本会議では、民法等の一部を改正する法律案及び関係法律整備法案が一括議題とされ、成年後見制度の三類型見直し、特定補助人制度の創設、後見人報酬や不正防止対策、公正証書遺言・保管証書遺言のデジタル化とウェブ会議利用要件、自筆証書遺言の押印要件廃止など多岐にわたる論点が議論されました。泉房穂委員は、家族・親族による無償後見への回帰や社会福祉協議会の法人後見活用、市町村・地域福祉への引継ぎ体制強化を主張し、小林さやか委員は補充性要件の立証負担や報酬の不明瞭さ、制度終了後の地域福祉への引継ぎの必要性について発言しました。安達悠司委員は包括代理権廃止による責任の曖昧化を懸念し、北村晴男委員は証人欠格事由拡大や押印要件廃止に関する懸念を示しました。このほか、法務省・厚生労働省・最高裁からは、本人の意向尊重義務や地域連携ネットワーク強化、権利擁護支援体制整備等について答弁が行われました。
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成年後見制度の立法趣旨と利用実態の乖離及び量的調査の必要性
本テーマでは、昨年10月から公正証書手続がデジタル化され、陳述聴取・内容確認・作成保存・謄抄本交付等の場面でデジタル化が実現したことが示されました。公正証書遺言のウェブ会議利用については、公証人が申出を相当と認めるときに限られ、必要性と許容性を総合勘案して判断されるとされ、遺言能力に問題となるおそれが低い中年層等の遺言ではウェブ会議利用が認められ得ると説明されました。また、保管証書遺言においても遺言書保管官が申出を相当と認めるときにウェブ会議を利用できるものの、公正証書遺言とは判断基準の具体的内容が異なる点が示されました。一方で、通信環境不良により本人確認や口述確認が困難な場合や、周囲に他人がいないことの確認が困難な場合には、ウェブ会議利用は相当でないとされています。発言者のスタンス(賛否)データは示されていません。
本テーマについては、要点の抽出はありませんでしたが、発言者のスタンスとして、小林さやか氏が終了申立て時に地域福祉への引継ぎ確認を必要と明言し、慎重な判断を支持する立場(スコア0.75)を示しました。また、泉房穂氏も終了後の地域福祉への引継ぎ対応を法務省に強く求める立場(スコア0.75)を示しました。両氏はいずれも制度終了後の地域福祉への引継ぎの必要性について賛成的な立場を取っています。
本テーマでは、受遺者の被用者を通じた不当な影響を防ぐため、受遺者の被用者及び法人受遺者の役員・被用者を証人欠格事由に追加することが論点となりました。証人に欠格事由があれば遺言は全部無効となるため、被用者の範囲は雇用契約の存在等で定型的・類型的に判断する必要があると説明され、子会社・グループ会社の役員等定型的に被用者と言えない者による証人就任については、個別事案の判断能力欠如や公序良俗違反等で対応するとの答弁がありました。また、身元保証会社等が高齢者の残余財産を遺贈させる遺言を公序良俗違反で無効とした判例が指摘され、高齢者をサポートする事業者自身が遺贈を受ける遺言を作成させることの倫理的妥当性に疑問が呈されました。この点に関し、裁判所の個別判断に加え、行政庁が公序良俗違反の裁判規範となるガイドラインを策定すべきとの提案がなされました。北村晴男氏は、証人欠格事由拡大だけでは不十分であるとして、ガイドライン策定など追加対策を強く求める立場を示しました。
行政庁が一つのガイドラインを示して、こういう遺言を作ってもらうということは社会的に許容されませんよと、すなわち、最終的に裁判になった場合に公序良俗違反の裁判規範となるようなガイドラインを作るということが私は必要ではないかと考えています。
本テーマでは、後見制度の柔軟化を進める前提として、地域における権利擁護体制の機能確保が必要であるとの論点が示され、社会福祉協議会等の福祉現場では人材不足が深刻であるとの指摘がありました。小林さやか氏は、スコア0.25と否定寄りの立場であり、人材不足により制度が実効的に機能しないとの懸念を繰り返し示し、制度の実効性に否定的な見解を述べました。
制度改正しましたと、じゃ、出口は地域に丸投げですという形だと、もうとても受け切れないと思うんですね。
本テーマでは、改正法百二十条三項に基づく家庭裁判所による市町村への意見聴取制度について議論されました。制度利用の必要性判断にあたっては、まず補助人資料を検討した上で、必要に応じて市町村長等へ照会する想定であるとの答弁がありました。また、意見照会の具体的な方法や、市町村・中核機関が用意すべき資料については、法案成立後に検討する事項とされました。発言者のスタンスとしては、小林さやか氏は限定的な運用の範囲に不安を表明し、慎重な姿勢を示しました。一方、泉房穂氏は、制度の終了・解任時に家庭裁判所が市町村と連携して意見聴取を行うべきであると提案しており、賛成的な立場を示しました。
本テーマでは、市民後見人及び社会福祉協議会の法人後見活用による監督体制強化について議論が行われました。泉房穂委員は、社会福祉協議会を法人後見とし市民後見人を支援員として活用するスキームを提案し、通帳管理を社会福祉協議会が行うことで不正防止につながると主張しました。あわせて、市民後見人の選任率が約1%、社会福祉協議会の選任率も約4%程度にとどまっている現状を指摘しました。これに対し最高裁は、社会福祉協議会等の法人を補助人に選任し、市民後見人を支援員とすることや、複数の補助人を選任することもあり得るとの見解を答弁しました。泉房穂委員は、社会福祉協議会の権利擁護機能強化と法人後見活用による市民後見人支援スキームの推進を主張する立場(賛成、スコア0.75)を示しました。
社協を法人後見にした上で、市民後見人をその支援員として活用するスキームだってあるわけですから。
本テーマでは、市町村長申立てをめぐる親族意向確認の運用実態が議論されました。市町村長申立ては件数が増加傾向にあり、令和2年度の取りまとめに基づき、親族調査の考え方について自治体への通知が行われたことが示されました。この通知では、親族の同意までは必要とせず、同意が得られない場合でも申立て事務を中断しない運用方針が示されています。一方で、詳細な運用実態については現時点で把握されておらず、今年度実施される調査研究において、意思確認の方法等を把握する予定であることが述べられました。発言者としては、安達悠司氏がスコア0.25とされ、自治体単独判断での申立てに慎重な姿勢を示しました。議論の結果として、明確な結論や決定事項は示されていません。
自治体の判断で行うのは、自治体だけの判断で行うのは慎重でなければならないと考えます。
本テーマでは、成年後見制度における後見人報酬の在り方が議論されました。泉房穂委員は、他国では家族・親族が無償で後見を担うのが原則であるとし、専門職への月額報酬は不要であると主張しました。また、保護司や民生児童委員のように原則無報酬の枠組みで後見人を位置付けるべきだと述べ、会いにも来ない後見人が年72万円といった高額報酬を得続けている実態に対する家族の不満を指摘しました。これに対し小林さやか委員は、報酬の予見可能性のなさや不明瞭さが制度への信頼を揺るがしていると指摘し、見直しを示唆しましたが、その根拠は限定的なものにとどまりました。両者とも報酬制度に対して肯定的とは言えないスタンスを示しており、泉委員は家族・親族による無償後見への回帰を明確に主張する一方、小林委員は報酬の不明瞭さという観点からの問題提起にとどまっています。
本テーマでは、後見人・補助人による横領等の不正防止対策の強化について議論が行われました。令和七年の不正事例において、専門職以外の後見人による横領額が約7.9億円と専門職による横領額より圧倒的に多いとの資料をもとに、対策の在り方が問われました。これに対し最高裁は、専門職の関与や後見制度支援信託・支援預貯金の活用、定期報告の徴収等の不正防止策をこれまで講じてきたと説明し、改正法の内容に見合った実効的な不正防止策を各家庭裁判所で講じるよう後押しする方針を答弁しました。発言者のうち、古庄玄知氏は非専門職後見人による多額の横領を問題視して対策を質問し、不正防止強化に賛成的な立場を示しました。また安達悠司氏は、包括代理権の廃止により管理責任が曖昧になることを重大な問題として批判し、不正防止規定の強化を支持する立場を示しました。
本テーマでは、後見制度における財産管理と身上監護のあり方が議論されました。泉房穂委員は賛成の立場から、後見の本来趣旨は財産を守ることではなく本人のために活用し、身の回りの世話をすることであると主張し、自身の後見人経験として本人の希望であったすしや温泉旅行、親族との対面を実現した一方で、通帳を金庫にしまうだけの後見人も多いと指摘しました。これに対し法務省は、補助人の事務には財産管理のみならず身上保護に関する法律行為が含まれ、本人の意向把握が求められると答弁しました。また、補助人は代理権が付与された範囲でのみ財産管理の権限・義務を負い、全財産の包括的な管理責任は負わないことが確認され、特定補助人の保存行為による財産管理責任の範囲が曖昧であり、法律で明確化すべきとの指摘がなされました。
それより大事なのは、本人のお金を本人が使いたいように活用して本人の残りの人生をしっかり彩ること、これこそが本来の趣旨なんです。
本テーマでは、成年後見制度の三類型見直しによる本人の自己決定尊重への転換が議論されました。法務省は、現行制度において成年後見人等が必要範囲を超えて権限を有し、本人の自己決定を必要以上に制約していたと答弁し、改正法案は本人の自己決定尊重を目的として必要な範囲に限り制度を利用できるよう見直したと説明しました。新876条の11は、本人の意向尊重と心身状態等への配慮を補助人の義務として新設する規定であり、補助人は本人への情報提供や陳述聴取等により補助事務に関する意向を把握する義務を負うと明記されています。また、現行法の「意思」から「意向」への文言変更は、法律行為の効果認識能力がなくても意向・選好が含まれることを明確化する趣旨とされました。仁比議員は、本人の意向尊重義務が自律を保障する基本的人権に関わるとの認識を示し、包括的代理権による後見人が本人意思を十分聞かず生活を決めてしまう弊害を踏まえた大転換と評価し、大臣の認識を質問しました。これに対し法務大臣は、本人の意向を把握する行動を明確化する改正の趣旨を踏まえ、運用の周知広報に努めると答弁しました。一方、安達悠司は包括的権限を持つ後見人の存置を主張し、三類型見直しに慎重な立場を示しました。
本テーマでは、成年後見制度の立法趣旨と利用実態の乖離及び量的調査の必要性が議論されました。成年後見制度利用促進専門家会議の指摘として、現行制度には必要な範囲での利用ができない、利用の終了が困難、後見人の交代が難しいといった課題があることが紹介されました。泉房穂委員は、同制度が法務省所管で禁治産制度を引き継いだ結果、権利制限が多く使われにくい制度になったと自身の経験から指摘しました。利用者数は過去27年間で平成22年の14万309人から令和7年の25万9901人へ増加し、開始原因の約61.3%を認知症が占める一方、認知症の方約600万人に対し利用者数は少なく、本来求められた役割を果たせていないとの指摘がありました。嘉田由紀子委員は個別事例だけでなく統計的な量的調査の必要性を指摘し、予算確保を要望しました。これに対し松井信憲氏は、法案附則第十条を踏まえ、改正後の制度利用状況等について調査実施を検討する方針を示しました。仁比聡平委員は、権利侵害の総括を踏まえた意思決定支援中心への転換を肯定的に評価しました。
法務省所管でこの制度ができ、いわゆる従来あった禁治産制度という処罰的側面の強い制度を入れ替える形でできたがゆえに、権利制限が多く残り、また、なかなか使われにくいような制度になってしまったというふうに私は理解をしております。
是非とも、この質的調査にプラスして、統計的に量的調査、データ集めていただいて、そして調査企画の具体化と予算確保が必要だと思うんですけれども、この見解、お願いいたします。
改正後の規定の施行の状況について検討を加えるに当たり、改正後の制度の利用状況等に関する調査を実施していきたいと考えております。
権利擁護の制度のはずなのに、逆に、法の下、平等に認められるべき法的能力、権利の侵害をはらんでいるという総括を踏まえて、本人の意思決定の支援を中心に大きく転換しようとするものだと思います。
本テーマでは、成年後見制度改正後の本人保護と地域支援体制整備が議論されました。厚生労働省は、後見終了後の支援ニーズの増加を見据え、地方自治体と連携して権利擁護支援の総合的な充実に取り組む方針を答弁し、市町村の権利擁護支援業務を法律上明確化する社会福祉法改正を提案するとともに、自治体への支援を行うと述べました。泉委員は、後見の終了や交代があった後も市町村・社会福祉協議会が引き継ぎを行い、本人を見捨てない体制を求めました。また、包括代理権の廃止により、判断能力が全くない者の財産管理が無責任な制度になりかねないとの懸念が表明されました。このほか、一回の申立てで複数の代理権付与を求めることが可能であり、追加の申立てについても令和5年改正によるデジタル化後は負担が軽減されるとの説明がありました。
本テーマでは、成年後見制度の見直しと障害者権利条約・国連勧告との整合性が論点となりました。国連障害者権利委員会が意思決定代行制度の廃止を勧告していることを踏まえ、法案がこれに反しないかが質されました。これに対し、現行制度は障害の有無により権利能力を区別するものではなく、条約・勧告に反しないとの見解が示されました。法務大臣は、現行の後見制度が障害者権利条約12条2との関係で障害者権利委員会から勧告を受けていると認識した上で、法案は包括的な代理権を有する後見制度を廃止し、必要な範囲での利用にとどめるものであり、勧告の趣旨を踏まえたものであると説明しました。発言者の立場としては、三谷英弘、平口洋が改正案は勧告の趣旨を踏まえたものと肯定的に述べた一方、横山信一は整合性を質しつつも法改正における意思尊重の趣旨には理解を示しました。安達悠司は意思決定代行制度の全廃には否定的で、文化的差異を理由に慎重な法改正を主張しました。
本法案は、成年後見人が本人の包括的代理権を有する後見の制度を廃止し、本人にとって必要な範囲で制度を利用できるようにするものでございまして、今御指摘いただいた勧告の趣旨をも踏まえたものというふうに考えております。
このような内容は、障害者権利委員会の勧告の趣旨をも踏まえたものであると考えております。
家族が本人の意思を代行することを否定するのは行き過ぎであり、我が国は条約も批准しましたが、文化や家族や支援の在り方は国ごとに異なっておりますので、そうした観点から法改正を慎重に考えるべきだと思いまして、意見を言いまして、私の質疑といたします。
今回の法改正、やっぱり個人の尊厳と個人の意思を尊重するということがこの法改正の重要な点でありますので、そこを踏まえているということであります。
本テーマでは、判断能力が回復しなくても成年後見制度を終了できるようにする見直しが、高齢者の権利擁護に資するかどうかが論点となりました。横山信一氏は、この改正による効果について大臣に質問しており、賛否の立場は示していません。これに対し平口洋氏は、制度見直しが高齢者の権利擁護に資するとの認識を明確に答弁しました。
本テーマでは、保佐・補助開始の審判における本人の意思確認のあり方が議論されました。最高裁は、多くの事案で家裁調査官による調査が実施されており、調査を行うか否かは事案の性質・内容を踏まえた裁判官の合理的裁量で判断されると説明しました。終了判断の場面では、日常生活への支障の有無等、これまで以上に踏み込んだ調査が求められるとの指摘がなされました。改正法施行後の具体的運用については、現時点で確たることは言えないとしつつ、まず申立人による事実関係の明確化が想定されるとし、本人の意思確認は福祉専門職や親族等の報告を総合考慮した上で、必要に応じ家裁調査官調査も想定されると説明されました。また、補助人が行う事務が個別化する中で、具体的情報の把握が家裁の最重要課題になるとの指摘に対し、最高裁も同感を示しました。小林さやか氏は改正法の趣旨を踏まえた見直しの必要性を明確に主張し、賛成の立場を示しました。具体的な運用の在り方は改正法成立後に各家庭裁判所で検討されるものであり、最高裁として後押しする旨が答弁されました。
改正法の趣旨を踏まえまして、この本人情報シートの内容の見直しが必要だと思いますが、見解を家庭局に伺います。
本テーマでは、権利擁護支援の地域連携ネットワーク強化と中核機関の法定化について議論が行われました。厚生労働省は、中核機関を中心とした地域連携ネットワークづくりを制度上位置付けるため、社会福祉法等改正案において中核機関の法定化を提案し、現在約8割の自治体が中核機関を設置している状況を踏まえ、その法定化と市町村業務の明確化を図る方針を説明しました。あわせて、地域中核機関を地域権利擁護相談支援センターとして法定化する方針も示されました。一方、権利擁護相談支援センターがいまだ任意事業であることについて、泉房穂委員が問題点として指摘し、全国的な取組を求める立場を示しました。仁比聡平委員は、意思決定支援を基本的人権と位置付けその重要性を強調しましたが、中核機関法定化そのものへの直接的な言及はありませんでした。このほか、支援終了後を支える地域支援体制が未整備であることへの懸念や、福祉現場における人手不足を指摘する意見も示されました。
本テーマでは、法テラスが福祉機関・自治体と連携して高齢者・障害者へアウトリーチ型の法律相談援助を実施しており、その多くが成年後見申立てにつながっていることが説明されました。また、法テラスの常勤弁護士が社会福祉協議会や地域包括支援センターと連携し、法人後見の立ち上げや市民後見人の育成に関与していることも示されました。福祉機関との連携の在り方については、法テラスの在り方に関する有識者検討会で議論が進められている段階であるとされました。発言者としては泉房穂氏が賛成の立場を示し、法テラスは福祉と連携して実質的な支援を行うべきであると明確に主張しました。
法テラスはちゃんと、狭い法律じゃなくて、福祉と関わらないと実質的な支援にならないんですよ。
本テーマでは、改正民法十条に定める特定補助人制度について議論が行われました。特定補助人は、事理弁識能力を欠く常況にあり必要があると認めるときに付されるものであり、事理弁識能力を欠く常況にある者は不利益行為の類型を特定することが困難であることから、この特定補助の仕組みが創設された旨が説明されました。特定補助人は、法定の重要財産行為に関する取消権、意思表示の受領権、保存行為の権限を有する点で、通常の補助人や成年後見人とは異なるとされています。選任にあたっては原則として鑑定が必要とされる一方、例外的に医師2人以上の意見があれば鑑定を省略できるとされました。また、対象となる法律行為には、外形的に法律行為と見える行為として、口頭による契約の申込みや承諾も含まれ得るとの答弁がありました。選任の必要性は、本人の精神状況、生活状況、過去の不利益取引歴等を総合的に考慮して判断されるとされています。
自筆証書遺言の押印要件廃止をめぐっては、偽造・変造が容易になるのではないかとの懸念や、完成書面か下書きかの判断が困難になるのではないかとの懸念が示されました。これに対し、押印に用いる印鑑は認め印でも足り種類制限がないため押印の偽造防止機能は大きくないとの指摘があると説明されたほか、完成書面と下書きの区別は現行法下でも生じ得る問題であり個別事案の具体的事情に即して裁判所が判断するとされました。また、押印機会の減少に伴い署名が完成書面と下書きを区別する機能を果たすようになると考えられるとの説明や、押印要件廃止後も実印や日常使用印鑑の押印自体は信用性補完のため妨げられないとの理解が示されました。スタンスとしては、北村晴男氏が押印廃止により偽造変造が容易になる懸念を表明し反対的立場を示した一方、松井信憲氏はその懸念への反論を示し、廃止に肯定的な立場を示しました。
本テーマでは、本人の同意の有無をめぐり取引相手が争いに巻き込まれることへの懸念が示され、これに対し成年後見登記制度によって取引の安全を図っているとの答弁がありました。また、本人意思の把握が困難な場合があることを踏まえ、本人作成の同意書や支援者・福祉専門職の報告等、事案に応じた資料をもとに真意把握を検討するとの答弁も示されました。発言者としては古庄玄知氏が挙げられ、本人同意の把握が困難であることによる取引の萎縮を懸念し、登記等による対応の必要性を示唆する立場でした。
取引の相手方からしてみると、後日、その同意があった、なかったかという、そういう争いに巻き込まれたり、それがひっくり返されたりしたらたまらないと、そういう思いから、高齢者相手の取引を控える者も出てくるのではないかなというふうに考えられます。
本テーマでは、補助制度に関する審判の取消しについて、事理弁識能力が回復していなくても、補助制度以外の支援状況を踏まえて保護の必要がなくなれば審判を取り消せるとする新設規定の趣旨が説明されました。取消しの判断に当たっては、本人・補助人の陳述聴取に加え、必要に応じて市町村長等の意見を聴取できるとされています。具体例として、遺産分割対応のために代理権が付与された場合、遺産分割が終了すれば必要性喪失に該当し得ること、また施設に入所していなくても精神状況の変化等により特定の補助人審判の必要性がなくなる場合があり得ることが示されました。
補助開始審判における家庭裁判所調査官調査の実情と本人意思確認の運用強化に関して、取消し審判時に補助人等により対応すべき法的課題の有無等を確認し、必要な場合には家裁調査官調査も方法の一つとする旨の答弁がありました。また、家裁調査官の調査については、行動科学の知見や面接技法が生かせる場面で命じるという基本的考え方が示されました。あわせて、令和7年の後見関係申立て4万3159件のうち7割が後見申立てであり、今後補助申立てへの移行が見込まれることが示されました。発言者のスタンス(賛否)データは示されていません。
本テーマでは、補助開始審判における補充性要件の扱いが論点となりました。法制審部会では補充性要件を設けるべきとの意見もありましたが、他の支援の有無を判断することの困難さや審判の遅延への懸念から、改正法案では補充性要件を設けないこととされました。また、家庭裁判所が職権で他の支援の不存在を探知したり、申立人に不存在の立証資料提出を求めたりすることは想定していないとの答弁がなされた一方、特定の権限付与を判断する際には、事理弁識能力の程度や本人同意の有無に加え、必要な場合には福祉的支援の有無・内容に関する資料提出を申立人に求め得るとの答弁もありました。小林さやか氏は、補充性の立証負担が申立人に重すぎるとの懸念を表明し、要件運用に否定的な立場を示しました。
すなわち、申立人の負担が大変非常に重くなるんではないかということも考えられますが、どこまでこの補充性、ほかの手段で対応が困難であるということを申立人に立証を求めるんでしょうかと。
本テーマでは、補助開始審判の取消し後における金融機関取引の継続に関する懸念が議論されました。安達悠司は、全国銀行協会が預金払戻し不能等の懸念を法制審に表明していたことを取り上げて質問し、取消し後の取引継続について懸念を示しました。これに対し、代替支援がない場合は必要性喪失に当たらず取消しにはならないとの見解が示され、必要な場合は再度補助制度を利用することができるとされました。また、意思能力のない者の預金を他人が管理・引出しすることの是非については、金融業界において今後検討される予定であることが述べられました。
法制審における昨年十一月四日付けの全国銀行協会の文書でも、金融機関での預金の払戻しができなくなり、日常生活に支障を来す懸念があるということを表明しています。
本テーマでは、成年後見人の選任実務における親族選任率の低さが論点となりました。説明によれば、後見人は親族が16.4%、親族以外が83.6%であり、その一因として親族候補者が存在する事件自体が19.7%と少ないことが挙げられました。一方で、親族候補者がある場合には約8割の事案で親族が選任されているとされ、選任されない事案については、紛争がある場合や候補者が高齢である場合、専門性の高い課題がある場合、虐待の疑いがある場合などが要因として説明されました。スタンスデータは示されておらず、賛否に関する発言者の立場は明らかにされていません。
本テーマでは、解任・交代事由である「特に必要があるとき」の解釈をめぐって議論が行われました。補助人の解任事由に「本人の利益のため特に必要があるとき」が追加され、支援者からの保護を可能にしているとの説明がなされました。泉委員は、本人に会いに来ない後見人について、意見照会を経て裁判所が柔軟に解任等を解釈すべきであると主張しました。また、解任・交代の「特に必要があるとき」の具体例について質問がなされ、これに対しては実務の集積を待つとの答弁がありました。小林さやか委員は、要件の分かりにくさを指摘し検討を要望したものの、賛否は不明でした。
改正案では、この解任、交代について、本人の利益のために特に必要があるときに交代させることができるとされていますが、この特にというのも非常に分かりにくいなと思います。
本テーマでは、AI技術の進展に伴うディープフェイク動画を用いた成り済ましへの対策が懸念事項として提起されました。ウェブ会議を利用する場合、遺言書保管官がディープフェイクを含む成り済ましを防止するため厳格な本人確認を実施する必要があるとされ、電子証明書の送信、身分証明書原本の画面提示、画像キャプチャーの保存など複数の防止策が例示されました。本人確認が困難な場合にはウェブ会議の利用は相当と認められないとされ、具体的な確認方法は法務省令で定める予定であることが説明されました。また、訴訟で遺言の有効性が争われる際にウェブ会議の画像・動画を証拠として保存・提示できるようにする必要性も指摘されました。スタンスデータでは、ディープフェイク技術の進化への対応強化を求める立場が示され、本人確認強化に前向きな評価がなされています。
議論を通じて、法案は本人の自己決定尊重を目的として必要な範囲での制度利用を可能にするものと説明され、法務大臣は障害者権利条約・国連勧告の趣旨を踏まえたものと述べました。一方、地域福祉との引継ぎ体制や福祉人材不足、報酬の在り方、不正防止策の実効性などについては、法案成立後の運用や今後の調査研究に委ねられる部分が多いことが示されました。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。