本委員会では、南極地域の環境の保護に関する法律の一部を改正する法律案について質疑が行われました。堀上勝氏は附属書Ⅵ担保措置として、緊急時計画に基づく主宰者の応急措置義務、対応しない場合の環境大臣による代執行、事件対応費用の主宰者負担や事前確認義務化に伴う事務負担への配慮を説明しました。三上えり氏、梅村みずほ氏らは南極観光急増によるマイクロプラスチック・外来種問題や受益者負担導入を、伊藤辰夫議員は「しらせ」後継船建造や南極地域観測事業70周年の科学的貢献を取り上げました。石原宏高大臣は観光客数増加への懸念や第48回南極条約協議国会議(広島開催)での議長国としての取組を述べたほか、米軍普天間飛行場周辺の航空機騒音、IUUフィッシング・アクション・アライアンス不加盟についても議論されました。
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全19テーマ ・ 紐づく質疑44件
南極観光における受益者負担(南極入域料)導入の是非
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南極地域における観光は、南極地域の価値を理解する環境学習の機会でもあります。その一方で、近年、南極地域に多くの観光客が訪れるようになりまして、環境への悪影響も懸念されているところであります。
本テーマでは、南極地域における観光活動の急増に伴う環境負荷が議論されました。三上えり議員は、南極の雪からマイクロプラスチックが検出されたことや、観光客増加に伴う外来種問題の深刻化を指摘し、懸念を強調しました。梅村みずほ議員も、ナンキョクユスリカからマイクロプラスチックが検出されたことや外来種持込みリスクを指摘し、観光客数の減少を真剣に検討すべきと明言しました。堀上勝氏は、南極観光船舶数が2011年度の234隻から2024年度には562隻へ大幅に増加したことを説明しました。これに対し石原大臣は、原生的自然環境は一旦損なわれると回復が困難であるとした上で、プラスチック条約も踏まえて環境保全を図ると答弁しました。
本テーマでは、南極地域の海域のみで行われる科学的調査活動への事前確認義務化に関して、事務負担への配慮が論点となりました。伊藤辰夫議員は、事前確認義務化に伴い新たに対象となる者に過度な事務負担が生じないよう配慮を求める質問を行いました。これに対し堀上勝政府参考人は、新たに対象となる者への丁寧な説明や事前相談への対応を通じて、過度な負担とならないよう配慮する旨を答弁しました。
南極地域の環境の保護に関する法律の一部を改正する法律案について審議が行われ、全会一致で原案どおり可決されました。あわせて附帯決議案も全会一致で委員会決議として採択され、石原環境大臣は趣旨を尊重し関係省庁と連携して努力する旨を述べました。発言者のスタンスとしては、原田大二郎氏が本改正案を南極の自然保護に極めて重要な一歩と評価し、石原宏高氏も原生的自然環境の保全を重視した上で法案の附帯決議尊重を表明するなど、いずれも賛成的な立場からの発言がありました。
本テーマでは、南極地域活動における緊急時計画及び代執行制度に関する論点が議論されました。伊藤議員は、緊急時計画の記載深度・書式や審査の迅速性と活動円滑化のバランス、代執行の手順・マニュアル整備状況、費用納付命令への不服申立て制度の担保について質問しました。これに対し堀上政府参考人(堀上勝氏)は、緊急時計画の様式は環境省令、記載要領はガイドラインで示し標準処理期間90日以内で審査すると答弁したほか、手順・マニュアルは専門家ヒアリングを経て今後整備し、行政不服審査法に基づく不服申立ても可能であると説明しました。また、南極海域での油流出等事故時には主宰者が船長・船舶所有者と連携対応する記載を緊急時計画に求める方向で検討していることが示されました。制度としては、事件発生時に主宰者が緊急時計画に基づき応急措置を行う義務を負い、対応しない場合は環境大臣が措置命令や自ら措置を実施できること、また南極の原生的環境保護の重要性から環境大臣が代わって措置をとり、費用を主宰者に負担させる規定が整備されたことが確認されました。
本テーマでは、南極地域活動における事件対応措置に関する費用算定と主宰者負担の在り方が議論されました。原田大二郎議員は、誰も対応措置をとらなかった場合の主宰者への納付金額算定について国際的共通理解が不十分であると指摘し、政府の検討方針を質問しました。これに対し堀上勝政府参考人は、費用算定マニュアルを海難事故等の専門家の意見を聞きつつ策定する予定であり、納付金額はケース・バイ・ケースで検討する方針を示しました。石原宏高大臣は、緊急事態発生時の費用算定について関係省庁や民間サルベージ会社へのヒアリングを通じて知見を蓄積する方針を説明しました。事件対応は緊急時計画に基づく初動措置として既存設備の範囲内を想定しており、費用負担担保措置や最高限度額は設けていないことが示されました。
南極地域活動における環境上の緊急事態対応措置に関し、堀上政府参考人からは、対応措置は主宰者がとることが原則であるものの、厳しい自然環境下では技術的に困難な場合もあるとの説明がありました。また石原大臣からは、観光と環境保護の両立に向け、環境影響評価や旅行会社間の重複利用回避調整に関する取組が説明されました。改正案における「事件」については、環境上の緊急事態よりも影響が小さいものも含む幅広い概念であり、通報対象となる基準はガイドラインで明確化する方針が示されました。あわせて、緊急時計画には想定される事件の類型や、事件性を判断するための連絡・確認手順を記載させることとされました。
南極地域観測事業について、伊藤議員が1956年の第一次観測隊派遣から2026年で70周年を迎えることを紹介し、これまでの科学的貢献の評価について質問しました。これに対し古田政府参考人は、オゾンホールの発見、アイスコアの解析、隕石の採取、バイオロギング研究等の成果を説明しました。
本テーマでは、南極地域観測統合推進本部による各省連携体制、観測予算、若手人材育成の確保が論点となりました。古田政府参考人は、文部科学大臣を本部長とし、防衛省・総務省・国土交通省・気象庁・海上保安庁と連携して実施計画を作成していると説明しました。また、大学院生の観測同行や萌芽研究観測の公募、民間事業者との連携を通じて若手研究者・技術者の育成確保を図っていると答弁しました。石原宏高大臣は、改正法の運用にあたり職員向けマニュアルを整備し、専門知見を蓄積することで担当職員の対応力強化を図る方針を示しました。これに対し原田大二郎は、専門人材の確保・育成の着実な推進を求め、推進に肯定的な立場を示しました。
制度の成否は人に懸かっていますので、専門人材の確保と育成を着実に進めていただきたいと思っております。
本テーマでは、南極海域での油流出事故対応に関する近隣国協力要請のスピード感が議論されました。尾辻朋実氏は、1989年に発生したバイア・パライソ号事故において、発生から1週間で大部分の油が蒸発・拡散して消失したという事例を紹介し、また日本から南極まで船で約2か月を要することを確認した上で、近隣国への迅速な協力要請の重要性を指摘しました。尾辻朋実氏はこの点について賛成の立場を示しており、近隣国協力要請の迅速化をガイドラインに明記するよう要望しています。
ガイドライン策定に当たっては、どのぐらいのスピード感を持って近隣の、日本よりも早く現地に行って回収に当たれる国に対して協力を要請するのか、そういうことを具体的に決めていただけると有り難いなと思いますので、質問をさせていただいたところであります。
本テーマでは、南極海における鯨類科学調査の実施状況と資源動向が取り上げられました。柿沼忠秋氏は、令和7年度に調査船2隻が延べ68日間にわたり目視調査・DNA採取・衛星標識等を実施したことを説明し、シロナガスクジラ・ザトウクジラ等の大型鯨類資源が総じて回復傾向にあると確認したことを述べました。また堀上勝氏は、上陸を伴う観光クルーズ船について事前確認申請の枠組みの中で動物群れへの接近方法を審査し、鯨の保護を図っていることを説明しました。これに対し望月良男氏は、観光客増加による生態影響を懸念し、鯨保護の継続を希望する立場を示しましたが、科学調査による資源回復傾向そのものへの直接の言及はありませんでした。
南極を訪れる観光客の増加が鯨の生態に影響を及ぼすことがあってはなりません。
南極環境保護法に基づく環境省職員の観測隊同行体制について議論が行われました。堀上政府参考人は、1997年の法公布以降、延べ16名の環境省職員が観測隊に同行し、基地運営の環境影響を確認してきたと答弁しました。三上議員は、定期異動により専門人材が数年で異動してしまう課題を指摘し、専門人材の継続配置の必要性を提起しました。これに対し石原大臣は、延べ16名派遣を継続し、人材の適切な配置と体制確保に努めると答弁しました。梅村みずほ議員および石原宏高議員は、環境省職員の南極派遣継続と専門人材育成を求める立場を示しました。
本テーマでは、南極地域の定義とその法適用範囲が議論されました。堀上勝氏は、南極地域が南緯60度以南の陸域と海域を指し、南極海域は公海に該当すると説明し、改正法施行後は南極海域での緊急事態に主宰者へ対応措置義務が生じる一方、それ以外の公海には適用されないと述べました。高橋徹氏は、海防法が南極を含む全海域の日本籍船に適用され、油等の大量排出時には船長に通報・応急措置が義務付けられると説明しました。また、梅村みずほ氏は観光規制の検討を政府に要求しており、環境保全に前向きな姿勢を示しましたが、条約関係への言及はありませんでした。
南極地域の環境保全を図るため、観光への規制の在り方について検討すること。
南極観光における受益者負担の導入については、三上えり議員が、富士山の入山管理料を例に挙げ、南極入域料のような受益者負担の仕組みを国際社会へ働きかけるべきだと提案し、賛成の立場を示しました。梅村みずほ議員は、観光客数や航行数の制限を提案し、受益者負担的な規制導入に前向きな姿勢を示しました。これに対し堀上勝政府参考人は、協議国会議において費用負担に関する議論はあるものの、徴収主体や徴収方法など論点が多く、合意形成が重要であると答弁し、賛否は明言しませんでした。
私は、日本政府がこれリーダーシップを取って、南極を訪れる観光客に対しても、これ富士山のような、例えば南極環境還付金、言わば南極入域料のような受益者負担の導入を国際社会ですとか国際南極旅行協会などに働きかけてみてはどうかと、ちょっとハードルは高いんですけれども、思うんですけれども、いかがお考えでしょうか。
このホスト国として、例えば航行数をせめてちょっと制限していくだとか、その訪れる観光客の目安の人数だとか、これぐらいでとどめておいた方がいいんじゃないですかというような数値目標を示すとか、いろんなことが考えられると思うんです。
まずは現在議論されている観光枠組みの中で、関係国の間で丁寧に包括的な議論を重ねた上で合意形成を図っていくことが今時点では重要だというふうに考えてございます。
南極観光をめぐっては、石原宏高大臣が観光客数について2011年度の2.6万人から2024年度には11.7万人に増加したと答弁し、累積的な環境影響への懸念を示しました。堀上勝氏は、観光の目的は氷山・氷床等の自然景観や固有生物の観察、ガイドによる説明を通じた南極自然の学習であるとし、地球環境モニタリング等への理解促進という点で一定の意義があると説明しました。規制の枠組みについては、2011年の観光ガイドラインにおいて、上陸は一隻ごとの制限、乗客500人以上の船舶は上陸不可、上陸は最大100人まででガイド1人につき20人以下とする規定が設けられていることが説明されました。南極条約協議国会議では2023年から観光活動を包括的に管理する議論が開始されており、堀上勝氏はこれが即時の規制強化を意味するものではないと説明しました。石原宏高大臣は、包括的な規制管理枠組みの構築に向けた協議国会議での継続的な議論に参加し、貢献していく方針を示しました。
その議論にしっかりと参加をして、より良いものにしてまいりたいというふうに思います。
南極観測船「しらせ」の老朽化と後継船建造をめぐり、伊藤辰夫議員が対策と検討状況を質問しました。伊藤議員は老朽化を喫緊の課題として後継船検討を求める立場を示しました。これに対し古田政府参考人は、「しらせ」が就役17年目であり、先代の退役船齢が25年であったことを踏まえ、次期輸送体制検討小委員会において審議を開始したと答弁しました。また、梅村みずほ議員は後継船建造を含む予算確保を求める附帯決議に賛同する意向を示しました。
本テーマでは、IUUフィッシング・アクション・アライアンス(IUUAA)への日本の不加盟をめぐり議論が行われました。森まさこ議員は、IUUAAへの日本の不加盟を指摘し、海洋環境保護における国際的リーダーシップの必要性を主張し、RFMOやPSMは魚種・地域が限定的であり、日本の海洋国家としてのリーダーシップが弱いと指摘しました(賛成、スコア0.80)。これに対し海上保安庁は、IUU対策としての海域監視取締りを担当する立場であり、IUUAA加盟には直接関与しないと答弁しました。水産庁の柿沼忠秋は、RFMO・PSM等の政府間の法的拘束力ある枠組みで対応しているとして、IUUAA加盟には消極的な姿勢を示しました(反対、スコア0.20)。一方、山下雄平副大臣は、IUUAAへの積極参加とリーダーシップ発揮について鈴木大臣と共有し検討する旨を答弁しました(賛成、スコア0.75)。
IUUAAへの加盟について今後積極的に取り組み、日本も国際社会での議論をリードする側に立つべきではないかと考えますが、お考えをお聞かせください。
水産庁といたしましては、これら政府間によります法的拘束力のある枠組みというのはIUU漁業対策がより直接的な効果を上げるものと考えておりまして、これらの取組を着実に進めてまいる所存でございます。
是非とも森先生の御指摘をまた鈴木大臣とも共有させていただいて、さらに、IUU漁業対策に我が国としてどういった形でリーダーシップを発揮できるかということについて検討してまいりたいというふうに考えております。
第48回南極条約協議国会議は来月11日から広島で開催され、日本での開催は32年ぶりであることが三上議員により紹介されました。大場政府参考人は、広島開催の意義として、平和的利用を基本原則とする南極条約との親和性を説明しました。石原宏高大臣は、議長国として附属書Ⅵの早期発効に向け各国に働きかけると答弁するとともに、外務省・文科省と力を合わせ会議を成功に導く決意を表明しました。予算については、堀上勝氏が今年度予算約1.3億円は外務省・文科省と共催する本会議の開催経費であると説明し、あわせて生物多様性保全国際協力・ルール先導推進費の内数(約2100万円)でモニタリングや普及啓発ツール作成の費用も計上されていると述べました。尾辻朋実議員および梅村みずほ議員は、いずれも広島開催の重要性や附属書Ⅵ発効への主導的役割を求めるなど、賛成的な立場からの発言を行いました。
米軍普天間飛行場周辺の航空機騒音を巡り、高良沙哉氏は宜野湾市への基地被害苦情が2025年度1134件と過去10年で最多となったことや、F16戦闘機飛来時に野嵩局で112.2デシベルを観測したとの報道を紹介し、平均値評価では早朝夜間の百デシベル超等の実態把握が不十分ではないかと問題提起しました。また普天間爆音訴訟第三次訴訟の原告数が2023年5月時点で5875名であることも紹介しました。大森恵子氏は、航空機騒音環境基準が住居専用地域57デシベル・その他62デシベルであり、令和6年度は13測定地点中10地点で達成、未達成3地点は58〜65デシベルであったと説明したほか、環境基準はLdenにより夕方・夜間に重み付けした24時間総暴露量評価であり欧州でも採用されていると述べ、防衛省による防音工事助成にも言及しました。神山弘氏は学校環境衛生基準に基づく教室内騒音レベルの検査と防音工事助成活用を求めました。宮崎政久副大臣は、日米合意に基づく夜間訓練制限等の騒音規制措置や土曜・年末年始等への配慮の米軍への申入れ、回転翼機・ティルトローター機の県外訓練移転の実施を説明しました。
本テーマでは、附属書Ⅵ国内担保法改正による南極環境保護の実効性向上について議論がありました。石原宏高大臣は、附属書Ⅵの締結について、未締結国の早期締結を促し南極環境保護に貢献するものであると説明しました。また、同大臣は、附属書Ⅵの発効により、環境上の緊急事態の未然防止や、他の締結国からの対応協力が期待できると説明しました。
本テーマでは、南極条約環境保護議定書附属書Ⅵの採択から国内法整備までに約20年を要した経緯と、未締結国の状況が議論されました。堀上政府参考人(堀上勝氏)は、附属書ⅠからⅤが先行発効する中、附属書Ⅵは2005年に採択され、以降は他国の締結状況や発効見通しを踏まえて検討を重ねてきたと説明しました。また、観光活動の活発化に伴う緊急事態リスクの増大や各国の締結進展、広島会議の開催を踏まえ、国内担保措置の検討を加速し法案提出に至ったと答弁しました。大場政府参考人は、附属書Ⅵの発効には採択時協議国28か国のうち19か国の締結が必要であり、日本を含むアルゼンチン、ベルギー、ブラジル、ブルガリア、中国、インド、韓国、米国の9か国が未締結であると説明しました。高良沙哉氏も同様に、今年3月時点で日本を含む9か国が未締結である点を指摘しました。三上えり氏は20年の遅れに疑問を呈し、その理由を問う質問を行いました。
これ、なぜ二十年もたったのでしょうか。
南極地域の環境の保護に関する法律の一部を改正する法律案は全会一致で原案どおり可決され、附帯決議案も全会一致で採択されました。石原環境大臣は附帯決議の趣旨を尊重し、関係省庁と連携して南極環境保護に努める旨を答弁しました。
上記テーマに分類されなかった質疑応答です。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。