本会議では、財政金融委員会において多岐にわたるテーマが議論されました。経済・財政分野では、片山さつき財務大臣がアベノミクスの総括、サナエノミクスの特徴、責任ある積極財政と財政規律の両立、プライマリーバランス目標から債務残高対GDP比目標への移行、六十年償還ルールの扱いなどについて答弁しました。高木真理議員、原田議員、浅田均議員、松田学氏、塩入清香議員らが投資不足論の根拠、統合政府論、独立財政機関創設、長期金利上昇の要因等を質問しました。またNISA制度のKPI評価、若年層のNISA活用、教育資金一括贈与非課税措置、サステナビリティー情報保証業務の制度整備、スルガ銀行不正融資事案の監督責任と被害者救済、損保代理店手数料問題なども取り上げられました。社会保障分野では医療・介護報酬改定や食料品消費税ゼロが、国土・交通分野では国土強靱化や震災復興の財源確保が議論されました。
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全42テーマ ・ 紐づく質疑50件
スルガ銀行不正融資事案における金融庁の監督責任と被害者救済の在り方
NISA制度のKPIについて、岡田政府参考人は口座数と買い付け額の2指標のみで評価しており、目標値は口座数三千四百万・買付額五十六兆円であると説明しました。総買い付け額は2025年12月末で71兆円となり目標を2年以上前倒しで達成した一方、口座数は約2826万口座にとどまり未達であることが示されました。これに対し江原くみ子議員は、量的指標だけでなく資産形成の質や生活安定への寄与を評価すべきであると問題提起しました。岡田政府参考人は、質的なKPI設定には難しい面があるとしつつ、指摘された問題意識を踏まえて施策を進めていく考えを示しました。
本テーマでは、アベノミクスがデフレ脱却・経済成長を実現できなかった原因について議論が行われました。高木真理議員はその原因を質問し、アベノミクスの反省が放置されたと批判する立場から、政策的総括に否定的な評価を示しました。これに対し片山さつき大臣は、第三の矢の成長戦略がコストカット型経済からの脱却や企業投資拡大の面で十分でなく、潜在成長率が低迷したと答弁し、第三の矢の不十分さと潜在成長率低迷、物価上昇が道半ばであることを総括的に指摘しました。また浅田議員は、高市政権が投資不足を潜在成長率低迷の主因とするロジックの根拠について質問しました。これを受け内閣府は、過去投影・成長移行・高成長実現の各ケースにおける潜在成長率とTFP・資本投入・労働投入それぞれの寄与について説明しました。
本テーマでは、サステナビリティー情報保証業務における品質管理体制の整備が議論されました。金融庁は、独立性確保の観点から、守秘義務や同時提供の禁止、責任者のローテーションルールなどの行為規制を課す方針を示しました。また、品質管理部門の設置や審査担当者の確保を登録要件として求める方針も示されました。この点について井上俊剛氏は、品質管理部門の設置や審査担当者の確保を登録要件として求める必要性を明確に主張しており、賛成の立場を示しました。
保証業務実施者に対して、財務諸表監査に求められているものと同様に、品質管理部門又は品質管理に主として従事する者を設置することや、個々の保証業務に携わるチームが行った重要な判断及び到達した結論について客観的評価を実施する審査担当者が十分確保されることといった体制を整備されていることを登録要件等において求めることが必要であると考えております。
本テーマでは、サステナビリティー情報保証業務の担い手拡大に伴う資格要件・能力基準の整備について議論が行われました。金融庁は、保証業務実施者を法人に限定した上で登録制を導入し、公認会計士以外であっても要件を満たせば登録可能とする制度を検討していることを示しました。また、資格による一律の能力担保はなじまないとの考えから、登録要件として業務管理体制の整備や責任者の知識・経験を求める方針を示しました。井上俊剛氏は、資格による一律の能力担保に慎重な姿勢を示し、検討を継続すべきとする条件付きの立場を示しました。
サステナビリティー情報は気候変動や人的資本など分野が多岐にわたるところ、資格によって能力を一律に担保する仕組みはなじまないとも考えられるため、こうした点にも留意して引き続き検討を進めてまいりたいと思います。
本テーマでは、サステナビリティー情報開示・保証義務化の対象企業を段階的に拡大するスケジュールが議論されました。片山財務大臣は、時価総額3兆円以上の企業を2027年3月期、1兆円以上を2028年3月期、5千億円以上を2029年3月期という形で、時価総額の規模に応じて段階的に義務化を進める方針を説明しました。また、第三者保証については、それぞれの開示義務化の翌年から義務化する方針であることも示されました。片山財務大臣は、このような具体的な段階的義務化スケジュールを提示し推進する姿勢を示しており、賛成の立場と位置付けられます。
五千億円以上の企業になりますと二〇二九年の三月期という、段階を追って義務化していくということ。
本テーマでは、高木議員がサナエノミクスとアベノミクスの相違点及びその変更理由について質問しました。これに対し片山大臣は、需給バランスが需要不足から供給制約局面へ変化したことにより国内投資促進の重要性が高まったと説明し、危機管理投資と成長投資により潜在成長率を引き上げ好循環を目指す点がサナエノミクスであると述べました。片山財務大臣は、投資を経済安全保障等の危機管理投資と成長投資に区分し、造船・半導体等の分野での国内需要奪還を図る方針を説明するとともに、ダイナミックスコアリング的見通しを踏まえて財政投入の価値を判断する方針を示しました。これに関連し、片山さつき氏は供給制約下における国内投資促進を重要視し積極財政を支持する立場を示しつつも、規模ありきの対応は否定しました。一方、松田学氏は施政方針と答弁の矛盾を指摘するにとどまり、立場自体は明確に示されませんでした。
本テーマでは、片山大臣が米国はブロックチェーンを活用した分散型決済を志向し、EUはCBDC寄りであるものの最近はブロックチェーン活用論も強まっていると各国の動向を説明しました。また片山大臣は、金融庁がPIP実験制度を通じてメガバンク等の実証を支援し、技術的対応力の確保に取り組んでいると述べました。これに関連して松田学氏は、参政党が国債償還のための政府通貨発行による積極財政と、国債利払いからの脱却を政策に掲げていることを紹介しました。
本テーマでは、スルガ銀行に対する業務改善命令の解除の是非と、シェアハウス及びアパマン案件に関する調停の進捗が議論されました。石田参考人は、昨年12月以降スルガ銀行に調停成立に向けた指導監督を行い、シェアハウス案件は2019年、アパマン案件は2022年の申立てを経て調停が長期化したものの、本年3月17日に全600物件で調停・示談が成立したと説明しました。また、業務改善命令は2018年10月の発出以来履行状況確認を継続中であり、現在も解除されていないと答弁しました。これに対しラサール石井氏は、調停手続の終了時点で具体的な救済のめどは立っていないと指摘し、調停終了を業務改善命令解除の理由にしないよう片山大臣に確約を求めました。片山大臣は、業務改善計画に沿った十分な改善措置が認められない限り履行状況報告義務は解除されないと一般論として答弁しました。
本議論では、スルガ銀行不正融資事案に関する金融庁の監督責任と被害者救済の在り方が論点となりました。高木真理議員は、金融庁の初動対応の遅れ、森長官発言、業務改善命令の実効性欠如という3つの過失を指摘し、不作為に対する国家賠償責任の可能性を質すとともに、調停・示談が成立しても金融庁が裁判に委ねる姿勢を示していることを被害者救済不十分と批判しました。片山さつき大臣は、2018年のシェアハウス融資問題発覚まで経営管理態勢の重大な問題を察知できなかった事実を認めた上で、コンプライアンス・リスク管理検査監督の考え方を定め投資用不動産向け融資のモニタリングを強化したと説明し、担保価値超過与信の一律禁止は金融仲介機能を阻害しうるとしつつ調停合意履行を促す考えを示しました。ラサール石井氏は、被害者側と銀行側の情報非対称性や処分行員リスト非開示が過失立証を困難にしたと指摘し、調停終了を幕引きとせず銀行側の取立て実態や未収利息・遅延損害金請求の対応を厳しく監視する必要があると述べました。これに対し石田政府参考人は、支払督促は調停成立前に限られ弁護団へ事前通知の上実施し、調停成立後は全件取り下げたと説明し、片山大臣は業務改善計画に沿った十分な改善措置が認められない限り報告義務は解除されないと答弁しました。
本テーマでは、スルガ銀行不正融資事案に関する被害者救済の在り方が議論されました。高木真理議員は、金融庁が提出した救済ロードマップが理事会で解決にならないと各理事から指摘されたと説明し、証拠を示せない被害者は救済されない構造の問題点を指摘した上で、担保物件売却後に残債務が残らない形での決着に向けた指導及び再発防止のための法改正の要否を質問しました。これに関連し、石田政府参考人は、民事調停対象600物件のうち193件が解決金対象、407件が対象外で返済プランを協議中であると説明しました。ラサール石井氏は、不正融資が銀行にとって確実にもうかる仕組みであるとして第二第三の事件防止の必要性を主張するとともに、投資の自己責任論に対して金融商品の不法行為責任立証の在り方を問う立法の必要性、及びスルガ銀行の審査の甘さと当時の金融庁監督の不十分さ、政治の責任にも言及し被害者救済を要望しました。片山大臣は、金融サービス提供法により顧客本位の業務運営をモニタリングで促す立て付けであると説明し、制度化については慎重な検討が必要と答弁しました。
つみたて投資枠の年齢要件撤廃について、堀本参考人は結婚・住宅費用等のライフイベントへの早期備えを目的として説明しました。これに対し大島九州男氏は、以前は教育目的として説明されていた制度趣旨が今回はライフイベント目的に変わっていると指摘し、正直な説明を求めました。また大島氏は、こどもNISAには元本保証がなく損失が生じる場合もあることを国民に正直に説明すべきであると主張しました。
本テーマでは、プライマリーバランス(PB)当初予算が28年ぶりに黒字化したことを踏まえ、債務残高対GDP比改善の道筋が議論されました。小林議員の質問に対し、舞立副大臣は、名目成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑えることで同比率を安定的に引き下げるとし、金利上昇リスクの低減や市場信認確保に資する有意義な指標であると説明し、具体的指標は骨太方針策定に向けて検討する方針を示しました。原田議員は、ブランシャール教授の提言としてr(金利)とg(成長率)の差の縮小を踏まえ、5年後のPB均衡を目指す必要があるとの指摘を紹介し、片山大臣は機械的ルールより信頼に足る中期の道筋提示が重要とするブランシャール氏の見解に理解を示しました。一方、塩入議員は、債務残高対GDP比目標には成長目標値がなく投資量が見えない点を指摘し、同指標がデフレ時に緊縮圧力、好況時に拡張余地となり景気と逆方向に働く懸念やEUでの機能不全例を挙げ、見直しを要求しました。
不適切金融商品販売に対する制裁金制度導入の要否について議論が行われました。ラサール石井氏は、欧米における制裁金事例を挙げ、スルガ銀行に対する制裁金導入と、それを被害者救済の原資に充当することを提案しました。これに対し片山大臣は、銀行法には制裁金に関する規定が存在せず、スルガ銀行の事案を立法事実とするには難しいとの認識を示しました。さらに片山大臣は、制裁金導入について他の取引先等への影響も踏まえると対応の難易度が高いと答弁しました。
本テーマでは、世界的な長期金利上昇局面を踏まえた市場変動リスクへの対応が議論されました。原田議員は、ロゴフ教授が世界的な金利上昇と政治家の低金利感覚とのギャップについて警鐘を鳴らしたことを紹介しました。片山さつき大臣は、他市場からの伝播による国際的な金利上昇の影響が無視できないことがG7財務相会議でも共有されたと説明しました。片山大臣の発言は、国際的な金利上昇の急激な伝播を指摘するものであり、対応策そのものへの賛否は明確に示されていません。
他の市場や他の状況からの伝播による国際的な金利上昇というのがはっきりあると。それが、かなり予測していたよりも急激にあって
本テーマでは、ホルムズ海峡の緊張による原油価格上昇とガソリン価格の急騰への政府対応が議論されました。小林議員はこの点について政府の対応を質問しました。これに対し舞立副大臣は、ガソリン等の緊急的激変緩和措置を先月19日から実施していることを説明し、中東情勢が経済に与える影響を注視しつつ、G7等の国際機関と連携して対応する方針を答弁しました。
このテーマでの明確なスタンス表明はありませんでした
本テーマでは、六十年償還ルールに基づく借換えの継続によって国債残高が積み上がり、投資を阻害するのではないかという懸念が示されました。松田学氏は、このルールの下で借換えが続くことで国債残高が根雪のように積み重なっていく点を指摘しました。これに対し片山さつき大臣は、六十年償還ルールは国際的に理解された仕組みであるとした上で、現在の国債残高の水準を踏まえるとルールを変更する自信はないと答弁し、変更には慎重な姿勢を示しました。
これを今この残高の下でなかなかいじるという自信は私は財務大臣としてはないですけどね。
本テーマでは、小林議員が医療・介護現場における物価高・人件費上昇・人材不足という三重の課題への財政措置について質問しました。これに対し舞立副大臣は、令和8・9年度の診療報酬改定において幅広い職種を対象に各年3.2%のベースアップ措置を講じることを説明し、また介護報酬改定については介護従事者に対し月1万円(3.3%)、上乗せを含めると最大で月1.9万円(6.3%)の賃上げ措置を講じることを説明しました。舞立副大臣の発言は、これらの改定を通じて賃上げと物価高への対応措置を講じたとする肯定的なトーンのものでした。一方、小林議員からは、医療材料については価格転嫁が難しく、加えて中東情勢による原材料や物流への影響についても懸念が示され、対応が要望されました。
医療分野におきましては、令和八年度診療報酬改定において、医療機関に勤務する幅広い職種の賃上げに向け、令和八、九年度にそれぞれ三・二%のベースアップを実現するための措置ですとか、施設類型ごとの費用構造に応じたきめ細やかな物価対応のための措置を講ずることとしております。
本テーマでは、国債発行年限構成と市場対話を通じた債務管理政策の在り方について議論が行われました。原田議員は、ブランシャール教授による長期国債増発の提言を踏まえ、国債発行年限の長期化についての意向を質問しました。これに対し片山大臣は、市場との対話を重視する姿勢を示し、発行計画を明示すること、また年限構成については市場のニーズを把握した上で計画化する方針であると答弁しました。
本テーマでは、高市政権の成長戦略の論理構成について議論が行われました。片山さつき大臣は、資本投入量、すなわち国内投資不足に徹底的にてこ入れすることが高市政権の産業政策の特徴であると説明し、これを政権の独自性として積極的に評価しました(スコア0.85)。これに対し高木議員は、会田卓司公述人の資料を基に、ネット資金需要マイナス5%の官民投資超過論との関係について質問しましたが、片山大臣は、企業部門の貯蓄・投資バランスを政府がコントロールするという発想は取っておらず、その考えはないと否定しました。浅田均議員は、政府が投資に関わり過ぎることへの懸念を示し、漫画・アニメを例にレッセフェール的な発展のあり方を指摘し、投資偏重の政府説明のロジックに疑問を呈しました(スコア0.25)。また松田学氏は、参政党の立場として、上からの投資だけでなく国民に直接資金を回す政策の規模が不足していると主張しました。
資本投入量、つまり国内投資が圧倒的に足りないと、ひところマイナスだったわけですから、今でもそのプラスの割合がどうなのかなという議論をしているわけですが、そこに徹底的なてこ入れをするということに専ら産業政策において眼目を置いたのは、恐らく高市政権が初めてだと思います。
政府が関わり過ぎやと。レッセフェールで自由にやってもらって、今、日本の企業というとおかしいですけれども、世界的に一番評価されているのは、漫画とかアニメとか規制も何もなかったところから生まれてきた産業なんですよね。だから、そういうところにも注目してほしいと思いますし、政府が余り関わり過ぎることに関してもちょっと注意して見ていきたいと思っております。
国土強靱化実施中期計画に基づく防災・減災の安定財源確保について議論が行われました。片山さつき大臣は、令和7年6月に閣議決定された国土強靱化実施中期計画を踏まえ、安定財源の確保を関係省庁と検討すると答弁しました。これに対し小林孝一郎議員は、国土強靱化を単なる歳出ではなく国家安全保障を支える基盤投資として位置付けるべきであると再質問しました。片山大臣は、国土強靱化・防災減災は危機管理投資・成長投資の17分野の中に明確に位置付けられていると答弁しました。小林議員、片山大臣とも財源確保や基盤投資としての位置付けに肯定的な立場を示しました。
復興特別所得税の延長により財源を確保しつつ防衛特別所得税を導入する手法について、大島氏は、実質的な負担増を伴わない形での導入であるとして、これを「ゆでガエル」的であると批判し、政府に対して正直な説明を求めました。
損保代理店手数料を巡っては、大門実紀史氏が2017年から継続して質問しており、大手損保が代理店手数料を一方的に決定・削減してきたと指摘しました。これに対し片山さつき大臣は、代理店手数料設定で一方的押し付けとならないよう損保会社に丁寧な対応を繰り返し求めていると答弁しました。石田局長は2024年8月の監督指針改正で、代理店手数料ポイント制度を規模偏重でなく業務品質重視とするよう求めたと説明しました。しかし大門氏は、大手損保の内部文書で協議不要・通知のみで足り、異議申立て代理店には取引解消も含めた対話をする方針が判明したと指摘し、監督指針の業務品質重視の趣旨が逆手に取られ、規模で評価することで小規模代理店ほど格差が拡大していると述べました。さらに大門氏は、金融庁が懸念事項を示した損保が社内で解約をちらつかせる会話を注意する共有メールを出していたことも指摘しました。石田局長は代理店手数料は当事者間でよく話し合って決定されるべきとし、片山大臣は内部マニュアル的取扱いは本意でなく、実態把握に努め代理店の顧客本位の業務環境整備に取り組むと答弁しました。
教育資金一括贈与に係る贈与税非課税措置について、松浦参考人は制度創設時に約6.8万件あった新規契約が近年は年間約7千件に減少していると説明し、文部科学省は延長を要望したものの、与党税制大綱では格差固定化への懸念等を踏まえ令和7年度末をもって延長しないこととされたと述べました。大島九州男氏は、こどもNISAは信託よりも株式市場への資金誘導を狙ったものではないかと指摘し、教育信託を廃止せずNISAと併存させるべきだと主張して大臣の見解を求めました。これに対し片山さつき大臣は、新規利用件数の減少、富裕層への偏在による格差固定化への懸念、教育費無償化の拡充等を理由に、延長しないとの判断は妥当であるとの見解を示しました。
本テーマでは、日本企業のROEの国際比較と財政拡大が及ぼす影響について議論されました。植田日銀総裁は、日本企業のROEは米欧比で低水準であるものの、内部留保の蓄積を背景に近年改善傾向にあると説明しました。浅田均議員は、財政拡大が補助金等を通じて内部留保を増やし、ROEを悪化させるリスクを指摘し、見解を質問しました。これに対し片山さつき財務大臣は、財政支出の質次第でROEへの影響は改善方向にも下押し方向にもなり得ると答弁しました。また植田日銀総裁は、財政拡大が金利上昇によるROE低下要因にも、呼び水による改善要因にもなり得ると答弁しました。スタンスとしては、浅田均議員が財政拡大によるROE悪化のリスクへの懸念を示した一方、植田日銀総裁と片山さつき財務大臣はいずれも改善・悪化双方の可能性を条件付きで指摘するにとどまりました。
財政拡大ではそのROEを悪化させるリスクすらあると考えるんですけれども
ある場合には、財政支出の拡大で市場金利が上昇して投資が抑えられるという結果としてROEが低下するということもあり得ますし、あるいは、財政支出の拡大によって、浅田委員御指摘のとおり、結果的に収益性の低い企業が存続しやすくなるという状況でROEの改善が遅れるというケースもあり得るかと思います。
その生産性の低い分野に財政支出が偏ってしまって、非効率な企業の経営改善等の取組が先送りされたり、あるいは、金利が上昇してしまうことで成長分野への投資が阻害される場合に、日本の場合は当面余りないと思いますが、そういう場合に下押し方向に作用する可能性はあるというのは言えると思います。
本テーマでは、小林議員が東日本大震災復興の継続、能登半島地震への中長期支援、国土強靱化の財源確保方針について質問しました。これに対し片山大臣は賛成の立場を示し、復興財源確保法の延長により総額を確実に確保し、被災者ケア等きめ細やかな支援に取り組む方針を答弁しました。また片山大臣は、能登半島地震についてインフラ復旧やなりわい再建等の課題が残っているとした上で、創造的復興を推進する考えを説明しました。
復興財源についても今般復興財源確保法の延長をお認めいただいたところでありまして、引き続きその総額を確実に確保し、被災者の心のケア、被災した子供に対する支援など、被災地のニーズに応じたきめ細やかな支援に取り組んでまいります。
本テーマでは、潜在GDP推計における平均概念採用の是非と、それがデフレギャップ・インフレギャップの評価に与える影響が論点となりました。浅田均議員は、投資不足のみを強調する根拠に疑問を呈して説明を求めるとともに、TFP(全要素生産性)寄与の方が資本投入よりも潜在成長率の押し上げに寄与しているとの解釈を提示し、反論を行いました。同議員の立場は、投資不足のみを根拠とすることへの疑問提示にとどまり、明確な賛否は示されていません。提示された要点・スタンスデータの範囲では、他の発言者の見解や、議論の結論・決定事項については確認できませんでした。
どうしてこの投資不足だけを強調されているのかという点が気になりましたので、財務大臣にお伺いいたします。
本テーマでは、相続税負担の重さと資産の国外流出への懸念が議論されました。塩入清香議員は、著名人の遺産相続放棄事例を挙げ、相続税負担の重さへの国民的関心の高まりを指摘するとともに、相続税負担が不動産売却や国内資産の国外流出を招く懸念を示し、税制見直しの可能性を質問しました。これに対し舞立副大臣は、日本の相続税最高税率は55%であるものの平均負担率は約14%にとどまり、基礎控除等の制度が国によって異なるため単純な国際比較は困難であると説明しました。
現行の相続税制が国内資産の国外流出を促す側面を持っていないかという懸念を持っています。
本テーマでは、研究開発税制における海外委託費の控除制限と治験の扱いが議論されました。小林議員は、海外委託制限と国際研究連携のバランスについて質問しました。これに対し青木孝徳政府参考人は、海外委託に係る試験研究費の控除を段階的に50%まで制限する方針を説明するとともに、治験については症例数確保等の理由から見直しの対象外とし、全額控除を継続すると述べました。青木参考人はこの制度変更について賛成の立場を示し、治験を適用除外とすることの合理性を説明しています。
今般の見直しの対象外といたしまして、引き続き全額の控除を可能とすることとしておるところでございます。
社会保障国民会議実務者会議における論点整理から制度設計への進め方に関して、岩田副大臣は、給付付き税額控除と食料品消費税ゼロについて同時並行で議論を進め、令和8年夏前に中間取りまとめを行う方針を説明しました。また、国民会議での議論を経て政府案を決定し、必要な法案を国会に提出するというプロセスについても説明が行われました。
租税特別措置・補助金見直しの目標額設定について、杉久武議員は、租特見直しは金額先行ではなく政策効果の低いものを見直すべきであると確認を求めました。これに対し片山さつき大臣は、公募意見3万7千件を踏まえ、令和9年度予算・税制改正要望段階から各省庁でレビューを行うと説明しました。また片山大臣は、賃上げ促進税制について、大企業・中堅企業の状況を踏まえ、一部廃止を含む見直しが適切であると説明しました。
統合政府論(日銀当座預金を超短期債務とみなす考え方)に関して、原田議員がブランシャール教授の同理論への政府の評価を質問しました。これに対し片山大臣は、日銀の金融政策の自主性への影響や財政ファイナンスであるとの誤解を招く懸念があるとして、統合政府論を前提としない旨を答弁しました。
私どもとしては、統合政府の考え方を前提として財政運営を行うということは考えておりません。
若年層のNISA活用拡大に関し、江原くみ子議員は片山大臣の3月10日答弁を引き合いに、いわゆる「NISA貧乏」問題を取り上げ、生活と投資のバランスの崩れへの懸念を提起しました。これに対し岡田政府参考人は、三十代までの口座数が全体の約3割、買付額が全体の約24%を占めることを説明し、また十代の口座開設数増加率が28.5%となっている点については、開設可能年齢が18・19歳に限られ母数が小さいことが要因であると説明しました。片山大臣は、無理のない範囲でのライフプランに基づく分散投資と金融リテラシー向上の重要性を説明しました。
私自身は強い問題意識を持っております。
若者の孤独・孤立対策調査に関し、江原くみ子議員は、実施予定の若者十万人規模の調査において、将来の生活設計や貯蓄・投資といった資産形成に関する質問項目を追加するよう要望しました。これに対し水田功政府参考人は、こども家庭庁が令和8年に実施する調査において、資産形成への関心を含む経済状況に関する項目を盛り込む予定であると答弁しました。
本テーマでは、補正予算を組まない当初予算編成方針が、グローバルファンド拠出等の緊要経費に与える影響について議論されました。高木議員は、グローバルファンド拠出等はこれまで補正予算での計上が多かった経緯を踏まえ、当初予算化によって支障が出ないか質問し、緊要性のある資金需要に当初予算のみで対応できるか再確認しました。これに対し舞立副大臣は、必要な予算は可能な限り当初予算で措置する方針であるとしつつ、補正予算を組まないわけではないと答弁しました。
補正予算を組まないとは申しておりません。
本テーマでは、独立財政機関の創設に関する論点として、原田議員が米議会予算局や英予算責任局のような長期債務見通し議論の国会導入を提案しました。これに対し片山大臣は、内閣府による中長期試算が既に実施されていることを説明した上で、改善の余地があり多角的な評価が必要との認識を示しました。また片山大臣は、ブランシャール教授の議論を踏まえ、財政計画を策定し議会で共有することがマーケットの信認回復にとって重要であると説明し、政府債務残高対GDP比の安定的な引下げ姿勢を堅持する方針を、マーケットの信認確保のために表明しました。片山大臣のスタンスについては、既存の試算に改善余地を認めつつ、独立財政機関創設そのものへの賛否は明言していません。
決して中長期試算が今あるからベストで十分と言っているわけではなくて、あらゆる入手可能なデータが参考にされるべきだし
財政支出拡大による民間投資への影響について、植田和男日銀総裁は、財政支出拡大により金利が上昇しクラウディングアウトが生じる可能性はあるものの、実質金利はマイナスの状態にあり、民間設備投資は緩やかな増加基調にあると説明しました。片山さつき氏は、無制限な政府支出拡大を否定する立場を示しましたが、クラウディングイン・クラウディングアウト効果そのものへの評価には言及しませんでした。
責任ある積極財政の複数年度予算編成と財政規律の両立をめぐり、片山さつき財務大臣は、必要な予算は可能な限り当初予算で措置し、複数年度取組と歳出構造の平時化を推進すると答弁しました。予算編成改革は令和九年度概算要求から本格化する約二年掛かりの大改革であると説明しています。高木議員は、責任ある積極財政について内実が伴わず期待値を高めるキャッチコピーではないかと指摘しましたが、片山大臣は拡張的な財政支出拡大ではなくワイズスペンディングの徹底であると反論しました。また松田議員から、令和8年度予算のプライマリーバランス黒字化と積極財政の施政方針との整合性について見解を問われた片山大臣は、規模ありきではなく必要な政策の積み上げであり、成長戦略分野へのロードマップに基づく投資と財政持続可能性の両立が責任ある積極財政であると説明しました。
本テーマでは、資本投入拡大に伴う労働投入不足への対応と、省力化・AI活用の位置づけが論点となりました。片山財務大臣は、AI・半導体分野ではラピダス等の先行投資が既に大規模に行われていると説明しました。また、資本投入拡大は単なる量の拡大ではなく、AI・ロボティクス等の生産性向上投資に限定する方針であると説明しました。さらに、官主導の投資拡大に伴う労働力逼迫への懸念に対しては、省力化・AI活用を横串で進めていく考えを示しました。
本テーマでは、サステナビリティー情報保証業者の登録・検査監督体制の整備について議論が行われました。金融庁からは、当面は金融庁自身が検査監督を担い、対象企業の拡大に応じて体制を適時整備していく方針が説明されました。この点について、井上俊剛は体制整備の重要性を肯定的に認識し、金融庁が検査監督を担うという方針を支持する立場を示しました。
これを踏まえれば、保証業者の保証の質を確保する観点から、委員御指摘のとおり、金融庁における体制整備は重要であるというふうに考えております。
本テーマでは、金融経済教育推進機構(J-FLEC)による金融リテラシー向上の取組について議論が行われました。岡田政府参考人は、2024年4月に設立されたJ-FLECが金融リテラシー・マップに基づく講義や認定アドバイザーの派遣を実施していると説明しました。岩田副大臣は、無関心層や若年層を対象に、オンライン講座や学校への出張授業を通じて金融経済教育の充実を図っていると述べました。江原議員は、新NISA制度の内容に関する認知率が18%にとどまっている状況を踏まえ、ユーチューブ等を活用した周知のリーチ拡大を提案しました。提示された要点の範囲では、各発言者の賛否は明示されておらず、スタンスデータもありませんでした。
長期金利上昇の要因を巡り、財政出動が原因とする他党の指摘に対し、塩入清香議員は中東情勢等の複合要因である可能性を指摘しました。これに対し片山さつき財務大臣は、G7財務大臣会合において中東情勢が金利上昇の主因であるとの認識が共有されたと説明し、財政出動起因説には否定的な立場を示しました。また片山財務大臣は、市場の信認は財政の持続可能性と強い経済の実現を両立させることで維持されると説明しました。
本テーマでは、防災庁の設置により事前防災から復旧復興までを一貫して担う司令塔機能を構築することについて議論されました。片山大臣は、防災庁を今年中に設置し、災害対応の司令塔として対応力を高める方針を説明し、設置法案は国会で審議中であるとしました。発言者としては片山さつき氏が、防災庁設置と司令塔機能強化を必要と明言しており、賛成の立場を示しています。
防災庁を災害対応の司令塔として、大規模災害への対応力を更に高めてまいれるのではないかと、そのようにしなければいけないと考えております。
本テーマでは、防衛・危機管理投資が財政持続可能性に与える影響について議論が行われました。原田議員は、防衛・危機管理投資が将来的に十分な税収を生まない可能性があるとの指摘を示し、これに対する大臣の認識を質問しました。片山大臣は、成長戦略本部と内閣府が共同で、国内投資の伸びやダイナミックスコアリングによる試算を骨太方針の策定前に求めている旨を説明しました。
本テーマでは、電子商取引の拡大や訪日客増加を背景に、税関の取締りと迅速な通関手続きの両立が論点となりました。小林議員は、少額輸入貨物の急増や不正薬物密輸の増加を踏まえ、税関の取締り体制と迅速通関の両立について質問しました。これに対し舞立副大臣は、電子申告ゲートの導入やAIによる検査選定支援など、税関業務のDXと体制強化に取り組む方針を示し、DXや検査機器整備、機構定員の充実など体制強化に全力で取り組むと答弁しました。
電子申告ゲートの導入、AIによる航空機旅客の検査選定支援など税関業務のDXに取り組むとともに、高性能な取締り機器や検査機器の整備、業務の増加等を踏まえた機構、定員の充実、厳しい勤務環境で働く職員を支えるための庁舎、施設の整備や処遇改善等々、質、量の両面で今後とも税関の体制強化に全力で取り組んでまいります。
食品ロス削減に向けたフードバンク提供の法人税・所得税上の取扱いについて、田原政府参考人から説明が行われました。食品の無償提供は原則として寄附金にあたるものの、フードバンクへの提供が実質的な食品廃棄に該当する場合には全額損金算入が可能であるとされ、その要件として、社内ルールに基づく廃棄予定品であること、転売禁止等を定めた合意書の存在、使途確認が行われていることが示されました。また、NPO法人等の仲介団体を介した間接的な提供であっても、直接提供の場合と課税上の取扱いは変わらないとの説明がなされました。これに対し杉久武氏は、フードバンクの受け入れ拡大を食品ロス削減の一助として肯定的に評価しました。
できる限りやっぱりこれ広く受け入れていく、そういった環境がフードロス削減の大きな一助になるんではないかというふうに思っております。
本テーマでは、食料品消費税ゼロと給付付き税額控除の位置付けの整理が論点となりました。杉久武議員は、社会保障国民会議実務者会議において両施策が代替的か補完的かの整理を要望し、片山財務大臣の答弁が腑に落ちないとして、整理と国民への説明の必要性を指摘しました。これに対し片山さつき財務大臣は、給付付き税額控除を改革の本丸と位置付けた上で、食料品消費税ゼロは給付付き税額控除の導入までのつなぎとしての負担軽減策であると説明し、両者が代替的か補完的かは一概に言えないと答弁しました。さらに片山大臣は、食料品消費税ゼロについて、給付付き税額控除実施までの2年間限定のつなぎ措置であり、それ以外の目的はないと説明しました。杉久武議員、片山さつき大臣ともに賛否を明示する発言は見られませんでした。
食料品消費税減税(ゼロ税率化)をめぐっては、実務上の課題として大島氏が、ゼロ税率導入により還付を受けるために免税事業者や簡易課税事業者が本則課税や課税事業者登録に誘導される懸念を指摘し、これに対し片山大臣は、事業者免税点制度や簡易課税制度の利用者が本則課税に誘導されることはないと答弁しました。また片山大臣は、各党協議は制度の細部にはまだ至っておらず、今後農業団体や飲食団体等の意見を踏まえて透明性高く議論を進めると説明しました。大島氏はさらに、大企業の輸出戻し税と同様に中小零細事業者に不利益が生じないよう要望しました。なお、片山さつき氏は食料品ゼロ税率をつなぎ策として容認しつつ、本命は給付付き税額控除であるとの立場を示しています。
議論を通じて、片山大臣は責任ある積極財政の推進、財政持続可能性と成長投資の両立、既存制度の慎重な見直しといった方針を示しましたが、統合政府論や独立財政機関創設、制裁金制度導入等については明確な結論に至らず、検討課題として残されました。スルガ銀行事案については業務改善命令の解除方針が示された一方、被害者救済のめどは示されませんでした。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。