本委員会では、外為法改正案(日本版CFIUS創設)を中心に、対内直接投資審査制度をめぐる幅広い論点が議論されました。片山さつき大臣、緒方健太郎局長らは、財務省と国家安全保障局を共同議長とする省庁横断的な審査体制の強化、事前届出閾値(1%)の設定根拠、無届け事案への対応、年次報告の充実、対日直接投資残高120兆円(2030年)・150兆円(2030年代前半)目標との整合性について説明しました。森ゆうこ委員、小池晃委員、塩入清香委員、上田勇委員、江原くみ子委員、片山大介委員、西田英範委員、大島九州男委員、ラサール石井委員らは、審査の透明性・実効性、情報機関の関与、中小企業の技術流出防止、被害者救済(スルガ銀行問題)、日銀の独立性、補正予算の財源確保など多岐にわたる論点で質疑を行いました。牧野フライス製作所への中止勧告事案や大川原化工機事件も取り上げられました。
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全32テーマ ・ 紐づく質疑52件
日本版CFIUS創設と情報当局の恒常的関与の明確化
本テーマでは、小池晃委員が大川原化工機事件(警視庁公安部の違法捜査による冤罪で、国・都に約1億6600万円の賠償命令が確定)を挙げ、違法な情報収集に基づく投資審査判断を防ぐ仕組みについて質問しました。小池委員は、不利益処分でも情報源の開示や審査基準の公表がなく違法捜査・情報捏造の危険性を否定できないこと、米国CFIUSが売却命令の根拠を開示せず説明責任を負わない不透明な運用であることを指摘し、本年4月の牧野フライス製作所買収への中止勧告を例に、日経新聞社説も審査過程の説明を求めたと紹介した上で、情報部門連携により不透明な判断や政治的介入が強まる懸念を表明しました。これに対し片山さつき大臣は、情報機関は適法に情報収集しているとの理解を示し、牧野フライス案件はMBKによる完全子会社化計画で防衛装備品製造事業者にも利用される点等を考慮したものであり、勧告・命令の判断は財務省と事業所管官庁が責任を持って行うため不透明な判断や政治的介入は強まらないと答弁しました。小池委員は牧野フライス事例が実際には不透明であったと再反論し、ラサール石井委員も国家情報局による広範な情報収集への強い危惧を表明しました。
しかし、本法案にはインテリジェンス部局が違法な手段で収集した情報を基に間違った判断が行われることを排除する仕組みはなく、大川原化工機事件のように違法捜査や情報の捏造が誤った審査を誘発する危険があります。
新設される国家情報局が、日本版CFIUSの求めに応じ、外国と経済的な関係のある人物に関する情報を広範に収集することになることを大変危惧しております。
外為法上の審査や勧告、命令といった判断については、先ほどからるる御説明をしておりますが、引き続き財務省と事業所管官庁が責任を持って行うんでございまして、そこに不透明な判断や政治的介入が強まるということは決してないというふうに考えております。
本テーマでは、インフラ運営権(コンセッション方式等)への外資参入と外為法審査対象の限界について議論が行われました。塩入清香委員は、みやぎ型コンセッション方式等のインフラ民営化を海外での再公営化事例(ボリビア水戦争)と対比して懸念を提起し、政府がPPP・PFIを今後10年で30兆円規模へ拡大する方針を示す中で、運営権が外為法の対応範囲に含まれるかを質問しました。これに対し片山大臣は、外為法は株式・議決権取得等を対象としており、運営権取得そのものは株主行為との関係がなければ審査対象外であると説明し、外為法で全てに対応できるわけではなく、所管法・業法等での別途対応が必要であると述べました。塩入委員は、運営権やデータアクセスについても経済安保上の審査対象に含めることや、他法での規制を求めました。塩入委員は運営権への外資参入拡大に対して危機感を示し、規制強化を要望する立場(スコア0.00)を取りました。
今後、是非とも、その運営権についても経済安全保障上の観点から審査の対象に含んでいただきたい、あるいは、それが難しいのであれば、ほかの法律で規制を掛けていただきたいというふうに認識しております。
本テーマでは、スルガ銀行不正融資問題をめぐり、金融庁の銀行法検査権限行使と被害者救済のあり方が議論されました。森ゆうこ委員は、金融庁が銀行法検査権限を行使して処分行員リスト等の証拠開示を促し、被害者の全面救済を図るべきと要求し、2018年以降の立入検査実施回数を質問しました。これに対し石田晋也参考人は、立入検査は個別融資の当事者間問題解決を目的とせず銀行業務の健全性確保が目的であると答弁し、2018年4月に立入検査を1回実施し同年10月に業務改善命令を行い、以後3か月ごとにフォローアップを実施していると説明しました。森委員は、参考人招致によっても情報の非対称性が明らかになったとして、片山さつき大臣に再度の立入検査による情報開示を要求しました。片山大臣は、検査は個別融資の当事者間問題解決目的ではないとしつつ、指導監督を続けると答弁しました。森委員は、証拠を銀行側のみが保有し開示しないため問題が解決しないとして、厳格な検査実施を重ねて要求しました。
本テーマでは、デジタル行政推進法案・地域金融力強化プランにおける外資参入促進と、外為法規制強化との整合性が議論されました。塩入清香委員は、地域金融力強化プランでの外資参入促進が本法案の規制強化と整合するのか質問し、地方創生プランに外資を参入させる必要性自体を疑問視するとともに、外資が情報取得の入口として利用される懸念について警戒するよう求めました。これに対し片山大臣は、地域金融力強化プランにおける外資によるM&Aについても外為法上の対内直接投資審査の対象となり得ると説明し、両者の両立を図るべきとの考えを示しました。
あえて国が応援するプランに外資を参入、外資を加える必要はなかったのではないかというような問題提起もさせていただいたところです。
リスク軽減措置の法定化とガイドラインによる具体化については、西田英範委員が、リスク軽減措置に関する法文の規定が抽象的であり、実務経験の少ない投資家には理解しにくいとして、具体的な内容を示すガイドラインの公表を求めました。これに対し緒方健太郎局長は、画一的な基準を設けることは困難であるとしつつ、想定される類型や具体例をガイドライン等で示す方針を答弁しました。西田委員はガイドラインで具体的なリスク軽減措置を示す必要性を主張する立場であり、緒方局長も外国投資家の予見可能性を確保するためガイドラインで類型・具体例を示すことを明言しており、両者とも同様の方向性を示しました。
本テーマでは、外国為替及び外国貿易法における上場株式の事前届出閾値引下げをめぐり議論が行われました。森委員は、令和元年改正により事前届出閾値が10%から1%に引下げられ、密接関係者分も合算する仕組みとなったことを確認しました。政府参考人(緒方局長)は、2019年改正で上場企業の議決権1%以上取得等を事前届出対象とした根拠について、会社法上の議題提案権と関連付けて説明しました。発言者のスタンスとしては、上田勇委員がG7各国と比較した閾値の低さと投資倍増目標との整合性に疑問を呈し、森ゆうこ委員は閾値引下げの意義自体は前提としつつ、密接関係者の把握の実効性について懸念を表明しました。
本テーマでは、中小企業が保有する重要技術の対内直接投資審査制度に関する周知の在り方が議論されました。森ゆうこ委員は、重要技術を持つ中小企業がM&Aの対象になりやすいことを指摘し、制度周知の必要性を主張しました。これに対し緒方局長は、財務局等の地方支分部局を通じて企業訪問や経済安全保障セミナーの開催などにより周知広報活動を行っていると答弁しました。また大島九州男委員は、安全保障に重大な影響を及ぼす中小企業の技術情報を国が事前にリスト化する発想の是非について質問しました。緒方局長は、一律にリスト化することは考えていないが、事業所管官庁が持つ技術・リスク情報とNSS等の情報を総合的に省庁横断で判断すると説明しました。大島委員は、日本の中小企業の技術が海外に流出しないよう実効ある運用を求めました。森委員、大島委員はいずれも技術流出防止に向けた制度周知や運用強化に賛成の立場を示しています。
だから、そういうことをきちっと今回の法改正に沿って、そういう危険性がありますよということを中小企業に対してもいろんな支援機関を通じて周知をして、本当に大切な技術というのは、中小企業、零細企業、そういうところが持っているということが多いわけですから、そこをきちっと守っていくような対応が必要だと思いますが
うちのおやじなんかも鉄工所で技術屋さんでしたけど、やはり日本の中小企業のそういう技術というものが海外に流出しないようにしっかりそういうのを守ってもらいたいというのと、これが実効ある形になるように、現場の人は大変でしょうけど、頑張っていただくことを要望して、終わります。
本テーマでは、中止勧告等の個別事案に関する対外公表・説明の在り方が議論されました。森ゆうこ委員は、牧野フライス製作所への中止勧告後も立法事実の説明が行われなかったとして抗議し、公表ルール化を要求しました。これに対し緒方健太郎局長は、市場への影響や機微技術の開示につながる懸念を挙げ、対外公表は慎重な検討が必要であると答弁しました。スタンスとしては、森ゆうこ氏は説明不足を批判し予見可能性向上のためのルール化を求める立場(賛成寄り)である一方、緒方健太郎氏は積極公表に消極的な姿勢を示し、小池晃氏は情報部門連携による不透明化への懸念を表明し中止勧告の対外公表拡大に否定的な立場を示しました。この議論の中で明確な結論や決定事項は示されていません。
私、この牧野フライスの問題は、現行法下での事例ではあります、事例ではありますが、情報部門と連携する本法改正がなされれば、更に不透明な判断や政治的介入が強まるのではないかという懸念を私持たざるを得ないんですが、大臣、どうお答えになりますか。
先ほどありました外国の投資家の予見可能性を高めるためにもルール化してきちんと説明していく必要があると思いますけれども、簡単にお答えください。
財務省としましては、外為法において対外取引自由を基本としている中で、必要最小限の規制としての勧告や命令といった事態が生じた場合のこの対外公表の在り方につきましては、外国投資家の透明性の観点だけではなく、申し上げましたような個別事案ごとの発行会社や市場への影響等を踏まえて、丁寧かつ慎重な検討が重要であると考えてございます。
本テーマでは、事前届出件数の主要国比較と義務的事前届出閾値(1%)の設定根拠が議論されました。上田勇委員は、2024年度の事前届出件数2903件がG7他国の年間数百件と比べて著しく多いことを指摘し、その理由を質問するとともに、2019年改正で義務的事前届出の株式保有閾値が10%から1%に引き下げられた理由についても質問しました。上田委員はスコア0.25(0=反対〜1=賛成)とされており、他G7国との比較から届出件数の多さを問題視し、閾値の妥当性に疑問を呈する立場でした。これに対し政府参考人は、指定業種を対象とした事前審査重視の方針や、2019年改正における株主行為の対象化、指定業種の追加が届出件数の多さの要因であると説明しました。また閾値引下げについては、会社法上、議決権1%以上を保有すると議題提案権を行使可能となることを踏まえて設定したと説明し、同時に事前届出免除制度も創設したと答弁しました。
他のG7諸国が年間数百件なんですね、に比べると著しく多い。
本テーマでは、国家情報法制など政府情報機関への協力義務を課す国の企業を対象とした対内投資審査の導入是非が論点となりました。塩入清香委員は、国家情報法などで政府情報機関への協力義務を課す国の企業を厳格審査・禁止対象とすべきと提案し、上海電力による大阪市メガソーラーへの参入事例を挙げて国ごとのリスク評価の必要性を主張しました(賛成)。江原くみ子委員は情報共有体制の維持を求めましたが、審査導入自体への賛否は明確ではありませんでした(中立)。議論では明確な結論・決定事項は示されませんでした。
本テーマでは、国家情報会議設置法における情報機関の監督・チェック体制の必要性が議論されました。森ゆうこ委員は、成立した同法には第三者機関等のチェック体制がなく、情報機関の暴走を懸念すると指摘し、反対の立場を示しました。小池晃委員も、同法により内閣情報調査室が国家情報局に格上げされることで市民監視が拡大する危険性を指摘し、監督体制の欠如を問題視して反対の立場を示しました。塩入委員は、常設の専門組織や専門人材の確保、および国会によるチェック機関の設置を要望しました。これに対し内閣官房の岡素彦参考人は、新たな捜査権限等は付与せず閣僚級の司令塔組織であり、政治による監督機能は高まると答弁しました。
本テーマでは、外為法に基づく対内投資審査の実効性が議論されました。片山大介委員は、牧野フライス製作所への中止勧告が2008年以来18年ぶりとなったことを踏まえ、現行制度の不足点について質問しました。これに対し政府参考人は、審議会答申を踏まえ、審査の実効性・効率性向上、安全保障環境の変化への対応、執行体制の強化が課題であると説明しました。塩入清香委員(スコア0.15、反対寄り)は、1980年以降の買収中止事例が僅か2件にとどまっている点を挙げ、審査の実効性に疑問を呈するとともに、米国のCFIUSでは2024年に9件が中止・撤退・売却に至り、審査対象も実質支配や技術移転等を横断的に捉えていると指摘し、計画変更を促した件数や理由等のデータ蓄積を要望しました。江原くみ子委員(スコア0.75、賛成寄り)は、審査体制の不備を懸念し、体制強化を求める立場から実効性検証の必要性を支持しました。
本テーマでは、外為法上の無届け事案の件数(2022〜2024年度に534件・1184件・356件)を踏まえ、その悪質性や検知度合いをめぐって議論が行われました。江原くみ子委員は無届け事案件数の悪質性割合の分析を質したうえで、意図的隠蔽事案が検知網から漏れている懸念を指摘し、スタートアップや士業へのプッシュ型周知、会社設立時のチラシ配布等を提案しました(賛成、スコア0.75)。上田勇委員は2014年度356件の検知度合いと安全保障上重要な案件が含まれる懸念を質し、非上場企業は情報非公開のため検知手段が限られ制度が形骸化する懸念を示しました(賛成、スコア0.75)。政府参考人は、地方支分部局・士業や業界団体への周知、公開情報分析、事後モニタリング等により無届け事案の検知に努めており、多くは制度不知による軽微な届出漏れと認識していると答弁しました。片山さつき大臣は、不知に起因する無届けの解消に向け、地方自治体等への幅広い周知とデータ分析・デジタル技術の活用による検知強化を進める考えを示しました(賛成、スコア0.90)。
本テーマでは、外為法に基づく年次報告(アニュアルレポート)の透明性向上について議論されました。西田英範委員は、米国と比較して日本の年次報告はまだ詳細さが不十分であるとして充実を求め、予見可能性の向上を主張しました。これに対し緒方健太郎局長は、2023年度分から米国同様のアニュアルレポートを毎年作成・公表しており、今後も充実化に取り組むと答弁しました。また塩入清香委員も、アニュアル報告の充実を含む情報開示の強化を要望しました。西田委員、緒方局長、塩入委員のいずれも年次報告の充実に前向きな立場を示しており、明確な反対意見は見られませんでした。
先ほど西田議員もおっしゃっていたアニュアル報告の充実なども含めて、投資家サイドから見て情報を厚くするという要望にプラスして、計画変更を促した件数とその理由といった部分もデータとしてしっかりと蓄積をお願いしたいと強く要望したいと思います。
投資家や事業者の立場に立って、外為法の予見可能性を高める観点から、より充実した内容にしていくべきであると考えますけれども、今後の取組について財務省にお伺いをいたします。
統計データの充実を始め、更なる透明性向上の観点から、二〇二三年度分からは米国を含む諸外国と同様に、投資審査制度に係る年次報告書、アニュアルレポートを毎年作成、公表することとしてございます。
外為法改正案(日本版CFIUS創設)をめぐっては、審査の透明化、情報部局との連携、中小企業への周知、地方自治体との連携等を内容とする附帯決議とあわせて議論が行われました。発言者のスタンスとしては、ラサール石井氏が反対の立場を示し、社民党代表として法案に反対する討論を行いました。小池晃氏も反対の立場を示し、規制強化の必要性自体は認めつつ、法案そのものには反対する討論を行いました。一方、片山大介氏は賛成に近い立場を示し、法改正の目的を評価しつつも、従来の運用上の課題も指摘するなど、総じて前向きな姿勢を示しました。
本テーマでは、対日投資残高倍増目標と外為法規制強化との整合性が議論されました。上田勇委員は、規制強化が対内直接投資の目標達成や成長力を阻害する懸念を繰り返し表明し、規制強化偏重ではなくバランスある運用を要望する立場(スコア0.20)を示しました。これに対し片山さつき大臣は、2030年に120兆円、2030年代前半に150兆円という対日投資残高目標を掲げつつ、本法案は投資促進と経済安全保障の確保を両立させるものであるとし、投資促進と安全保障規制は両立可能との立場(スコア0.75)から答弁しました。上田委員は、規制強化が投資に対して消極的であるとのメッセージを与えることへの懸念を重ねて表明しました。
対内直接投資審査の恣意的運用や特定国偏重が国家間対立を誘発することへの懸念について、発言者間で立場が分かれました。ラサール石井氏はスコア0.05でこの懸念を一貫して表明し、恣意的運用や国家間対立誘発への批判的な立場を示しました。森ゆうこ氏はスコア0.20で、規制の抜け道や当局の把握能力に疑問を示し、懸念を表明しました。一方、片山さつき氏はスコア0.50で、特定国対応が制度目的でないと説明するにとどまり、恣意的運用への懸念自体への賛否は不明とされています。小池晃氏についてもスコア0.50で、提示された根拠は対米自主自立外交への言及のみであり、本テーマそのものへの言及は確認されていません。要点の抽出はなく、重要な結論・決定事項についても示されていません。
対外投資の規制は国家間の深刻な対立の火種にもなり得ますから、極めて謙抑的に行うべきだと考えますが、日本版CFIUSが国家間対立を引き起こさないためにどうしたらいいのか、大臣のお考えをお聞かせください。
そもそも規制の抜け道がないように制度設計されているのか疑問が残りますし、外国政府等による国内の投資家への支配を、先ほどいろいろ御説明ありましたけれども、日本の当局が本当に適切に把握できるのか、ちょっとやっぱり疑問が残りますので
決して、そもそも特定の国に対応することを想定というか、それが制度目的になっているものではございません。
提示証拠は対米自主自立外交への言及のみでテーマ本体への言及なし
本テーマでは、対日外国投資委員会(日本版CFIUS)の設置根拠と法的位置づけの妥当性が論点となりました。ラサール石井委員は反対の立場(スコア0.00)から、改正案第69条の4は関係行政機関の長への意見照会規定にすぎず、新組織の設置規定ではないと指摘し、さらに国家安全保障局長が同条にいう「関係行政機関の長」に該当するかを問い、条文が組織の設置根拠にはならないのではないかと質問しました。これに対し緒方局長は、日本版CFIUSは新たな行政機関を設置するものではなく、69条の4は省庁横断体制を法制面で担保するものであると説明し、また国家安全保障局の主務大臣は内閣総理大臣であり、同条は共同議長体制を法制上担保するものであると答弁しました。両者の間で条文の性格をめぐる質疑が交わされましたが、明確な結論や決定事項は示されていません。
日本版CFIUSは、設置の根拠として挙げられる改定案第六十九条の四は、あくまで外為法に基づく審査を行う行政機関とその他関係行政機関との意見交換を定めたものであり、日本版CFIUSなる新組織をつくるための法的根拠になるとは到底言えません。
本テーマでは、2030年に対日直接投資残高120兆円、2030年代前半にはできるだけ早期に150兆円とする目標に向けた現状と促進策が議論されました。西田英範氏は、目標達成に向けた現状の原因と促進加速策について質問し、規制強化と並行して投資促進のアクセルを踏むべきとの立場から前向きな姿勢を示しました。これに対し金子政務官は、2025年末時点の残高が約58.6兆円で対GDP比ではOECD最下位にあることを説明し、人材確保や行政手続の簡素化などが課題であると答弁しました。片山さつき大臣は、骨太の方針2025に基づき2030年120兆円、2030年代前半150兆円という対日直接投資目標を掲げていることを説明し、その達成に向けた投資促進策に取り組んでいると答弁しました。片山大臣は目標の達成に前向きな立場を示し、西田氏もこれに沿う形で促進策の推進を求めました。
本テーマでは、日本版CFIUS共同議長体制における最終的責任の所在が論点となりました。江原くみ子委員はスコア0.20とされ、共同議長制は責任分散を招くとして、有事における最終責任が財務大臣にあるのかを質問し、責任の所在を問題視する立場を示しました。これに対し片山さつき大臣はスコア0.50とされ、外為法上の勧告や行政処分に係る命令については引き続き財務省と事業所管官庁が責任を持つと答弁し、この点を繰り返し明確に述べました。議論を通じて、勧告・命令に関する責任の所在は財務省と事業所管官庁にあるとする答弁が示されました。
本テーマでは、日本版CFIUS創設に伴う情報当局の恒常的関与の在り方が議論されました。西田委員は、米国CFIUSでは情報当局が法定メンバーである一方、改正法では意見照会にとどまる点を指摘し、恒常的関与の担保を質問しました。これに対し片山財務大臣は、財務省とNSAが共同議長を務め、情報機関を含む関係行政機関と連携する旨を答弁しました。財務省は届出書精査や質問状等により最終親会社等を把握し、地方支分部局や関係機関との連携により調査機能強化に取り組むと説明しました。小池委員は、インテリジェンス部局連携に国家情報会議・国家情報局が含まれるか、また連携の必要性やみなし外国投資家判断における親族・雇用関係等の個人情報活用について質問しました。緒方局長は、国家情報局も概念上含まれ得るが具体的コメントは差し控えるとしつつ、対内直接投資関連情報の提供により審査高度化を図る必要性や、非居住者との支配関係探知の重要性を説明しました。スタンスでは、塩入清香・江原くみ子・片山さつき・西田英範がいずれも制度強化に前向きな姿勢を示す一方、片山大介は安全保障省庁の情報偏重による審査への影響に懸念を表明しました。
この法令をしっかりと実効的なものにするためには、情報当局等がしっかりと関与をするということを明確化する、恒常的に関与することをはっきりさせていく必要があると思いますけれども、それをどのように担保していかれるか、財務大臣にお伺いいたします。
日本版CFIUSというのであれば、単なる会議体ではなくて、常設の専門組織、専門人材を確保して、国会の一定のチェック機関も設けるなどして実効性を高めていっていただきたいと心からお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
金融や国際法務、最先端技術に精通した専門人材を民間の知恵も借りながら固定的に配置をして、組織としての専門性を蓄積していく必要があると考えます。
このような運営体制の下で、御指摘いただいた情報機関を含む関係行政機関としっかりと連携を図るということを担保しながら、国の安全等に係る審査の実効性を確保してまいりたいというふうに考えております。
それぞれの官庁の保有する情報等の情報量というのを鑑みると、どうしても安全保障重視側の影響がちょっと大きくなるのかなというふうに思いますが
本テーマでは、対日外国投資委員会(日本版CFIUS)の創設を通じた省庁横断的な審査体制の強化について議論されました。片山大臣は、財務省・事業所管官庁が国家安全保障局等と協力し省庁横断的な審査体制を強化する目的であると説明し、リーダーシップ発揮のため縦割りを排し、専門人材確保を含め運用強化に努める旨を答弁しました。また、財務省・国家安全保障局が共同議長を務め、事業所管官庁がメンバーとして参加することで縦割りを排除し、効果的な審査を図ると述べました。緒方局長も同様に、国家安全保障局を始めとする安全保障関連部局と協力し省庁横断的審査体制を強化する目的であるとし、財務省とNSSを共同議長、経産省・防衛省・外務省を主構成員とする運営を検討中と答弁しました。ラサール石井委員は、財務省資料において財務省と国家安全保障局が共同議長を務めると記載されている点を指摘しました。片山大介委員は案件選定基準について質問し、大臣は投資家属性・業種・技術重要性・株式取得割合等で総合判断する旨を答弁しました。江原くみ子は制度強化の方向性を支持しつつ、運用体制の実効性に懸念を表明しました。
事前届出対象の拡大、出資比率基準の引下げなど、審査制度を強化してまいりました。その方向性については私も強く支持をいたします。
本テーマでは、日本版CFIUS創設に関する連立合意上の位置づけを巡り議論が行われました。ラサール石井委員は、自民・維新連立合意において日本版CFIUSが経済安全保障ではなく人口政策・外国人政策の項目に記載されている点を指摘し、外為法改定が外国人一般への規制強化と受け止められ、排外主義を助長してはならないとの懸念を表明しました。これに対し片山大臣は、連立合意の記載自体についてはコメントできる立場にないとしつつ、対日直接投資残高目標に言及し、投資促進策に取り組んでいると説明しました。さらに片山大臣は、事前届出義務化の対象はリスクの高い非居住者等に限定されており、排外主義を助長するものではないと答弁しました。スタンスとしては、ラサール石井委員が懸念表明の立場を一貫して強く示し、片山大臣はこれに反論し制度の妥当性を主張する立場を取りました。
本テーマでは、日銀の独立性と政府・日銀の政策連携の在り方が議論されました。森ゆうこ委員は、高市総理と植田日銀総裁の会談内容を踏まえ、政府が日銀に利上げ抑制等を求めた可能性を懸念し、異次元緩和の弊害を指摘しつつ日銀の独立性への配慮を要求しました。これに対し片山さつき大臣は、日銀法3条が定める自主性の尊重と、4条が定める政府との意思疎通の両立を説明し、金融政策の手法自体は日銀に委ねられるとの立場を答弁しました。森委員のスタンスは独立性配慮と政策連携を求めるものであり、片山大臣は日銀の自主性尊重を明言しつつ政府との連携も前提とする中立的な立場を示しました。両者のやり取りを通じて、日銀法における自主性尊重と政府との意思疎通のあり方が論点として示されました。
本テーマでは、米国CFIUSの先例を踏まえた対内直接投資審査の適正手続をめぐり議論が行われました。江原くみ子委員は、米国CFIUSが財務長官を含む8閣僚で構成される一方、日本版では法務省や資源エネルギー庁等が主構成員に含まれていない点を指摘しました。これに対し緒方局長は、米国の司法省・エネルギー省が担う役割は日本では経済産業省・総務省が担うものと整理し、事業所管官庁が必ず参加する仕組みであると答弁しました。また小池委員は、米国CFIUSがCIA・FBIも参画しインテリジェンス能力を有する一方、根拠を開示せず説明責任を負わない不透明な運用であることを紹介し、日本製鉄・USスチール問題にも言及しました。スタンスについては、ラサール石井委員が手続保障の必要性を懸念として指摘したものの賛否は明示せず、江原くみ子委員も現行枠組みへの疑問提起にとどまり、適正手続保障そのものへの賛否は示されませんでした。
本テーマでは、経済安全保障政策の過剰な機能化が市場萎縮やブロック経済化を招くことへの懸念が議論されました。小池晃委員は、経済安全保障政策の過剰機能が民間資金の流れを政治的意図で遮断し市場萎縮を招く懸念を指摘するとともに、ブロック経済化傾向がかえって安全保障上の緊張を高めるのではないかと質問しました。これに対し片山さつき大臣は、外為法は対外取引の自由を原則とし必要最小限の規制に留めるとの基本的考え方は不動であると答弁し、事前届出義務化の対象はリスクの高い非居住者等に限定し、政省令改正でめり張りを付けたバランスの取れた制度とする旨を説明しました。スタンスデータでは、ラサール石井委員が経済安保で政治対立を持ち込むべきでないとして反対の立場を示し、小池晃委員も経済安保の過剰機能が市場萎縮とブロック経済化を招くとの懸念を繰り返し表明しました。一方、片山さつき大臣は経済安保政策の過剰機能化を明確に否定し、こうした懸念に反論する立場を示しました。
本テーマでは、経済安全保障規制とスタートアップの海外資金調達の両立が論点となりました。江原くみ子委員(スタンス:中立寄り、スコア0.50)は、外為法の手続の煩雑化が海外投資家による日本のスタートアップへの投資を敬遠させる懸念があるとして質問し、健全な外資は歓迎する一方で不適切な投資は厳格に排除するというめり張りを重視する立場から、両立を志向する姿勢を示しました。これに対し政府参考人は、規制は必要最小限にとどめているとした上で、2024年度は事前届出の約8割が2週間以内に審査を完了していると答弁しました。さらに江原委員は、スタートアップは法務体制が手薄であることから、制度周知の徹底を要望しました。
健全かつ未来を切り開く外国資金についてはむしろ歓迎し、迅速に手続を完了させる一方で、国益を脅かすような不適切な投資に対しては鋭い爪を持って厳格に排除する、そうしためり張りのある運用こそが求められる真の姿であると考えます。
本テーマでは、補正予算の財源確保のあり方が議論されました。森ゆうこ委員は、補正予算提出の遅さを批判し、予備費の積み増し程度にとどまらず赤字国債に頼らない財源確保を求めるとともに、予備費積み増しでは救済が不十分であるとして、持続化給付金等のより具体的な補正予算を求めました。森委員は赤字国債発行に慎重な立場であり、財源確保を重視するとされています。これに対し片山大臣は、補正財源は特例公債の追加によるものの、前年度分3兆円分が発行不要となる見込みであり、市中発行総額は増やさずに対応可能であると答弁しました。
更なる赤字国債の発行というのは今回の場合はやはり慎むべきだというふうに思います。
本テーマでは、間接投資やみなし外国投資家の実効的な把握手法が議論されました。西田委員は複雑なケースにおける実効的把握方法を質問し、舞立副大臣は最終親会社変更時の事後報告義務化等による探知体制整備、および政令によるみなし外国投資家への個別判断を説明しました。森委員は密接関係者を装った事前届出回避への懸念を示し、緒方局長は質問状のやり取りや非居住者との親族・雇用関係の探知等により実態を踏まえた審査に努めていると答弁しました。片山大介委員は主要国に比べ日本の対応が遅れた理由やみなし外国投資家拡大の立法事実を質問し、政府参考人は外―外取引の実効性確保の難しさや、居住者親族が外国政府関係者であった事例を立法事実として説明しました。塩入委員は議決権50%未満での実質支配の審査基準を質問し、緒方局長は雇用・親族関係等の深度ある探知・評価を説明しました。大島委員は外国間取引における勧告・命令の実効性に強い疑問を提起し、片山大臣は間接投資の捕捉が実務上容易でないことをG7共通の課題としつつ、事後報告や勧告・命令・罰則により実効性確保に努める旨を答弁しました。大島委員はスコア0.20と否定的な立場を示しています。
さっき、今おっしゃったように、外国のAとCの、外国の企業に対して、日本がそれは駄目よと言って言うこと聞くのかなというのが疑問一つ。
本テーマでは、対内直接投資に関する事前届出制度の運用をめぐり、指定業種の見直しによる審査のめり張り付けが議論されました。上田勇委員は、事前届出免除制度導入後も届出件数が増加傾向にある理由を質問し、政府参考人は情報通信技術関連業種の追加や役員選任同意の対象化が主因であり、免除制度導入の影響は限定的であると答弁しました。上田委員はまた、審議会答申が示す事前届出対象絞り込みの提案への対応を質問し、政府参考人は情報通信技術業種の指定を真に必要なものに限定するとともに、役員再任の届出不要化等を下位法令で見直す予定であると答弁しました。上田委員はサイバーセキュリティー限定の仕分けの難しさを指摘し大臣の見解を質問したのに対し、大臣はソフトウェア業等について使用分野や情報の性質等の観点から指定業種の範囲合理化を検討する旨を答弁しました。片山大介委員は事前届出件数が2018年の594件から2024年に2903件へ急増したことへの対応方針を質問し、政府参考人はみなし外国投資家・間接投資のリスクを限定し、業種・行為の合理化により届出件数増を抑制する方針を答弁しました。上田委員のスタンスは、業種限定の難しさを指摘するにとどまり、賛否は明確ではありませんでした。
この審査が必要な業種に限定をする、これはかなり難しいことではないかというふうに思いますけれども、これ、大臣、どのようにお考えになるんでしょうか。
本テーマでは、非指定業種に対する事後的な対応措置の運用が、中小企業等の予見可能性や法的安定性を損なうおそれについて議論が行われました。上田勇委員は、事後的な規制指定によって不測の事態が生じることへの懸念を示し、対応を求める立場から質問しました(スタンススコア0.25)。これに対し政府参考人は、措置が可能なのは投資時点から5年間に限られること、対象は外国政府等リスクの高い投資家による10%以上の株式取得に限定されることを説明し、ガイドラインにより透明性の確保を検討する考えを示しました。また緒方局長は、非上場企業については公開情報が少なく事前の把握には限界があるものの、質問票の送付などを通じて事実の収集に努めると説明しました。
そうした企業の経営戦略の根幹にも影響が及ぶことも想定されますので、そうした不測の事態が生じることがないように是非対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
外為法改正案は、附帯決議(審査の透明化、情報部局との連携、中小企業への周知、地方自治体との連携等)とあわせて可決されました。小池晃氏(共産党)とラサール石井氏(社民党)は反対討論を行いましたが、片山大介氏は法改正の目的を評価する立場を示しました。審査報告書の作成は委員長に一任することが異議なく決定されました。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。