本審査会では、憲法五十六条一項へのオンライン国会規定明記や、内閣による緊急政令制定権限の要件・国会事後承認、参議院合区解消、国会議員任期延長論、平時における臨時会召集期限の明記・解散権制限、緊急事態条項の対象範囲や条文起草委員会設置、九条改正との一体的検討、衆議院総選挙の延期規定・参議院緊急集会の射程明確化、選挙困難事態における議員任期特例、選挙制度強靱化など多岐にわたる論点が議論されました。橘参事が制度案や整理を説明し、新藤義孝委員、國重徹委員、馬場伸幸委員、国民民主党の玉木雄一郎委員、参政党の和田政宗委員、古川あおい委員、共産党の畑野君枝委員がそれぞれの立場から意見を述べました。緊急事態条項イメージ案の性格や審査会運営の中立性をめぐっては、国民民主党・参政党が一定の評価を示す一方、共産党は中立公平性に反するとして批判しました。
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選挙困難事態における議員任期特例と参議院緊急集会の役割分担・すみ分け
大規模自然災害や感染症の蔓延などにより議員が議場に参集することが困難な場合には、情報通信技術を活用して、オンラインによる出席を明確に条文上認めるということを明記することとしております。
国会におけるオンライン出席については、非常時のみならず平時の議会機能向上としても有益であり、憲法改正が必要かどうかという議論と並行して、どのような場合に認めるべきかや技術的な課題について具体的な検討を進めるべきではないかと考えます。
本テーマでは、内閣が国会による法律制定を待つ暇がない特別の事情がある場合に緊急政令・緊急財政処分を制定する権限とその要件、事後の国会承認・失効規定について議論されました。橘参事は制度の内容とともに、不要論や国民の権利保障に資する場合に限定すべきとの意見があることを紹介しました。新藤委員は、国会機能維持が尽くされた究極の事態に備え条項設置は必須と主張しました。一方、国民民主党は過去に緊急政令案を提案したものの2024年6月の5会派取りまとめには含めず、任期延長・緊急集会拡充・オンライン国会があれば緊急政令が必要な場面は想定されにくいとして、発議を急ぐなら論点を蒸し返さない方が得策と提案しました。参政党は時の内閣による恣意的な緊急事態認定の危険性を指摘し、古川あおい氏は必要性の立法事実が明らかでないこと、明治憲法下の緊急勅令の反省を踏まえた慎重な議論の必要性を指摘しました。共産党(畑野君枝氏)は、国会権限を奪い内閣に権力集中させるもので明治憲法の緊急勅令を想起させると批判しました。
参議院合区解消をめぐっては、国民民主党から、参議院で進んでいる議論を条文化していけばよいとの発言がありました。また、参政党からは合区解消に基本的な賛意が示され、衆議院憲法審査会でも議論を深めるべきとの提起がありました。発言者のスタンスとしては、和田政宗氏が合区解消に基本的な賛意を明言し、玉木雄一郎氏も合区解消の議論進展に賛意を示しつつ、議論の範囲を絞り込むべきとの考えを付言しました。
国会議員任期延長論をめぐっては、参政権侵害・国民主権の観点から反対する立場が示されました。共産党は、任期延長が選挙権停止に当たり国民主権・参政権を侵害するものであると批判し、マッケルウェイン教授・長谷部教授の見解を引用して任期延長による政権居座りの危険性を指摘したほか、1941年の衆院議員任期延長の歴史を挙げ、戦後憲法に任期が明記された経緯を踏まえ、任期延長の議論は議員自身の保身にすぎないと批判しました。また参政党は、選挙で身分を失った衆院議員の身分が復活することは議会制民主主義に疑義があると指摘しました。古川氏は、選挙延期の適否を事後の選挙のみで問う仕組みは権力統制として不十分であると指摘しました。畑野君枝氏は、任期延長は参政権侵害・国民主権を歪めるものであるとして明確に反対する立場を示しました。
主権者たる国民の参政権を侵害し、国民主権と民主主義をゆがめるものにほかなりません。
本テーマでは、平時における臨時会召集期限の明記及び解散権行使の制限について議論が行われました。橘参事からは、通常時の国会機能維持の観点からこれらの在り方に関する意見が紹介されました。國重徹委員は、緊急時の議員任期延長と併せ、臨時会召集期限の明記及び解散権制限を平時の課題としてセットで議論すべきと提案し、維新・国民民主の過去の発言を引用しながら召集期限明記の必要性を指摘して両党に見解を質しました。國重委員は平時の国会機能維持をより優先すべき課題と位置づけ、賛成の姿勢を示しました。国民民主党の玉木雄一郎氏は臨時会召集期限の明記に賛成と明言し、条文化を進めるべきと述べました。馬場伸幸委員は、臨時会召集期限明記と解散権行使の在り方について、緊急事態条項の条文化と並行して審査会で議論すべきと表明しましたが、議論を進めるべきとの言及にとどまり、賛否自体は示されませんでした。
緊急事態条項の対象範囲に感染症蔓延を含めることについて、参政党は感染症蔓延が対象に含まれる限り反対する姿勢を示しました。その根拠として、感染症蔓延の定義が曖昧であり、恣意的な事態認定につながる危険性を指摘し、あわせて「その他これらに匹敵する事態」についても定義の曖昧さから恣意的認定への懸念を示しました。共産党も反対の立場から、東日本大震災やコロナ禍において緊急事態条項がなかったために対応できなかった事態はなかったと指摘し、災害や感染症は個別法で対応すべき問題であるとした上で、自治体の人員・財源の確保が重要であると主張しました。発言者では、和田政宗が感染症蔓延が含まれる限り反対と明言し、畑野君枝も感染症は個別法で対応すべきとして緊急事態条項への包含に反対する立場を示しました。
緊急事態条項の条文化をめぐり、馬場伸幸委員から、論点は出尽くしたとして審査会に条文起草委員会を直ちに設置し、改正条文案の作成に入るよう強く求める発言がありました。また、国民民主党からは、2024年6月に示された5会派案をベースに条文案作りに着手すべきとの主張がなされました。馬場委員は条文起草委員会の創設に賛成の立場を示し、設置を強く要求しています。
本審査会において直ちに条文起草委員会を設置し、イメージ案をベースとして改正条文案の作成に入ることを強く訴えます。
緊急事態条項の議論に関連し、馬場委員は会長に対し、九条改正と併せて速やかに条文化を進めるよう差配を要請しました。参政党は、武力攻撃を対象に含める場合には九条の根本改正と緊急事態条項をセットで議論すべきであると主張し、また自衛隊明記のみでは不十分であるとして、GHQ草案に代わる国民の手による創憲が必要であると述べました。スタンスデータでは、和田政宗氏が緊急事態条項の創設を九条の根本改正とセットで議論すべきと主張しており、賛成寄りの立場(スコア0.75)が示されています。
緊急事態条項創設の議論は、憲法九条の根本改正とセットで議論すべきです。
本テーマでは、衆議院議員総選挙の延期規定と参議院緊急集会の射程明確化について議論が行われました。橘参事は、解散から四十日以内に広範な地域で総選挙が困難となる場合の延期を明文化する規定案を説明するとともに、参議院緊急集会を任期満了後の総選挙にも明文で適用可能とし、その射程を明確化する案を示しました。また、選挙困難事態の対象範囲として感染症の大規模な蔓延を含む定義を、審査会における議論の到達点として整理しました。新藤義孝委員は、延期規定と緊急集会の射程明確化のいずれについても異論なく賛成する立場を示し、ピン留め可能と評価しました。玉木雄一郎委員も、選挙困難事態の認定要件として広範性・長期性を具体的に規定すべきと主張し、制度整備に前向きな姿勢を示しました。一方、馬場委員は、緊急集会の活動期間が憲法五十四条上最長七十日であるとして権限拡大に反対し、参議院サイドが緊急集会の期間に縛られないとする主張は国会法の規定と整合しないと批判しました。
選挙困難事態における議員任期特例をめぐっては、橘参事から広範性要件と長期性要件をともに満たす場合を選挙困難事態とする整理、および認定時における前職議員の暫定的身分復活と本格的身分復活の二段階規定が説明されました。新藤義孝委員はこのすみ分け整理をピン留め可能と評価し、東日本大震災を例に基準の妥当性を指摘した上で、選挙困難事態の期間上限を六か月程度とすることを提案し、身分復活規定のさらなる議論深化を求めました。國重徹委員は、議員任期特例は選挙制度強靱化を尽くした上での最後の補充制度であるべきとし、広範性・長期性要件の核心部分は憲法に明記すべきと主張しました。馬場伸幸委員は緊急集会のみに依存する危険性を強調し、議員任期延長特例の必要性を主張しました。国民民主党は、広範性と70日超の長期性を実体要件とし、内閣認定に加え国会の3分の2以上の事前承認と客観訴訟制度、認定期間の上限、緊急集会の開催範囲拡大などを含む案を示しました。参政党は緊急集会の期間制限撤廃等にも言及し、古川氏は選挙困難事態が6年を超えた場合の参院議員不在の問題を指摘しました。
緊急時の国会機能維持を参議院の緊急集会のみに頼って放置していく危険性の方がよほど大きいと断じざるを得ません。
参議院の権能を適用しつつ、適正なバランスを図る方策としてまとめられており、この点もピン留めしてよろしいのではないかな、このように思います。
仮にそのような制度的空白が認められるのであれば、その空白を補うためのいわば補充条項として一定の制度的対応を創設することは、立憲主義にかなうものではないかと私は考えます。
また、衆議院選挙の実施が四十日を超えて七十日以内という場合にも、緊急集会を開催することでしっかりと隙間を明文上埋めたいと思います。
本テーマでは、選挙実施が困難な事態に備えて、平時から選挙制度を強靱化することの必要性が議論されました。國重徹氏は、選挙人名簿のバックアップや郵便投票の拡充等を優先すべきとの選挙実施優先原則を主張し、参政党は国会機能維持のため東京以外にバックアップ機能・代替機能を置くことで対応可能との提案を示しました。古川あおい氏は、離島・在外・障害者等の投票アクセス困難への対応についても同様に真剣に検討すべきと指摘し、インターネット投票の導入等によって選挙困難事態の発生リスク自体を下げる発想が重要であると提案しました。両氏はいずれも選挙制度の強靱化を推進する立場を示しており、國重氏は強靱化を前提条件として位置づけ、古川氏はインターネット投票等の具体的手段を明確に主張しました。
個別の論点では賛否が分かれ、緊急事態条項の対象範囲や条文化の進め方、選挙困難事態における要件・手続をめぐって意見の相違が残りました。馬場伸幸委員は条文起草委員会の設置を強く求めましたが、共産党は現行のイメージ案作成手法自体に反対する立場を示しました。会長は討議終了を宣言し、新藤会長代理は来週の定例日に緊急事態条項イメージ案について再度討議を行うことを提案しました。
この要約はAI(自然言語処理モデル)を用いて生成しています。 要約の精度向上に努めていますが、解釈の違いや誤りが含まれる可能性があります。
必ず元の議事録本文もご確認ください。
○古屋会長 以上で衆議院法制局当局からの説明聴取は終わりました。 ―――――――――――――