本会議では、学校教育法等の一部を改正する法律案を議題に、デジタル教科書の制度化をめぐり質疑が行われました。渡辺藍理委員は党内アンケートを基に教員負担増、学力への影響不明確、視力低下・姿勢悪化への懸念、書く力低下等を指摘し、紙を主とする原則の法文明記を求めました。菊田真紀子委員は二次元コード先コンテンツの増加、コストの発行者転嫁、低学年への影響、家庭のICT環境格差、採択事務負担等を質問しました。山崎正恭委員はICT支援員の常勤化、アクセシビリティ標準規格、ベンダーロックイン防止、学習ログのセキュリティーガバナンス等を質問しました。河合道雄委員は研修体制整備や指導主事配置の地域格差是正、当事者参画を求めました。松本洋平大臣は、デジタル化は目的でなく教育の質向上の手段であり、紙とデジタル双方のよさを組み合わせる方針を繰り返し答弁し、望月禎局長が検定制度や標準仕様等の具体的検討状況を説明しました。
この概要はAIによる自動生成です。解釈の違いや誤りが含まれる場合があります。
全39テーマ ・ 紐づく質疑73件
デジタル教科書QRコードコンテンツの検定対象化と分量制限の基準設定
GIGAスクール構想の成果総括に関して、渡辺委員は参政党内アンケートで示された教員負担増や学習効果不明確といった反対意見を紹介し、構想の総括について質問しました。これに対し大臣は、一人一台端末の整備により学力面や不登校児童等の学びの保障において成果があったとの総括を示しました。また、松本洋平氏は学力向上や不登校児童の学び保障への寄与を肯定的に評価する立場を示しました。
これまでの成果といたしまして、我が国の学校教育において、一人一台端末を始めとするデジタル学習基盤が整備をされまして、児童生徒の学力との関係について一定の成果が出ていることや、不登校や病気療養中などの児童生徒の学びの保障にも大きく寄与していることなどが挙げられます。
ICT支援員の常勤化・配置充実について、山崎委員はアカウントひもづけ作業等の負担を踏まえ、ICT支援員の標準配置基準を国が示す必要性を質問し、量的業務が4月に集中することから定量支援としての配置推進を要望しました。西岡義高委員は、ICT支援員が4校に1人で週1回程度の巡回にとどまっている現状を挙げ、常勤化の必要性と未配置校の早急な充足を求めました。これに対し堀野局長は、ICT環境整備方針で4校に1人配置を最低限必要な水準として示していると説明し、令和6年度実績は全国平均4.5校に1人であると述べました。大臣も令和6年度配置が全国平均4.5校に1人であることを踏まえ、まず4校に1人の達成を促す方針を示しました。また、アカウント登録作業は教員やICT支援員が担う例が多いことから、国が主導して負担軽減の取組を強化する必要があるとされ、ICT支援員の配置が全校に行き届いていない中で配置拡充の重要性が増すとの指摘もありました。河井昭成委員は教員負担軽減のための新規配置拡充を明確に要求しました。
本テーマでは、デジタルコンテンツ制作費の格差が教科書会社間の競争や寡占に及ぼす影響が議論されました。西岡義高委員は、資金力による動画コンテンツの差が教科書採択に影響し、教科書会社の集約や内容の偏りを招くことへの懸念を示しました(賛否スコア0.20)。渡辺委員は、小規模出版社の撤退による寡占リスクについて政府の見解を質問しました。これに対し大臣は、新規デジタルコンテンツを学習指導要領に基づく範囲に限定し、適正価格の設定と予算確保で対応する方針を示しました。政府参考人は、複数形態での発行を必須とはせず、二次元コード先のコンテンツの無制限な拡大を抑制することでコスト負担を検討する旨を答弁しました。
小さな教科書会社が淘汰されてしまうような可能性もあるかと思います。
本テーマでは、デジタル教科書の二次元コード(QRコード)先コンテンツの検定対象化と分量制限の基準設定が議論されました。現行制度では二次元コード先コンテンツは教材扱いで検定対象外ですが、改正後は教科書内容として検定対象化される見込みです。菊田真紀子委員は、小6・中3教科書の二次元バーコード数が前回検定比3.5倍に増加していると指摘し、数・範囲の具体的な制限や基準設定を求め、基準がなければ教員負担が大きくなると懸念を示しました。渡辺藍理委員は、既存のQRコード機能で十分であればデジタル教科書の枠を別途設ける必要性があるのか質問しました。政府参考人(望月禎局長)は、現行のQRコード先は検定対象外で質の担保が不十分であるとした上で、改正後は検定対象化し、真に必要なコンテンツを一定の枠組みで認める方向で、分量については教科書検定調査審議会で検討する考えを示し、二次元コード増加の抑制も課題であると答弁しました。
本テーマでは、紙とデジタル教科書の使い分けの判断基準や将来的な完全デジタル移行の有無について質疑が行われました。山崎委員がこれらの点を質問したのに対し、望月局長は紙を廃止し一律デジタルへ切り替える考えは現時点でないと明言しました。また、大臣は制度改正の目的について、紙とデジタル双方のよさを取り入れ学びの質を高めることであると答弁しました。スタンスに関しては、村上智信氏および松本洋平氏がハイブリッド方式のメリットの大きさや双方の良さを組み合わせる重要性を明言し、賛成の立場を示しました。西岡義高氏は、デジタルと紙を状況に応じて選択できる仕組みの重要性を紹介しましたが、賛否については明言していません。
デジタル教科書における新たなコンテンツ形態について、新たな教科書は英語ネイティブ音声や理科実験動画等を教科書の一部として掲載可能になることが説明されました。今後のデジタル教科書は紙面を単純にデータ化するものではなく、英語ネイティブ音声、理科実験動画、図形の展開・回転等の機能を含み得るとされました。また、生徒が係数を設定してグラフを作成するなど、プログラム的な機能も含まれ得ることが示されました。
デジタル教科書における読み書き困難な児童生徒への支援機能の標準化について議論されました。山崎正恭委員は、読み上げ機能等の支援をどこまで標準化するか、視覚優位・聴覚優位等の特性に応じた個別最適支援の在り方を質問しました。これに対し望月禎局長は、読み上げ・ルビ振り・文字拡大・背景色変更・動画字幕等の標準仕様を検討していると説明し、また拡大教科書やデイジー教科書等の教科用特定図書等についても、アクセシビリティー規格を踏まえた標準規格を検討していると述べました。山崎委員は、こうした支援機能を全学校で確実に活用してもらうための周知強化を要望しました。
デジタル教科書に係るコストの教科書発行者への転嫁について、菊田真紀子委員はクラウド配信等の新規コストが教科書会社に転嫁されないか懸念を表明し、是正を求めました。これに対し松本大臣は、コスト構造の違いを考慮した上で教科書発行者と協議し、コストに見合った適正定価設定と予算確保に努めると答弁しました。デジタル教科書は印刷費が減少する一方でクラウド配信料等が新たに発生することから、教科書発行者とコスト構造を検討中であるとされ、現時点でコスト構造を予断できないとしつつも、発行者との意見交換を通じて検討を加速する方針が示されました。また、二次元コード先のデジタルコンテンツについては、学習指導要領に基づく教科書の一部に限定し、無制限な拡大を抑制する方針も示されました。
デジタル教科書に係る著作物利用の権利制限措置に関して、附帯決議では、著作物等を教科書に掲載する際の補償金額の検討にあたり、権利者への適切な対価還元に留意することが求められました。
本テーマでは、デジタル教科書のアクセシビリティ標準規格策定と当事者参画のあり方が議論されました。山崎委員は特別支援学級・学校の児童生徒へのデジタル教科書の有用性に関するエビデンスと支援策を質問し、望月局長は視覚障害・肢体不自由・発達障害等それぞれについて効果を実証研究で確認していると説明しました。河合道雄委員は、教科書バリアフリー法の教科用特定図書デジタル化を機にアクセシビリティ標準規格を策定するよう提起し、視覚障害・肢体不自由に加え発達障害、読み書き困難、日本語支援が必要な児童生徒への対応も論点であると指摘しました。河合委員は障害者権利条約の「ナッシング・アバウト・アス・ウィズアウト・アス」原則に基づき、当事者の策定プロセスへの参画を求めました。これに対し望月政府参考人は、読み上げ、ルビ振り、拡大、文字の大きさ・背景色変更、動画・音声コンテンツの字幕掲載や再生速度調整機能等の標準実装を検討し、策定に当たっては特別支援教育の専門家や担当教師の意見を聴取するとしました。河合委員は当事者性のある人物の参画を改めて要望しました。
是非、そういった専門性のある方に加えて、当事者性のある方のプロセスへの参画を強く希望したいと思います。
デジタル教科書のベンダーロックイン防止に向けた共通基盤・標準仕様整備について議論が行われました。山崎正恭委員は、ベンダーロックイン防止のため国主導で標準仕様を策定し、共通基盤整備を国の責務とすべきと質問しました。これに対し松本洋平大臣は、読み上げ等のアクセシビリティー機能、通信障害時の印刷・ダウンロード機能、シングルサインオン等のアカウント管理機能を標準仕様として検討する考えを示しました。また松本大臣は、標準仕様の検討にあたっては教科書発行者や配信事業者を交え、特定事業者の仕様に偏らないようにすると説明しました。山崎委員は国主導の標準仕様策定と共通基盤整備を国の責務とすべきと明確に主張し、松本大臣は特定事業者偏重を避けバランスの取れた標準仕様策定を目指す姿勢を示しました。
デジタル教科書の利用期間(ライセンス期間)設定については、デジタル部分は使用権(ライセンス)として提供され、国が使用権を購入し設置者に無償移転する仕組みであることが確認され、中教審提言では義務教育段階で3年以上、高校段階で4年以上のライセンス期間が望ましいとされ、省令で具体化される予定であることが示されました。この論点について、望月禎氏は長期利用を可能にする提言を紹介し、継続活用に前向きな立場を示しました。一方、河井昭成氏は利用期間が限定されることにより過去の学習内容を振り返ることが困難になる点を懸念する立場を示しました。
デジタル教科書における学習ログ等個人情報の利活用とセキュリティーガバナンスについて議論が行われました。山崎正恭委員は、学習ログの利活用範囲の限定や外部提供の是非、データガバナンス設計に関して政府の方針を質問しました。これに対し松本洋平大臣は、教育データ利活用に係る留意事項や教育情報セキュリティーポリシーガイドラインにより、個人情報の適切な管理を求めていると説明しました。また、アカウントIDやパスワードの管理についてはセキュリティーと利便性の両立が論点となり、特に低学年児童における管理の困難さが懸念として挙げられました。運用面では、ビューアーへのアカウント登録は学校設置者が行うこととされ、複数ビューアーへの一括登録機能の実装を検討する方針が示されました。
本テーマでは、デジタル教科書の実証研究における国立教育政策研究所・教職員支援機構等の研究機関との連携強化について議論されました。河合道雄委員は、研究機関への人員手当てと独立した議論の場の必要性を要望し、研究機関連携による質的基盤整備を重要課題と位置づける賛成の立場を示しました。これに対し政府参考人は、教職員支援機構の研修プラットフォームや国立教育政策研究所のデータ基盤を通じて実証研究成果を発信していると答弁しました。
研究機関との連携による質的基盤をどう整備していくかは重要な課題です。
本テーマでは、デジタル教科書の教科書法上の位置づけと無償措置の対象化をめぐり議論が行われました。渡辺委員は、完全デジタル版を独立した形態とせず、紙のみまたは紙とデジタルの組み合わせを標準型とすることを法律に明記すべきであると主張しました。これに対し大臣は、大臣指針において全デジタル教科書の扱いを示すとともに、検定規則により対象となる学年・教科を限定するという制度的な担保について説明しました。しかし渡辺委員は、大臣指針のみでは現場での運用が先行し既成事実化する懸念があるとして、改めて法律への明記を求めました。
デジタル教科書利用に伴う児童生徒の健康対策について議論が行われました。裸眼視力1.0未満の割合は小学校で3〜4割、中学校で6割、高校で7割超と高水準で悪化傾向が続いていることが指摘されました。対策として、画面との距離を30センチ以上保つこと、30分に1回20秒以上の休憩を取ること、就寝1時間前のICT利用を控えることなどがガイドラインに明記され、周知が図られています。実証事業では6割の教師・児童生徒が健康配慮を実行できているものの十分ではないとの認識が示され、大臣指針にも留意点を明記する予定とされました。渡辺藍理委員(スコア0.15、反対寄り)は、党内アンケートで視力低下・姿勢悪化への懸念が78%と最も高かったことを踏まえ、全国一律導入を重大リスクと批判し、医学的検証の十分性について質問し慎重な検証を求めました。これに対し政府参考人は、眼科医会等へのヒアリングを踏まえたガイドラインを策定したこと、遵守状況が約6割であることを答弁しました。
全国一律導入を進めることは子供の成長に対する重大なリスクと受け止められています。
デジタル教科書導入と学習指導要領見直しの関係について、村上委員がデジタル教科書導入と学習指導要領見直し、関連指針の内容との関係を質問しました。これに対し、次期学習指導要領改訂の議論と合わせ、大臣指針においてデジタル活用場面と紙活用場面を学校現場に示す方針であることが示されました。
本テーマでは、デジタル教科書の学習効果に関する科学的検証と紙媒体との比較が議論されました。政府参考人からは、紙とデジタルの学習効果比較は条件や被験者差で結果が分かれ一概に優劣は言えないとの説明があり、小5国語の実証研究では記憶・理解のテストで紙とデジタルはほぼ同等の結果であったと答弁されました。望月禎局長は、デジタル教科書を常用する児童生徒ほど授業理解や主体的・対話的な学びに肯定的な回答割合が高く学力調査正答率とも相関がみられること、英語音声の反復聴取や算数のシミュレーション機能、理科実験動画の事前確認等に効果が確認されていることを説明したほか、スウェーデンの補助制度は質の高いデジタル教材へのアクセス保障が目的でありデジタル使用制限が目的ではないと説明しました。菊田真紀子委員は効果の十分な検証・評価を踏まえた制度設計を求め、山崎委員は国内外の研究・エビデンスの整理と政策判断への反映、保護者等への公表を質問しました。渡辺委員は党内アンケートで読解力・記憶定着への懸念が強いとして学力比較調査の見解を質問しました。
デジタル教科書導入をめぐる改正案について、紙教科書を主とする原則を法文に明記すべきかが論点となりました。渡辺藍理委員は、改正案がデジタルのみの教科書を排除しておらず、条文上に紙を主とする原則の記載がないと指摘し、大臣指針よりも法律の規定が優先されるため現場運用が先行して既成事実化する懸念を示した上で、法律又は実効性のある方法で原則型と例外型を明確に規定すべきと主張し、法案に反対しました。山崎正恭委員は紙と両方を残す活用が望ましいとして紙教科書維持に肯定的な立場を示しましたが、法文明記への言及はありませんでした。望月禎委員はデジタル一律化を否定し紙教科書維持の方向性を示しましたが、こちらも法文明記自体への言及はありませんでした。
デジタル教科書導入に伴う教育委員会等の採択事務の負担軽減について議論が行われました。菊田委員は、紙とデジタルのハイブリッド選択を含めた採択事務の負担軽減策について質問しました。これに対し望月局長は、大臣指針の策定、QRコード先の限定、都道府県による調査研究支援等を通じて市町村教育委員会の負担軽減を図る旨を説明しました。また大臣は、都道府県教育委員会が作成する選定資料の提供や、複数市町村による合同調査研究の実施により、採択事務の負担を軽減すると答弁しました。
デジタル教科書導入に伴い、画面操作が中心となることで書く機会が減少するとの懸念が示されました。委員は書く機会減少への対応を質問し、渡辺藍理はデジタル教科書推進による書く力低下を懸念点として指摘しました。これに対し大臣は、デジタルで学んだ内容を紙のノートにまとめるなど、手を動かして書く活動の重要性を大臣指針で示す方針を述べました。
デジタル教科書導入に関して、深澤陽一君外四名から五派共同提案による附帯決議の動議が提出されました。附帯決議では、アクセシビリティ機能の充実や規格策定への当事者参加機会の確保、紙・デジタル・体験活動のベストミックスとエビデンスに基づく指針の提示が求められました。また、教員研修の抜本的拡充やICT支援員配置による技術的サポート体制の支援拡充、端末購入支援・通信環境整備支援の拡充と学習履歴継続性の確保、通信障害時のセーフティネット構築、自治体間の通信環境格差是正、教育委員会の採択負担軽減策も盛り込まれました。このほか、教員業務支援員等の配置拡充による授業研究時間の確保と予算措置、アカウント設定・管理等の事務負担軽減に向けた教科書発行者との連携と好事例周知、視力低下等健康面の周知啓発とSNS依存等リスクへの利用ルールガイドライン周知徹底、教科書定価の適正設定と義務教育無償措置実現への財政措置、著作物補償金額検討における教科書安定発行・供給確保と権利者への対価還元への留意が求められました。この附帯決議は起立多数で可決され、大臣は趣旨に十分留意して対処する旨を述べました。
デジタル教科書の導入に向けては、教員の指導力向上と研修体制の整備が論点となりました。デジタル教科書の学習効果は教員の指導力に依存し、研修を受けた教員ほど活用が進むことが指摘され、視察先の教員が研修を受けておらず独自の工夫で対応していた事例から、研修が十分行き届いていない現状が示されました。ICT活用指導力研修の受講割合は令和元年度の50.1%から令和6年度には73.5%に上昇したと説明された一方、河合道雄委員は研修受講経験のある教師が約2割にとどまるとの調査結果を示し、研修拡充の方針を質問しました。河合委員はGIGA時に研修が届かなかった事例を踏まえ、反転授業的な提供形態の検討を要望し、研修を確実に実施する重要性を強調しました。大臣は、令和12年度の新教科書使用開始を見据え、オンライン研修動画の充実や先進事例の横展開を進める方針を答弁したほか、教職課程コアカリキュラムでICTの効果的活用法を共通修得事項と位置づけ、教育データ利活用の追加も検討中と説明しました。
デジタル教科書を効果的に活用していくためには、しっかりと教員の方への研修をやり切るということが重要だということです。
デジタル教科書の法制化に関し、山崎委員が政策目的と目指す学びの将来像を質問しました。松本大臣は、法案の目的はデジタル化推進自体ではなく新技術活用による教育の質向上であり、デジタル化は目的でなく手段であると説明しました。紙を中心とした学習環境を基本としつつデジタルの特性を取り入れる方針とし、書く力・読む力とリアルな体験を重視しながらデジタルのよさを取り入れ知徳体を一体的に育成すると答弁しました。紙とデジタルそれぞれのよさを組み合わせ学びの充実を図る方針であり、紙の廃止・全面デジタル化は考えていないとしました。紙とデジタルのベストミックスについては、発達段階や教科特性を踏まえた活用場面を大臣指針で示す方針が示されました。村上智信委員はデジタル化を教育の質向上の手段として活用すべきと肯定的に評価し、松本洋平委員もデジタル化は目的でなく教育の質向上の手段であると強調しました。
デジタル教科書導入下における手書き学習の重要性について議論が行われました。菊田真紀子委員は、低学年での繰り返し書く学習の重要性を明確に主張し、手書き機会の減少への懸念を指摘しました。渡辺委員も、書く時間や書く力の低下への懸念から、紙媒体の利点をどのように担保するかを質問しました。これに対し大臣は、デジタルで学んだ内容を紙のノートにまとめるなど、手を動かす書く活動は今後も重要であるとの認識を示し、大臣指針に書く活動の確保を明記する方針を答弁しました。また、松本洋平委員は手書き活動の重要性を一貫して肯定的に表明しました。一方、山崎正恭委員は書く力と読む力の両立を模索する現場紹介にとどまり、立場は明確には示されませんでした。
デジタル教科書検定制度の在り方について、検定基準・範囲・更新頻度・改訂プロセスに関する議論が行われました。デジタル部分の具体的な検定方法については、今後教科書検定調査審議会で専門的見地から審議する方針が示されました。菊田委員は、動画・音声等デジタル素材の検定の観点・基準を明確化するよう求めました。これに対し望月局長は、動画等が文字・図と適切に関連するか、学習指導要領に基づく内容か、音声は通用する発音かなどの観点を検討中であると説明しました。山崎委員は、紙とデジタルの検定基準の違い、更新頻度、改訂プロセスの透明性・公平性について質問しました。望月局長は、大きな構成変更は4年に一度の検定で対応し、社会情勢変化への修正は訂正申請の仕組みで対応可能であるとし、デジタル特有の訂正方法も検討すると回答しました。また、動画・音声確認のための発行者の申請件数見込みを把握し、審議会・事務局双方の体制整備を検討する方針が示されました。河井昭成委員は、検定に技術的人材の必要性を問題提起しました。
この分野を技術的に理解できる方も検定の中に必要なのではないかということを考えたりもします。
本テーマでは、デジタル教科書の活用と対面での対話・体験活動の両立が議論されました。山崎正恭委員は、国語における書く力・読む力の重要性や、物に触れる感覚とデジタル活用との両立について問題提起を行いました。これに対し望月禎局長は、対話的な学びや体験活動を軽視することはあってはならないとの認識を示し、デジタルとリアルのバランスを追求していく考えを説明しました。
本テーマでは、ランドセル症候群等の携行品重量による児童の健康影響とデジタル教科書導入の関係について議論が行われました。西岡義高委員は、ランドセル症候群の実態(平均荷物重量等)とデジタル化による影響を質問し、デジタル教科書化に伴う携行品重量増によりランドセル症候群が悪化することを懸念する立場を示しました。これに対し政府参考人の望月禎氏は、デジタル教科書の導入により紙教科書の重量が軽減され、携行品負担の軽減につながる部分もあると答弁し、肯定的な立場を示しました。両者の間で、デジタル教科書導入が児童の携行品重量に与える影響について見解の相違が見られました。
本テーマでは、一人一台端末やデジタル教科書の活用を前提とした教室環境の整備が議論されました。机の広さや照明環境が端末活用に十分対応できていないとの懸念が示され、健康面への影響も指摘されました。これに対し、学校施設整備指針において机の在り方や日照・採光への配慮事項を示し、設置者に整備を求めていることが説明されました。また、老朽化校舎の大規模改修は当時の設計思想のまま使われていることが多く、今後の対応検討が必要であるとの指摘がなされました。発言者としては、河井昭成が机の狭さ等の環境整備不足を問題視し改善を求める立場から発言しています。
従来、紙の教科書やノートを前提としてきた机の広さでは、端末を置いた上で、紙の教科書や教材、ノートなどのスペースが十分に確保できないとの声を聞いています。
本テーマでは、不登校傾向の子供に対するデジタル教科書を通じた学びの保障について議論が行われました。山崎委員は、対話が苦手な児童生徒や不登校傾向の子供に対してデジタル教科書がどのような役割を果たすかを質問しました。これに対し望月局長は、オンライン学習やクラウド共有により、不登校傾向の児童生徒の学びの保障に寄与すると説明し、肯定的な立場を示しました。
デジタルの活用につきましては、対話が苦手な児童生徒や不登校傾向の児童生徒の学びの保障にも寄与するものと考えてございます。
提示された証拠に発言内容がなく判定不能
本テーマでは、全てがデジタルの教科書を認める学年・教科の範囲と、それを担保する仕組みが議論されました。大臣は、小学校4年生以下では全てデジタルの教科書を認めず、国語・社会・道徳等についても当面認めない考えを表明し、大臣指針で示す学年・教科以外は全デジタル教科書の検定申請を受け付けない仕組みとする旨を答弁しました。望月局長は、発達段階や教科特性を踏まえ、全てデジタルの扱いやデジタル活用が期待される場面を指針で示すとした上で、デジタル部分の使用の量的目安を一律に定める考えはなく、健康面等を踏まえた活用の参考を示すと説明しました。発言者のスタンスとしては、松本洋平氏が指針対象外での全デジタル教科書申請を認めない運用方針を明示し限定の実効性を担保する立場から賛成の姿勢を示した一方、青山周平氏は基礎的な読み書きや文章読解の観点から全面デジタル化に慎重な立場を示しました。
本テーマでは、理系学部における女子枠について、公平性・教育効果・心理的負担等の問題点や憲法14条1項との整合性への懸念が委員から指摘されました。これに対し大臣は、合理的説明と学力評価を伴う多様な入学者選抜として、女性対象選抜には一定の合理性があるとの見解を示しました。政府参考人は、東京医科大学訴訟が募集要項未説明かつ不合理な得点調整によるものであり、要項に基づく多様性確保のための選抜とは異なる旨を説明しました。文科省は、家庭環境・居住地域・国籍・性別等により進学機会に困難がある者を対象とする選抜を望ましいとする考えを示しました。発言者のスタンスとしては、村上智信委員が性別によらない入試を主張して女子枠に否定的な立場を取ったのに対し、松本洋平委員は理工系女性比率の低さを理由に女子選抜への合理性を認める立場を示しました。また、見かけの性別・国籍でなく多様な考え方こそが大学の多様性に重要であるとして、見かけにこだわらない入試の検討を求める指摘もありました。
学校ネットワーク環境整備について、推奨帯域を満たす学校の割合が令和5年時点の約2割から現在は約6割超まで改善し、令和10年度には9割台半ばの達成が見通されていることが示されました。一方で、児童生徒数が多い学校ほど達成率が低い傾向があり、学校間で格差が残っている点が指摘されました。未達成の残り5%については、財政協議中であることや学校統廃合の見込みなどが理由として挙げられ、ネットワークアセスメントの結果を踏まえた補助等により改善を促進していくことが示されました。
本テーマでは、学校教育法等の一部を改正する法律案について審議が行われました。村上委員が質疑を開始し、その後質疑が終局して討論・採決が実施されました。討論においては、河合道雄氏がデジタル教科書正式化の目標を評価する発言を行った一方、渡辺藍理氏は党を代表して明確に反対を表明しました。採決の結果、起立多数により本案は原案のとおり可決すべきものと決定されました。また、委員会報告書の作成については委員長に一任することが異議なく決定されました。
家庭のICT環境格差によるデジタル教科書活用への影響是正について議論が行われました。菊田委員は、家庭のICT環境格差が子供の習熟度差や孤立感につながる懸念を指摘しました。これに関連し、就学援助・高校生等奨学給付金・特別支援教育就学奨励費において、WiFi・モバイルルーター等の通信費支援が実施されていることが示されました。
小学校低学年におけるデジタル教科書利用については、低学年児童は集中の持続が難しく、端末操作に意識が向き授業集中が途切れるとの現場の声が指摘されました。大臣は中教審等の議論を踏まえ、小学校4年生以下では全てデジタルの教科書を認めることは適当でないとの考えを示しました。発言者のスタンスとしては、松本洋平氏が小学校低学年への全デジタル教科書導入に一貫して否定的な立場を示し、河井昭成氏は低学年の集中力低下という懸念を提示し活用制限に慎重な姿勢を示しました。また菊田真紀子氏も低学年への悪影響検証を求め、導入に慎重な姿勢を示しています。
本テーマでは、教科書における生成AIの活用とクリエーターの権利保護が議論されました。西岡義高委員は、生成AIを利用した動画・画像に関するクリエーター権利保護のための規制の必要性について質問しました。これに対し政府参考人は、生成AIの活用についても検定基準に基づき審査を行い、権利処理については発行者の責任で確認する方針であると説明しました。西岡委員はクリエーター権利保護への配慮を求めつつ文部科学省の考えを質問する内容にとどまり、明確な賛否の立場は示されませんでした。
クリエーターの権利を守る観点からも、今後、文科省としてはどのように考えているのか伺いたいと思います。
本テーマでは、教員免許の単位数削減が進む中で、デジタル教科書に関する教職課程の扱いについて議論が行われました。西岡義高委員は、単位数削減がICT活用指導力の習得に必要な時間の確保を脅かすことへの懸念を示し、育成の強化を求める立場から質問を行いました。これに対し大臣は、教職課程コアカリキュラムにおいてICT活用を教員が共通して修得すべき資質として位置づけており、その充実について中央教育審議会で検討中であると答弁しました。
教員免許取得に必要な単位数を削減することも検討が行われているということを耳にしますので、そのような時間が教員免許取得の段階で確保されていくのか懸念を抱いているところでございます。
本テーマでは、指導主事やICT専門人材の配置における地域格差が議論されました。河合道雄委員は、指導主事配置率が人口五千人未満の自治体で35.5%と小規模自治体ほど低い実態を指摘し、対策を質問しました。これに対し大臣は、校長経験者を準ずる者として配置すること、都道府県からの派遣、近隣市町村間での共同設置等の取組を周知していると答弁しました。また堀野政府参考人は、学校DX戦略アドバイザーが令和7年度に562件の案件に対応したと説明しました。ICT支援員については令和6年度で4.5校に一人の配置状況にあることが示されました。大臣は、ICT支援員や学校DX戦略アドバイザー等を一体的に機能させることが重要と述べました。河合委員は地域格差是正のための人員手当を強く要求し、専門人材配置に積極的な立場を示しました。
一層の連携を期待するとともに、こういった研究機関に対しての人員の手当てなどをより一層強く求めたいと考えております。
端末の学習目的外利用の防止と情報モラル教育の推進については、端末が手元にあることで授業と無関係な動画やゲーム等へのアクセスが容易になる懸念が示されました。これに対し、目的外利用防止のポイント通知やほぼ全端末でのフィルタリング機能導入を確認していることが説明され、また情報モラルを情報活用能力の一部として学習指導要領に位置づけ、児童生徒向けコンテンツや教員研修を実施していることが示されました。菊田真紀子委員は、学習目的外利用を重要な問題と捉え、文部科学省に管理徹底を要望する立場を示しました。
今私が指摘しました学習目的外利用は、大変重要な問題だというふうに思いますので、文科省としてもしっかりと管理をしていただきたいというふうに改めて要望させていただきたいと思います。
端末利用の増加が児童生徒の脳発達に与える影響については、確たる研究が十分でなく、学習目的の端末使用の影響を今後調査研究する方針が示されました。ICT機器の長時間利用は学習効果に必ずしもプラスでないとの調査結果もあり、使用時間の適正化が課題として指摘されました。河井昭成議員はスコア0.35で、長時間利用の学習効果に懸念を示し検証の必要性を強調しました。青山周平議員はスコア0.75で、脳科学的実証研究の国による実施を求めました。大臣は長時間利用による集中力低下等への不安の声を認め、ガイドブックの周知や家庭・関係省庁との連携により対応する方針を示しました。
本テーマでは、諸外国におけるデジタル教科書見直しの動向とそれを踏まえた日本の対応が議論されました。スウェーデンは印刷教科書購入補助を導入したものの、デジタル化を全廃するものではなく年齢に応じたバランスを追求していると分析され、フィンランドについても自治体ごとに方針は異なるものの、政府としてはデジタルと紙双方の良さを生かす方針が示されました。渡辺藍理委員(スコア0.25)は、ノルウェー・フィンランド・スウェーデンにおける紙教科書への方針転換事例を紹介し、北欧の慎重論を引用して子供を実験台にすべきでないと指摘し、慎重な姿勢を示しました。一方、山崎委員はスウェーデン視察を踏まえ、紙回帰の印象は報道と異なり、中学以降はデジタル活用が続いている実情を紹介しました。青山周平委員(スコア0.50)は、紙とデジタルの二項対立を避け、双方の良さを併用すべきと主張しました。望月局長および政府参考人は、日本と各国とでは教科書制度・検定制度の前提が異なるため単純比較は困難であるとしつつ、諸外国は実証研究を踏まえて制度改正に至ったと答弁しました。
本テーマでは、通信機器の不具合が生じた場合でも学習を継続できるよう、デジタル教科書のデジタル部分について印刷・ダウンロード機能を標準仕様に盛り込むことが検討されました。また、ライセンス期間終了後においても学習内容を振り返ることができるよう、必要な部分をダウンロード・印刷できるようにする方向での検討も示されました。望月禎氏は、通信障害時の学習継続のためには印刷・ダウンロード機能が必要であると述べ、賛成の立場を明らかにしました。
こうした場合にも学校現場において学習を継続することができるように、デジタルで作成される部分につきましては印刷、ダウンロードできる機能も必要であると考えてございます。
本テーマでは、高校段階のICT端末整備をめぐり、保護者負担への切替えとGIGAスクール構想との整合性が議論されました。菊田真紀子委員は、新潟県において高校端末が無償貸与から保護者購入制へ切り替わった例を挙げ、全国的に保護者負担が増加している実態を指摘した上で、GIGAスクール構想の推進と端末整備を家庭任せにする現状が政策として矛盾していると問題提起しました。これに対し松本洋平大臣は、端末整備にかかる費用負担は各設置者の判断であるとしつつ、地方財政措置や貸与機器整備への支援を行っており、実態調査を進めていると答弁しました。菊田委員は保護者負担への切替えに否定的な立場を示した一方、松本大臣は賛否を明示せず、設置者判断を尊重する中立的な立場での答弁にとどまりました。
質疑終局後の討論では、河合道雄委員がデジタル教科書正式化を評価する一方、渡辺藍理委員は党を代表して反対を表明しました。採決の結果、起立多数で本案は原案のとおり可決すべきものと決定され、五派共同提案による附帯決議も起立多数で可決されました。委員会報告書の作成は委員長に一任されました。
上記テーマに分類されなかった質疑応答です。
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