財政金融委員会では金融機能強化法改正案を中心に議論が行われました。小池晃氏はアクティビストファンドによる地銀への株主還元要求や再編悪用への懸念、上田清司委員はいわき信用組合の不正融資、ソニー生命の不祥事非公表、プルデンシャル生命の投資詐取事件を追及しました。柴愼一委員はスルガ銀行の被害者対応や金融機関の合併・統合支援、地域金融力強化プランについて質問し、上田勇氏は中東情勢に伴う中小企業への資金繰り支援や経営者保証に依存しない融資の状況を確認しました。西田英範委員は独立員外監事の実効性や共同システム開発への資金交付を、片山大介氏は施行状況検証体制を、塩入清香氏はニセコ事例に見る外資主導開発への懸念を取り上げました。片山さつき大臣は資金交付制度の審査の仕組みや資本参加制度の延長・拡充、牧野フライス製作所への外為法上の中止勧告等について答弁しました。
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全19テーマ ・ 紐づく質疑31件
人口減少下における地域金融機関の経営基盤強化と資本参加制度の見直し
本テーマでは、いわき信用組合において震災特例に基づく公的資金投入後も不正融資や反社会的勢力への資金流出が発覚したことを踏まえ、全国信用協同組合連合会による追加出資の妥当性が議論されました。上田清司委員は、この追加出資が公的資金の毀損回避を目的とした追い貸しではないかと質問し、不正流用の恐れを強く懸念した上で、不祥事を起こした金融機関は退場すべきであるとの立場から制度に否定的な見解を示しました。これに対し片山大臣は、金融庁が全信連に追加出資を要請した事実はなく、被災地復興のための業界判断であると説明しました。
基本的にはこうした、ふらちなというんでしょうか、金融機関は何らかの形で退場すべきものではないかというふうに私は思っているところです。
スルガ銀行の不正融資問題をめぐり、被害者対応と金融庁の相談体制整備について議論されました。柴愼一委員は、生活破綻のおそれを訴える被害者25名の陳情に金融庁から状況確認の連絡がないことを指摘し、銀行への伝達のみでは解決しないとして個別協議状況の丁寧な確認や専用相談窓口の設置、実効あるロードマップの策定を求めました。石田局長は相談室が個別事案のあっせん機関ではなく銀行への伝達と改善促進を行う立場であるとしつつ、個別に協議状況を把握し必要な指導を行うと答弁しました。片山さつき大臣は債務者の声を直接聞く体制整備について具体的対応を検討すると述べ、業務改善命令や調停・示談の適切対応の確認、投資用不動産融資モニタリング強化などにより全容解明と信頼回復に取り組むと答弁しました。上田勇氏は被害者対応が寄り添えていないとの心証を示し、示談に必要な書類開示や集中質疑の実施を求めましたが、委員長は理事会で引き続き協議すると回答しました。小池晃氏は相談体制の検討が進んだことを歓迎する一方、規模拡大偏重のビジネスモデルが問題を生んだと指摘し、大島九州男氏は被害者救済のための私的整理・債権処理と金融庁の厳しい指導を求めました。
本テーマでは、ソニー生命社員による顧客からの金銭借入・未返済事案が2023年の発生当初に公表されなかった経緯が議論されました。上田清司委員は、貸主に社員5人・被害額4億円超が含まれ、公表された21億円強の被害額にこれが含まれていない疑いを指摘するとともに、この非公表判断が金融庁元長官を天下りで社長に迎える人事発表の時期と重なっていた点を挙げ、両者の関連を疑う立場から金融庁とソニー生命を追及しました。これに対し石田局長は、公表の要否は各社の判断であり金融庁からの指導は行っていないとした上で、事案の複雑性を認めつつ公表の適切性を確認し必要な対応を行うと答弁しました。また、金融庁OBの存在に配慮して公表を回避したとする報道は承知しているものの、そうした要素は確認できていないと述べ、事件当時に公表しなかった理由をソニー生命に確認するとともに、被害額4億円超が公表額に含まれていない疑いについても確認する旨を約束しました。
もし、天下りで社長を引き受けてくれたのが金融庁の元長官だから大目に見ましたという話じゃ、話になりませんからね。
本テーマでは、プルデンシャル生命の社員107人が顧客503人から架空の投資話で金銭を詐取した事件と、金融庁OBによる立入検査妨害疑惑の報道について議論されました。上田清司委員は、この事件と検査妨害疑惑の報道を取り上げて質問し、検査の続行と被害の全容解明を求めました。これに対し石田晋也局長は、金融庁OBから立入検査の中止を働きかけたとされる事実は確認されていないと答弁し、検査は継続中であると説明しました。
中東情勢に伴う中小企業等への資金繰り支援について議論が行われました。上田勇氏は、イラン情勢の影響調査において回答事業者の41%が資金繰り支援を要望していることを紹介し、民間金融機関への指導を要請しました。これに対し片山さつき大臣は、官民金融機関との緊急意見交換会を開催したことや、特別相談窓口の設置、セーフティーネット貸付の拡充等の緊急要請を発出したことを答弁しました。上田勇氏は資金繰り支援強化の指導を要請する立場から賛成的であり、片山さつき大臣も資金繰り支援策の継続実施と追加対応の検討を表明する立場から賛成的でした。
本テーマでは、人口減少下における地域金融機関の経営基盤強化を目的とした資本参加制度・資金交付制度の延長・拡充が議論されました。片山大臣及び政府参考人は、資本参加後に業務純益の改善や中小企業向け貸出の増加といった効果が見られたとし、破綻回避や災害対応、二極化対応のため制度延長・拡充が必要と説明しました。資金交付制度については合併・統合の経営判断を後押しするものと位置付け、財源の限定と早期決断のインセンティブから5年延長するとしました。これに対し西田委員は制度の延命策化を懸念しモニタリング指標の明確化を求め、片山大介氏は収益改善傾向を踏まえ延長・拡充の必要性に疑問を呈しました。上田委員は制度が合併促進の仕組みとなり雇用に悪影響を及ぼすとの懸念を示しましたが、片山大臣は従業員数は維持されコンサル等へ再配置されると説明しました。小池晃氏は再編・削減が目的かを質した上で法案自体には反対しない立場を示しました。塩入清香氏は地域貢献度の客観的KPIの必要性や需要不足是正のための政府主導の雇用創出、資金の地域外流出リスクを指摘しました。制度上の変更として、全ての資本参加について金融機能強化審査会の意見聴取の必須化と経営強化計画の変更命令権限の創設が説明されました。
自己資本の充実を図る地域金融機関向けの資本参加制度と、合併、経営統合等により経営基盤を強化する地域金融機関向けの資金交付制度について期限延長や拡充を行うことで、地域金融機関が十分なリスクテーク余力を確保して、将来にわたって地域経済に貢献する役割を十分に発揮できるように後押ししていくということが、これが立法事実として私どもが考えているところでございます。
今回のこの資本参加、資金交付制度の期限延長、拡充は、まさにそういう地域金融機関がそうした地域のための取組を行っていくことを後押しすると、そのための環境整備でございまして、地域金融機関の救済を目的とするものではないというふうに理解しております。
これから成長戦略を進めるに当たって、地域の足腰、地域の潤滑な血液である金融を強くするという意味において大変重要な法案であると考えております。
それでも今回、この法案を改正して期限を延長する、拡充することの必要性というか合理性というか、いわゆる立法事実ですね、これについて併せて教えていただきたいと思いますが。
今回の延長については、これ政府主導で再編を進めることにつながるんではないかという懸念を持っているわけですが
だから、経営が厳しい金融機関の救済のためではないという認識でよろしいか、ちょっとお聞かせください。
本テーマでは、協同組織金融機関における独立員外監事選任の実効性確保が議論されました。西田英範委員は、地域の限られた人材環境下で独立性・専門性を備えた員外監事の選任をどのように実効性あるものにするかを質問し、人材確保の困難さへの懸念を指摘しました。これに対し金子容三政務官は、不祥事案を踏まえて独立員外監事選任を義務付ける規律強化策を法案として提示し、その要件は主務省令で定める方針を説明しました。また人材確保が困難な場合には、中央機関からの役員派遣等の活用も検討する旨を答弁しました。
地域経済における資金需要不足と供給側偏重政策をめぐっては、地域金融力強化プランについて柴委員が、メニューが多岐にわたり地方自治体の地方創生業務と類似することから人材確保が課題であると指摘しました。これに対し石田局長は、地域金融機関との対話を通じ人的資本戦略や外部エージェント活用事例等を確認していると答弁しました。また片山大臣は、低金利下では借り手の返済負担は減る一方、貸し手である地域銀行の収益環境は厳しいとの認識を示し、地域銀行の経営は金融政策のみならず人口減少や経済動向等の資金需要要因の影響も受けると答弁しました。塩入清香は供給側偏重を批判し需要不足への対応を求めつつ、資金流出への懸念から条件付きの立場を示しました。片山さつきは外債買い増しは想定しておらずモニタリングにより是正するとの説明にとどまりました。
本テーマでは、地域金融機関とゆうちょ銀行・郵便局との連携によるサービス維持のあり方が論点となりました。柴愼一委員は、ゆうちょ銀行・郵便局との出資、ATM開放、共同窓口設置等の連携について紹介した上で、その評価と今後の方針を質問し、こうした連携を地域金融維持の有効な手段と明言して賛成の立場を示しました。これに対し片山さつき大臣は、ゆうちょグループとの対話を重視し、業界団体等と連携した検討を進めていると答弁し、連携の取組を応援するとして賛成の姿勢を示しました。両者とも連携の推進について前向きな立場を示しており、具体的な結論や決定事項については示されていません。
本テーマでは、金融機関の店舗適正数や合併・経営統合について、片山大臣が金融庁として水準設定を行うのは不適切であり、個々の金融機関の経営判断を尊重する姿勢を説明し、規模の大小にかかわらず協力・提携を妨げず地域のための経営強化を可能にしたいと答弁しました。柴委員は資金交付が店舗統廃合経費に充てられる点とサービス維持要請との整合性に疑問を呈示しました。小池晃氏は再編自体には反対しないとしつつ、自主的な経営判断か、中小企業・地域経済に不利益がないかを注視すべきと指摘しました。片山大介氏は滋賀銀行と池田泉州ホールディングスの資本業務提携などの現場の動きを紹介しました。今回の資金交付要綱改正では、地銀と信金・信組など業態を超えた合併も対象に含まれることとなりました。金融機能強化法の資金交付制度はこれまで7件の活用実績があり、足下でも合併・統合の動きが見られています。
地域の金融機関の預金量が減ってきている中で、この二つの制度をそれぞれやるということの、本当に、何というのか、効果、それから本当にやる必要性、そこは本当どうなのかというふうに思うのが一つ。
合併とか経営統合によって経営基盤を強化するということは選択肢の一つにはなり得ると考えております。
まあ私たちも再編自体反対するものではないんですが、当事者の自主的な経営判断に基づいているのか、それから中小企業や地域経済に不利益がないのかということは、十分これは見ていかなければいけないと。
もしそうであれば、いい部分もありますが、一方では、地域社会において、合理化されますので、雇用の人数が減るとか、そうした部分でのマイナスも起こり得るんではないかというふうに思います
この資本参加制度を活用を通じて、これが地域の金融機関の単なる延命策になってしまっては全く意味がないわけであります。
本テーマでは、地域金融機関である信金・信組の有価証券評価損が2025年に2兆円超に悪化していることを踏まえ、金融仲介機能への影響が議論されました。上田勇氏は、評価損悪化により金融仲介機能が低下し地域経済に悪影響が及ぶことを懸念し、対応を要請する立場を示しました。これに対し金融庁は、金利上昇に伴い評価損が悪化しているものの、地域金融全体としては資本基盤が充実しており安定していると説明し、協同組織金融モニタリング室の設置等により監視を強化している旨を述べました。
地域金融機関、特に信金、信組の財務状況が悪化をして、それだけじゃなくて、やっぱり金融仲介機能が十分に機能しなくなる、地域経済に悪影響が及ぼすことが懸念をされるわけであります。
本テーマでは、金融庁が2月20日に全国地方銀行に対し不動産業への融資増加を懸念して警告したとの報道を受けた質問が行われました。岩田和親副大臣は、近年地域銀行の不動産業向け貸出しは増加傾向にあり、本店所在地外の主要都市向け割合が高い銀行等が見られると答弁し、金融庁は本年2月の意見交換会で不動産業向け貸出しに注力する地域銀行に対し、限度額管理やストレステストの徹底などリスク管理態勢の高度化を求めたことを説明しました。岩田副大臣は貸出増加を踏まえリスク管理高度化を求めた対応を肯定的に説明し、今後も地域銀行の不動産業向け貸出し動向を注視し、リスク管理態勢の高度化を促していくと答弁しました(スコア0.75)。一方、ラサール石井氏は越境不動産融資によるバブルとリスクを問題視し、政府の姿勢を批判しました(スコア0.15)。
本テーマでは、地域金融機関のMアンドA支援における外資系企業の関与の有無が取り上げられました。塩入清香氏は関連事例の有無を質問し、金融庁は外資系企業が買手となる事例もあり得るとして外資排除はしていないと説明し、外為法上の対内直接投資審査対象となる場合は事前届出と厳格審査が行われるとしました。塩入清香氏はニセコ・倶知安町の事例を挙げ、外資主導の開発による地価高騰と日本人住民の流出を示すデータを示して責任の所在を質問し、外資系企業は短期回収志向で撤退リスクがあるとして、プランにおいて外資をあらかじめ排除すべきだったと主張したほか、外為法の適用事例が一件のみで現場任せの判断が続いている点を問題視しました。片山大臣は地域活性化に際し住民生活への配慮が望ましいとしつつ、個別ケースの評価は資料不足のため回答を避け、経営強化計画の履行報告や変更命令の規定で対応する方針を説明しました。
MBKによる牧野フライス製作所株式取得の外為法届出に対して中止勧告を実施したことについて、片山財務大臣は、国の安全確保への影響や技術流出の可能性を審査会で議論した結果、中止勧告が必要不可欠と判断したと答弁し、賛成の立場を示しました。一方、柴愼一委員は、法案審議前日の三党ヒアリングで財務省が適用事例なしと回答した翌日に勧告が公表された対応や、クローズの部会が市場閉場中の夕方に開催されていた点について、不誠実であると重ねて苦言を呈しました。これに対し片山大臣は、守秘義務と上場企業の株価への影響を理由に、適時開示のタイミングでしか回答できないと説明しました。西田英範委員は、この対応への驚きを指摘した上で財務大臣の見解を問いました。
経営者保証に依存しない融資の促進状況について、金融庁は経営者保証改革プログラム等により、2025年度上期の経営者保証に依存しない融資件数割合が55.8%になったと説明しました。これに対し上田勇氏は、数字上の改善は認めつつも経営者の実感とはずれがあり、地域金融機関では担保等の要求が依然として多いと指摘しました。上田勇氏のスタンスは中立的なもので、改善傾向を認める一方、現場では担保要求が多い実態を踏まえ、更なる努力を求める内容となっています。
その点は引き続き、改善の方向ではあるというふうに思っておりますので、是非御努力いただきたいというふうに思います。
金融機能強化法改正後の施行状況検証体制について議論されました。片山大介氏は、改正後の施行状況検証(5年ごとの見直し等)について具体的な方法をどこまで検討しているか質問しました。これに対し片山さつき大臣は、業務純益や貸出残高等の実績に加え、計画履行状況や地域経済動向も含めて検証を丁寧にフォローアップすると答弁しました。また金融庁からは、経営強化計画の履行状況を公表・フォローアップし、必要に応じて変更命令を出せる規定を新設したとの説明がありました。片山大介氏は単なる法律の延長ではなく施行状況の検証を強く求める立場を示し、片山さつき大臣も5年ごとの見直しと計画履行状況の丁寧な検証を約束する前向きな姿勢を示しました。
本テーマでは、金融機関共同システム開発への資金交付制度をめぐり議論が行われました。西田英範委員は、信用金庫における共通勘定系システム改修の負担を踏まえ、同制度の対象とすることを要請しました。これに対し井上俊剛局長は、既存の共同システムの更改についても資金交付の対象とし、実施計画の具体性等を審査する方針であると答弁しました。また西田委員は、小規模金融機関から申請手続が煩雑であるとの声があることを紹介し、手続の簡素化を要望しました。
審議の結果、金融機能強化法改正案は原案どおり多数をもって可決されました。あわせて森ゆうこ委員から提出された各派共同提案の附帯決議案が全会一致で決議され、中東情勢悪化に伴う中小企業等への資金繰り支援の継続や、いわき信用組合等の不祥事を踏まえた検査監督権限の適時適切な行使を求める項目が盛り込まれ、片山大臣はその趣旨を踏まえ配意していくと述べました。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。