本委員会では、学校教育法等の一部を改正する法律案(デジタル教科書導入)を中心に、AI搭載デジタル教科書の検定への位置付けと導入スケジュール、学習指導要領改訂の方向性、デジタル教材使用による児童生徒への健康・学力面の影響、教科書価格設定と発行の寡占化懸念、教科書媒体多様化に伴う教育内容の水平的平等確保、生成AIの学校現場での利活用に向けたガードレール設計、教科書無償給与制度と学校給食費無償化、青少年インターネット環境整備法の見直しなど幅広い論点が議論されました。下野六太氏、金子道仁氏、吉良よし子氏、後藤翔太氏、望月禎審議官、松本洋平大臣らが主な発言者として、それぞれの立場から質疑・答弁を行いました。また、医療分野の制度(PHR、SaMD承認審査、医薬品承認事項変更管理、災害拠点病院のBCP等)を参考にした検討も行われました。
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全15テーマ ・ 紐づく質疑24件
デジタル教材使用による児童生徒への負の影響(視力・姿勢・読解力・集中力・依存等)への懸念
本テーマでは、中央教育審議会における学習指導要領改訂の方向性について議論されました。望月審議官は、中教審が主体的・対話的で深い学びなど3つの方向性のもとで議論を進めており、教科書内容を重点化する方向であると説明しました。また、デジタル学習基盤を前提として、小学校の総合的学習の時間に情報領域を設けることや、中学校に情報・技術科を創設することを検討していると述べました。スタンスに関する発言者ごとの賛否は示されておらず、結論・決定事項についても明示的な言及はありませんでした。
このテーマでの明確なスタンス表明はありませんでした
本テーマでは、デジタル教材の使用が児童生徒に与える負の影響について議論が行われました。吉良よし子議員は、平仮名練習アプリで枠に収まらず何度も書き直しをさせられ勉強嫌いになった事例を紹介し、視力・姿勢のほか読解力・思考力の低下や記憶定着の阻害、手書き文字の乱雑化、集中力低下、タブレット依存などの現場の声や専門家の指摘を挙げました。討論では、デジタル利用増加による情緒・メンタルヘルスの悪化や言語処理能力の発達阻害等も指摘し、反対の立場を示しました。下野六太議員も健康面への影響を懸念と明言しています。これに対し松本洋平大臣は、デジタルで学んだ内容を紙のノートにまとめるなど手を動かす活動の重要性を大臣指針で示す方針を述べるとともに、端末の学習目的外使用への懸念についてはフィルタリング設定や利用可能時間の制限で対応していると説明しました。
デジタル教材やタブレットの使用がもう増えることで、紙や鉛筆での読み書きをする時間が減少することによって、読解力や思考力が低下する、若しくは記憶の定着など、言語処理能力の発達の阻害などの影響があるということをもう既に多くの研究者、専門家が指摘しているわけです。
デジタルな形態の教科書の導入に当たっては、子供たちの健康面への影響が懸念されています。
デジタルの部分で学んだことを紙のノートにまとめるといった、手を動かして書く活動の重要性についても今後策定する大臣指針において示して、学校現場にも周知をしてまいりたいと考えているところでもあります。
デジタル教科書における新機能に対応した検定方法の在り方について議論が行われました。金子道仁氏は、ルビについては全数チェックする一方、外国語翻訳機能を全言語にわたって検定することは困難であるとし、デジタル内容に沿った検定方法を検討すべきと指摘しました(スコア0.75、デジタル教科書に適した新たな検定方法の導入を積極的に提案)。これに対し望月禎審議官は、音声読み上げ等の内容の正確性に影響しない技術的機能については限定的な範囲での確認にとどめる方向で検討していると説明し、外国語翻訳機能の扱いについても教科書検定審議会で検討する考えを示しました(スコア0.50、検定方針を示すのみで賛否は明示されていません)。
本テーマでは、デジタル教科書の価格設定における原価計算の要否と教科書発行の寡占化懸念について議論されました。吉良よし子議員は、デジタル化に伴いクラウド通信料に加えて動画制作等のコストが発生することから原価計算による適正価格設定が必要と主張し、原価計算をしないことが紙教科書価格の低廉化と発行の寡占化につながる懸念を指摘して再度原価計算を要求しました。また、様々な発行形態を認める文部科学省に適正価格設定の責任があるとも主張しました。これに対し望月禎局長は、紙教科書についても種目別・学年別最高額方式が採られ個別原価計算は行われておらず、デジタル教科書でも同方式の採用は困難であると答弁し、原価計算によらず発行者と連携して物価上昇等を踏まえた価格設定に努める考えを示しました。討論では、後藤議員が原価計算をしない安価な価格設定が中小業者淘汰・寡占化を招く懸念を法案反対理由の一つとして表明し、吉良議員も原価計算をしないまま安価な価格設定となれば教科書発行の寡占化が進むと指摘して反対しました。
本テーマでは、デジタル教科書における個別最適な学びのデータ活用を検討するにあたり、医療分野のデータ利活用制度からの示唆が議論されました。後藤氏は、医療のパーソナル・ヘルス・レコード(PHR)やリアルワールドデータの事例から学びを得たいと発言しました。これに対し江浪審議官は、PHRについて患者同意の下でレセプト等の情報を医師等が活用し、マイナポータルを通じて個人も閲覧可能であると説明し、リアルワールドデータについては匿名化した上で研究機関に提供される仕組みであると述べました。また、次世代医療基盤法に基づき、匿名加工医療情報事業者を国が認定する仕組みや、今後の情報連携基盤の構築についても説明されました。厚労省参考人からも、PHRとして医療保険レセプト情報等が患者同意の下で医師等に活用され、マイナポータルで個人が閲覧できる旨の説明がありました。
本テーマでは、高校段階の教科書がデジタル化に伴い保護者負担となる中でのコスト増への懸念が論点となりました。下野六太氏は、高校段階の教科書は無償給与の対象ではなく保護者負担であることを踏まえ、デジタル化によるコスト増を懸念する立場から、生徒・保護者負担の軽減を求める発言をしました(スコア0.75)。これに対し望月禎審議官は、高校教科書が保護者負担であることを説明した上で、クラウド通信料等のコスト構造を考慮し、発行者と価格算出の検討を開始したことを説明し、保護者負担の教科書費を可能な限り低廉にすべきとの立場を示しました(スコア0.75)。両者とも保護者負担の軽減という方向性で一致しており、価格算出に関する検討が発行者との間で開始されたことが確認されました。
本テーマでは、生成AIやデジタル教科書の導入を踏まえた情報モラル教育の充実が議論されました。下野六太氏は健康面への影響理解を含む情報モラル教育の重要性を指摘し、賛成の立場を示しました。これに対し松本洋平大臣も、学習指導要領において情報モラルを情報活用能力の基盤と位置付け、健康を害する行動について考えさせる学習を求めていると説明し、賛成の立場から、睡眠障害等の弊害に関する学習コンテンツの提供や教職員研修の実施状況を述べました。両者とも健康面に配慮した情報モラル教育の充実に前向きな姿勢を示しました。また、附帯決議では、視力低下等の健康面の留意点の整理や、SNS依存等のリスクを踏まえた利用ルールに関するガイドラインの周知、デジタルウェルビーイングの視点の養成が求められました。
本テーマでは、一つの教科書しか採択できない現行の教科書制度と、デジタル教科書導入に伴う子供・学校による選択の可否が議論されました。吉良よし子議員は、障害認定のない子供でもデジタル機能が有用な場合に一つの教科書しか採択・使用できない問題や、ハイブリッド採択の場合に紙部分で理解困難な子供が取り残される問題を指摘し、教科書制度の見直しと自由に教科書を選べる制度への転換を主張しました(賛成)。また、検定制度が政府見解を押し付ける仕組みとして機能してきたとし、デジタルコンテンツでの印象操作への懸念も表明しました。これに対し望月局長は、教育委員会が権限と責任で一つの教科書を採択する原則はデジタル形態でも変わらないと答弁しました。松本洋平大臣は、集団単位の学習では異なる教科書の使用が指導上の支障を招く可能性があり、慎重な判断が必要であるとの立場を示しました(やや反対)。
本テーマでは、デジタル教科書のソフトウェア品質を巡り、後藤氏が医療機器プログラム(SaMD)の承認審査を参照事例として挙げました。これに対し佐藤審議官は、SaMDの承認審査ではソースコード確認は行わず、臨床試験結果に基づき性能・安全性・想定使用場面での作動状況を審査していると説明しました。また後藤議員は、GIGAスクール関連指針が使う側の対策にとどまっており、製品自体のサイバーセキュリティ確保が必要であると指摘しました。厚労省参考人は、IMDRFガイダンスやJIS T81001-5-1に基づき、医療機器のサイバーセキュリティ基準を薬機法に位置付けたと説明しました。これらを踏まえ、松本大臣は標準仕様の中で不正利用・不正アクセス防止等のサイバーセキュリティ標準の実装を検討する考えを示しました。
本議論では、デジタル教科書の変更・訂正手続制度をめぐり、医薬品承認事項の変更管理の仕組みを参考にすることが論点となりました。後藤翔太議員は、検定済図書の訂正は発行者負担が大きいため運用が消極的になりがちである一方、デジタル教科書は変更や再給与が容易であると指摘し、医療機器プログラム審査を教科書検定の参考にすべきと主張して、制度導入に前向きなスタンス(賛否スコア0.75)を示しました。これに対し厚生労働省の参考人は、医薬品の承認事項変更は品質への影響度に応じて、一部変更承認、変更届、中等度変更、年次報告というように手続が分岐する仕組みになっていると説明しました。議論では、品質影響度に応じて手続を分岐させる医薬品分野の考え方を、デジタル教科書の変更・訂正手続制度の検討に活用できるかという観点が示されました。
この点に関しては教科書検定と似ている部分があると私は考えます。
本テーマでは、学校教育法等の一部を改正する法律案(デジタル教科書導入)をめぐり討論が行われました。後藤議員は、教科書検定制度や製品規制、教育現場の受入れ準備に関する議論が不十分であるとして反対を表明しました。吉良議員も、検定制度の中立性への懸念、デジタル選択ができない点、負の影響、価格や寡占化への懸念を理由に反対を表明しました。採決の結果、同法案は多数で原案どおり可決されました。続いて古賀千景議員が5会派共同提案による16項目の附帯決議案を提出・朗読し、採決の結果、多数で委員会の決議として決定されました。これに対し松本大臣は、附帯決議の趣旨に十分留意して対処する旨を表明しました。
本テーマでは、米軍基地地域において教員不足により英語専科教師が特別支援学級担任へ配置転換された事案が取り上げられました。下野六太氏はこの事案を紹介した上で、教員不足により専科教師の適材適所配置に支障が出ている状況を問題視し、対処を質問しました。これに対し堀野審議官は、教師不足解消に向けて働き方改革、処遇改善、多様な人材の入職促進、自治体への伴走支援に取り組む方針を説明しました。
教員不足の影響がこのようなところに出ているということを重く受け止めなければならないということで、こういった問題に対してどのように対処すればいいのかということをアドバイスいただければと思います。
本テーマでは、教科書が紙・デジタル・ハイブリッドの3類型から選択可能になったことに伴い、媒体軸の議論が内容軸の議論を複雑化させるとの指摘がなされました。後藤翔太氏は、媒体多様化が個別最適な学びに資する一方で教育体験の水平的平等が弱まる懸念を示し、媒体軸での検定基準に相当する制度の必要性を質問し、議論の複雑化により教育体験格差拡大の恐れがあるとして反対しました。望月禎審議官(局長)は、教科書の形態にかかわらず内容は全て検定で質を担保し、大臣指針で全デジタル教科書の学年・教科等を限定して実効性を担保すると説明しました。デジタルコンテンツの分量については検定審議会で検討する方針が示され、文脈理解や資料一覧、作図・測定等の学習場面では紙の活用が期待されるとの見解も述べられました。また、小学四年生以下・国語社会道徳ではフルデジタルを認めるべきでないが、ハイブリッド形態は認められるとの見解が示された一方、吉良議員はフルデジタル不可でもハイブリッドでは低学年でもデジタル使用が可能となる矛盾を指摘しました。
本テーマでは、災害時におけるデジタル教科書の教育継続性確保が論点となりました。後藤議員は、デジタル教科書は情報システムであることから、災害時の教育継続には多要素対応とBCM・BCPの整備が有効であると指摘しました。これに関連し、厚生労働省参考人は、災害拠点病院ではBCP策定が指定要件とされており、システム障害時の事業継続について医療情報システムガイドラインで求めていると説明しました。これを受け、松本大臣は、標準仕様において印刷・ダウンロード機能やバックアップ等のBCP対策を検討する考えを示しました。
本テーマでは、生成AIの学校現場での利活用に関するガードレール設計とガイドライン改訂が議論されました。金子道仁氏は、COMPASS社によるAIドリル研究において利用頻度・習熟度の上昇が正答率向上に寄与するプラス効果があったことを紹介する一方、トルコの高校生を対象とした実験では自由利用型AI使用者はAI不使用時の試験成績がAI未使用群より低下したとの研究結果も紹介しました。これらを踏まえ、金子氏は答えを与えすぎない設計であるガードレールが必要であるとし、令和6年ガイドラインの早期改定を要請するとともに、適切なAI搭載教科書の検定選定が最も有効なガードレール設置になると主張しました。これに対し堀野晶三審議官は、実証研究からガードレールの必要性や思考を促す設計の重要性が明らかになったとし、今年度中にガイドラインを改訂する予定であると説明しました。両者ともに生成AIの利活用推進に前向きな立場を示しています。
本テーマでは、義務教育における教科書無償給与制度の歴史的経緯と学校給食費の負担軽減が論点となりました。下野六太氏は、昭和38年の柏原ヤス議員の質疑と池田総理の答弁が教科書無償給与制度の転機であったと指摘し、教科書無償の歴史を踏まえて給食無償化への取り組みを評価する立場(スコア0.85)を示しました。松本洋平大臣は、明治33年の小学校令において無償原則が確立し、憲法における授業料不徴収の意味について説明した上で、教科書無償給与制度の実現の経緯と、本年4月からの学校給食費の負担軽減の実施について説明し、その取り組みを肯定的に述べる立場(スコア0.75)を示しました。両者とも義務教育における無償化の取り組みについて賛成的な立場から議論を行いました。
本テーマでは、教科書バリアフリー法に基づくデジタル教科書のアクセシビリティ機能の活用が論点となりました。望月局長は、同法に基づきハイライト表示やリフロー表示等の高いアクセシビリティ機能を備えた教科書の発行を促進し、無償で提供する予定であると説明しました。松本大臣も同様に、教科書バリアフリー法に基づくアクセシビリティ機能を備えた教科書の発行促進と無償使用について説明しました。両者とも障害の有無にかかわらず活用できる機能の整備について言及しており、賛否については明示的なスタンスデータは示されていません。
本テーマでは、青少年インターネット環境整備法の見直しによる子供の安全確保のあり方が論点となりました。日本維新の会の金子道仁氏は、黄川田大臣へ青少年インターネット規制に関する提言を提出し、法改正への早急な対応を要請しており、法整備の推進を求める立場が示されています。これに対し竹林審議官は、有識者会議において事業者の役割のリバランス等を検討していることを説明し、令和8年中を目途に具体的な方針を取りまとめる考えを示しました。議論では、法改正を早急に進めるべきとする金子氏の要請と、有識者会議での検討を経て一定の時期までに方針を取りまとめるとする政府側の説明が示され、対応の時期や進め方について材料が提示されました。
今後の青少年インターネット規制法の改正も含めて、早急な対応が必要だと考えますが、見解をお聞かせください。
本テーマでは、公立高校におけるデジタル端末整備費用の負担のあり方と、高校生等奨学給付金の拡充が論点となりました。下野六太氏は、公立高校のデジタル端末整備が半数超の都道府県で保護者負担を原則としており、家庭の負担が大きいと指摘し、奨学給付金の対象拡充と国による全額負担を求める賛成の立場を示しました。これに対し望月審議官は、高校生等奨学給付金について今年度中所得層への拡充を実施したこと、端末購入費補助の対象拡充は今後の検討課題であることを説明しました。また、附帯決議では、高校生等奨学給付金による端末購入支援や家庭の通信環境整備支援の拡充を求める内容が盛り込まれました。
デジタルな形態の教科書の使用の前提となるデジタル端末の購入が高校生の保護者の大きな負担となっていることを踏まえ、高校生等奨学給付金について給付額対象世帯の更なる拡充や国による全額負担を実現する必要があると考えますが、文部科学省の見解を伺いたいと思います。
討論では後藤議員・吉良議員が検定制度や価格設定、デジタル選択の可否等を理由に反対を表明しましたが、採決の結果、法律案は多数で原案どおり可決されました。続いて5会派共同提案による16項目の附帯決議案が提出され、多数で委員会の決議として決定され、松本大臣はその趣旨に留意して対処する旨を表明しました。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。