本会議では、人事の同意案件の採決に続き、加藤勝信財務大臣が所得税法等改正案の趣旨を説明し、各会派の代表質疑が行われました。石破茂総理に対し、高井崇志議員、阿久津幸彦議員、田中健議員、斎藤アレックス議員、堀川あきこ議員、中西健治議員らが質問しました。主な論点は、インボイス制度の存廃、ガソリン暫定税率の廃止、消費税の減税、基礎控除等の引上げと手取りの増加、企業・団体献金、防衛力強化のための税制措置、高額療養費制度の見直し、租税特別措置の適正化、インフラ老朽化対策などです。加藤大臣は、経営強化税制の拡充や防衛特別法人税の創設などを法案の柱として説明しました。
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全39テーマ ・ 紐づく質疑46件
インボイス制度の廃止
インボイス制度の廃止をめぐり、制度の存廃と事業者への対応が論点となりました。高井崇志議員は、同制度を論外であるとして直ちに廃止すべきだと求め、廃止に賛成の立場を示しました。堀川あきこ議員もインボイス制度の廃止を明確に求め、強く賛成する立場です。これに対し石破茂総理は、インボイス制度は課税の適正性を確保するために必要であるとして、廃止は考えていないと答弁し、反対の立場を一貫して示しました。一方で総理は、事業者からの相談には丁寧に対応していくと述べました。議論では廃止を求める側と制度を維持する側の主張が対立し、総理からは制度を廃止しない旨が示されました。
ガソリン暫定税率の廃止をめぐり、実施時期と財源が論点となりました。阿久津幸彦議員は令和七年度からの暫定税率廃止を政府に強く求め、あわせて地方財政への悪影響を避けるよう求めました(賛成)。田中健議員は来年度から速やかにガソリン減税を実施すべきだと主張し、総理の決意を問いました(賛成)。石破茂総理は、三党幹事長合意を踏まえて対応するとし、廃止した場合は年間一・五兆円の減収となるため安定財源が重要だと答弁しました。また、与党大綱どおり政党間協議の結果を踏まえて対応するとし、激変緩和事業を継続すると述べました(条件付き・中立的な姿勢)。なお、提示された範囲では、廃止の時期や方法について具体的な決定は示されていません。
グローバルサウスとの関係強化について議論が行われました。石破茂総理は、グローバルサウスとの連携強化は極めて重要であると述べ、マレーシアとインドネシアを訪問した成果を説明しました。総理は連携強化を積極的に推進する姿勢を示しています。田中健議員も関係強化に前向きな立場を示し、従来型のODA援助にとどまらず、先端技術での協力や協業を進めるべきだと主張しました。提示された内容の範囲では、両者はいずれも賛成の立場であり、反対や中立の発言者は確認されません。また、本テーマに関して決定事項として示されたものはありません。
グローバルミニマム課税など国際課税への対応をめぐり、軽課税所得ルールがトランプ政権下で岐路にあるとして、政府の方向性が問われました。斎藤アレックス議員は、米国の反対により国際課税が岐路にあるとの懸念を示し、制度の維持に前向きな立場から質問しました。ただし、このスタンスの根拠となる発言は1件のみです。これに対し石破茂総理は、首脳会談で国際課税に関するやり取りはなかったと答弁しました。そのうえで、国際的な議論を踏まえて制度の導入を進めるべきだと述べ、賛成の立場を明確にしました。本テーマでは、導入を進める政府の方針が示されましたが、米国の対応を踏まえた具体的な対応策や決定事項は、提示された内容には含まれていません。
デジタル歳入給付庁とマイナンバーを活用した所得把握について議論されました。斎藤アレックス議員は、自党が提唱するデジタル歳入給付庁のような行政のアップデートが必要ではないかと問い、賛成の立場を示しました。これに対し石破茂総理は、新たな組織の設立は考えていないと述べ、この点では提案に与しない姿勢を示しました。一方で、マイナンバーを活用して所得の把握と迅速な給付に努めると答弁し、その取り組み自体は推進する立場を示しました。スタンスのスコアは、斎藤議員が0.90、石破総理が0.50でした。なお、新組織を設けない方針が示されたことが、本テーマにおける答弁上の主な結論です。
デジタル貿易赤字の拡大とデジタル産業基盤の強化について議論されました。田中健議員は、いわゆるデジタル小作人化とデジタル貿易赤字の拡大への対策を問い、政府投資の拡大や人材育成、大幅減税が必要であるとして、積極的に推進する立場(賛成)を示しました。これに対し石破茂総理は、デジタル赤字が二〇二三年で約五兆円に上ると述べ、その拡大は好ましくないとの認識を示しました。そのうえで、研究開発投資やデータセンター整備等を通じて産業基盤を強化し、改善を図る考えを答弁し、賛成の立場を示しました。提示された範囲では、両者とも基盤強化の必要性では一致しており、反対や中立の立場の発言者は確認されていません。具体的な結論や決定事項は示されていません。
下水道の老朽化対策について、埼玉県八潮市で発生した陥没事故も踏まえた対応が論点となりました。総理は、この事故を踏まえて下水道の老朽化対策を中期計画に盛り込む方針を示しました。石破茂氏は賛成の立場(スコア0.80)で、老朽化対策を国土強靱化中期計画に盛り込み、検討を加速すると表明しています。提示された材料の範囲では、老朽化対策を中期計画に位置付けて取り組む方針が示されたことが、この議論における主な内容です。具体的な対策の内容や、その財源・実施時期については、提示された材料に明示されていません。
こうした考え方に基づきまして、本年六月めどに策定することといたしております国土強靱化実施中期計画の中におきましても、今回の事故も踏まえました下水道の老朽化対策を含め、インフラの強靱化に必要な対策を盛り込むべく、検討を加速をいたしてまいります。
中小企業の社会保険料に係る事業主負担の軽減が議論されました。阿久津幸彦議員は、中小企業が正規雇用を増やした場合の事業主負担の増加分について、その半分を十年間国が補填する法案を提示し、賛成の立場を示しました。田中健議員も、効果の薄い政策を見直し、その予算を社会保険の事業者負担の軽減に回すべきだと提起し、賛成寄りの立場です。これに対し石破茂総理は、社会保険料の負担は事業主の責任であるとして、公費による助成には慎重な検討が必要だと答弁し、慎重な姿勢を示しました。議論では、国による補填や予算の振り替えを求める意見と、事業主の責任を理由に慎重な検討を求める答弁が示されましたが、決定事項は示されていません。
中小企業経営強化税制の拡充と賃上げ促進税制をめぐる議論が行われました。加藤財務大臣は、経営強化税制の拡充を法案の柱の一つとして趣旨説明しました。石破総理は、売上高百億円超を目指す中小企業向けに建物を適用対象設備に加えると答弁し、拡充に賛成の立場を示しました(スタンススコア0.85)。中西健治議員も、税制支援による投資促進を重要と述べ、支援に前向きな立場を示しました(同0.75)。一方、田中議員は会計検査院による教育訓練費控除の指摘と検証の遅れを問い、これに対し石破総理は、上乗せ税額控除の効果検証のため追加データの収集・分析を直ちに検討開始すると答弁しました。また阿久津議員は、賃上げ促進税制の恩恵は赤字の中小企業に及ばないと指摘しました。
令和七年度一般会計予算の修正をめぐり、阿久津幸彦議員は野田代表による予算修正案を発表し、政府案との並行審議を求めました。同議員は修正案の提出者として積極的な立場を示しています。あわせて阿久津議員は、税法についても修正に応じる意思があるかを問いました。これに対し石破茂総理は、丁寧に説明するとともに真摯に議論し答弁する姿勢を示しました。一方、スタンスデータでは、石破総理は税制改正法案を必要とし修正に応じない姿勢とされており、予算修正議決そのものへの直接の言及は乏しいと整理されています。提示された材料の範囲では、予算修正および税法修正の可否について結論や決定事項は示されていません。
企業版ふるさと納税の改善をめぐり、制度の在り方が議論されました。堀川あきこ議員は、企業版ふるさと納税には問題があるとして、制度の廃止を求めました。これに対し、石破茂総理は制度の重要性を認めたうえで、一者応札で寄附企業が受注した場合に、国への報告と企業名の公表を義務づけるという改善を答弁しました。両者の立場は、廃止を求める堀川議員(反対寄り)と、制度を維持しつつ改善を図る石破総理(賛成寄り)に分かれています。提示された範囲では、一者応札の事案について報告と企業名公表を義務づける改善が示されたことが、この議論における具体的な対応となっています。
個人住民税における特定親族特別控除の創設について、加藤大臣は就業調整対策として法案に盛り込んだと説明しました。控除の仕組みは、大学生年代の親族の給与収入が百五十万円以下の場合に六十三万円を控除し、収入がこれを超えた場合には控除額が段階的に縮小するというものです。提示された材料には、この件に関する他の発言者の発言や賛否のスタンスデータは含まれておらず、賛成・反対・中立といった立場やその根拠、結論・決定事項は確認できません。
このテーマでの明確なスタンス表明はありませんでした
債務償還費と積極財政・国債発行をめぐり、国債の発行量と財政の持続可能性が論点となりました。高井崇志議員は、国債をもっと発行すべきだと主張し、財務省が危機をあおっていると批判しました。同議員のスタンスは賛成寄りで、スコアは0.95です。これに対し石破茂総理は、債務残高対GDP比は財政の持続可能性を見るうえで有意義な指標であると答弁し、財政状況の改善を進める考えを示しました。総理は経済あっての財政としつつも、積極財政には慎重な姿勢を取っており、スタンスのスコアは0.35です。両者の間では、国債の増発を求める立場と、財政状況の改善を進める立場とが示されました。提示された内容の範囲では、この議論に関する結論や決定事項は確認できません。
単身赴任手当・食事の現物支給・通勤手当の非課税限度額に関して、特に食事手当の非課税限度額が議論されました。阿久津幸彦議員は、約四十年見直されていない食事手当の非課税限度額の引上げを求め、賛成の立場を示しました。これに対し石破茂総理は、引上げには慎重な姿勢を示し、公平性にも留意しつつ、対応の必要性を見極める必要があると答弁しました。総理は引上げの是非について明確な方針を示しておらず、本件に関して具体的な結論や決定事項は示されませんでした。
地方創生二・〇をめぐり、中西議員が、その実現に向けて中小企業税制を通じた地域経済の好循環をどのように図るのかを質問しました。これに対し石破総理は、地方創生二・〇の実現には民の力を生かすことが必要であると答弁しました。提示された材料では、中小企業税制の具体的な内容や、答弁における個別の施策、賛否の表明は示されていません。スタンスデータもないため、賛成・反対・中立の区分は整理できません。また、決定事項に関する記述もありません。
このテーマでの明確なスタンス表明はありませんでした
外国人旅行者向け免税制度の見直しをめぐり、法案に同制度の見直しが含まれていることを前提に議論が行われました。中西健治議員は、消費税免税の廃止や免税対象を国産品に限ることを含む制度見直しの議論を求めました。スタンスは賛成寄り(スコア0.70)とされていますが、不正防止への直接の言及は乏しいとされています。加藤勝信大臣は、出国時の確認後に返金するリファンド方式への見直しなどを説明し、制度を維持する姿勢を示しました。免税制度を観光立国に資するものと評価し、必要な見直しにも言及しており、スタンスは賛成寄り(スコア0.60)ですが、不正防止の具体策は示された材料からは明らかではありません。提示された範囲では、結論や決定事項は確認できません。
定額減税の効果検証について、田中健議員が、定額減税の二重取りの問題、自治体の事務負担、費用対効果の検証を問いました。田中議員は定額減税を愚策と断じる立場から反対を示し、費用対効果の検証と政府の責任を求めました。これに対し石破茂総理は、効果検証の重要性を認める立場から、分析を行い結果を公表すると明言しました。また、調整給付の重複を認める考えを説明しました。分析の時期については、令和六年分の税務統計がまとまる来年度末以降に開始するとしています。
後年度影響試算における税収弾性値の見直しが論点となりました。中西健治議員は、四十八年間という長期のデータから税収弾性値を算出している点を問題視し、税収推計の見直しを求めました。これは見直しに前向きな立場です。これに対し加藤勝信大臣は、対象期間を長くとることは変動をならす点で一定の意義があると述べ、長期での算出を踏まえた短期化の見直しには否定的な姿勢を示しました。一方で、適切な試算に努めると答弁しました。提示された内容の範囲では、弾性値の算出期間を見直す決定や結論は示されておらず、両者の見解は対象期間の長さをめぐって異なっています。
所得税の基礎控除および給与所得控除の最低保障額の引上げについて、法案は物価上昇局面における税負担の調整として位置づけられていることが示されました。石破茂総理は、両控除をそれぞれ十万円引き上げ、合計で百二十三万円とすると答弁しました。スタンスデータ上、石破総理は賛成寄り(0.60)ですが、取り過ぎ論には否定的で、積極性は限定的とされています。これに対し田中健議員は、インフレ下での取り過ぎを指摘し、手取りの増加と控除の引上げを主張する賛成の立場(0.90)です。田中議員は、百七十八万円を目指すとした合意を踏まえ、引上げへの総理の姿勢を問いました。総理は、百七十八万円を目指す三党合意の協議は、財源も含めて政党間で継続中であると答弁しました。本議論では、百七十八万円への引上げに関する結論や決定事項は示されていません。
手取りの増加と可処分所得の向上策について議論されました。田中議員は、税収が増加している状況を背景に、税金を取り過ぎているとして、手取りを増やすべきだと主張しました。これに対し総理は、税収が増えているという事実のみをもって取り過ぎとは言えないとの認識を示しました。そのうえで、賃金の上昇が物価の上昇を上回る経済を実現することが基本であると答弁しました。提示された材料では、両者の主張の相違点は、税収増を根拠に手取りを増やすべきとする立場と、賃金が物価を上回って上昇する経済の実現を基本とする立場にあります。スタンスデータは提示されておらず、これ以外の発言者の賛否や、具体的な結論・決定事項は示されていません。
このテーマでの明確なスタンス表明はありませんでした
企業・団体献金をめぐり、禁止を求める立場と公開を重視する立場が議論されました。斎藤アレックス議員は企業・団体献金の禁止を求め、この問題に目を背ける自民党の姿勢を批判しました。これに対し石破茂総理は、禁止より公開との考えを示し、企業・団体献金公開強化法案を提出したと答弁しました。また総理は、企業・団体献金の禁止が与野党で合意された事実はないと承知していると述べました。スタンスデータでは、斎藤議員は禁止に固執する自民党を強く批判する立場(スコア0.00)、石破総理は禁止には慎重である一方で透明性向上は推進する立場(スコア0.30)とされています。阿久津幸彦議員は租特の透明性確保を求め政治のゆがみを疑う立場で(スコア0.30)、引用は総理答弁の紹介にとどまっています。本議論において、禁止の是非に関する結論や決定事項は示されていません。
教育費負担軽減策における所得制限の在り方が議論されました。斎藤アレックス議員は、教育・子育て支援から所得制限を即刻撤廃し、全ての子供を対象にすべきだと主張し、賛成の立場を示しました。これに対し石破茂総理は、所得制限なしでの無償化には慎重な姿勢を示しつつも、否定まではしませんでした。総理は、格差是正効果や国民の理解といった論点を整理する必要があるとし、この問題については政党間協議に委ねると答弁しました。本議論では、所得制限の撤廃について具体的な結論や決定事項は示されておらず、今後の政党間協議に判断が委ねられる形となっています。
暗号資産の規制緩和と課税見直しについて議論されました。田中健議員は、暗号資産に対する二〇%の分離課税の導入と、暗号資産ETFの導入について、早期の実現が重要であると明確に主張し、賛成の立場を示しました。これに対し、石破茂総理は、暗号資産税制や暗号資産ETFに係る規制の在り方を含めて検討し、必要な取組を進めると答弁しました。総理の答弁では、分離課税やETFの導入について賛否の方向性は明示されておらず、立場は検討の姿勢にとどまっています。会議において、分離課税やETFの導入に関する具体的な決定事項は示されていません。
格差是正と「一億円の壁」への対応が議論されました。斎藤アレックス議員は、中間層に負担を生まない形で一億円の壁の問題にどう対処するのかを質し、問題視して是正に前向きな姿勢を示しつつ、中間層への負担回避を条件としました。これに対し石破茂総理は、公平性の確保と貯蓄から投資の流れの維持を総合的に考える必要があると答弁し、両立を述べる条件付きの中立的な立場を示しました。堀川あきこ議員は、一億円の壁を取り払うべきだと主張し、その撤廃と富裕層への減税の是正を明確に求めました。以上のとおり、是正に前向きな議員がある一方で、総理は公平性と投資促進の両面を考慮する姿勢にとどまっており、今回の議論で具体的な結論や決定事項は示されていません。
大企業や富裕層への行き過ぎた減税を元に戻すとともに、所得一億円を超えると証券優遇税制で所得税の負担が逆に下がる、一億円の壁を取り払うべきです。
九九・九%の方に対する新たな税負担を生み出さずに、同時に公平な税制とするという視点が重要かと思いますが、この一億円の壁問題に対する政府の対処方針をお示しいただきますようお願いします。
金融所得課税の検討に当たりましては、税負担の公平性を確保することは重要であります一方、貯蓄から投資への流れを引き続き推進し、一般の投資家が投資しやすい環境を損なわないようにすることも重要でございまして、これらを総合的に考えていく必要があるものと考えております。
法人税減税の効果検証と今後の改革のあり方が議論されました。斎藤アレックス議員は、過去の法人税減税の評価と今後の法人増税の可能性を質し、減税が投資や賃上げの好循環につながらなかったと否定的に評価しました。田中健議員も、専門会議の分析を踏まえ、法人税改革は意図した成果を上げなかったとして、総理の認識と総括を求めました。これに対し石破茂総理は、税率引下げ後も現預金が積み上がったことを課題として示し、めり張りある法人税体系を構築すると答弁しました。スタンスデータでは、斎藤議員と田中議員はいずれも減税に批判的で、石破総理は法人税率の引上げとめり張りある体系の構築を肯定する立場です。提示された範囲では、具体的な税率や時期などの決定事項は示されていません。
消費税の減税と物価高対策をめぐり、高井崇志議員と堀川あきこ議員が総理に質問しました。高井議員は、三度の消費税増税が三十年の低成長の原因だとして、消費税の廃止または直ちの減税を求めました。堀川議員は、生活に必要な食料への消費税には逆進性があると指摘し、物価高対策として五%への減税を求めました。両議員は減税に賛成の立場です。これに対し石破茂総理は、消費税は社会保障の重要な財源であり、廃止や引下げは適当でないと答弁しました。あわせて物価高対策については、賃上げを起点として成長力を強化する策を講じると述べ、減税には反対の立場を示しました。提示された内容の範囲では、減税の実施に関する決定事項はありません。
災害損失控除の創設と繰戻し還付をめぐり議論が行われました。阿久津幸彦議員は、独立した災害損失控除と恒久的な繰戻し還付制度の創設を求め、賛成の立場を明確にしました。これに対し石破茂総理は、繰越期間の延長や控除順序の変更は不公平を生むとの認識を示しました。また、繰戻し還付の創設についても、法的安定性を理由に慎重な検討を要するとの姿勢で答弁し、スタンスとしてはやや反対寄りでした。両者の間で、制度創設の是非について意見の隔たりが見られ、今回の議論の中で創設に関する決定事項は示されませんでした。
我々が度々求めているように、独立した災害損失控除を創設し、現行の繰越控除期間を更に延長するとともに、この控除については、ほかの人にも適用される人的控除を適用した後に適用すること、加えて、災害が生じた年分の純損失額の繰戻しによる還付を可能とする恒久的な繰戻し還付制度の創設を求めたいと思いますが、総理の御見解を伺います。
災害による損失を前年の所得と相殺する恒久的な繰戻し還付制度の創設につきましては、繰越しが可能であること、一旦完結した前年の課税関係を事後的に変更するものであり、法律関係の安定性を損ないかねないこと等から、慎重に検討すべきものと考えております。
研究開発税制の見直しをめぐり、制度の公平性と利用実態が論点となりました。堀川あきこ議員は、研究開発減税を大企業優遇の不公平税制と位置づけ、廃止すべきだと主張しており、反対の立場です。これに対し石破茂総理は、適用件数の約七割が中小企業であり、幅広い企業が利用していると答弁し、投資を後押しする制度として肯定的に説明しました。ただし、総理は制度の見直し自体には言及していません。議論は、制度の廃止を求める主張と、利用実態を示して制度を説明する答弁が並ぶ形となり、見直しや廃止に関する結論や決定事項は示されていません。
社会保険の年収の壁と就業調整対策について、働き控えへの対策の効果と制度改革の方向性が議論されました。斎藤アレックス議員は、働き控え対策の効果を問うとともに、第三号被保険者制度の廃止を含む抜本的な改革を求め、働き控えの解消に積極的な立場を示しました。石破総理は、年収の壁・支援強化パッケージの活用状況を示したうえで、第三号被保険者制度の廃止や縮小には課題があると答弁しており、現行維持寄りの立場です。ただし、この点を示す発言は1件のみです。加藤勝信氏は、就業調整を緩和する制度導入の効果を肯定的に述べています。また総理は、被用者保険の更なる適用拡大を含む年金改正法案の取りまとめに対応すると答弁しました。
あわせて、働き控えの問題を解消するためには、三号被保険者制度のフェードアウト、廃止を含め、働き方や家族構成に中立的な社会保障制度へと全体を抜本的に改革することが必要だと思料いたしますが、総理の御所見を伺います。
これにより、アルバイトに従事する大学生等の就業調整が緩和される効果があるものと考えております。
第三号被保険者につきましては、育児や介護などの様々な御事情により働くことのできない方のほか、被保険者の配偶者のみならず、両親や子といった多様な属性の方がおられまして、廃止、縮小して保険料を求めていくことには課題がございます。
社会保険料の軽減と制度改革について、社会保険料負担と手取りの関係が議論されました。斎藤アレックス議員は、社会保険料負担が手取りが増えない最大の理由であり経済停滞の主要因だとして、引下げの改革を主張し、総理に認識を問いました(スタンスは賛成寄り、スコア0.90)。これに対し石破茂総理は、社会保険料が経済を阻害しているとの指摘は適切でないと留保しつつ、負担を抑制すべきという問題意識は共有していると述べ、改革を進めると答弁しました(スタンスはやや賛成、スコア0.60)。両者は負担抑制の必要性という点では認識が重なる一方、負担と経済との関係の捉え方には違いが見られました。提示された範囲では、具体的な引下げ幅や時期などの決定事項は示されておらず、総理が改革を進める方針を答弁したことが主な結論です。
租税特別措置(租特)の適用企業名の公表と適正化が議論されました。阿久津幸彦議員は適用企業の実名公表を明確に求め、補助金との違いの説明を質しました。これに対し石破茂総理は、企業名の公表は競争上の不利益を生じるため、補助金とは異なり同様に扱うのは適当でないと答弁し、慎重な立場を示しました。一方、斎藤アレックス議員は租特の検証が不足していると疑問を呈し、政策評価の点検結果を踏まえた適正化の方針を質しましたが、企業名公表そのものには言及しませんでした。総理は、見直し対象二十九のうち二十三について、廃止・縮減を含む見直しを行うと答弁しました。企業名公表については、賛成の阿久津議員と慎重な総理の間で見解が分かれており、公表を決定する結論は示されていません。
本当に政治がゆがめられていないというなら、租特の適用対象となっている企業の実名を公表すべきではないですか。
補助金との比較について申し上げますと、補助金の場合には、一般に、国からの交付の決定を受けて個別法人名が公表されても、それによって個別企業の財務情報等が類推されるという事態は想定されない、このような違いがございまして、租税特別措置と同様に扱いますことは必ずしも適当ではございません。
特定の政策目標を達成するために、税の公平の原則から外れて例外的に設けられる租税特別措置に関して、近年の与党税制改正大綱では、必要性や政策効果をよく見極めた上で、廃止を含めてゼロベースで見直しを行うと毎年のようにうたわれている一方で、真に必要な検証や見直しが行われているのかが疑われます。
税の応能負担と応益負担をめぐり、消費税の負担と累進性の関係が論点となりました。堀川あきこ議員は、消費税負担を含めて見れば税制全体の累進性は崩壊していると指摘し、応能負担の原則を重視する立場から問題を提起しました(スタンススコア0.80)。これに対し石破茂総理は、消費税は負担面だけでなく受益面と併せて評価すべきだと述べ、低所得者ほど受益が手厚いと答弁しました。総理の立場は、負担と受益の両面で評価するという条件付きのものです(スタンススコア0.50)。両者は、負担面のみで累進性を判断するか、受益面を含めて評価するかという点で見解が分かれました。提示された範囲では、この論点について結論や決定事項は示されていません。
米の価格安定をめぐり、備蓄米の放出によって米価が適正水準に落ち着くのかが論点となりました。阿久津議員は、備蓄米放出で米価が適正水準に落ち着くのかを質問しました。これに対し石破茂総理は、二十一万トンの備蓄米を売り渡すこと、そのうち初回の十五万トンについて入札の準備を進めていることを答弁しました。石破総理は備蓄米放出による価格安定への期待を表明しており、立場としては賛成寄りです。ただし、この根拠となる発言は一件のみです。本会議では、備蓄米の放出規模と入札の準備状況が示されましたが、提示された範囲では、米価が適正水準に落ち着くかどうかについての結論や決定事項は確認できません。
こうした措置により、米流通の目詰まりが解消し、上昇した価格が落ち着くことを期待いたしております。
納税者権利憲章の制定について議論がありました。阿久津幸彦議員は、納税者の権利を明文化する納税者権利憲章を今こそ制定すべきだと明確に主張し、制定に賛成の立場を示しました。これに対し石破茂総理は、憲章の制定も一つの方法であるとしつつ、形式にかかわらず納税者の利益の保護と利便性の向上が重要であると答弁しました。総理は憲章制定について明確な賛否を示さず、中立に近い立場でした。本議論では、憲章の制定という形式を求める意見と、形式に拘らず利益保護と利便性向上を重視する意見が示されましたが、制定の可否に関する結論や決定事項は示されていません。
訪問介護報酬と介護事業所の閉鎖をめぐり、訪問介護事業所がゼロとなる町村が増えている点が論点となりました。堀川あきこ議員は、報酬の引き下げ撤回と国による抜本的支援を強く求め、報酬を元に戻すよう主張しました(賛成の立場)。これに対し石破茂総理は、事業所の閉鎖があっても広域での提供があるとして、介護崩壊との指摘は当たらないと答弁し、現状を問題視しない立場を示しました(反対寄りの立場)。そのうえで総理は、政府として影響の把握を進めるとともに、処遇改善加算の取得促進に取り組む考えを述べました。報酬の見直しについての決定事項は示されていません。
農林水産予算と防衛費の優先度について議論されました。高井崇志議員は、防衛費ばかりを増やすのではなく、農林水産予算を元の水準に戻すべきだと主張し、防衛費増より農林水産予算の回復を優先すべきとの立場を明確に示しました。これに対し石破茂総理は、防衛費か農林水産予算かの二者択一ではないと答弁し、両方を計上する立場を示しました。スタンスデータ上、高井議員は賛成寄り(スコア0.90)、石破総理は中立的(スコア0.50)です。両者の間で、優先順位をつけるべきか、両立を図るべきかという点に見解の相違がありましたが、本議論の中で予算配分に関する具体的な結論や決定事項は示されていません。
防衛力強化の財源をめぐり、税制措置の範囲と時期が議論されました。石破総理は、財源の約四分の三を歳出改革等で賄い、残る約四分の一を税制措置で求めると説明し、防衛財源の一部を税制措置で賄うよう協力を求めました。令和七年度は法人税とたばこ税で措置し、所得税については実施時期も含めて与党税調で検討すると答弁しました。加藤大臣は、防衛特別法人税の創設を法案の柱の一つとして説明しました。中西健治議員は、安定財源の確保は将来世代への責任であるとして税制措置を肯定しました。一方、阿久津幸彦議員は、所得税の防衛増税を令和九年度に実施するのかを問い、法人税・たばこ税を含む防衛増税全体の撤回を総理に求めました。所得税の実施時期については、会議の中で与党税調での検討とされるにとどまりました。
高額療養費制度の見直しをめぐり、自己負担上限額の引上げを凍結すべきかが論点となりました。阿久津幸彦議員は、自己負担上限額引上げの一旦凍結を石破総理に求め、凍結法案を提出する予定であると表明しました。堀川あきこ議員も、高額療養費の見直しについて撤回を表明すべきだと求め、凍結に強く賛成する立場を示しました。これに対し石破茂総理は、制度を堅持しつつ、見直し提案の修正を含めて幅広い合意形成を図ると答弁しましたが、凍結には応じない姿勢でした。以上のとおり、凍結や撤回を求める議員と、提案の修正による対応を示す総理との間で立場が分かれました。会議の中で、凍結や撤回に関する決定事項は示されていません。
各議員の質疑に対し総理らが答弁し、代表質疑は全会派分が終了して副議長が質疑終了を宣しました。人事案件はいずれも同意と決しました。税制や社会保障の個別論点では、多くが政党間協議や今後の検討に委ねられ、具体的な決定事項は示されていません。
上記テーマに分類されなかった質疑応答です。
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