回該当カウントについては、保険者変更時にカウントが初期化される問題が論点となりました。桜井なおみ参考人は、傷病手当金における通算取得の仕組みと同様のシステム改修によってこの問題を解決できると提案しました。この論点に関して、安藤道人氏は国保の所得区分算定の問題点を指摘しており、是正そのものへの賛否は明確ではありません。桜井なおみ参考人はシステム改修による解決を主張していますが、これは単一の発言に基づくものです。
高額療養費制度の年間上限をめぐっては、新設される年間上限が当面は償還払い・患者申告制で運用され、還付までに数か月を要する煩雑さが論点として挙げられました。桜井なおみ参考人はこの点について、償還払い・申告制による患者の経済的・手続的負担を懸念する立場(スコア0.15)から批判し、制度の改修時期を明示するよう要望しました。
患者が一旦支払った後に還付されるという仕組みですので、経済的な課題のみならず、体調の悪い中、患者が煩わしい手続をしなければなりません。
高額療養費制度の見直しをめぐり、がん患者の就労継続や健康格差拡大への懸念が議論されました。安藤道人参考人は、高額療養費が患者の就労継続を支える生活保障・人的資本政策であり消費平準化効果もあるとマクロ的意義を強調し、長期療養者が上限未達で負担増となる制度設計への懸念を指摘しました。桜井なおみ参考人は、自団体の患者調査で緊急に集まった3623件の声から治療断念や生活破綻の懸念が寄せられたと紹介したほか、がん患者体験調査では経済的理由による治療断念が若年女性で12.1%、正社員男性で8〜8.5%に上ることを示しました。さらに、非正規雇用者の離職率が正社員の4倍(16.6%)であるとし、高額療養費見直しが格差を拡大させる懸念を表明した上で、性別・企業規模・年齢による分断を助長しない哲学を制度に明記するよう求めました。
高額療養費制度の見直しをめぐっては、専門委員会のプロセスにおける患者当事者の声の反映不足が論点となりました。桜井なおみ参考人は、具体的な見直し金額が最終第九回専門委員会で初めて提示されたと説明し、患者団体が厚労大臣・保険局長に共同声明を提出したことを述べました。また「私たちのことを私たち抜きに決めないで」の理念を挙げ、当事者参加の重要性とがん対策基本法上の委員会の意義を条文に明記するよう要望しました。桜井参考人は、案発表当初に驚き議事録を読み合わせたところ現役世代患者の声が全く反映されていなかったと証言し、検討会参加後も家計状況や子どもの人数等が考慮されないデータ活用には納得できないと述べました。一方、宮出氏は前回2024年度案見送りの反省が今回のプロセスに生かされたか安藤道人参考人に質問し、安藤参考人は専門委員会で具体的な引上げ額を提示・議論せずイメージ案のみで終了し、終了後に数字が出た点を最大の問題として指摘しました。
高額療養費の金額設定プロセスや実態調査の不足、患者当事者の声の反映不足が繰り返し指摘され、多くの論点で委員・参考人間の見解の相違が残りました。出産費用の自己負担無償化と周産期医療体制確保の両立を図る方針は検討会で取りまとめられたことが紹介されましたが、その他の制度見直しの具体的内容の多くは今後の検討会や別の会議体での議論に委ねられる形となりました。
上記テーマに分類されなかった質疑応答です。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。