議事録データ出典: 国会会議録検索システム(国立国会図書館)に掲載されている公式議事録を使用しています。
本調査会は「再生可能エネルギーをめぐる現状と課題」を議題とし、山本隆三・森田健晴・山下紀明の3参考人から意見聴取の上で質疑が行われました。山本参考人はAI・半導体需要による電力需要急増、再エネのコスト上昇や賦課金負担、原子力再評価の国際動向、中東情勢を背景とするエネルギー安全保障上の分断リスクなどを論じました。森田参考人はフィルム型ペロブスカイト太陽電池の技術開発・社会実装、ヨウ素の国内調達による資源安全保障、鉛使用の環境影響への対応、サプライチェーン強化について説明しました。山下参考人はメガソーラーをめぐる地域トラブルと合意形成の在り方、ゾーニング制度、住宅用太陽光・蓄電池の普及策、化石燃料依存低減によるエネルギー安全保障などを取り上げました。伊藤辰夫・郡山・百田尚樹・本田顕子・ラサール石井・岩渕・奥村各委員から、原子力政策、産業用電気料金の国際競争力、洋上風力のコスト構造、CO2削減効果などについて質問がなされました。
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全42テーマ ・ 紐づく質疑46件
再生可能エネルギーのベースロード電源化の可否と柔軟性確保のための電力システム改革
本テーマでは、AI・半導体産業の拡大に伴う電力需要急増への対応が論点となりました。伊藤辰夫議員は、AI・半導体産業には24時間365日安定的かつ安価な電力供給が必要であるとし、原子力を含めた今後のエネルギー政策について質問しました。これに対し山本隆三参考人(スコア0.75、賛成)は、2040年度にはデータセンター・AI需要を要因として発電量が増加する見込みであり、24時間安定的な電力が必要になると述べました。また、日本のデータセンター容量は世界十位にとどまり、米中両国で世界の七割を占める中で出遅れているとし、日本がデータセンター・AIを推進しなければ経済成長は望めない一方、原発再稼働をしても電源不足が見込まれると指摘しました。さらに、データセンター等で電力需要が爆発的に増加する可能性があり、大量の電源確保が最大の課題であるとした上で、アメリカではガスタービンも原子力も入手が困難なため、再生可能エネルギーを含め作れる電源は何でも作る状況にあると説明しました。
非常に難しい問題は、私どもはこれから大量の電気を必要とするだろうと。
本テーマでは、AI活用による経済成長と国際競争力確保の重要性について議論されました。山本隆三氏は、持続可能な発展には経済成長とAI活用が不可欠であると述べ、失われた三十年の原因は中国との競争に負けたことにあると指摘し、AI活用なしに経済成長も国際競争もないと一貫して強調しました。同氏のスタンスは賛成として示されています。
日本、データセンターをやらないと、AIをやらないと、もう経済成長を望めません。
本テーマでは、アンモニア混焼・専焼タービン等火力発電技術を活用した新興国向けカーボンニュートラル貢献策について議論が行われました。郡山委員は、こうした技術開発を新興国向けカーボンニュートラル貢献策として加速すべきと提案しました。これに対し山本隆三参考人は、アンモニア専焼タービンを肯定しつつも、アンモニア発電のコストが現行火力の3~4倍になる見込みであることや、水素製造時のCO2排出、コスト高といった課題を踏まえ、需要見通しや実用性に疑問を呈し、条件付きの立場を示しました。
アンモニア専焼タービンはいいんですけれども、果たして需要がどれぐらい出てくるか、我々、そういうこともよく考えなければいけないというふうに思います。
インフレによる再生可能エネルギー設備コストの上昇について議論が行われました。山本参考人は、太陽光パネルが近年約3割、風力設備が約4割コスト上昇していると指摘し、これらの設備は必要鉱物やセメント・鉄の使用量が多いためインフレの影響を大きく受けるとしました。また、英国の洋上風力価格が2024年から2025年にかけて着床式・浮体式ともに大幅に上昇しており、日本ではさらに高コストになる懸念があると述べました。加えて、ホルムズ危機の際に再エネ関連銘柄の株価が下落したことに触れ、投資家がインフレ下での再エネ事業の厳しさを織り込みつつあるとの見方を示しました。山本参考人はこれらの根拠から、再生可能エネルギーがインフレの影響を最も受けやすいコスト構造にあるとして否定的な側面を強調する立場を取りました。
インフレになると最も影響を受けるのが再生可能エネルギーのコストということになります。
データセンター・AI需要拡大に伴う電力需要増加への対応について、要点の抽出はありませんでしたが、発言者のスタンスとして山本隆三氏と森田健晴氏の見解が示されています。山本隆三氏は電源不足の見込みを指摘するにとどまり、賛否は示されていません。森田健晴氏は、ペロブスカイト等の電源のみでは電力需要を賄うのは難しいと認める発言をしています。
本テーマでは、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の技術開発と社会実装について議論されました。森田健晴参考人は、積水化学が2013年からペロブスカイト太陽電池を開発し、軽量・薄型・曲げられるフィルム型に特化してきたと説明しました。封止樹脂技術により湿度・光への弱さを克服して連続製造を実現し、耐久性は要素技術で20年相当を達成したとしています。メーター幅の製造技術は2025年に完了し、体育館・工場屋根や大阪・関西万博、内幸町ビル等で実証が進められています。2024年には積水ソーラーフィルムを設立し、日本政策投資銀行の出資を受け、堺工場で百メガワットから一ギガワットの生産体制を目指すとし、一ギガワット級到達により国の補助なしでの自立事業化を目指す方針を示しました。技術面では、変換効率の学術上の最高値は26.7%であり、発電コストが見合う水準は20%程度と説明されました。また、ペロブスカイトはシリコンと異なり高温での発電性能低下が少なく、フィルム型は放熱性に優れるとされ、発電層は1ミクロンながら屋外耐久性確保のため表裏フィルムが厚みの大半を占めると説明されました。森田参考人はフィルム型の特性を活かした社会実装を積極的に推進する立場を示しました。
我々は得意とするフィルム型に特化してということで、軽くて薄くて曲げられるというところでやっております。
本テーマでは、中国製ペロブスカイト太陽電池の急速な量産進展を踏まえた国内対応について議論が行われました。森田健晴参考人は、中国による1ギガワット量産発表について実際の用途・性能が不明瞭であるとし、性能不足品の市場流入を防ぐためのルール作りが必要と説明しました。郡山委員は、中国のギガワット級量産整備を踏まえた日本の技術・製造・政策面での差別化戦略と、ヨウ素の国産優位性の活用について質問しました。これに対し森田氏は、技術流出防止を最重要課題とし、国内市場・サプライチェーンを固めた上で海外進出する体制を目指すと説明したほか、国内メーカーは競合relationshipではなく仲間であるとし、オールジャパン体制でサプライチェーンを構築する方針を示しました。森田氏のスタンスは、性能不足への早期ルール作りと技術流出防止を主張し国内体制強化に賛成的なものでした。
大事なのは、ここから技術の流出というところですね、まずそこを抑え込むというところかなと思っています。
ペロブスカイト太陽電池について、2040年に発電コストをキロワット十円から十四円とする目標達成に向けた技術革新と制度的支援が議論されました。伊藤辰夫議員は廃棄・リサイクルコストを含めた目標達成の見通しを質問し、森田健晴参考人は耐久性20年を技術確立済みとした上で、堺での百メガワット量産は27年度以降の稼働のため現時点で明確な発電コストは示せないと述べつつ、耐久性延長により将来的にシリコンよりトータルコストを下げられると説明しました。森田参考人は発電コストに設置・メンテナンス・廃棄・流通の各コストが含まれ、設置コスト低減が大きなウエートを占めるとし、フィルム型を長尺化してビル壁面に垂らす設置方式によるコスト削減や、サプライチェーン各社との一体的な議論を挙げました。またラサール石井議員の質問に対しては、設備投資支援と需要喚起の両面での公的支援が必要であり、官民協議会を通じた自治体・大手メーカーへの働きかけが進行中と説明しました。一方、百田委員は電気代が劇的には下がらないとの見解を示し、山本隆三氏はコスト面で他電源並みの水準にいつ達するか疑問を呈し、大規模発電も困難とみる立場を示しました。
ペロブスカイト太陽電池の設置適地・不適地に関する議論では、フィルム型の特性を活かした用途拡大について取り上げられました。森田健晴氏は、フィルム型はタイヤに踏まれても壊れないため、空港周辺のバードストライク対策地等の不適地とされてきた場所にも設置可能であると説明しました。また、寒冷地における活用策として、壁面発電により屋根の雪を溶かして太陽電池を稼働させるアイデアがあることも説明しました。森田氏はこれらの説明を通じてフィルム型の設置適地拡大の利点を肯定的に示しており、賛成の立場が確認されました。
フィルム型であればタイヤに負けてくれるので、そういうところにも置けるとかですね。
本テーマでは、ペロブスカイト太陽電池における鉛使用の環境影響とリサイクル・廃棄対応について議論が行われました。森田健晴参考人は、ペロブスカイトの鉛含有量は面積当たりでシリコン型より大幅に少ないと説明した上で、責任あるリサイクル・廃棄体制を早稲田大学等と構築中であると述べました。また、鉛の流出防止のための回収・リサイクル方法を検討中であり、経済性を加味した上で焼却処理等の選択肢も含めて議論する方針であることを示しました。さらに、太陽電池は軽量で使用原材料が少ないため、回収してまとめて処理する形が経済的であるとの説明がありました。森田氏のスタンスは中立とされ、鉛流出防止の回収処理を経済性を考慮しつつ検討中であるという説明にとどまっています。
鉛の問題で、流出しては困るということで、いろいろ今試していっているんですね。
ペロブスカイト太陽電池の鉛含有による安全性・環境影響について議論が行われました。百田委員は鉛使用による環境影響への懸念を質問し、松野氏は火災時の消火水による鉛流出が人体・環境に与える影響について懸念を示し質問しました。これに対し森田氏は、水浸漬や燃焼実験を行っても鉛はほとんど溶出せず、シリコン太陽電池のハンダ等と比較しても鉛含有量は少ないと説明しました。また森田氏は、代替材料の研究開発を進めている一方で、現状では緊急性が高い状況ではなく、回収体制の整備によって対応していく方針であると述べました。
従来のシリコンの太陽電池、今廃棄され、大量に廃棄されている太陽電池の中に、ハンダであったりガラスの中に含まれているシリコンよりは少ないんですよ。圧倒的に少ないんですよ。
ペロブスカイト太陽電池の主原料であるヨウ素の国内調達による資源安全保障について議論が行われました。森田参考人は、フィルム型の主原料であるヨウ素は日本の生産量が世界第二位、埋蔵量が世界第一位であり、そのほとんどが千葉県産であることから、安全保障上安心であると説明しました。また、ヨウ素の使用量はごく微量であるため、安全保障上の心配は少ないとも述べました。奥村氏も、ペロブスカイトの主原料であるヨウ素は千葉県で採れることから、中国依存のリスクを軽減できると指摘しました。郡山委員は、ヨウ素の国産優位性をコスト競争力にどこまで転換できるかについて森田参考人に質問しました。森田参考人は、国内調達により安全保障上の心配がないと評価し、サプライチェーンの強化を主張しました。
そこの原材料で賄えると。安全保障上、心配ないということで、主成分を、主原料を国内で賄ってやっていけるという状況です。
本テーマでは、ホルムズ海峡情勢等中東緊迫化を踏まえたエネルギー安全保障の国際協調の在り方について、本田委員が山本参考人に質問しました。これに対し山本参考人は、エネルギー生産地が偏在していることにより国際協調よりもむしろ分断が生じやすいとの見解を示し、ホルムズ危機がロシア・中国に有利に働くと指摘しました。山本参考人のスタンスはスコア0.20と否定的であり、エネルギー問題については国際協調が実現しにくく分断を招きやすいとの否定的見解を根拠としています。
ということで、国際協調をしようと思っても、エネルギーの問題は分断を生む性格、性質があるんじゃないかというふうに思います。
本テーマでは、メガソーラーに対する批判的言説と生物多様性保全に関する規制強化の評価が議論されました。山下紀明参考人は、右派ポピュリズム政党が景観や生態系への影響を理由に太陽光発電を批判する事例を紹介した海外論文を取り上げました。その上で、種の保存法改正など生物多様性保全の強化自体は必要であるとしつつ、一部の問題事例をもって太陽光発電全体を規制することは不適切であると指摘しました。山下参考人のスタンスは、生物多様性保全強化への評価と一律的な規制への反対を併せ持つものであり、基準とインセンティブの両立を主張する立場が示されました。
一部の悪いものを規制するために全てを根こそぎ刈ってしまうというのもおかしな話になりますので、先ほどから申し上げているように、基準として、最低限の基準は定めつつ、よりいいものを上に引き上げていくようなインセンティブを付けていく。
本テーマでは、メガソーラー等の再生可能エネルギー設置に伴う地域トラブルと地域共生の在り方について議論が行われました。山下紀明参考人は、過去12年間の地方紙報道を対象に再エネ紛争221件を調査した結果、水害・景観・自然保護への懸念が主な紛争理由であると説明しました。また、阿蘇のメガソーラーの事例を挙げ、地元では納得が得られている一方で外部からの評価は低いなど、地域内外で合意形成の状況に差があることを指摘しました。その上で、経済性やルールのみに依拠すると対応が最低基準に留まりがちであるとし、プロセスと結果の両面における信頼構築の重要性を述べました。山下参考人は、地域主導・市民参加型の合意形成の仕組みや中間支援団体の育成、チェックリストの活用を提言しており、地域共生に前向きな立場を示しました。
要は、今、正直者ほどコストが掛かるわけですね。合意形成をしっかりする、地域に付加価値を与える。その正直者をより高く評価してあげるものをビジネス的にも制度的にも誘導していくことが重要と思います。
メガソーラー設置に伴う環境破壊問題を踏まえた太陽光発電拡大の在り方について、森田健晴参考人は、日本は平地面積当たりの太陽光設備容量が世界で最も多く、メガソーラーによる環境破壊問題が発生していると指摘しました。同参考人のスタンスは太陽光発電を増やす必要があるとしつつメガソーラーの環境破壊という課題も指摘するもので、賛否いずれかに偏らない両論的な立場が示されました。
その結果、メガソーラーによる環境破壊の問題とか、そういった問題が出てきているということで、増やさないといけないんですけれども、いろいろ課題が出てきているという状況でございます。
本テーマでは、中東情勢の緊迫化を踏まえたエネルギー政策のあり方について議論されました。岩渕氏は、ホルムズ海峡封鎖のリスクがある中で日本が石炭火力の稼働率引き上げを方針としている点を挙げ、世界では再生可能エネルギーへのシフトが進んでいることを指摘しました。山下紀明氏は、2025年前半に再生可能エネルギーが石炭火力を抜いて世界最大の発電源となったことを紹介し、経済合理性を根拠として世界的に再エネの拡大が進んでいると説明し、賛成の立場を示しました。
世界では、去年の再エネ業界の一番大きなニュースは、二〇二五年の前半の六か月ですね、石炭火力を抜いて再エネが世界最大の発電源になったということなんですね。
このテーマでは、住宅用太陽光・蓄電池及びベランダソーラー等の普及に向けた規制緩和・補助策が議論されました。山下紀明参考人は、住宅用太陽光・蓄電池について補助金や普及啓発(東京都の例)、建築基準法等の規制緩和を提言し、都市部においては住宅・店舗屋根の活用に加え、持家を必要としないベランダソーラー等の規制緩和を推進することが有望であると説明しました。山下参考人のスタンスは賛成であり、その根拠として規制緩和が家計対策になり新たな可能性があると一貫して主張したことが示されています。
先ほど申し上げたベランダソーラーとかプラグインソーラーといったものはすごく新しい可能性がある。
再エネゾーニング事業の終了と将来目標に整合したゾーニング制度の必要性について、山下紀明参考人が発言しました。山下参考人は、太陽光ゾーニング事業が令和8年度に終了したことを問題視し、事業を終了するのではなくむしろ拡充すべきであると指摘しました。その根拠として、ゾーニング事業の継続と、将来の再エネ導入目標に整合した土地利用の在り方を整理していく必要性を主張しました。この論点に関して、他の発言者のスタンスは示されておらず、結論・決定事項についても言及はありませんでした。
残念ながら、令和八年度、太陽光のゾーニング事業、終了しております。これから、よりトラブルを避け、望ましいものに誘導すべきなのに、なぜそれがなくなってしまったのか、むしろこれからやるべき。
本テーマでは、再生可能エネルギーがベースロード電源になり得るかについて、郡山委員が3名の参考人に質問しました。山本隆三参考人は、蓄電池コストが高止まりしていることを理由に、アフォーダブルな範囲では再エネ4~5割の実現は困難であると回答しました。森田健晴参考人は、エネルギーの地産地消を徹底することが蓄電負担の軽減とコスト削減に有効であると回答しました。山下紀明参考人は、再エネは必ずしもベースロード電源になる必要はなく、柔軟性確保のための電力システム改革や蓄電池戦略が重要であると回答しました。
本議論では、再生可能エネルギーの導入に伴う空間的・時間的コスト構造とアフォーダビリティーが論点となりました。山本隆三氏は、再エネには送電に関わる空間コストと発電設備に関わる時間コストが存在し、日本においてアフォーダブルな再エネは限られると指摘しました。その上で、都市部近郊においては送電コストが少ない太陽光発電が、最もアフォーダブルな選択肢となる可能性があると述べました。山本氏のスタンスはスコア0.15であり、再エネ拡大の困難さとコスト面での限界を一貫して指摘する立場が示されています。
アフォーダブルな再生可能エネルギーというのは、日本には残念ながらそれほどないのではないかということが一つあるのではないかというふうに思います。
再生可能エネルギー賦課金による家計負担増大について議論が行われました。山本参考人は、来月から再エネ賦課金が一キロワットアワー当たり四・一八円に上昇し史上最高となり、消費税分より高額になると指摘し、FIT制度による買取り総額は約三十五兆五千億円に上り、消費者負担は燃料節約分を除いても二十兆円を超えるとして負担増を批判的に述べました。一方、山下参考人は再エネ賦課金が燃料費高騰の一から二割を吸収する効果があると説明し、回避可能原価の見直しを提言しました。スタンスデータでは、山本隆三氏が賦課金は消費税より重い負担であると批判的な立場を示しています。
再生可能エネルギーの賦課金で払っている額四・一八円は、消費税より多いんです。
本テーマでは、原子力の新設・建て替えに関する長期リードタイムと、データセンター誘致競争との関係が論点となりました。山本隆三氏は、原子力は安価で安定した電源であるとしつつ、日本では建設に時間がかかり、その間にデータセンターが他国に流出する可能性を指摘しました。山本氏のスタンスは賛成寄り(スコア0.75)であり、原子力依存の必要性を肯定する立場が示されています。この論点についての結論・決定事項は示されていません。
御指摘のとおり、安価、安定的な電源ということであれば、フォン・デア・ライエン委員長が指摘したとおり、やはり原子力に依存するしかないのではないかと。
本テーマでは、原子力発電再評価の国際動向について議論が行われました。山本隆三参考人は、イタリアが昨年の閣議決定により原発新設を決定したこと、スウェーデン・デンマークも脱原発方針を転換する方針であることを紹介し、こうした各国の方針転換について肯定的な立場から原発を安定的かつ安価な電源として評価する発言を行いました。一方、山下紀明氏はコスト増大への言及にとどまり、賛否について明確な立場は示されませんでした。本論点に関する結論・決定事項は示されませんでした。
本テーマでは、福島原発の事故処理費用約23.4兆円や化石燃料の外部不経済を踏まえ、炭素税等の税制措置による内部化の必要性についてラサール氏が質問しました。これに対し山本隆三参考人は、原発について廃棄物処理等のコストは既に見込まれていると述べた上で、外部不経済の内部化は社会にコスト負担を求めることになると指摘し、慎重な姿勢を示しました。
外部不経済のコストも入れるということは、これは社会にコスト負担を求めるということです。
本テーマでは、営農型太陽光発電に関する手続効率化とデータ公開による中小農家支援が議論されました。山下紀明参考人は、営農型太陽光発電について、農山漁村再生可能エネルギー法が大規模案件向けの制度となっている点を指摘し、小規模農家向けにはプロセスの効率化や事例共有が重要であると説明しました。山下参考人は、手続効率化とデータ・事例の共有を推進する立場から一貫して発言しており、賛成の立場を示しています。
そういうチャレンジを後押ししていく。そのためのプロセスの効率化ですとか事例の共有、こういう作物はこういう光の割合でうまくいく、そういったところを進めていくことは非常に重要だと思います。
本テーマでは、2012年の固定価格買取制度(FIT)開始と2016年の電力市場自由化が同時に実施されたことが、火力発電設備、特に石油火力の維持を困難にしたという政策上の矛盾が議論されました。山本隆三参考人は、この同時実施の影響により四国電力が石油火力を廃止した例を挙げ、両制度の同時実施を日本の失敗として明確に批判する立場(スコア0.00)を示しました。その根拠として、FITによる再生可能エネルギーの優先的な買取と、市場自由化による価格競争の激化が重なったことで、稼働率の低下した火力発電設備の経済性が損なわれ、事業者による設備維持が困難になった点が挙げられました。この論点に関する他の発言者のスタンスや、決定事項についての言及は示されていません。
火力発電を更に維持できなくなるような政策を同時にやってしまったというのは、日本の失敗だったんじゃないかなというふうに思います。
本テーマでは、土地利用・開発規制の在り方と再エネゾーニングによる乱開発防止について議論が行われました。山下参考人は、ドイツにおける2%ポジティブゾーニング事例を紹介し、目標値と整合したゾーニングの重要性を説明しました。また同参考人は、太陽光発電の乱開発問題の根本には日本の土地利用・開発政策が開発に有利な構造にあることを指摘し、ゾーニングによる整合が必要であると説明しました。
本テーマでは、地域主導・市民参加型の再エネ合意形成の仕組みと中間支援団体の育成が議論されました。山下紀明参考人は、コミュニティーパワー三原則(地域所有・地域意思決定・地域裨益)を紹介した上で、多摩市等の気候市民会議において議論後に生活への悪影響懸念が減り好影響認識が7割に増えた例、おひさま進歩エネルギー等の地域エネルギー事業が20年かけて地域雇用と経済循環を生んできた例、ご当地エネルギー協会や地域新電力など小規模だが地域に根差した取組が全国にある点を挙げ、こうした取組の推進を提言しました。郡山りょう議員は、自治体担当者の不在や自治会コミュニティーの希薄化を踏まえ、中間支援の在り方について質問しました。これに対し山下参考人は、合意形成の主体(首長・自治体・民間・住民主導)ごとに中間支援の形が変わること、再エネ開発の合意形成は単一の解決策がない問題であり地域に伴走する試行錯誤的な支援が必要であること、最初に地域の目標を定めゾーニングのプロセス自体に住民が納得していくことが合意形成の出発点であることを説明しました。
だからこそ地域に伴走して丁寧に合意形成、支援していくところが必要。
本テーマでは、太陽光パネル等脱炭素電源の国内産業育成と国際競争力確保に向けた政策支援について議論が行われました。森田健晴参考人は、シリコン太陽電池が技術面では優位でありながら事業面で競争に敗れた経緯を踏まえ、事業自立に至るまでの支援と他国とのフェアな競争環境の整備を求めるとともに、製造から廃棄までのサプライチェーンを国内で担うことにより雇用と持続可能性を確保する方針を説明しました。スタンスデータでは、森田健晴が公的支援や官民協議会の取組を評価しフェアな競争環境整備を要望する立場、本田顕子が外国産偏重による国内産業・雇用機会の喪失を問題視し国内育成を志向する立場、山本隆三がペロブスカイトのコスト低下に期待を示す立場をそれぞれ示しており、いずれも賛成寄りのスコアとなっています。
その両面でしっかりサポートいただきたいなということで、そういう形の今動きには、例えば官民協議会を立ち上げていただいて、自治体を始め主要な大手のメーカーさんとかへの声掛けとか、そういったところも含めて今進んでいますので、その辺が進んでいくと需要がある程度見えて、我々としても、今、百メガワットですけど、次の投資、次の投資がスムーズに決断できるわけですよね。
ほとんどが低価格の外国産のものに、国内産業としての、外国産が占められて、国内産業の成長につなげることができず、雇用創出の機会も逃している現状であります。
積水さんがやられているペロブスカイトが非常にコストが下がるのであれば有望だろうと思いますけれども、その点は期待したいなというふうに思います。
太陽光発電拡大に伴う電力安定供給リスクについて、山本参考人は2024年9月の東京電力の事例を挙げ、太陽光発電の夕方の減少により供給が需要に接近し、近隣融通によって停電が回避されたことを説明しました。また、設備は太陽光中心に増加する一方で、安定電源である石油火力は大きく減少しており、これが停電危機の一因になっていると述べました。森田氏は、データセンターの電力需要は大きく、ペロブスカイト等の電源だけで賄うことは困難であり、他電源との併用が必要であると述べました。スタンスデータでは、百田尚樹氏が反対寄りのスコアを示し、再エネ比率の上昇が供給の不安定化・電気代の上昇・環境の悪化を招くと批判しました。
まず、この再エネ比率を上げれば上げるほど電気供給が非常に不安定になると。そして、電気料金が上がっていく、さらに環境が悪化すると。
太陽光発電施設の自然共生型整備に係る費用分担について、山下紀明参考人から発言がありました。山下参考人は、信頼構築の参考事例として、事業者と住民のやり取りをデータベースで公開する長野県条例を紹介しました。また、ドイツでは自然共生型の取組にのみFIT・FIP相当の支援があり、PPAでは需要家が自然共生型費用込みの価格で買い取っていると説明しました。その上で、自然共生型の費用について、国が直接負担する方法だけでなく、認定・認証制度により買手が高く評価する仕組みも有効であると提案しました。山下参考人のスタンスは、国の全額負担には否定的である一方、複数のパターンでの実施を望むという限定的な立場でした。
自然共生型、今、日本でも数少ないですので、これを全てを国が負担するというよりも、幾つかのパターンで出していただきたいと思っております。
太陽光発電の設置をめぐっては、軽量太陽電池を想定していない既存の建築基準法・消防法等の規制について見直しの必要性が議論されました。森田氏は、こうした規制が公共施設への導入拡大の妨げとなり得るとして、省庁横断的な議論が必要であると説明し、安全確保を前提とした上で設置面積拡大のための規制緩和を主張しました。
本テーマでは、太陽光・風力等の分散型エネルギーへの転換をエネルギー安全保障および国富流出防止の観点から進めることの是非が論点となりました。山下紀明参考人は、2021年から2025年にかけて120兆円を超える化石燃料の輸入が行われたことを指摘し、化石燃料への依存度を低下させることが国富流出の防止と安全保障の強化に資すると説明しました。その上で、分散型エネルギーへの転換は環境政策としてではなく、エネルギー安全保障・産業政策として進めるべきであると提言しました。山下参考人のスタンスは賛成であり、化石燃料依存の低減が国富流出防止と安全保障に資するという点を根拠としています。
つまり、化石燃料依存度を下げることが国富の流出防止やエネルギー安全保障に資すると。
本テーマでは、気候変動対策よりアフォーダビリティー(電気料金等の手頃な価格)を優先する国際的な潮流について議論されました。山本参考人は、ビル・ゲイツが気候変動より健康と経済成長を最善の防御と主張し、この考えが世界の主流になりつつあると指摘しました。また、世界の関心はクライメートからアフォーダビリティーに移行しており、IEAやドイツ・パリでも共通の話題になっていること、米国中間選挙の主要テーマがアフォーダビリティーであり、ニューヨーク州知事も気候目標見直しに言及したこと、さらにフォン・デア・ライエン委員長が原子力発電放棄を戦略的誤りと発言し、安定・手頃な価格の重要性を指摘したことを挙げました。山本参考人は、再エネ拡大の大前提はアフォーダビリティーであるとしつつ、日本でそれが成立するか疑わしいと述べました。あわせて、再エネ賦課金の負担軽減を主張し、アフォーダビリティー重視の立場を示しました。
アフォーダビリティー達成のために消費税を何とかしろと言っていますけれども、電気について言えば、再エネ賦課金何とかする方が簡単かもしれません。
洋上風力発電のコスト構造をめぐっては、日本の風況が英国北海の半分程度であることや資機材価格の高騰が事業性に与える影響が議論されました。伊藤辰夫議員は、ウクライナ侵攻後のインフレにより資機材価格が高騰し、欧州で1kWhあたり約40円という高価格が出ている点を指摘し見解を求めました。これに対し山本隆三参考人は、日本で洋上風力を導入すれば風況面で競争力を失うと指摘するとともに、洋上風力は部品点数が多くサプライチェーン構築が難しく、世界シェア3分の2を握る中国製への対抗は困難であると回答しました。一方、山下紀明氏は、風力業界は厳しい状況にあるとしつつも、新規入札やコスト・地域受容性の両面で努力が続いていると説明しました。また、日本は浮体式洋上風力で海外メーカーと連携し技術優位を確立しており、他国展開の可能性もあると述べたほか、浮体式にはコストと受容性の課題があるものの、まとめて発電することでコスト効率化が期待できるとの見解を示しました。
福島第一原発事故の被害実態と原発利用に関する世論・世代間差について議論が行われました。岩渕氏は、事故から15年が経過してもデブリ取り出しはわずかにとどまり、事故・被害は終わっていないと指摘しました。山本隆三氏は、事故の再発防止は国民全員の総意であるとしつつ、世論調査では原発利用容認が約6割に上り、若い世代ほど賛成が多いと説明し、原発利用に賛成の立場を示しました。
特に、これから世代を、これから社会を担う世代の賛成が多いということを、我々よく考えなければいけないんだろうと思います。
第七次エネルギー基本計画における2040年再エネ電源比率4~5割目標の実現可能性について、山本隆三氏は反対の立場を示しました。山本氏は、当該目標は達成されないと指摘し、また仮に達成された場合には日本経済が沈没するとの見解を示し、目標に否定的な評価を述べました。
もし仮に達するようなことがあれば、そのときにはもう日本経済は沈没して、我々の給料は更に下がっているという状況に陥るんだろうというふうに思います。
本テーマでは、系統用蓄電池やデマンドレスポンスによる再生可能エネルギーの系統安定化について議論が行われました。山下参考人は、南オーストラリア発のグリッドフォーミング蓄電池やデマンドレスポンスを活用した系統安定化の事例を紹介しました。一方、山本参考人は、蓄電池のコストが下がり切らず上昇傾向にあることを指摘し、大量導入により電気代が上昇するとの見解を示しました。
本テーマでは、風力発電設備及び重要鉱物サプライチェーンにおける中国依存の実態が論点として取り上げられました。山本参考人は、風力発電設備メーカーのシェアについて3分の2を、洋上風力については半分以上を中国が占めている状況を指摘しました。また、リチウムについてはオーストラリアでの産出が多いものの、その加工については中国への依存が生じており、レアアースについても同様の構造があると述べました。スタンスデータでは、山本隆三氏がスコア0.00(反対)とされており、中国への設備・サプライチェーン依存と競争上の劣位に対する強い懸念を一貫して表明したことが根拠として挙げられています。この論点に関する結論・決定事項は示されていません。
特に、もうサプライチェーンをつくり上げて世界市場の三分の二を握っている中国製に勝てるというのは非常に難しいんじゃないかというふうに思います。
本テーマでは、風力発電関連産業のサプライチェーンと国内製造業の再構築可能性が議論されました。山本隆三参考人は、再生可能エネルギーは建設時の雇用以外に雇用を生まず、日本の雇用形成への貢献は乏しいと指摘しました。また、日本の大手重工メーカーは欧州・中国との競争に敗れ、風力発電設備製造から全社撤退しており、その再構築は困難であると述べました。山本氏はサプライチェーンの再構築を夢物語と評し、この点について悲観的な立場を示しました。
それをまた一からサプライチェーンをつくれるのかとなると、これはある意味では夢物語じゃないかという気がします。
電力需要増加への対応や再エネのコスト・安定供給面の課題、地域共生や安全保障の観点から、参考人・委員の間で賛否や立場の違いが示されましたが、統一的な結論には至らず、それぞれの論点について現状の説明と見解が述べられるにとどまりました。
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