本会議では、南極環境保護法改正案を中心に、南極条約議定書附属書6の国内担保措置に関する議論が行われました。広島で開催された第48回南極条約協議国会議の成果として、コウテイペンギン特別保護種指定を巡る協議停滞(中国・ロシア等の反対)、観光船・科学調査船の環境大臣事前確認対象化、鉱物資源活動禁止規定と中露の資源調査・基地建設動向への懸念、南極条約第四条の領土権主張凍結の法的意味、附属書6未締結国(米国・アルゼンチン等)への外交的働きかけ、南極観光急増を踏まえた規制の是非、しらせ後継船を含む輸送体制、昭和基地の機能強化と人材育成等が取り上げられました。今洋佑氏、辻清人副大臣、堀上勝氏、伊藤恵介氏、向山好一氏、西崎寿美氏、青山繁晴氏、石原宏高氏、緒方林太郎氏、輿水恵一氏、池下卓氏らがそれぞれの立場から発言しました。
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南極観光の急増を踏まえた総量規制など国内法による厳格な基準設定の是非
本テーマでは、南極地域に入る観光船・科学調査船を環境大臣の事前確認対象とすることについて議論が行われました。附属書6は南極地域に入る全ての観光船を適用対象とすると明記されており、これを踏まえて事前確認対象とされました。また、科学的調査船についても、上陸の有無にかかわらず事故リスクは観光船と同様であるとして、事前確認対象に含めることとされました。あわせて、改正前の制度は事前の環境影響評価が中心であり、環境上の緊急事態に対応する制度ではなかったことが説明されました。発言者としては堀上勝が、観光船・調査船とも事前確認対象化することを明確に説明し、これに賛成の立場を示しました。
附属書6の義務を負わせることを前提として、南極地域活動を行う観光船は全て法に基づく環境大臣の事前確認の対象とすることといたしました。
本テーマでは、南極条約議定書第七条が科学的調査を除く鉱物資源活動を禁止し、第二十五条により新制度発効までこの禁止が継続する点が確認されました。2048年以降に鉱物資源活動が可能になるとの報道について、条文は運用検討会議開催規定にとどまり改正を予断しないことが示され、2016年・2023年の協議国会議では鉱物資源活動禁止の継続的コミットメントを確認する決議が採択されています。中国・ロシアも議定書締約国として鉱物資源活動を禁止されていますが、政府は両国の動向を高い関心を持って注視するとしました。委員からはロシアの調査船によるウェッデル海での石油埋蔵報道や、中国の秦嶺基地・滑走路整備・新基地建設をめぐる臆測が指摘されました。向山好一氏は中露の動向に懸念を示し日本の戦略的情報収集強化を主張し、西崎寿美氏は動向注視と遵守確保への取組を表明し、青山繁晴氏は抑制的な国際情勢を悪用する動きへの懸念を示しました。副大臣は東シナ海の経験を踏まえ、南極でも各国の抑制の隙に資源調査が進む動きを感じると答弁しました。
南極については、日本もあるいは各国も、ロシアは別にして、抑制的でありますから、そこの隙につけ入ろうとしている動きは明らかに感じられるところです。
やはり、そういったことは南極でも起こりかねないんじゃないか。そのときにやはり我が国として必要なのは、情報ベースをしっかりと整えておかないと、交渉もできない、あるいは、南極の平和と安全を守る上での抑止力にもなってこないわけでございます。
政府としては、引き続き、高い関心を持って両国を含む各国の活動を注視しつつ、南極条約及び同議定書の関連規定の完全な遵守及び各国の活動に関する透明性の向上のため、関係国と連携しつつ必要な取組を継続していく所存です。
本テーマでは、海洋汚染防止法(日本籍船対象)と改正南極保護法(主宰者対象)の適用関係、及び賠償責任限度額と国際条約との整合性が論点となりました。政府参考人の堀上勝氏は、両法が同時適用され得ることを説明するにとどまり、整合性そのものへの賛否は示していません(スコア0.50)。また、附属書6の賠償責任限度額は1996年議定書基準であるのに対し、条約は2012年改正で1.51倍に引き上げられており乖離が生じていること、発効後に改正議論が見込まれることが示されました。伊藤恵介氏は参政党として改正の必要性を明確に賛成する立場を示しています(スコア0.85)。
本テーマでは、第48回南極条約協議国会議が5月11日から21日まで広島市で開催され、国光外務副大臣及び辻環境副大臣が出席したことが取り上げられました。辻副大臣は国内法改正案の審議状況を説明し、附属書6の早期締結・発効の必要性を各国と共有しました。広島開催をきっかけに国内外で報道がなされ、国民への理解促進の機会となったことが述べられました。継続的な環境損害(慢性的汚染等)に関する責任制度の構築については、附属書6が未発効である現段階では具体的な議論は行われていないとされました。石原宏高議員はスコア0.75で、現状は未発効で議論がなされていないとしつつ、今後より包括的な議論が行われる場合には積極的に参加する意向を示しました。環境省も同様に、今後の議論において協議国として積極的に参加する方針を示しています。
その上で、今後、より包括的な議論が行われる場合には、南極条約の原署名国及び協議国として、積極的に参加してまいりたいというふうに考えております。
本論点では、南極条約第四条が定める領土権主張の凍結の法的意味が議論されました。外務省は、同条は領土権の放棄を規定するものではなく、新たな請求や既存の請求の拡大を禁止するものであり、条約発効以降新たな請求は行われていないと説明しました。また「凍結」とは、既存の領土権主張国の権利を条約が変更しない旨を意味し、それを認めない国との関係では当該主張は効力を持たないと説明しました。さらに、昭和基地はノルウェーが主権を主張する地域内にあるものの、日本は他国の領土権主張を一貫して認めない立場であると説明しました。日本はサンフランシスコ平和条約により南極への権利を放棄しましたが、各国の領土権主張への反対表明時期については答弁できないとの見解が示されました。緒方林太郎は、南極を領土分割の対象とせず、他国の領土権主張も認めない立場を明言しました。
我が国は一貫して、南極大陸は各国による領土分割の対象とされるべきではないとの立場であり、こうした認識の下、他国による領土権主張については認めておりません。
本テーマでは、南極観光の活発化に伴う環境上の緊急事態リスクの高まりを背景に、南極条約議定書附属書6の早期締結を目指す国内法整備の意義が議論されました。附属書6は2005年に採択されてから約20年が経過し、各国で締結が進み発効の機運が高まる中、日本も法案提出に至った経緯が示されました。附属書6では、環境上の緊急事態発生時に主宰者へ通報・応急措置・対応措置の実施を義務づけ、主宰者が対応措置を取らない場合は環境大臣及び他の締約国が代わって対応措置を取る制度が説明されました。対応措置としては油流出時のオイルフェンス設置や油の回収・処理、海岸清掃等が想定され、環境大臣による対応措置の際は民間サルベージ会社との契約による専門船舶・作業員の派遣も想定されるとされました。また、附属書6は2005年時点の協議国28か国全てが締結すれば発効するが、未締結国が日本を含め残っている状況にあり、施行期日は附属書6発効の1か月後であるため、発効しなければ国内整備が意味をなさない点が指摘されました。石原宏高は、早期締結の意義と効果を積極的に説明し、法案提出理由として明言する賛成の立場を示しました。
附属書6の早期発効を実現し、環境上の緊急事態への我が国や関係国の対応に万全を期し、南極地域の環境保全に貢献することが、本法案の提出の理由であります。
本テーマでは、南極環境保護法の附属書5に基づく南極特別保護地区の指定制度と、南極地域活動に対する環境影響評価の仕組みが論点となりました。特別保護地区は環境上・科学上等の顕著な価値を有する地区として、これまでに84地区が指定されており、ペンギンや海鳥の繁殖地、湖沼・湿地等の淡水生態系が含まれています。同地区への立入りは地区ごとの要件に該当する場合にのみ可能とされ、厳格に保護されています。特別保護地区以外での活動についても、環境大臣が事前確認を行い、生物の持込み禁止等の要件により著しい影響の発生を防止する仕組みとなっています。議論では、個別事案は環境アセスメントで評価される一方、同一地点への反復訪問による累積的影響は評価されていないとの指摘がなされました。輿水恵一氏は、事故予防と事前確認を大前提として、こうした厳格な保護制度を肯定的に評価する立場を示しました。
南極という極めて厳しい環境下では、事故が起きてから対応するのではなく、事故の予防や対策など事前の確認は大前提であると思います。
南極観光の急増を踏まえた総量規制など国内法による厳格な基準設定の是非について議論が行われました。南極観光は2011-12年の234件から2024-25年に562件へ約2.4倍に増加し、上陸者約8万人、クルーズのみ約3.7万人を含め計11万人超に達していることが指摘されました。第48回協議国会議では観光の包括的規制枠組み(シーズン・場所限定、料金徴収、環境モニタリング、恒久工作物規制等)が議論され、導入スケジュールの議論はなかったものの、次回会合に向け枠組みの具体化を継続することで一致しました。伊藤恵介は、IAATOガイドラインが自主規制で法的拘束力を持たないことを踏まえ、国内法で観光特化の厳格な基準を設けるべきと主張し、日本政府が議論を主導し累積的影響評価を求めるべきとの意見を示しました。池下卓は対応措置費用の算定基準を早急に策定するよう要望しました。一方、石原宏高(大臣)は、観光規制は国際的議論が進行中であり、我が国独自の基準設定は現時点で考えていないと答弁しました。向山好一は規制強化の現状を説明するにとどまりました。
本テーマでは、南極観光に関する船舶の国別出港数とウシュアイア港経由の実態について議論が行われました。政府参考人からは、2024年度に観光航行した船舶583隻のうち、アメリカを主宰者とする船舶が312隻(53.5%)で最多であるとの説明がなされました。また、これらの観光船は主にアルゼンチンのウシュアイア港から南極へ出港していると説明されました。あわせて、主宰者の半数以上を占める米国と、出港拠点国であるアルゼンチンがいずれも附属書6未締結国である点が課題として指摘されました。
本テーマでは、南極観測データの蓄積が地球規模の環境変動解明・将来予測の基盤となり、農業・漁業や社会インフラへの影響対応に資する点が論点として挙げられました。南極観測の成果としては、オゾンホールの発見、アイスコア解析による気候変動メカニズムの解明、隕石採取等が挙げられています。また、高層気象観測・電離層観測が国際観測ネットワークにおいて重要な役割を果たしており、天気予報やGNSS等に不可欠な基礎データを提供していることも論点として示されました。さらに、これらの観測データはIPCC報告書のエビデンス等としても活用され、気候変動の解明・将来予測に貢献しているとされています。なお、本テーマに関する発言者ごとのスタンス(賛否)データは示されていません。
南極観測船「しらせ」の退役に伴う次期輸送体制については、南極地域観測統合推進本部の下に設置された委員会で検討が進められています。文部科学省と防衛省は、後継船の所有・運用主体をJAMSTEC(海洋研究開発機構)とする案を本年4月に提案しました。これは、昭和40年から防衛省が担ってきた輸送体制について、海上自衛隊のリソースの状況や氷海航行技術の進展を踏まえて見直しを図るものです。あわせて、運用主体が変更された場合でも、海上自衛隊の協力を得ながら技術・知見の継承を図り、安全を第一に検討を進めていくとされています。発言者ごとの賛否に関するスタンスデータは示されていません。
本テーマでは、昭和基地における老朽化施設の撤去・更新、新発電棟や宿舎の建設等を通じた機能強化、再生可能エネルギーの導入推進が論点として挙げられました。また、人材育成の観点からは、大学院生の観測隊参加や若手研究者の育成、教員派遣プログラム及び南極教室を通じた初等中等教育との連携が実施されている点が示されました。なお、発言者のスタンス(賛否)データは提示されていません。
本テーマでは、南極条約環境保護議定書附属書6の未締結国である米国・アルゼンチン(中国を含む)への外交的働きかけが論点となりました。観光船主宰者の主役がこれら未締結国であることから、外交努力の必要性が指摘されました。第48回協議国会議において辻副大臣が未締結国に対し早期締結を呼びかけたことが示され、環境省は今後も未締結国への早期締結の呼びかけを継続する方針であることが確認されました。石原宏高氏はスコア0.75(賛成寄り)で、未締結国への外交的働きかけを継続実施すると明言し前向きな姿勢を示しました。大臣は、附属書6の発効見通しについては予断できないとしつつも、関係国との対話を重ね、早期発効への働きかけを継続する考えを答弁しました。あわせて、未締結国への働きかけにおける日本政府のリーダーシップへの期待も表明されました。
環境省としては、関係省庁と連携し、引き続き関係国との対話を重ねつつ、附属書6の早期発効に向けた外交的働きかけを粘り強く行ってまいりたいというふうに考えております。
本テーマでは、観測船「しらせ」の国際法上の地位及び関連する条約附属書の適用関係が論点となりました。外務省は、「しらせ」が国際法上軍艦に相当し、附属書6第五条の軍艦等の規定に位置づけられると説明しました。また、附属書4(海洋汚染防止)第十一条により同附属書の義務は軍艦である「しらせ」には適用されないものの、附属書1に基づく事前環境影響評価の対象にはなると説明し、「しらせ」自体は海洋汚染防止に関して附属書4の義務に対応した形で活動しているとしました。さらに、科学的調査目的であれば資源探査は認められるかとの質問に対し、外務省は、鉱物資源開発を視野に入れず、実質的に科学目的であり結果の公表を伴う場合に限り、科学的調査として認められると答弁しました。
南極環境保護法改正案は賛成多数(起立総員)で原案可決されました。あわせて、附属書6の早期発効への主導的役割、観光規制の検討、ガイドライン整備、人材育成、しらせ後継船を含む予算確保等を政府に求める附帯決議案が共同提案され、起立総員で可決されました。石原環境大臣は附帯決議の趣旨を尊重し、関係省庁と連携して努力する旨を表明しました。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。