本会議では、内閣提出の健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、出産・子育て支援、OTC類似薬の保険給付見直し、国民健康保険財政、後期高齢者医療制度、医療機関のICT活用など多岐にわたる論点が議論されました。上野賢一郎大臣は、出産・子育てを社会全体で支える政策と位置づけ、経済的負担軽減と周産期医療提供体制確保の両立を進める考えを示しました。出産費用の保険適用については、全国一律の基本単価に加算を組み合わせる方針や、妊婦健診標準額の設定、産後ケア事業の単価不足などが浜地雅一、豊田真由子、浅野哲、古川あおい、沼崎満子、竹林悟史、尾花瑛仁の各委員から取り上げられました。OTC類似薬の保険給付見直しについては、保険給付原則の堅持や対象範囲決定の透明性確保、要配慮者判定基準の明確化が論点となりました。豊田委員は自身のジュネーブ・パリでの出産経験を踏まえ、日本の産科現場における分業体制や医師確保のあり方を考察し、現場の実情把握の必要性を指摘しました。
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OTC類似薬・スイッチOTC化の基準と安全性への懸念
是非そういった事業を始められて、見える形で、どの程度OTCの服用に関する国民の理解が進んでいるのかということも大事だろうと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
OTC類似薬・スイッチOTC化に関しては、薬剤支給が保険適用を原則とすることを確認する質疑が行われ、必要な医療用医薬品は引き続き保険給付の原則であり、対象は成分・投与経路が同一で最大用量が異ならない77成分であると説明されました。この論点について、上野賢一郎は医療用医薬品の保険給付原則の堅持を主張し、OTC類似薬の給付除外に慎重な立場を示しました。浜地雅一はスイッチOTC化に対する医療関係者の抵抗が増大していることを懸念し、慎重な姿勢を示しました。豊田真由子はOTC類似薬の保険適用除外により処方がシフトし高額化することを懸念し、慎重な立場を示しました。仁木博文は処方原則維持についての説明にとどまり、賛否は明確に示されませんでした。
追加の負担を嫌がって、同じ用途の医療用医薬品で、こうした、対象外となる医薬品を利用することになったり、より高額なものにシフトします。そうすると本当に本末転倒になってしまいますので、こうした処方シフトについて私は懸念を持っております
今後も、必要な医療用医薬品は保険給付の対象とすることが当然原則であります。
しかし、今回のOTC類似薬の一部保険外適用については、一部懸念されているところが、今後、スイッチ化、医療用から一般用にスイッチしていくことに対する医療関係者の抵抗はやはり強まるんじゃないかという懸念がございます。
本制度の導入後も、医療現場においてはこの原則に基づき処方が行われることが重要であると考えております。
本テーマでは、スイッチOTC化に伴い医療関係者の抵抗が強まる懸念が示され、医師・薬剤師・登録販売者が連携するセルフメディケーション・エコシステムの構築と、診療報酬・調剤報酬における加算インセンティブの必要性が論点となりました。浜地雅一氏は調剤報酬へのインセンティブ付与を繰り返し要望し、賛成の立場を示しました。これに対し間隆一郎氏は、事務負担評価の観点から診療報酬・調剤報酬について適切に検討すると答弁するにとどまり、賛否は明確に示されませんでした。
本テーマでは、OTC類似薬の保険給付見直しに関する検討規定について、与党関与ではなく法定の考慮要素(国民理解、医師・薬剤師の理解、スイッチOTC化の状況)に基づき検討すべきであるとの確認を求める質疑が行われました。これに対し、浜地雅一氏は検討は法定考慮事項に基づくべきとしつつ与党関与も勘案した条文であると説明し、間隆一郎氏は附則の考慮要素に基づき検討し措置を講ずると述べ、与党政調会長間合意は一定踏まえつつも検討は附則の法定考慮要素に基づき行うと答弁しました。両者ともスコアは0.50で賛否は不明です。豊田委員は制度改正の周知が不十分であるとして、実効性ある周知方法と現場の説明負担への診療報酬上の評価を要望したほか、対象外の高額な医療用医薬品へ処方がシフトするリスクへの懸念を提起しました。これに対し上野大臣は、医療現場・国民への周知素材作成を含め施行に向けた現場負担軽減に努めるとし、診療報酬対応は検討課題としました。仁木副大臣は、本制度は公平性確保のためのものであり対象薬の処方自体を制限するものではないと説明し、がん患者や難病患者など医療上配慮が必要な方には別途負担を求めない検討を行うと説明しました。
OTC類似薬の対象範囲決定の透明性確保をめぐっては、対象薬剤や配慮対象者の範囲決定にあたり当事者意見を踏まえた上で、根拠データや前提条件を公表し透明性・説明責任を果たすべきとの要望が示されました。浅野哲は、透明性確保と説明責任の徹底を要望し、対象範囲決定手続きの公表を求める立場を示しました。これに対し上野賢一郎は、配慮範囲は有識者検討会・医療保険部会・中医協で議論の上決定するとし、透明性確保を念頭に検討する旨を答弁しました。
OTC類似薬対象者の要配慮者判定基準について、「医師が長期使用等を医療上必要と判断した者」という配慮基準は医師ごとの判断のばらつきが懸念されるため、ガイドライン等の指標整備を求める要点が示されました。浅野哲は、医師判断のばらつきへの懸念からガイドライン整備を要望する立場を示しましたが、制度自体への賛否は不明です。豊田真由子は、医師が長期使用を医療上必要と判断する基準が曖昧であり、患者からの圧力に医師が抗しにくくなる懸念を指摘し、運用基準の明確化を求めましたが、賛否自体は不明瞭です。これに対し上野大臣は、配慮を行う際の運用基準をできるだけクリアにする努力が必要である旨を答弁しました。
本テーマでは、ケアマネジャーの資格更新制について、研修受講を要件とする更新制を廃止する内容が法律案に盛り込まれたことが論点となりました。あわせて、研修についても5年間等での分割受講や時間数の縮減、国レベルでのオンデマンド研修動画の作成といった負担軽減策が示されました。丸田康一郎氏はスコア0.60で、新研修制度における負担軽減を要望する立場を示しましたが、制度自体への賛否は不明瞭とされています。神谷政幸氏はスコア0.75で、研修義務は維持しつつ更新制廃止の法案提出を報告し、負担軽減に前向きな立場を示しました。両氏とも研修負担の軽減という方向性については前向きな姿勢がうかがえます。
不妊治療の保険適用については、令和4年4月に中央社会保険医療協議会がガイドラインを踏まえ、有効性・安全性が認められた治療を対象として実施したことが確認されました。一方、保険適用の時点でエビデンスが不十分とされた治療については、先進医療として保険診療との併用を可能とし、技術の追加や根拠の収集を継続する対応が取られました。現場からは、準備期間の短さ、薬剤の適応範囲、混合診療の扱い、審査のあり方、地域格差といった運用上の課題が指摘されています。この論点について、尾花瑛仁は保険適用そのものは評価しつつ、これらの運用課題を指摘し、丁寧な対応の必要性を強調する中立的な立場を示しました。
政治が力強く動かした後だからこそ、運用して出てきた論点に丁寧に向き合う必要が生まれていると思います。
中東情勢を踏まえた医薬品原薬・梱包材・輸送の安定供給確保について議論されました。イラン情勢を受け、ジェネリック医薬品を含む原薬・梱包材・輸送の安定供給への懸念が浜地雅一氏より提起され、政府に確認が求められました。これに対し森真弘氏からは、原薬の輸入・製造やPTPシート等について直ちに供給が滞る状況にはなく、輸送についても現時点で大きな問題は生じていないとの答弁がありました。
出産なびについては、厚生労働省サイトに分娩取扱施設のサービス内容・費用等を掲載する仕組みとして、本年2月にサイト改修が行われ、分娩取扱施設にアメニティーサービス等の情報提供を義務づけるとともに、妊婦健診の見える化も盛り込み、分娩費用に加え妊婦健診の内容・費用も掲載する方針が示されました。丸田康一郎委員は見える化の推進を評価し、比較可能な充実した取組を要望しました。古川あおい委員は、介護分野では既にオープンデータ化され自治体独自サービスに活用されている例を挙げ、出産なびの基データについてもダウンロード可能な形で公開し、民間・自治体の活用を広げるべきと提案しました。これに対し上野賢一郎大臣は、分娩取扱施設の理解や民間業者への委託契約上・技術上の課題があり整理が必要と述べ、必要なデータ提供の在り方について検討していくと答弁しました。
出産育児一時金の給付方式見直しに関し、妊婦の負担軽減と周産期医療提供体制確保の両立を図る観点から議論が行われました。古川あおい委員は、新制度で分娩費の給付が分娩取扱医療機関・指定助産所に限定されることに関し、自宅出産等の扱いについて質問しました。これに対し仁木博文副大臣は、給付対象の範囲に違いを設けるものではなく、保険者がやむを得ないと認めた場合には自宅出産等についても実費上限で給付可能であると説明しました。さらに古川委員は、流産・死産(妊娠85日以上)が新制度でも現行同様に給付対象となるかを確認したのに対し、仁木副大臣は、流産・死産についても現行と同様に給付対象とする解釈を変更しない旨を明言しました。古川委員はこれらの説明を確認し了承する発言をしています。
自宅出産などの場合であっても、保険者が認めた場合に入れば認められるということで、承知いたしました。
私自身、この出産一時金、妊婦への現金支払いというものが、ある意味でのサービスの多様化に応えられるという部分かなと思いますので、大変考えられた仕組みだと思いますが、今後の具体的な制度設計の中でその点もよく考慮いただければなというふうに思います。
御指摘のとおり、現行の出産育児一時金は、出産に伴い給付するものでございまして、妊娠八十五日以上、妊娠週数でいいますと十二週以降の分娩であれば、流産や死産の場合であっても支給対象としております。
出産費用における加算制度をめぐっては、加算の目的・条件、特に人口減少地域・地方における周産期医療提供体制の堅持に資する水準とすべきかが論点となりました。上野賢一郎は、手厚い人員体制やハイリスク分娩対応など地域の中核的役割を果たす施設を加算で評価し、体制堅持を図る方針を説明しました。浅野哲は、地方の周産期体制維持を求め、加算制度が主に規模のある施設向けであり、地方の個人・小規模産科施設は標準的費用でカバーする考えかを政府に確認しました。これに対し間隆一郎は、地方を含む分娩機関の経営実態を都会・地方双方で調査し、その結果を基本単価に反映するとともに、補正予算による補助等も組み合わせて支える考えを示しました。尾花瑛仁は、加算等を通じた国の支援強化と体制把握の仕組みを求めました。
この加算でありますが、人員体制が手厚い施設、あるいはハイリスク分娩を積極的に受け入れるなど、地域における中核的な役割を果たしていただいている施設などを加算という形で評価することを考えております。
その意味で、基準単価や加算を含め、国としてしっかり支えていただきたいと思いますし、分娩取扱施設数や地域ごとの分娩件数などを継続的に把握、検証していく仕組みも必要ではないかと考えますが、厚生労働省の見解をお伺いいたします。
その意味では、先ほどの御質問にもありましたけれども、やはり分娩機関の状況を地方も都会も含めてよく調査をさせていただいて、経営の内容を見させていただいて、そこで賄えるような水準というものを基本単価のところで設定していくということが大事だというふうに思っています。
この標準的費用の方で地方のそういった個人、小規模な機関もカバーをしていくという考えでよいのかどうか。
本テーマでは、正常分娩の現物給付について、地域や施設にかかわらず一律の基本単価とし、施設の体制・役割を評価する加算を設ける方針が示されました。地域別単価とすると地方から都市への医療資源流出が加速し周産期体制確保に支障が出るとの懸念から、全国一律単価とする方針であり、給付水準は保険料への影響や分娩施設の経営実態を踏まえ関係者の意見を聞きながら施行までに検討し、施行後も定期的に検証し必要に応じ見直すとされました。新旧制度併存下でのデータ精度確保、移行期間、新制度移行施設割合の見通し等が質疑され、可能な施設から順次新体系へ移行し当分の間旧制度と併存する方針、経過措置期間の年数は未定で給付水準を早期に示すと答弁されました。古川あおい委員(スコア0.60)は制度移行に伴う手続の複雑化を懸念しつつ条件付きで評価し、現金給付は医療機関の代理受領を基本としつつ直接受取も可能とする運用が仁木副大臣より説明され、妊婦の手続が一度で済む方向で検討していると政府参考人が回答しました。浅野哲議員(スコア0.50)は併存期間の弊害や検証の必要性を指摘し、豊田真由子議員(スコア0.75)は分娩費の適時適切な見直しを主張しました。
制度施行時における初期の設定だけではなく、その後の様々な社会情勢の変化、経済、物価対応なども含めまして、適時適切な見直しが必要だと思っております。
妊婦の窓口での支払いがなくなることを目指すという方向性については評価をいたします。しかしながら、新しい制度の仕組みは現行制度と大きく異なるものであり、妊婦や医療現場にとって、まだまだ分かりにくい点が残っていると思います。
やはり、二つの制度が併存している状況では、その影響の度合いをしっかり正確に見積もれるのかというところに対しても素朴な疑問がありますし、この移行期間というのはどれくらいを想定しているのか。
出産費用の保険適用をめぐっては、周産期の医療保険だけでなく供給体制も含めた大きな視点での検討が必要との認識が示されました。医療提供体制については、都道府県が二次医療圏にとらわれず周産期母子医療センターを基幹に医療機能の集約化・重点化を進めるとともに、地域の分娩施設や妊婦健診・産前産後ケア施設との役割分担・連携を進め、国も財政支援を実施していることが取り上げられました。また産科医師確保に向けては、助産師へのタスクシフト・タスクシェアや院内助産・助産師外来への支援、地域枠・奨学金による医学生支援、臨床研修での産婦人科研修必修化による人材確保が挙げられました。発言者では、間隆一郎氏が地方の周産期体制確保のため全国一律単価を支持する立場(賛成寄り)を示し、尾花瑛仁氏は経済的負担軽減と周産期体制維持の両立を主張する条件付き賛成的立場、浅野哲氏は持続可能な制度と透明性を求めるにとどまり、保険適用や医療体制への賛否は明確に示されませんでした。
分娩費用の標準的費用・基本単価をめぐっては、地域格差があるにもかかわらず全国一律とすることの根拠・必要性が質疑されました。これに対し、診療報酬が全国一律であることや地域別単価とした場合に医療資源が都市部へ流出するおそれを考慮し、全国一律の基本単価に加算を組み合わせる方針が答弁されました。また、水準は施行後も施設の経営実態等を踏まえ定期的に検証し、必要に応じ見直すとの説明がなされ、定期的見直しの仕組みをどう構築するかが論点となりました。これに対し、法律で医療機関の費用調査規定を設け、標準的費用を勘案して基本単価等を定めることを法定化する方針が示されました。豊田委員は制度施行後の社会情勢・物価変動に応じた適時適切な見直しの担保方法を質問し、仁木副大臣は施行後の給付水準見直しについて、分娩取扱施設の経営実態等を踏まえ関係者の意見を聴きながら行うと説明しました。上野賢一郎、浅野哲、間隆一郎の各氏はいずれも定期検証・見直し体制の構築に前向きな立場を示しました。
出産費用の保険化に関しては、分娩取扱施設数や地域ごとの分娩件数について、継続的な把握・検証の仕組みが必要であるとの指摘がありました。また、出産費用には地域差や同一都道府県内における施設間の差があることから、給付体系の見直しがこれらの差に与える影響を定量的に注視する方針が示されました。
このテーマでの明確なスタンス表明はありませんでした
本テーマでは、医療機関の業務効率化・勤務環境改善に向けたICT・生成AI活用支援について議論されました。地域医療介護総合確保基金に業務効率化・勤務環境改善支援が追加され、補正予算で約200億円のICT導入支援が先行措置されたほか、イニシャルコスト補助だけでは実装が進まないとの懸念から、医療勤務環境改善支援センターによる助言等の努力義務が設定され、モデル取組例の作成など行動変容を促すきめ細やかな支援方針が示されました。また令和8年度診療報酬改定では、看護業務・医師事務作業へのICT・生成AI組織的活用時に人員配置基準を柔軟化する評価が新設され、活用状況や患者影響を把握しつつ中医協で議論を続ける方針が示されました。尾花瑛仁氏はランニングコスト支援や制度柔軟化を積極的に提案し賛成の立場を示し、浅野哲氏はICT活用への財政支援に肯定的な一方、人員配置基準柔軟化に伴う現場負担・雇用への副作用を懸念し質疑を行いました。これに対し政府側の森光敬子氏は、費用補助時にデータ提出を求め効率化効果や職員負担・医療安全への影響を確認・分析すると答弁しました。あわせて、安価なデジタル化ツールの導入・普及を進め、小さく始めて成功体験を広げる取組を求める要望も出されました。
国民健康保険財政安定化基金の本体部分について、辰巳孝太郎委員は2017年以降も積み上がり4463億円に達していると指摘しました。厚労省は、本体基金は本来収納不足時のみ活用可能だったが、保険料水準統一に伴う上昇抑制等のため使途拡充を行うと説明し、新設使途による取崩しは従来使途に支障のない範囲で政令により具体化するとしました。辰巳委員は、取崩し分は返済が必要なため効果は一時的であり、返済財源への公費・国庫負担投入が必要と主張しました。また、市町村の決算剰余金による基金も条例の目的範囲内であれば保険料抑制に活用可能と厚労省が答弁した一方、厚労省は大阪・奈良のように都道府県内保険料水準を統一済みの場合、市町村基金による独自の保険料抑制は統一原則に反するため想定していないと説明しました。辰巳委員は保険料水準統一の推進自体をやめるべきだと主張しました。
私は、ここの活用、やはり推進していくべきだというふうに思うんです。
国民健康保険における子供の均等割軽減については、国保が低所得者増加等の構造的課題を抱え、世帯所得と被保険者人数に応じた均等割保険料を基本とする中で議論が行われました。令和4年4月から未就学児の均等割保険料を5割公費軽減する措置が実施済みであることが確認された上で、地方団体の要望を踏まえ、軽減措置の対象を高校生年代まで拡充し子育て世代の納得感向上を図ることが論点となりました。発言者としては、尾花瑛仁が子育て世帯の負担増への不満を紹介して問題提起を行い拡充に肯定的な文脈で発言し、間隆一郎が軽減措置を高校生年代まで拡充する方針について肯定的に説明しました。
妊婦健診・分娩・産後ケアの制度一体化と全国一定水準の支援確保について議論が行われました。出産は医療保険(出産育児一時金の現物給付化)、妊婦健診は母子保健法に基づく地方交付税措置、産後ケアは子ども・子育て支援交付金と、現行制度は財源が分かれていることが確認されました。全事業を医療保険に一本化するには、乳幼児健診等との整合性や保険料負担、保険者・労使の理解など整理すべき点が多いとの認識が示される一方、妊娠から出産・子育て期まで切れ目のない支援として全国どこでも一定水準の支援を受けられることが重要との認識が共有されました。厚労省はモデル事業で周産期医療体制と母子保健事業(妊婦健診・産後ケア等)提供体制の連携を検討中であることが説明されました。上野賢一郎氏はトータル支援と関係省庁連携の充実に前向きな立場を、沼崎満子氏は制度の分断に問題意識を示し一体化または全国一定水準の支援整備を明確に要求する立場を、竹林悟史氏は全国一定水準の支援確保を重要と明言する立場を、それぞれ示しました。
全国どこに住んでいても一定水準の支援が受けられる環境を整備していくべきというふうに思いますけれども、そこに関する御見解をお伺いいたします。
また、出産という一面だけではなくて、不妊治療も含めて妊娠から出産、産後までをトータルで支えていく、そういう観点が大切だと考えておりますので、これは、厚生労働省の施策のみならず、こども家庭庁を始め関係省庁ともしっかり連携をして充実した施策を取り組むことによりまして、先ほど申し上げましたような希望と安心、こうしたものを示せるように取り組んでいきたいと考えています。
こども家庭庁といたしましても、これらの事業につきまして、妊娠から出産、子育て期まで切れ目のない支援として、全国どこに住んでいても一定水準の支援が受けられるということは非常に大切なことだというふうに思っております。
妊婦健診をめぐっては、自由診療であることからこれまで費用の目安がなく、健診内容や自治体の公費負担額にばらつきがある現状が取り上げられました。自治体の公費負担は8万円から13.6万円まで差があるとされ、これに対し国として初めて望ましい基準としての標準額を設定し、自治体の公費負担と医療機関の価格双方に勘案を求める方針が示されました。標準額は診療報酬等を勘案し、検査項目等の内容・状況調査や自治体・医療機関の意見を踏まえて検討するとされ、標準額の設定と費用の見える化により、基準内健診の費用が標準額に収れんし妊婦負担がなくなる方向を目指すとされました。あわせて、標準額に応じた地方交付税措置の在り方についても丁寧に検討するとされました。沼崎満子氏は、標準額設定の意義を評価する一方で、実効性の担保には財源措置が不可欠であるとして条件付きの立場を示しました。
あくまで、その前提がなければ、標準額を示してもなかなか自治体で対応ができないという状況になってしまいます
宿泊型産後ケア事業については、利用妊婦が約1.5割にとどまり、委託単価不足により導入が進まないとの助産院からの声が紹介されました。沼崎満子は、委託単価不足による導入停滞を課題視し、支援を要望する立場を示しました。竹林悟史も、宿泊型の国の基本単価が月額上限約280万円である一方、多くの市町村の委託額はこれを下回るとの認識を示し、単価不足を認めた上で、令和7年度から産後ケア事業費に都道府県負担を導入し、市町村負担の軽減を図っているとの具体策を説明しました。
本テーマでは、後期高齢者医療制度における金融所得(上場株式配当等)の勘案をめぐり、支払い能力に応じた負担のあり方が議論されました。豊田真由子委員(賛成寄り、スコア0.75)は、確定申告の有無によって負担額が異なる現状を不公正と指摘し、早期是正を求めるとともに、法案成立から5年以内という施行猶予は長すぎるとして、システム改修や法定調書オンライン化の前倒しを要請しました。これに対し上野賢一郎大臣(賛成寄り、スコア0.70)は、金融機関の法定調書集約データベースの構築、保険者システムや市町村税・保険システムの改修が必要であると説明し、関係省庁と連携して可能な限り速やかな保険料反映を目指す考えを示しました。また、全世代で支払い能力に応じた負担を求める抜本改革についても質疑があり、大臣は全世代型社会保障構築の重要性を認めつつ、後期高齢者医療制度自体の見直しは現段階で考えていないが、窓口負担割合の議論は進めると答弁しました。浅野哲委員(中立、スコア0.50)は年齢でなく能力に応じた負担を支持する立場を示しました。
本テーマでは、口腔ケアによる誤嚥性肺炎発症率の低下や歯周病治療による血糖値改善など、口腔の健康と全身の健康との関係が指摘されました。また、令和7年度補正予算において、歯科健診受診率が低い就労世代等を対象とした簡易口腔スクリーニングのパイロット事業を実施する予定であることが示されました。発言者としては、丸田康一郎氏が歯科健診とフッ化物応用の重要性を肯定し、政府に推進を期待する立場を示し、森光敬子氏は歯科健診を全身の健康につながる攻めの予防医療として明確に推進する立場を表明しました。
本テーマでは、産婦人科医師の確保に向けたタスクシフト・タスクシェアの推進が議論されました。分娩は緊急対応の予測が難しく現場負担が大きいことが背景として挙げられました。豊田真由子委員は、日本の分娩施設が30年で半数以下に減少し2023年時点で1766施設となっていると指摘し、フランス等の産科・麻酔科・小児科医の連携や助産師主体のケアといった分業体制を参考に、日本における負荷軽減を要望しました。また、地域集約化とアクセス確保のバランスについて更なる踏み込みが必要と指摘しました。これに対し上野賢一郎大臣は、医師の働き方改革と一体的に院内助産・助産師外来など助産師活用事業を推進していると説明し、周産期母子医療センターの集約化・重点化、施設間の役割分担・連携を進めると述べました。両者とも、タスクシフト推進の方向性については賛成の立場を示しました。
本テーマでは、産後ドゥーラ等民間人材を産後ケアの補完的な担い手として活用することの推進が論点となりました。産後ドゥーラは民間資格であり、子育て世帯訪問支援事業等において自治体の判断により活用されている事例として市川市の取組が紹介されました。沼崎満子氏は、産後ドゥーラ等民間人材活用の推進を要望しており、賛成の立場を示しています。竹林悟史氏も、産後ドゥーラが地域支援の担い手として活躍することへの期待を表明しており、賛成の立場を示しています。両氏とも産後ドゥーラ等民間人材の活用推進について肯定的な発言をしており、明確な反対の立場は示されていません。
登録販売者による受診勧奨機能の強化に関しては、重篤疾患の見落とし防止のため受診勧奨機能を強化し、詳細な症状教育を行う必要性が指摘されました。あわせて、登録販売者は現行法令上、情報収集に基づく販売可否の判断や受診勧奨を行うこととされており、毎年度実施される研修には受診勧奨に関する内容も含まれる旨が答弁されました。宮本直樹氏は、研修の推進により受診勧奨を含む資質向上を進める意向を示しました。浜地雅一氏は、登録販売者の関与についての見解を答弁として求めており、自身の立場は明確には示されていません。
本テーマでは、薬剤師によるOTC医薬品推奨や健康サポート機能の強化について議論が行われました。薬剤師の業務が保険調剤中心となっている現状を踏まえ、OTC医薬品推奨に向けた理解促進の取組状況や、薬学教育でセルフメディケーションを学んでいることを踏まえた施策の状況を問う質疑がなされました。これに対し、改正薬機法により健康増進支援薬局の認定制度が創設されたこと、令和8年度予算で薬剤師研修費が計上されたことが答弁されました。浜地雅一氏は薬剤師にOTC医薬品推奨の取組の進展を求める発言をしており、推進的な立場を示しています。また、調剤報酬でのインセンティブ付与についても考慮すべきとの要望が示されました。
高額療養費における所得区分の多段階化については、年収約770万円・約1160万円層で引上げ幅が大きいとの指摘があり、負担増シミュレーションの実施有無が質疑されました。これに対し、第9回専門委員会において年収770万円ケース等の負担変化例が示され、年間負担額の増加も示されたと説明されるとともに、所得区分の細分化にあたっては昨年度案から引上げ幅を半分程度に縮小したとの答弁がありました。また、見直し後も所得区分別・年齢別・疾病別に影響を継続的に検証するよう要望が出され、これに対し受診行動への影響を検証する旨の答弁がありました。上野賢一郎氏、浅野哲氏はいずれも負担増への懸念や継続検証の必要性を述べていますが、多段階化そのものへの賛否は明確にされていません。
各論点について、政府側からは制度の詳細設計や運用基準を施行までに検討し、施行後も定期的に検証・見直しを行う方針が繰り返し示されましたが、具体的な数値や期間の多くは今後の検討課題とされました。委員からは制度の透明性確保、周知の徹底、現場負担への配慮を求める意見が示され、審議は継続中です。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。