本委員会では健康保険法等改正案を中心に、OTC類似薬の一部保険外療養化とこれに伴う混合診療解禁への懸念(辰巳孝太郎委員)、出産費用の現物給付化・妊婦健診標準化と分娩施設の経営維持(岡野純子委員、古川あおい委員)、高額療養費制度の応能負担見直しと長期療養者への配慮(早稲田ゆき委員、浅野哲委員)、国民健康保険料水準の統一化や均等割軽減拡大、後期高齢者医療保険料への金融所得反映、医師の時間外労働特例上限の解消、地域医療構想に基づく病院再編、社会保険料削減ビジネスへの対応強化などが議論されました。また、中東情勢に伴う医療物資の供給やドラッグロス問題への対応、女性の健康対策の推進についても質疑が行われ、上野賢一郎大臣・高市早苗総理が答弁しました。
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全38テーマ ・ 紐づく質疑49件
健康保険法等改正案の可決・成立
OTC類似薬の一部保険外療養創設をめぐり、辰巳孝太郎委員は法文上の対象が薬剤に限定されていない点を追及しました。上野賢一郎大臣は、対象は成分・投与経路が同一で最大用量が異ならない77成分であり、令和9年度以降の拡大に備えて「その他の療養」を追加できる規定としたが、現時点で薬剤以外への拡大は想定していないと説明しました。辰巳委員は、医師が必要と判断し処方する保険適用薬剤を保険外とすべきでないこと、薬剤費全額別途負担も法制上可能であること、対象成分や負担割合が将来拡大され得ることなどを問題視し、花粉症患者らの負担増や低所得者の受診・服薬控えへの懸念を示し、国会審議を経ず厚労省内で決定可能な点も含め反対しました。上野大臣は、必要かつ適切な医療を保険診療で確保する原則と矛盾しないと答弁しました。古川あおい委員は、一定の合理性があるとしつつ、例外措置の徹底と受診行動への影響検証の重要性を指摘しました。附帯決議では、配慮が必要な者への措置の維持、過度な負担への配慮、導入後の実態把握・検証と必要に応じた見直し、検討過程の透明性確保が求められました。
本テーマでは、OTC類似薬見直し等による社会保険料引下げ改革の推進について議論が行われました。伊東信久委員は、OTC類似薬見直しに加え、病床数適正化、医療DX推進、応能負担徹底等を含む社会保険料引下げ改革の推進を求め、賛成の立場を示しました。これに対し高市早苗総理は、現役世代の保険料率上昇を止め引き下げることが手取り増加と経済好循環に重要であると答弁し、連立政権合意書に盛り込まれた13項目の改革について令和8年度中に取り組む方針を示しました。
本テーマでは、ドラッグロス問題と米国のMFN(最恵国待遇)政策・関税措置が新薬上市の遅延拡大につながることへの懸念を踏まえた政府対応が議論されました。橋本岳委員は、ドラッグロス解消への賛同を示しつつ、MFNの影響を懸念し、国内供給責任者からの意見聴取を要望しました。豊田真由子委員は、トランプ大統領によるMFN法制化が実現すれば日本の薬価が割安と判断され、ドラッグロス・ドラッグラグが再燃する懸念を示し、診療報酬・薬価制度の再構築の必要性を指摘しました。これに対し高市早苗総理は、昨年七月の日米関税合意において医薬品は他国に劣後しない扱いとすることで合意したことを説明し、MFNについては動向を注視し影響を丁寧に検討する考えを示しました。また、創薬・先端医療を戦略分野に位置づけ、創薬人材育成やリスクマネー供給等の施策を議論していることも説明されました。
プレコンセプションケアの普及推進については、津島副大臣が予期せぬ妊娠防止のためプレコンセプションケア推進五か年計画に基づく情報発信・相談窓口整備を実施していると説明したほか、文部科学省と連名で学校現場への性と健康に関する普及啓発の事務連絡を発出したことを説明しました。これに対し日野紗里亜委員は、プレコンセプションケア自体の周知不足と地域差を指摘し、こども家庭庁の学校教育での取組状況について質問しました。総理はプレコンセプションケア推進五か年計画に基づき正しい知識の普及に取り組んでいると答弁しました。日野委員の発言は課題指摘にとどまり、賛否は不明確とされています。
まだまだプレコン自体が周知されていなくて、やはり地域差もたくさんあると思います。
中東情勢の緊迫化に伴う医療基盤物資のサプライチェーンへの影響を巡り議論が行われました。早稲田ゆき委員は、イラン情勢に関するアンケートで石油化学品調達の困難や透析資材・抗生物質等医薬品製造への波及を懸念する声を紹介し、サプライチェーンの在庫可視化と優先供給の仕組みづくりを総理に要請しました。高市早苗総理は、厚生労働省・経済産業省の連携により目詰まりゼロに取り組み、情報提供窓口の設置やサプライチェーン確認、ナフサ調達交渉の継続、不足判明次第の供給を行っていると答弁しました。これに対し早稲田委員は危機意識の不足を指摘し、中東情勢の中長期化を踏まえた仕組みの検討を重ねて要請しました。豊田真由子委員は、小規模クリニックや介護・福祉現場で物資不足や価格上昇の懸念があり政府見解と現場実感に乖離があると指摘し、医療用手袋の備蓄放出を例に介護・福祉現場への同様のフォローを求めました。総理は両大臣に目詰まりゼロを指示し、対策本部を通じた流通段階での解消事例やEMIS・関係団体との連携による現場把握、他流通経路からの融通や代替製品調達による安定供給への取り組みを説明しました。
保険者変更時に高額療養費の多数回該当カウントがリセットされる問題について議論が行われました。早稲田ゆき委員は、協会けんぽから国民健康保険への変更など保険者変更に伴い多数回該当がリセットされる問題の早急な解決を要望しました(スコア0.90、賛成)。これに対し総理は、マイナンバー保険証等を活用してカウントが引き継がれる仕組みの早期実現に向け、システム面の課題整理と保険者間の調整を急ぐと答弁しました(高市早苗、スコア0.75、賛成)。結論として、附帯決議において、保険者変更に関わる多数回該当の初期化等の制度運用改善を継続的に検討するとされました。
健康保険法等改正案について、大串委員長が質疑終局を宣言した後、討論が行われました。古川委員は会派を代表して賛成の立場を表明し、出産給付体系の見直し、OTC類似薬の一部保険外療養化、高額療養費における考慮事項の明確化、金融所得の勘案、業務効率化支援などを含む重要な改正であると評価しました。一方、辰巳委員(日本共産党)は反対の立場で討論を行いました。採決の結果、起立多数で原案どおり可決されました。また、浜地委員はOTC類似薬や高額療養費への懸念を附帯決議に盛り込む意向を表明し、自民・中道改革連合・維新・国民民主・参政・チームみらいの6派共同提案により附帯決議が起立多数で決定しました。上野大臣は、高額療養費の受診動向検証や長期療養者への配慮、OTC類似薬の別途負担への懸念など審議での指摘を真摯に受け止め、附帯決議の趣旨を十分尊重し努力する旨を答弁しました。委員会報告書の作成は委員長一任とすることが異議なく決定しました。
会派を代表して、健康保険法等の一部を改正する法律案に賛成の立場から討論をいたします。
以上、国民皆保険制度を破壊する政府案は廃案を求めて、私の討論を終わります。
我々も強く支持したいと思います。
制度の持続可能性の確保と長期療養者や低所得者へのセーフティーネット機能の強化の両立を目指すものでありますので、必要な見直しだと考えております。
その大きな大きな目標を何とか達成できるように、また引き続き頑張っていきたいと思います。
また、必要なセーフティーネット機能、これもしっかり確保しながら、改革を着実に進めていくことが大切だというふうに考えております。
審議を通じて明らかになったのは、制度の中核に関わる具体的内容の多くが施行までの検討や運用に委ねられております。
本テーマでは、健康増進努力を保険料に反映させる制度設計の是非が議論されました。浅野哲委員(賛成寄り)は、自動車保険のような仕組みの導入やシンガポールの健康増進アプリ「ヘルシー365」を例に普及拡大を求め、後期高齢者支援金の加算・減算率(1〜10%)の調整幅拡大も提案しました。これに対し上野賢一郎大臣(中立的)は、国民皆保険制度は給付と負担の見合いが基本であり、個人保険料への直接反映は現段階で課題が多いとしつつ、加算・減算率の幅拡大自体は選択肢としつつ評価指標の妥当性検証が必要と述べ、金銭的・非金銭的インセンティブの併用が有効との考えを示しました。間隆一郎政府参考人(反対寄り)は、疾病の有無による保険料格差が不公平感を招く懸念から直接反映には慎重な姿勢を繰り返し表明する一方、ヘルスケアポイント等による個人努力の還元は保険者の活動として推進可能とし、医療保険各法上の努力義務のもと7割の保険者が実施していること、本年3月のガイドライン改正により取組事例やテンプレート提示を通じた推進を図っていることを説明しました。また事業主・保険者連携によるコラボヘルスの推進についても言及されました。
児童福祉施設に入所する十八歳以上の子の国民健康保険適用については、昭和56年通知により、市町村の判断で親の世帯に属するものとして扱い、親を納付義務者とすることが可能とされています。しかし、ある市において、扶養義務者がいるにもかかわらず、本人にも施設にもその旨を知らせないまま単独世帯として保険料の支払いを求めた事例が生じたことが取り上げられました。これに関し、山本香苗氏は、十八歳以上の施設入所児を単独世帯としない取扱いを国に要望する立場を示しました。これを受け、国は市町村に対して現行の取扱いが可能であることを改めて周知するとともに、適切な納付義務の取扱いについて関係省庁と検討していく方針を示しました。
十八歳以上の施設入所の子の取扱いについては単独世帯としない、保険料を支払うことを求めないという取扱いとなるように、国から改めて方針を示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
本テーマでは、内密出産・赤ちゃんポストに関連し、出自を知る権利と母子の生命・健康を守る保障が衝突する場合の政策上の優先順位が論点となりました。日野紗里亜委員は、こども家庭庁に対しこの優先順位についての考えを質問しましたが、自身の立場は示していません。これに対し津島淳副大臣は、母子の生命健康確保と出自を知る権利の保障はいずれも重要であるとし、両立を目指す考えを答弁しました。
出産費用の現物給付化と妊婦健診の標準化について、標準額の決定手続や検証プロセスに関する質疑が行われました。日野委員は標準額決定・公表の工程と期限の明示、および制度検証の手法・公表・見直しプロセスの明確化と分娩取扱施設数等の指標活用を求めました。これに対し上野大臣は、給付水準は中医協諮問を経て決定するとした上で、施設機能別・地域別に費用構造を分析し丁寧に検討するとし、時期は未定と答弁するとともに、給付水準は固定せず施行後も経営実態を踏まえ定期的に検証・見直しを行うと述べました。岡野委員は基本単価設定の算出根拠の公開・説明が制度信頼の鍵になると指摘しました。豊田委員は妊婦健診標準額の法定化について、既に一般財源化されている中での市町村への効果や施行時期の妥当性を質問し、津島副大臣は国として初めて妊婦健診の標準額を設定し、公費負担額と医療機関価格双方に勘案を求めると説明した上で、標準額は診療報酬等を勘案し関係者の意見を聞きながら速やかに検討すると答弁しました。附帯決議では、サービス内容と費用の見える化・標準化の確実な実施と周産期医療提供体制確保への努力、出産育児一時金の経過措置における妊産婦の不利益・不公平や保険者の過度な事務負担の回避、新たな給付体系への円滑な移行に向けた国から分娩施設への丁寧な説明、分娩費等の金額設定における医療保険財政・保険料負担への影響と関係者の意見の十分な考慮が盛り込まれました。
分娩施設の経営維持と産科医確保に向けた国の支援について議論が行われました。岡野純子委員は、出産給付体系見直しに伴う一律基本単価の導入が都市部の一次施設の分娩機能縮小を招く懸念を示し、政府の政治的責任と経営圧迫回避策を質問しました(スコア0.25)。これに対し総理は、施行までに都市部医療機関の経営実態にも配慮しつつ関係者の意見を丁寧に聞くとし、周産期母子医療センター運営支援や地方分娩施設運営支援等の予算措置による総合的支援を説明しました。古川あおい委員は、産科の医師不足・施設減少の深刻さや現場からの慎重な対応を求める声、助産所への新たな事務負担への懸念を指摘し、小規模施設への対応として都道府県等自治体が窓口となる案を提案しました(スコア0.75)。仁木副大臣は、代理受領方式は現行運用と大きく変わらず助産所の事務負担軽減に配慮するとし、新体系移行は可能な施設から順次進め当分の間従来の仕組みも選択可能とすると説明しました。上野大臣は、給付体系見直しは妊婦負担軽減と地域周産期提供体制確保の両立を図るものであり、取組状況を適時把握すると答弁しました。附帯決議では、分娩施設の体制維持・確保や産科医確保・地域偏在解消を国のインフラ整備の問題とし、公費による支援を含む対応策の検討、標準的費用設定や加算措置の不断の見直し、無痛分娩等の安全な提供体制確保のための麻酔医確保等の方策を講じることとされました。
ただし、新たな制度により、出産できる施設へのアクセスが悪化することのないよう、現場の持続可能性と制度設計とを一体として支える設計を求めます。
そうした都市部では、小規模な一次施設の経営は元々厳しく、そこへ全国一律の基本単価を当てはめることで、かえって地域の身近な分娩機能が縮小するおそれを懸念しています。
分娩取扱施設数の変化などを指標として見直しや水準の調整につなげていくべきだと思いますが、この点について、大臣の御見解をお伺いします。
その水準に関しましても、一旦決めたらその金額で固定ということではなくて、施行後にも各施設の経営実態などを考慮して、定期的に検証して、必要に応じて見直しを行っていきたいと考えています。
保険料負担への影響に留意しながらも、都市部の医療機関等の経営実態などにも配慮した上で、関係者の御意見を丁寧にお聞きしてまいります。
本テーマでは、効果が乏しいと指摘される医療の適正化について議論されました。大臣は重複投薬適正化等と併せてこの適正化が重要と答弁し、第四期医療費適正化計画では抗菌薬処方・プレガバリン処方を対象に適正化が目標化されています。対象候補は厚労科学研究の先行研究調査・NDB分析・中医協技術評価分科会での学会提案募集により探索され、学会との調整を経て診療ガイドラインとの整合性や算定要件を確認した上で医療保険部会で議論し計画へ追加されます。選定はNDB等データによる医療費規模・実施頻度・地域差の分析に基づき効果が高いものから優先され、プレガバリンは国内ガイドラインでエビデンスが乏しいことなどを総合判断して選定されました。風邪等への抗菌薬処方については、昨年8月末に診療報酬算定を原則認めない方針が統一運用されています。豊田真由子委員は、日本の平均在院日数・外来受診回数がOECD上位にあり薄利多売構造にあるとして過剰受診・投薬・検査の見直しの必要性を指摘し、上野賢一郎大臣は過剰な受診・投薬等の適正化について一定評価し対応を進めてきたと答弁しました。
同時に、効果が乏しいというエビデンスがあることが指摘をされている医療、この適正化にも取り組むことが重要です。
本来、しなくてもいい医療に関しては、やはり見直しをしていくべきだというふうに思っております。
本当の意味で過剰な受診や投薬や検査ですとか、あるいはもうちょっと、各国と比べてみた場合のいろいろな治療の、薬の在り方みたいなことがたくさん、つまんでいけばいっぱい出てくると思っていて、やはりこれを持続可能なものとして、今現在、そして将来にわたっていろいろな意味で持続可能なものとしていくために、いろいろな負担の在り方も含めた見直しが必要だと思いますが
本テーマでは、医師の時間外・休日労働に関する特例上限(年間千八百六十時間、月百五十五時間相当)の解消時期について議論が行われました。豊田真由子委員は、この特例上限を2035年を待たずに早期に解消すべきであると主張しました。これに対し上野大臣は、2035年度末を目標として2024年4月以降3年ごとに検討を行う方針であり、昨年10月には実態調査を実施したと説明しました。
業務効率化と言うのであれば、二〇三五年を待たずにこの例外的な千八百六十時間を解消していくべきではないかと思いますし
医療機関の業務効率化・勤務環境改善支援基金の創設について、豊田委員は特例上限適用医療機関に業務効率化の取組を最優先で実施すべきと指摘しました。上野大臣は、基金補助について長時間労働状況や計画内容・目標設定を確認し、都道府県と連携して対象を決定すると説明しました。古川あおい委員は、地域医療介護総合確保基金への業務効率化・勤務環境改善区分新設や認定病院制度創設の全体像を質問し、森光敬子政府参考人は令和7年度補正予算で国費200億円を計上して先行実施し、法改正により基金に恒常的事業として位置づけると説明しました。古川委員は補正予算事業の効果を質問しましたが、森光参考人は申請受付中で効果は未把握と回答し、古川委員は効果未検証のまま法改正で基金に組み込む理由をさらに質問しました。これに対し森光参考人は、過去の看護ICT補助事業等でデータ入力減少等の効果を確認済みであり、医療従事者確保が喫緊の課題であると説明しました。また古川委員は認定手続に伴う事務負担軽減策を質問し、仁木副大臣は業務効率化計画作成・データ提出等に加え、行政側の医療DX推進で対応すると説明しました。附帯決議では、医療機関の責務明確化にあたり適切な支援と現場実態の把握・検証、医療の安全性・質の担保、個人情報保護への留意、現場労働者の負担軽減に資する取組とすることが求められました。
本テーマでは、医療用医薬品の流通における物流自動化への対応が議論されました。浜地雅一委員は、GS1コードの普及状況と、梱包資材が自動化の妨げになっている問題を指摘し、仕様の統一化を厚生労働省に要請しました(スコア0.75、賛成的)。これに対し森政府参考人は、GS1コードについては元梱包表示で令和六年九月末時点でおおむね100%の普及に達していると回答しました。また梱包に関しては、輸送時の破損防止が主目的であるとした上で、自動化と保護のバランスについて卸等と検討していく旨を答弁しました。
ですので、この自動化の弊害となっているような医薬品の梱包の仕様についても、是非、厚生労働省の方でも統一化の取組を進めていただきたいと思いますが、この二点について御答弁ください。
本テーマでは、2015年度から実施されている協会けんぽへの国庫補助特例減額について、さらに3年間毎年500億円を削減する措置の是非が議論されました。辰巳孝太郎委員は、協会けんぽの準備金増加を理由とした本措置に反対の立場を示し、準備金は保険料率の引下げにこそ用いるべきであると主張しました。これに関連し、附帯決議では、協会けんぽへの国庫補助の在り方について、財政基盤の安定や保険者機能の発揮といった観点を勘案して検討することとされました。また、時限措置終了後の保険財政運営の在り方についても中長期的な視点から検討し、疾病予防・健康づくりを推進する体制の確立に努めることとされました。
準備金が積み上がっているのであれば、財政再建のために保険料率を引き上げた経過に照らしても、この準備金を活用して、保険料率の引下げにこそ使うべきです。
国民健康保険料の均等割軽減について、未就学児から高校生年代まで対象を拡大し、新たに約140万人が対象となる見込みであることが確認されました。軽減額は被保険者一人当たり全国平均で年間約2万円(均等割年額約4万円の半額)とされ、7割軽減対象世帯については合計8.5割軽減となり、全国平均約4万円が3.4万円軽減されると説明されました。豊田真由子委員は、被用者保険では子供の扶養家族に保険料がかからないことを踏まえ、国保の子供均等割は将来的にゼロを目指すべきと提案しました。これに対し間隆一郎政府参考人は、応益負担の観点から均等割の全額免除には慎重な検討が必要であるとし、限られた財源の中で未就学児の全額免除よりも対象拡大を優先したと説明しました。
本テーマでは、国民健康保険料水準の統一化と財政安定化基金の取崩し要件緩和が議論されました。論点として、完全統一を達成しているのは大阪府・奈良県の2府県のみであり、目標年次が未定の県も福岡県を含め8県ある現状が示されました。法案では、財政安定化基金を保険料抑制目的でも取崩し可能とし、統一に伴う保険料急上昇を抑制する狙いが説明されました。また、令和8年度に保険料水準統一加速化プランの見直しを予定していることが示されました。附帯決議では、国民健康保険財政安定化基金の運用見直しについて、保険料抑制に向け実態把握・検証を行い、必要な見直しを行うとされました。発言者については、浜地雅一氏が納付金ベース統一についての説明を行いましたが、その発言からは賛否は読み取れませんでした。
この統一化の意味には二つございまして、一つは、まず、納付金ベースの統一を図ろう、これがまず第一歩でございます。
地域医療構想に基づく病院再編・病床機能集約化について、豊田真由子委員は、地域により人口動態や医療需要が大きく異なることを踏まえ、病院再編統合や病床調整の必要性を賛成の立場から指摘しました。これに対し上野賢一郎大臣は、令和2年度から6年度にかけて地域医療介護総合確保基金を活用し45医療機関の再編を支援してきた実績を説明した上で、新たな地域医療構想においては急性期拠点機能等、医療機関の機能に着目した連携・再編・集約化を進め、基金に新たな支援事業を追加する方針を示し、賛成の立場を明らかにしました。また上野大臣は、連立政権合意書等に基づき、新たな地域医療構想に向けた病床削減の検討を進めていることにも言及しました。
本テーマでは、多胎妊婦健康診査支援に関する附帯決議において、多胎妊娠の医学的特性に応じた標準的な健診内容の検討と、支援事業の全国的な実施率向上に向けた方策の検討が示されました。また、民間団体等との連携による周知・支援体制の強化、および申請手続における当事者負担の軽減についても検討する旨が盛り込まれました。発言者個別のスタンス(賛否)データは示されていません。
本テーマでは、女性の生涯にわたる健康対策の推進が議論されました。豊田真由子委員は、女性の健康の包括的支援に関する総理の決意を質問し、女性の健康づくりの加速を求める姿勢を示しました。これに対し総理は、女性の健康総合センターを司令塔として、診療拠点の整備、研究、情報発信を進めるとともに、学校や職場での取組を推進する方針を説明しました。高市早苗委員は、女性の健康総合センターの整備を成果として肯定的に評価し、取組を推進する姿勢を表明しました。議論では、女性の健康総合センターを中心とした支援体制の構築という方向性が確認されました。
本テーマでは、妊婦健診未受診と生後ゼロ日児虐待死の関連について議論されました。源河政府参考人は、令和五年度の心中以外の虐待死48人中ゼロ歳児・ゼロ日児が16人と最多であること、直近五か年でゼロ日死亡45人中42人が医療機関の関与(健診含む)がなかったことを説明しました。日野紗里亜委員は、経済的負担軽減が未受診率低下や虐待リスク低減につながるかを質問するとともに、ゼロ日児虐待死は妊婦健診未受診率が極めて高く、特定妊婦としても把握されていない実態を指摘しました(スタンス0.50、賛否は示されず問題提起のみ)。津島淳副大臣は、経済的負担軽減が経済的理由による未受診の解消につながり得ると答弁し、低所得妊婦・特定妊婦への初回産科受診料補助や同行支援、こども家庭センター整備、予期しない妊娠の相談窓口サイト整備等による孤立妊婦支援の推進を説明しました(スタンス0.75)。豊田真由子委員は、初回妊娠確定診断の自己負担軽減策を質問し、能動的に支援を受ける意思のない、母子手帳を受け取らない妊婦への支援の必要性を指摘しました(スタンス0.75)。また、思いがけない妊娠の相談窓口サイト開設やSNS広告等の広報事業の実施も説明されました。
妊産婦のメンタルヘルス支援体制の強化については、要点の抽出はありませんでしたが、発言者のスタンスデータが示されています。沼崎満子氏は妊婦健診でのメンタルヘルススクリーニング強化を求めており、賛成の立場を示しています。津島淳氏は本テーマの重要性を明言していますが、具体的な賛否や施策への言及はありませんでした。
後期高齢者医療保険料への金融所得の反映をめぐっては、上野大臣が窓口負担割合等への早期反映に向けた取組の指摘があったと総括しました。附帯決議では、金融所得の勘案について公平な負担・支払い能力に応じた負担の観点から持続可能な制度の在り方を検討するとされたほか、導入後の後期高齢者の受診等への影響を実態把握・検証し必要な見直しを行うこと、現役並み所得者の給付費が公費対象外である点を踏まえ窓口負担割合の検討の中で現役世代負担への配慮を検討すること、金融所得反映に伴う事務実施についてデジタル技術の活用や国民健康保険団体連合会の活用により自治体の事務負担軽減に努めることが盛り込まれました。浅野哲氏については、加減算制度の調整幅に関する言及があったのみで、金融所得反映そのものへの言及は確認されていません。
証拠は加減算制度の調整幅に関する言及のみで、金融所得反映への言及なし
本テーマでは、攻めの予防医療の現状としてがん検診・歯科健診が中心であり、リハビリテーションが含まれていない点が指摘されました。これに対し山本香苗はリハビリテーション推進を明確に主張し、大臣に見解を求めました。大臣は、フレイルや重症化予防の早期介入としてリハビリ推進を今後十分検討する必要性を認めました。また岡野純子は、攻めの予防医療について具体的な工程と制度設計を総理に質問し、上野賢一郎は検討が必要との前向きな認識を示しました。総理は、がん検診受診率向上、歯科健診、女性の健康支援、プレコンセプションケアの取組を説明し、工程表を策定する予定を示しました。
本テーマでは、一部保険外療養の導入をめぐり、混合診療解禁につながるとの懸念が議論されました。辰巳孝太郎委員(反対)は、2006年の厚生労働大臣・規制改革担当大臣間の合意で必要かつ適切な医療は保険診療で確保するとされたこととの整合性を質問した上で、今回の一部保険外療養が評価療養・選択療養の枠組みとは別立てであり混合診療解禁につながると批判しました。また、対象が薬剤以外の診察・処置・入院・手術等にも拡大し得る無限定な規定であると指摘し、混合診療禁止を原則とする国民皆保険の理念を揺るがしかねないとして反対討論を行いました。上野賢一郎委員は保険診療確保の原則を答弁するにとどまり、混合診療自体への賛否は示されませんでした。結論として、附帯決議では一部保険外療養の対象範囲に薬剤以外の診療行為を含めるべきでないとの指摘を踏まえ、十分検討するよう求められました。
特定妊婦への支援強化については、津島副大臣が初回産科受診料の補助や産科医療機関への同行支援を実施していると説明しました。これに対し、日野紗里亜氏は未受診で把握漏れとなっている層に虐待リスクが集中していると指摘し、支援拡充の必要性を示唆する立場(賛成)を示しました。また、沼崎満子氏は特定妊婦への支援の現状と今後の強化方針について質問し、前向きな取組を求める立場(賛成)を示しました。両氏とも支援強化の方向性を求める発言となっており、明確な結論・決定事項は示されていません。
百三十万円の壁対策と被扶養者認定の円滑化については、事業主証明による一時的収入増の被扶養者認定円滑化が実施され、対象者の約3割が証明書を提出したことが示されました。また、本年4月からは雇用契約上年収130万円未満が明らかな場合、その時点で被扶養者認定する運用が開始されました。106万円の壁については、最低賃金引上げにより事実上消滅したとの認識が示されています。制度の周知不足が指摘され、国会に限らずパンフレット等での周知強化を求める意見がありました。年収の壁・支援強化パッケージのキャリアアップ助成金は令和6年度支給額31.8億円、利用者約1.3万人にとどまっています。社会保険適用時処遇改善コースは令和7年度末終了予定であり、7月の拡充で最大75万円助成に改善されたほか、書類簡素化も推進されています。浜地雅一は、周知強化と助成金活用促進を求め、対策の実効性向上を志向する立場を示しました。
これは、やはりこの国会だけで議論するんじゃなくて、少しパンフレットみたいなものを作りながら周知をすることを行っていかないと、やはり根強い就業調整というのは残ってしまうんじゃないかというふうに私は思いますが
社会保険料削減を目的として個人事業主を法人役員に就任させ低額報酬で被用者保険に加入させるスキームについて、本年3月の通知で実態要件が明確化されたことが取り上げられました。一人会社やマイクロ法人の代表者についても同様に、使用関係や業務実態がなければ被用者保険は適用されないとされ、実態要件は具体的基準ではなく業務内容等を総合的に勘案して判断されるとの説明がありました。短時間正社員形式の事例も認識されており、通知は役員を対象とするため個別事例の実態に基づき判断する必要があるとされました。現在、疑わしい事業所への調査が実施されており、得られた知見を基にさらなる対応が検討されています。不適切と確認された場合は事業所を指導し資格喪失とし、客観的事実が明らかな時点まで遡及するとされ、資格喪失後は国民健康保険・国民年金への加入により保険料を最大2〜3年遡及納付する必要があり、無保険期間は給付を受けられないことが示されました。虚偽届出等には罰則規定が適用され得るものの、適用逃れを助長する事業者への業規制や禁止措置は医療保険各法が業法でないため設けることが難しいとされました。上野賢一郎氏は公平性確保のため運用の厳正化を表明し、山本香苗氏は抜け穴を徹底的に封じ根絶すべきと主張しました。是正状況の公表については検討するとの答弁にとどまりました。
社会保障制度をコストではなく投資と捉える考え方と創薬力強化について議論が行われました。豊田真由子委員は社会保障を投資と捉えるべきとの考え方を示し、創薬力についても同様の視点が必要であると述べ、賛成の立場を明らかにしました。これに対し総理(高市早苗)は、医療保険制度や医薬品産業への投資という考え方に共感を示し、創薬・先端医療を17の戦略分野の一つに位置づけ、官民で投資を進めていく方針を答弁しました。両者とも社会保障・創薬を投資と捉える考え方に肯定的な立場を示しています。
本テーマでは、社会保障制度改正に伴う実務・システム上の課題とコストの可視化が議論されました。古川あおい委員は、高額療養費見直しの影響規模把握や現物給付化についてシステム制約を理由に道筋が十分示されなかったと指摘し、実務者会議のようにシステム改修コスト・期間を明らかにするプロセスを社会保障制度改革全般の原則とすべきと提案しました。これに対し総理は、できない理由でなくできる方法を考える方針を示し、新設の年間上限はまず償還払いで8月開始、現物給付化へシステム対応を急ぐと答弁しました。
本テーマでは、OTC類似薬の見直しを機に薬局を身近な健康支援拠点として整備し、国民の意識変容を促すことが議論されました。岡野純子委員はスコア0.75で、薬局の健康支援拠点化強化の意向を質問形式で促す立場から総理に質問し、制度変更だけでなく改革の目的や目指す医療の姿を国民に正確に伝える必要性を強調しました。これに対し高市早苗総理はスコア0.75で、改正薬機法で創設した健康増進支援薬局の認定制度を紹介し、施行日までの体制整備と国民への普及啓発を進める意向を表明しました。両者とも薬局の健康サポート機能拡充と普及啓発の推進に賛成の立場を示しており、議論を通じて制度の周知と体制整備を進める方向性が確認されました。
適用逃れ助長事業者への規制の要否について、山本香苗氏は業規制・禁止措置の導入を質問形式で提起し、賛成の立場を示しました。これに対し間隆一郎氏は、法人の業務内容への直接規制は困難であるとの消極的な姿勢を示しました。
高額療養費制度をめぐっては、応能負担の観点から所得区分の細分化やその在り方が論点となりました。浅野哲委員は所得区分細分化に加え、家族構成・収入変化・借入等の実態を加味した検討を求め、応能負担強化の方向を示しました。上野賢一郎大臣は、現行制度は非課税者を除き負担能力に応じた上限設定となっているが所得区分は大くくりであり改善余地があるとし、所得変動の実態への留意を含め応能負担の在り方は今後の課題であると答弁しました。また大臣は、受診行動への影響分析や年間上限の現物給付化を始めとした運用改善についての指摘があったと総括しました。討論では古川委員が年間上限の現物給付化に向けた早急な検討を求めました。附帯決議では、支給要件等は療養費負担の家計への影響と必要かつ適切な受診への影響を考慮して定めること、収入状況や子の扶養・教育費支出、療養状況等の多様性に留意しきめ細かい支給要件とすること、検討にあたり患者・医療従事者・学識経験者・労使等を社会保障審議会に参画させ意見聴取することが定められました。
今でも重過ぎる負担に苦しんでいる人々の八割が負担増になる。
一方で、負担増となる制度利用、つまり年一回から三回の制度利用者の方は最大で六百六十万人と御答弁、あります。
今後、高額療養費制度の応能負担性を高めていく方法として、所得区分を細かく分けていくことのみならず、家族構成や仕事や収入の変化、借入れなどの状況の実態を加味することも検討範囲に含めていただきたいと思っていますので、そこも併せて御答弁をいただきたいと思います。
応能負担の在り方については今後の課題の一つだというふうに受け止めております。
高額療養費制度の見直しをめぐっては、多数回該当の維持や年間上限の新設を評価する声がある一方、月額上限の見直しにより負担増となる利用者が最大約660万人(対象者823万人の8割)に上ることが問題視されました。早稲田委員は月額上限で最大38%増となる区分があると指摘し、制度設計の再考を要望しました。辰巳委員は年収650万~770万円層で自己負担が1.4倍になる点や、高額療養費が医療費全体に占める割合が6.8%にとどまり伸びも鈍化している点を挙げて持続可能性論に疑問を呈し、総理が総裁選時の反対姿勢から方針転換したことを追及するとともに、患者団体との合意が得られていないとして見直しの撤回を求めました。総理は現役世代の保険料負担と長期療養患者への配慮の両立を図るための必要な見直しであると答弁し、年間上限の償還払いを8月から開始することが患者のためになるとの趣旨であったと釈明しました。古川委員は負担上限額見直し自体は法案の範囲外としつつ、長期療養者の家計への影響を政令上考慮するよう法律で明確化された点を評価しました。結論として、附帯決議では多数回該当・年間上限に該当しない患者の医療アクセスが阻害されないよう留意すること、所得区分別・年齢別・疾病別の影響を継続的に検証し必要に応じ速やかに見直すことが盛り込まれました。
高額療養費制度の見直しをめぐり、早稲田委員は四党で提出した議員立法を説明した上で、今後の見直しにおいても社会保障審議会で意見を聞く措置を講じるよう総理に要請しました。高市総理は、専門委員会は社会保障審議会の一部として昨年五月に設置され、延べ20超の事例や家計収支資料を示しながら九回にわたり議論が行われたと説明し、将来の改正でも同様の会議体で議論することが基本との考えを示しました。一方、大黒参考人からは、八回目までは合意形成的な議論があったものの、九回目には金額提示が議論なく示されたとの指摘がありました。古川委員は、患者団体や医療経済学者などデータ分析専門家が参加する専門委員会の設置を今後の標準プロセスとするよう総理に求め、前回見直し案への反発を受けて設置された専門委員会での当事者の声とデータに基づく議論を今後も求めると表明しました。総理は次回改正の手順は未定としつつ、患者団体参画の専門委員会での議論が基本であるとし、委員選定については医療経済学に精通した者を含む多角的視点での検討が必要との考えを示しました。
質疑終局後、古川あおい委員が賛成、辰巳孝太郎委員が反対の立場で討論を行い、健康保険法等改正案は起立多数で原案どおり可決されました。あわせて6会派共同提案による附帯決議が起立多数で決定し、OTC類似薬・高額療養費・出産給付体系等について、実態把握・検証や必要な見直し、配慮措置の維持等を求める内容が盛り込まれました。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。